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【芽笹のコメント】
特選 3 はうれん草の纏ふ日差しも摘みゐたり いかにも栄養たっぷりなほうれん草。 お日さまの光も一緒に食べているのですね。 元気が出てきますよ。 入選 6 ほうれんさうの緑眩しき病み上がり 11 春風に髪を吹かれて退院す 16 春もバスも隣の町からやつてくる 31 江ノ電の海の光や春麗 41 煮浸しの菠薐草は母ゆづり 50 はうれん草一皿で足る祖父のあて |
【松子さんのコメント】
特選 11 春風に髪を吹かれて退院す おめでとうございますと言いたい。 きっと退院を喜んでくれる家族がいるんだろうな。 入選 1 嫌なもの親の小言とはうれんさう まんまなのですが、まんまでどこが悪いと思いながらいただきました。 6 ほうれんさうの緑眩しき病み上がり いいな、元気になりそう。 16 春もバスも隣の町からやつてくる 自分が隣の町へ行くこともありですよね。でも、待っている感じがとてもすてきです。 19 初午の火に相寄れる十余人 なんの寄り合いでしょうか。気になります。 25 春の灯をともせば月も濡れてゐる 春の月は格別ですね。 46 指太き手に積まれゆく菠薐草 力強い手。なんだか、うらやましいです。 |
【酔牛さんのコメント】
特選 11 春風に髪を吹かれて退院す 何事もなく家族と過ごす日々はとても素晴らしいことである。 健康を害して入院ともなれば、自分だけの不安では終わらない。 家族、友人、職場など多くの人に心配をかけてしまう。 今日、退院の日を迎えやっと普通の生活が戻ってくる。 そんな人の顔に春風が吹き、その風に穏やかな表情や髪の毛が吹かれいる。 素敵な日々が始まっていく。 普通選 5 涅槃図の奥に生活の僧の声 6 はうれんさうの緑眩しき病み上がり 30 法蓮草どつさり茹でて合宿所 45 菠薐草夕焼けの店に尻揃え 51 春の庭母の背丸く草を抜く 56 菠薐草嫌ひも父の背丈越え |
【犬客さんのコメント】
特選 13 春光やストレツチして吾と猫 猫の句に挑戦し続ける作者の執念を買います。 夏目漱石がストレッチしているような不思議なユーモアがあります。 入選 1 嫌なもの親の小言とはうれんさう 6 ほうれんさうの緑眩しき病み上がり 17 はうれん草茹でるにしても母のコツ 33 老いてなほ好き嫌いあり法蓮草 36 噛むほどに菠薐草の根の甘み 56 菠薐草嫌ひも父の背丈越え |
【凡々さんのコメント】
特選 16 春もバスも隣の町からやつてくる バスの本数がとても少ない山村を思い起こされます。 そこまで来ている春を待ちきれない気分が分かる面白い句だと思います。 普通選 2、27、30、31、48、52、 2 春の虹再会のごと思はれて 27 鳥影の東へ翔り春の朝 30 法蓮草どつさり茹でて合宿所 31 江ノ電の海の光や春麗 48 亀鳴くや何を言ふても伝わらぬ 52 すれ違ふ言葉の行方夏蜜柑
[570] 朱胤 > 16の特選、2の選、ありがとうございます!なんでも隣の町から来るような気がします。「隣の町」はドラエモンのポケットか?
(2025年03月03日 (月) 00時58分) |
【まゆ子さんのコメント】
特選 17 はうれん草茹でるにしても母のコツ ちょっとうっかりすると茹ですぎてくたくたになるホウレンソウ。 経験豊富な母親の微妙なコツは重要です。 入選 11 春風に髪を吹かれて退院す 12 豪雪や埋もれるままに父祖の墓 27 鳥影の東へ翔り春の朝 28 菠薐草在宅の日はグラタンに 44 梅東風やけふのうれひのあり処 46 指太き手に積まれゆく菠薐草
[576] 珍辰 > 今では私が茹でると妻に叱られます。 (2025年03月05日 (水) 09時17分)
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【風子さんのコメント】
特選 49 菠薐草愛して昭和過ぎにけり 子供のころの昭和時代は、今よりずっとほうれん草が食卓に出ていた気がします。 でも、ほとんどお浸しでしたね。 今は洋風にも料理したりして、私は大好きです。 入選 5 涅槃図の奥に生活の僧の声 7 春の雲空にも街のあるやうな 12 豪雪や埋もれるままに父祖の墓 14 十分の一に減らして年の豆 44 梅東風やけふのうれひのあり処 46 指太き手に積まれゆく菠薐草
[571] 朱胤 > 49の特選、7の選、ありがとうございます! 昔は人が今より素朴だったように思えるのは気のせいでしょうか。そうした時代と菠薐草のイメージが心の中で結びついています。話は変わりますが、菠薐草のカレーも美味しい。 (2025年03月03日 (月) 01時06分)
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【山本洋さんのコメント】
特選 52 すれ違ふ言葉の行方夏蜜柑 いくら話しても言葉がすれ違ってしまった頃が、遠い昔のように思われる。 青春の頃、酸っぱいが爽やかな春の匂いが漂っていたなと思う。 入選 3 はうれん草の纏ふ日差しも摘みゐたり 7 春の雲空にも街のあるやうな 11 春風に髪を吹かれて退院す 30 法蓮草どつさり茹でて合宿所 35 母の忌の晴るれば梅の匂ふこと 47 菠薐草人と話さず一日過ぎ |
【屁散人さんのコメント】
特選 56 菠薐草嫌ひも父の背丈越え 小さい頃は嫌いでも、中学、高校あたりの育ち盛りになると、コロッと変わることがありますね。 屁散人、肉、野菜はみんなダメで、ご飯に砂糖やあんこと載せて食べるほどの可愛い少年だったけれど、 伸び盛りからなんでもござれになりました。 句の少年が、菠薐草嫌いのまま大きくなったか、食べるようになったかは分かりませんが、 いずれにせよ、少年がいつの間にかたくましくなってゆく生命力を感じさせますね。 普通選 6 ほうれんさうの緑眩しき病み上がり 11 春風に髪を吹かれて退院す 29 如月やラジオ体操床のなか 34 角曲がり海光る道春うらら 48 亀鳴くや何を言ふても伝わらぬ 51 春の庭母の背丸く草を抜く |
【珍辰さんのコメント】
特選 56 菠薐草嫌ひも父の背丈越え ほうれん草というお題はなかなか難しいものでしたが、子供の成長の様子が的確に描写されました。 ただ、どうでしょう。法蓮草と成長という因果で表現すると散文的印象になります。「も」を消したい。 「父の背を越したり」を前にもってきては。 入選 7 春の雲空にも街のあるやうな 子供の純粋な目で見たような描き方が良いと思います。 23 日の落ちてくれば傷見え冬椿 どうして日が落ちてくると傷が見えるようになったの?と理屈ではそうなんでしょうが、 それが心象なのでしょうね。何となく惹かれる。 25 春の灯をともせば月も濡れてゐる これも前句と同様、理屈では説明がつかないとしても、月のしっとり感と春灯が響きあって ある種、独特の世界を醸し出していますね。 32 春眠や目覚まし時計転げ鳴る 少し実景に近い作で分かりやすく、かつ転げ鳴る時計に俳味があり、俳句らしくで良いと思います。 35 母の忌の晴るれば梅の匂ふこと 母モノ俳句は同情を集めて人気を得やすいけど、どこか手垢がついたものが多い中、 この作はちょっとやるじゃない、新境地発見というところ。理屈ではなく感動、共感が俳句の命。 無条件で、いいね。 47 菠薐草人と話さず一日過ぎ これもまたそのとおり。孤立する高齢者の姿そのとおり。私もこういう日がありうるもんね。
[572] 朱胤 > 7と25の選、ていねいな評、ありがとうございます! (2025年03月03日 (月) 01時08分)
[573] 屁散人 > 2つの選、ありがとざんす!
23 日の落ちてくれば傷見え冬椿 最初は「傷見せ」にしたけれど、ちょっと表現がきついかな、と思い「見え」にしました。でも、初案の方が良かったかなぁ、と今でも迷う今日この頃。 35 母の忌の晴るれば梅の匂ふこと お褒めいただき、感涙また感涙〜♪ (2025年03月03日 (月) 11時56分) |
皆さま、お待たせいたしました。
1月の句会の結果をアップしております。 どうぞご覧になってください。 寒中よりも寒い2月になりそうです。 皆さま、暖かくしてお過ごしくださいませ。 |
【酔牛さんのコメント】
特選 13 初笑ひ逆立ちする子臍見えて お正月に集う親戚の人々、兄や姉、弟や妹そしていとこの子どもたちが集まればいよいよ遊びがはじまる。 カルタ・トランプ・双六は今は昔か。今ではオンラインゲーム、バーチャルゲームが主流であろう。 しかし子どもたちの遊びは無限…遊びの達人の子どもたちは白紙のステージに独特の空間を生み出す。 部屋に川が流れ、庭に海が広がることもあるだろう。 逆立ちも競い合いになる、臍が出るのは子どもの特権、臍が出てしまう初笑いは実に楽しい。 普通選 3 餅焼けば子規庵の庭鶉の子 17 勤厳の鼻がふくらみ初笑ひ 19 冬夕焼見てゐし人も消えにけり 20 微動だにしないクレーン初御空 34 山裾へ続く枯野に西日差す 40 道の端を歩けば道の端のなづな |
【屁散人さんのコメント】
特選 19 冬夕焼見てゐし人も消えにけり 人が「去る」ではなく「消える」というのは、不気味と言えば不気味。 冬の夕焼はすぐに色あせてしまうけれど、それを見ていた人も一緒に消えてしまうとは! その人は冬夕焼けの化身だったのでしょうか。 何とも不思議な句。 普通選 20 微動だにしないクレーン初御空 23 冬窓を薄日の差せば人通る 27 校庭の鉄棒高し冬休み 35 彼方より声せる心地初山河 45 初笑ひ祖母の真白き総入れ歯 48 雲白き欅の空や春隣
[554] 朱胤 > 特撰、ていねいな評、23、27、35の選、ありがとうございます!
人が「消える」としたのは、今日消え行くこの夕焼を見ている人も、やがて日が暮れれば立ち去るという意味と、将来いつの日か亡くなって消えるという意味とを重ねています。そして将来の「消える」瞬間を、夕焼を見ている現在が既に含んでいるように思える、ということでもあります。 (2025年02月06日 (木) 13時19分) |
【まゆ子さんのコメント】
特選 20 微動だにしないクレーン初御空 新年の澄んだ空気の中まるで空にむかってクレーンがたっている。この光景がくっきりと心に残りました。 入選 5 初富士に向かひて薪割りスクワット 9 湯気立ての薬缶怒りを噴くごとく 10 初星やガザの子どもに光あれ 28 笑ひ初めどさりと屋根の雪落ちる 35 彼方より声せる心地初山河 49 初場所やどすんと坐る勝ち力士 |
【朱胤さんのコメント】
【特選】 34 山裾へ続く枯野に西日差す しみじみとした景色、しみじみとした時間です。 【選】 12 行く年の太平洋が凪ぎ始む 雄大でのびのびした気持ちになります。 20 微動だにしないクレーン初御空 大きく力強い景色が正月らしい。 26 新年の訛る挨拶初笑 同郷の人と新年の挨拶をかわせるのはうらやましい。電話ですか。 48 雲白き欅の空や春隣 春の気配、うれしいですね。 51 曾孫来て遺影の父祖の初笑ひ 写真の中のかしこまったご先祖様の顔が緩んだのでしょうか。シュールに受け止めました。 52 玻璃戸越し目さまし赤子初笑い 保育器の中の赤ちゃんでしょうか。小さな命が輝いています。 【惹かれた句】 16 初笑雑煮の味つけ忘れをり 共感します。笑ってばかりもいられない。 41 泣き上戸笑い上戸も初笑ひ すっかり出来上がったのでしょうか。めでたさが伝わります。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。
[551] 屁散人 > 12 行く年の太平洋が凪ぎ始む
選、ありがとうございます! かような心であれば安泰ですが、なかなかねぇ……。 (2025年01月31日 (金) 18時35分) |
【芽笹のコメント】
特選 35 彼方より声せる心地初山河 新年、どこまでも続く雪野原。誰一人いない真っ白な世界を縁取る山々。 静かな世界に佇めば遠くで何かの音がする。 まるで誰かがささやくごとく。 4 笹鳴きや覗けば藪の闇動く 12 行く年の太平洋が凪ぎ始む 17 謹厳の鼻がふくらみ初笑 25 輪投げの輪ころころ転げ初笑ひ 34 山裾へ続く枯野に西日差す 49 初場所やどすんと坐る勝ち力士
[555] 朱胤 > 特選、ていねいな評、49の選、ありがとうございます!
花を見つめれば花が私に視線を返してくるような気がする。おおいなる静けさに耳澄ませば、静寂が一つの声になるように思えます。 (2025年02月06日 (木) 13時42分) |
【松子さんのコメント】
特選 38 指十指はめたる指輪初笑ひ やってみてごらんなさい。どんなに自分の指が太くなっているのか。 どんなにおもちゃみたいな指輪を大事にしまっているのか。 もう、大爆笑。お正月に孫に授けようと宝石箱を開ける。 で、思い出を語りながら一本ずつ指にはめていく。 ほーらごらん、これがばあちゃんの…青春よお💛 選 9 湯気立ての薬缶怒りを噴くごとく なるほど、怒っていますね。 火の用心のために、電気ポットにされてしまったので(ここ大事)、淋しい。 14 志ん生を聴く曽祖父の初笑ひ 目に浮かぶようです。団欒…ポエムですね。 28 笑ひ初めどさりと屋根の雪落ちる よっぽど笑ったのでしょうね。それも大人数で。あこがれますわ。 30 年の夜の無辺の闇も鐘の内 言いようがない寂寥感です。 34 山裾へ続く枯野に西日差す 現実には見たことがないけれど、とても共有できます。それぞれに共有できるのでしょうね。 49 初場所やどすんと坐る勝ち力士 荒い息としょっぱい汗が飛んできそうな、テレビの画面からも。なんかお目出たい。
[552] 屁散人 > 9 湯気立ての薬缶怒りを噴くごとく
選、ありがとうございます! こう乾燥する毎日だと、薬缶の湯気を浴びるだけで鼻がす〜っと楽になりますね。湯気がかっか噴くとこちらも気合いが入ってくるような♪ (2025年01月31日 (金) 18時38分)
[556] 朱胤 > 30、49の選ありがとうございます!除夜の鐘を耳で追いかけると、気が遠くなるような感じがします。 (2025年02月06日 (木) 13時47分)
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【凡々さんのコメント】
特選 41 泣き上戸笑い上戸も初笑ひ こんな風にみんなで初笑いをすれば今年一年がわらって過ごせるいい年になるのは間違いなしでしょう。 普通選 12 行く年の太平洋が凪ぎ始む 13 初笑逆立ちする子臍見えて 30 年の夜の無辺の闇も鐘の内 48 雲白き欅の空や春隣 49 初場所やどすんと坐る勝ち力士 55 煎餅を一人食ひをりクリスマス |
【山本洋さんのコメント】
特選 49 初場所やどすんと坐る勝ち力士 この重量感が圧倒的。翔猿じゃない気がしますが、言葉だけで これだけの質感を出せるのは凄い。 入選 1 初笑ひ子供じやないと孫がいふ 4 笹鳴きや覗けば藪の闇動く 33 初笑ひジャングルジムの四姉妹 48 雲白き欅の空や春隣 51 曾孫来て遺影の父祖の初笑ひ 52 玻璃戸越し目さまし赤子初笑い
[557] 朱胤 > 特選ありがとうございます!勝ち残りの力士をテレビで見たまま句にしてみました。 (2025年02月06日 (木) 13時49分)
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【珍辰さんのコメント】
特選 55 煎餅を一人食ひをりクリスマス 世はクリスマスだ、ケーキだ、ホームパーティだと騒がしい中、 ひとり煎餅をかじっている侘しさ。でもどこか世間の潮流に流されぬ 反骨心が見えて、一人でも逞しく生きていると実感させられる作品ですね。 普通選 4 笹鳴きや覗けば藪の闇動く 13 初笑逆立ちする子臍見えて 19 冬夕焼見てゐし人も消えにけり 25 輪投げの輪ころころ転げ初笑ひ 26 新年の訛る挨拶初笑 47 振り出しに戻る賽の目初笑ひ 48 雲白き欅の空や春隣
[553] 屁散人 > 特選、ありがとさんです!
クリスマスといったって特に嬉しいでもなく楽しいでもなく。一人煎餅を食べておりました。最近、濡れせんべいもレパートリーに入った(笑) (2025年01月31日 (金) 18時39分) |