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【屁散人さんのコメント】
特選 8 導水管朱夏のうなりを立て下る 山から引かれた導水管なんでしょう。 太い管の中を迸る水の音が聞こえる。 豊富な水量とその勢いのうねりは、朱夏そのものの力強さ。 普通選 4 青春のまた遠ざかる夏は来ぬ 14 藤房を二つ揺らして風通る 17 宵宮や提灯ほのと灯りをり 43 みどりごの爪の小ささ聖五月 48 巫女舞へば頭を垂れて祭衆 52 ポップコーン鍋を飛び出し五月来る
[421] 朱胤 > 選43、ありがとうございました。 (2024年06月05日 (水) 16時04分)
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【朱胤さんのコメント】
【特選】 14 藤房を二つ揺らして風通る なんでもないが、妙にリアル。惹かれる。なぜ「二つ」か。 【選】 6 夏来たる河原の石の火照りにも 「石の火照り」がすばらしい。 9 惜春や誰が呼び声に振り返る 詩的です。なつかしいような、せつないような気持ちになります。 16 夏浅き川底の砂揺れ止まづ 涼しげ。繊細かつういういしい。 36 この湾のどこかに五月の鯨ゐる 不思議感に惹かれます。「五月の鯨」がおもしろい。 45 歩道橋コの字に渡り青葉風 中句は、言われてみればそうだと感心しました。 49 花水木初めて挨拶交はす人 さわやか、現実感もある。 今月もありがとうございました。
[423] 屁散人 > 選、ありがとうございます!
6 夏来たる河原の石の火照りにも 先日水無川へ行った時の句です。清冽な川ですが、川原石に触れてみると温かく、夏のエネルギーがこめられているような感じでした。 (2024年06月06日 (木) 20時05分) |
【凡々さんのコメント】
特選 20 源流へ雲ぐんぐんと五月かな 生命力に溢れる夏の到来を力強く詠んでいる句だと思います。 選 19 楠若葉今日といふ日はまたとなく 30 鈴舞の手首のかへし風薫る 32 金色の日をふりこぼし黒揚羽 38 島若葉湧きたち鳶の声澄めり 43 みどりごの爪の小ささ聖五月 50 子等去れば青芝に蝶舞ひおりて
[422] 朱胤 > 選43、ありがとうございました。 (2024年06月05日 (水) 16時04分)
[424] 屁散人 > 特選、ありがとさんです!
先日吟行へ行った水無川の印象です。 (2024年06月06日 (木) 20時06分) |
【珍辰さんのコメント】
特選 20 源流へ雲ぐんぐんと五月かな 「源流へ雲ぐんぐんと」北アルプス最奥部黒部川源流を遠望しているようです。 夏に入って厳しい冬を乗り越えた生命力が溢れている句だと思います。 普通選 10 風光る獅子の舞ひたる中華街 「獅子の舞ひたる」ではなく「舞ひ行く」とすると動きが出るのでは 25 鳶職の木遣唄より神輿渡御 鳶職だと仕事の説明になるので、「鳶衆」としたら? 29 通し鴨夕日へひとり水脈ひろげ 「ひとり水脈ひろげ」は、やはり「ひとり」がいらないかな 32 金色の日をふりこぼし黒揚羽 なかなか良い句だと思うのですが、「日をふりこぼす」が今一つ思い描けないな 42 老鶯のこゑよく通る栄螺堂 会津の栄螺堂かな。うぐいすの良い声が響き伝わる様子が見えますね。 52 ポップコーン鍋を飛び出し五月来る 初夏のさわやかさや活気あふれる様子が伝わります。特選でもよいかと。
[425] 屁散人 > 特選、ありがとさんです!
水無川の風景だけど、北アルプスなんかだと迫力が違うね。 29 通し鴨夕日へひとり水脈ひろげ 確かに「ひとり」が取れると風景が大きくなりますね。感謝、深謝♪ (2024年06月06日 (木) 20時09分) |
【山本洋さんのコメント】
特選 32 金色の日をふりこぼし黒揚羽 黒アゲハの飛ぶ様子を「ふりこぼし」としたところが秀逸です。 しかも、初夏の光を「金色」として、 アゲハがそれを「こぼし」ながら飛んでいる美しさを見事にとらえている句だと思いました。 入選 29 通し鴨夕日へひとり水脈ひろげ 30 鈴舞の手首のかへし風薫る 36 この湾のどこかに五月の鯨ゐる 39 垂直の切口を見せ冷奴 45 歩道橋コの字に渡り青葉風 52 ポップコーン鍋を飛び出し五月来る |
【松子さんのコメント】
特選 35 姿見のわたしの背後すべて夏 新鮮な句です。ちょっと驚きながら、うれしくなりました。 入選 14 藤房を二つ揺らして風通る 素敵な描写ですね。 26 人つどひ森の泉に舞ふといふ ファンタジー。絶対に全員ヌードと思いました。 32 金色の日をふりこぼし黒揚羽 説得力がありましたが、具体的にイメージできなかったです。 36 この湾のどこかに五月の鯨ゐる ゐるんですね。ずっと待っていると潮を吹くでしょうか。クジラの気配を待っているのですね。 38 島若葉湧きたち鳶の声澄めり 一瞬切るところがわからなくて、戸惑いましたが、ああそういうことかと気がついて、いい句だなと。 43 みどりごの爪の小ささ聖五月 もうずるい。
[417] 朱胤 > 特選、入選26、43、ありがとうございました。 (2024年06月05日 (水) 15時57分)
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【まゆ子さんのコメント】
特撰 46 卓袱台に醤油差ある昼寝覚 いつものちゃぶ台と醤油さしのある風景が 時間がとまったような静物画に見えて強く印象に残ってしまいました。 入選 4 青春のまた遠ざかる夏は来ぬ 12 老鶯のこゑの澄みたる空仰ぐ 15 おぼろ月野毛の灯のせて大岡川 37 薫風や舞妓二人の下駄の音 43 みどりごの爪の小ささ聖五月 52 ポップコーン鍋を飛び出し五月来る
[418] 朱胤 > 特選とその評、入選43、ありがとうございました。 (2024年06月05日 (水) 15時59分)
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【犬客さんのコメント】
特選 52 ポップコーン鍋を飛び出し五月来る 五月は勢いのある月ですが、それをポップコーンが鍋を飛び出すことで表現した俳句はいまだなく、 芭蕉が唱えた「軽み」の句としても評価されます。 入選 6 夏来たる河原の石の火照りにも 8 導水管朱夏のうなりを立て下る 29 通し鴨夕日へひとり水脈ひろげ 41 庭の花皆切り供ふ母の日に 45 歩道橋コの字に渡り青葉風 46 卓袱台に醤油差ある昼寝覚 その他良いと思った句 2 鷹の絵の扇舞ひたり夏座敷 7 十薬や真昼の光跳ね返し 9 惜春や誰が呼び声に振り返る 10 風光る獅子の舞ひたる中華街 12 老鶯のこゑの澄みたる空仰ぐ 13 愛ずる人なくじゃがいもの花満開 14 藤房を二つ揺らして風通る 17 宵宮や提灯ほのと灯りをり 20 源流へ雲ぐんぐんと五月かな 21 わつしよいと子供神輿が近づきぬ 24 遠雷やばさと開きぬ舞扇 28 稚児舞の列短くも御田祭 30 鈴舞の手首のかへし風薫る 35 姿見のわたしの背後すべて夏 43 みどりごの爪の小ささ聖五月 今月もありがとうございました。
[419] 朱胤 > 入選46、予選35、ありがとうございました。 (2024年06月05日 (水) 16時01分)
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【芽笹のコメント】
特選 52 ポップコーン鍋を飛び出し五月来る 楽しく元気いっぱいの句です。 溌溂とした五月らしい光景が目に浮かびます。 入選 6 夏来たる河原の石の火照りにも 12 老鶯のこゑの澄みたる空仰ぐ 31 残照や蝙蝠の舞ふ岸に佇ち 42 老鶯のこゑよく通る栄螺堂 45 歩道橋コの字に渡り青葉風 48 巫女舞へば頭を垂れて祭衆
[420] 朱胤 > 入選31、ありがとうございました。 (2024年06月05日 (水) 16時02分)
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今月も投句・選句をありがとうございました。
5月もどうぞよろしくお願いします。 |
【まゆ子さんのコメント】
特選 4 クレーンの腕越しに建つ海市かな 蜃気楼がクレーンの腕越しに建っているという力強さに驚きました。 入選 2 繰り返す波それぞれに風光る 12 金縷梅の終りの雨が幹伝ふ 15 辛夷咲き林に光集まれり 22 田螺鳴く一年生の列光り 23 新しき春新しき鍵光る 30 春の夜やわずかな光ふくらめり 44 手を引かれ橋渡る婆山笑ふ
[401] 朱胤 > 23の選、ありがとうございます。 (2024年05月02日 (木) 18時05分)
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【犬客さんのコメント】
特選 4 クレーンの腕越しに建つ海市かな そんなこともあるかも。現実と非現実とのコントラストの妙。 入選 18 帰る雁水の光を残しけり 雁が一斉に帰った水面の寂しさを逆説的に表現しています。特選候補。 22 田螺鳴く一年生の列光り 田螺は実際には鳴かないようだが、一年生の列にエールを送っているよう。 32 だれしもの声に春あり光あり 元気の出る俳句。 38 花満てるひかりに病んでゐたりけり 鬱屈した変人。しかし、実際は病みながらも花見を楽しんでいるかも。特選候補。 40 あの人も膝の屈伸春の土手 読んで楽しくなる句。 50 歩道橋渡りつ触るる夕桜 実際感ある句。 その他良いと思った句 1 蚕豆のはな光ある世を厭ふ 蚕豆の花には黒い眼玉のような斑点があり、厭世観の目つきととらえたか。 2 繰り返す波それぞれに風光る 6 別れの手振って走る子風光る 7 水鳥の去り跡残す花筏 卓抜な表現。 10 桜餅土産に父の訪ね来る やさしい父親。 31 放哉忌春光射さぬ奥の院 確かに、ありうる。 34 囀に小さくなりゆく一墓かな 囀りの激しさを強調している。 42 花筏海に至りて鯛となる 断定の妙。
[397] 屁散人 > 選、ありがとさんです!
38 花満てるひかりに病んでゐたりけり 「鬱屈した変人」ってのがいいな♪ 今年もわが家で花見をしました。目白や雀がちょくちょくやってきて面白かった。満開の桜はどこか病的な感じがして、今の自分と重なりますね。 34 囀に小さくなりゆく一墓かな そうか!囀りの激しさには思い至らず。感謝♪ (2024年05月01日 (水) 09時35分)
[402] 朱胤 > 18、32の選、ありがとうございます。 (2024年05月02日 (木) 18時09分)
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【松子さんのコメント】
特選 15 辛夷咲き林に光集まれり 辛夷の花の明るさを共感しました。とても、好きな花です。 入選 4 クレーンの腕越しに建つ海市かな 19 春嵐去り破れ傘光りだす 20 夜の朧電池切れたる電子辞書 37 風やんで隣の尾根に若葉風 43 すみれ野の尽きるところの枯れ葉踏む 50 歩道橋渡りつ触るる夕桜 |
【凡々さんのコメント】
特選 22 田螺鳴く一年生の列光り 一年生の可愛らしさ、元気さがよく出ている句だと思います。 最近ではなかなか見られない風景かもしれませんが。 普通選 8 引鳥のならんで行くも美しく 13 春星座明日は泣かずにすむかしら 14 東京は光の街よ万愚節 25 琵琶湖には光あふれる日永かな 31 放哉忌春光射さぬ奥の院 45 春愁のわが独り言風が消す |
【山本洋さんのコメント】
特選 22 田螺鳴く一年生の列光り 広大な田んぼの広がる青空の下、新一年生のランドセルの列が通り過ぎてゆく。 振り返ったり、走ったり、ふざけ合ったりしている姿全てに、新鮮な光が降り注いでいる。 そんな光景を想像しました。 普通選 2 繰り返す波それぞれに風光る 12 金縷梅の終りの雨が幹伝ふ 24 初蝶のやうに光の海に出づ 32 だれしもの声に春あり光あり 45 春愁のわが独り言風が消す 48 古稀過ぎの花の光を厭ひゐる
[403] 朱胤 > 32の選、ありがとうございます。 (2024年05月02日 (木) 18時10分)
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【芽笹のコメント】
特選 23 新しき春新しき鍵光る リズムがよい句。 新しきの「あ」、春の「は」、鍵の「か」と明るい音の連なりもよい。 新年度の始まりを思わせる一句です。 7 水鳥の去り跡残す花筏 18 帰る雁水の光を残しけり 24 初蝶のやうに光の海に出づ 28 本当は立ち疲れたる葱坊主 31 放哉忌春光射さぬ奥の院 40 あの人も膝の屈伸春の土手
[398] 屁散人 > 選、ありがとうございます!
12 金縷梅の終りの雨が幹伝ふ 金縷梅は面白い花で、花が全部揃うまで散らないですね。その花たちが散ると生き切った感じ。 38 花満てるひかりに病んでゐたりけり 脳出血の後遺症で、明るい光が苦手になりました。満開の桜は決して明るい光ではないですが、その底にある昏さがのしかかってくる感じがあります。 (2024年05月01日 (水) 09時43分)
[404] 朱胤 > 23の特選、明快な分析、18の選、ありがとうございます。 (2024年05月02日 (木) 18時13分)
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【朱胤さんのコメント】
【特選】 24 初蝶のやうに光の海に出づ 主語は「われ」ですか。夢でしょうか、美しい世界ですね。 【選】 2 繰り返す波それぞれに風光る 「ひねもすのたり」ですね。 11 初蝶やその周りだけほの白し 淡さがよいですね。 12 金縷梅の終りの雨が幹伝ふ 春最初に咲く花の「終り」に惹かれます。 17 床に伏し春の夜明けを待っている お大事になさってください。 38 花満てるひかりに病んでゐたりけり 「ひかりに病む」とはすばらしい。 50 歩道橋渡りつ触るる夕桜 歩道橋の位置に枝があるのですか。黄昏の光に包まれる気持ちがします。 【惹かれた句】 42 花筏海に至りて鯛となる おもしろくて、不思議な句。 今月もありがとうございました。
[399] 屁散人 > 選、ありがとうございます!
12 金縷梅の終りの雨が幹伝ふ 実は金縷梅の花びらってあんなにたくさんあるのに、地上に散っているのをほとんど見たことはないです。花がみんな散って、葉に覆われるまで、雨は幹を伝い落ちるばかり。 38 花満てるひかりに病んでゐたりけり 満開の桜のもつあの昏い光は重々しく、特に曇り日なんかは余計そう感じますね。なんか自分の病気につながってしまいます。 (2024年05月01日 (水) 09時50分)
[405] 朱胤 > 屁散人様 →12 金縷梅について勉強になりました。
→38 桜の花の光の昏さ、重さについては、本当にそのとおりですね。金箔の光が含んでいる翳りも連想します。 (2024年05月02日 (木) 18時19分) |
【珍辰さんのコメント】
特選 28 本当は立ち疲れたる葱坊主 立ち疲れているのか、葱坊主は。そう言われると そうかもしれない、とどこか納得してしまう不思議な発見の境地ですね。 もちろん葱ではなく、作者も同じ生活の繰り返しの中で、 どこか疲れを感じているのでしょう。俳句らしい俳句ですね。 普通選 16 何処より三線の音桜南風 のどかな南の島の春の風景のようで、いいね。都会にいるのだろうけれど。 20 夜の朧電池切れたる電子辞書 いつも頼りにしてしまう電子辞書。電池が切れればただの塊。たよりない朧が似合うのです。 34 囀に小さくなりゆく一墓かな 囀りに小さくなるはずはないのだけれど、そう感じてしまう心情に共感しました。 38 花満てるひかりに病んでゐたりけり 満開の花はどこか昏いという印象がありますね。極めたゆえにあとは散りゆく儚さかな。 44 手を引かれ橋渡る婆山笑ふ 橋を渡ってどこへ連れていかれるのかわかりませんが、「山笑う」が幸せを呼び起こしていますね。 45 春愁のわが独り言風が消す 迷った一句。わが独り言の「わが」を消したほうが良いと思うのです。
[400] 屁散人 > 選、ありがとさんです!
34 囀に小さくなりゆく一墓かな 放哉のお墓はわりに大きなものだけれど、心の底に放哉のお墓をイメージしてましたね。 38 花満てるひかりに病んでゐたりけり 満開の桜は、薄い花びらが重なりあって、分厚いような気になります。それが暗さをもたらすのかも。 (2024年05月01日 (水) 09時54分) |
【屁散人さんのコメント】
特選 40 あの人も膝の屈伸春の土手 土手で膝の屈伸という何でもない動作が、それに春が加わると、伸びやかな大気に心解かれてゆく人が見えてきます。 ふと気が付けば、向こうの人も膝の屈伸をしている。 ああ、あの人も同じなんだ、気持ちがいいんだ! 春という季節がもたらしてくれた共感。 普通選 6 別れの手振って走る子風光る 14 東京は光の街よ万愚節 27 春浅き光を返す水の底 28 本当は立ち疲れたる葱坊主 48 古稀過ぎの花の光を厭ひゐる 50 歩道橋渡りつ触るる夕桜
[406] 朱胤 > 27の選、ありがとうございます。 (2024年05月02日 (木) 18時22分)
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今月も投句・選句とありがとうございました。
来月も、どうぞよろしくお願いします。 |