松天OB会掲示板

松山高校地学部OB会掲示板(2022年7月30日teacup掲示板から移行)

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第3機材(P2赤道儀2軸化・電気編)

今回は、電気編をご紹介いたします。

1,OnStep-X(赤道儀コントローラー)
天文ガイド誌連載で紹介されているOnStepの最新版(OnStep-X)を採用しました。
ATLUXでは、ディスクリート(各種電子部品の組合せ)基板とOnStepの組合せでしたが、
下記理由でOnStep-Xにバージョンアップしました。
同時に、ATLUXもOnStep-Xにバージョンアップしています。
・単純に「新しいモノ」を試してみたい。
・OnStep-X作者推奨の「FYSETC E4」基板は簡単そう。
・SWS(Smart_Web_Server)機能を使ってみたい。
→ATLUXで採用した回路の場合、SWSを動作させるためのデバイスが技適(技術基準適合)
を通っておらず、日本国内では使用不可でした。
一方でOnStep-Xって、情報不足は否めないのですが、ATLUX用PCをWindows11マシンに
バージョンアップした際に、うまく動作しなくなったので、「前に進むしかない」
という思いで取り組みました。
実装:
・タカチ製プラスチックケースに組み込んでいます。
・RTC(Real_Time_Clock)モジュールが遊休状態だったので組み込みました。
・モーターとの接続は、中継ケーブルを作成し、ケースを開けずに取付&取外しが可能
です。
・中継ケーブルとモーターとの接続部は、中継コネクタの形状・ピン数・極性を変えて、
誤接続を防止しています。
・ケース底面には、オムロン製DINレール取付板をネジ止めし、DINレールへワンタッチ
で取付&取外し可能です。

結果:
・「FYSETC E4」は、半田付け無しで、赤経赤緯、フォーカーサ2台の合計4台のモーター
を駆動出来ました。
→フォーカーサーは、ASCOM経由でモーター切替が少々煩わしかったので、1台のみ使用
し、もう1台は、従来から採用しているmyFP2ESP32というフォーカーサを使っています。
・モータードライバーはTMC2209なので、兎に角静かです。
・SWSは、モーター減速比・モーター回転方向・パーク位置設定・モーター駆動電流等々
がWebブラウザ経由で変更できるため、とても便利です。
・N.I.N.A.、SharpCap、FireCaputer等の撮像ソフトから、ASCOMドライバー経由で
赤道儀・フォーカーサ共に制御出来ます。
・PHD2にも対応済み。
・ST4端子を持てないため、初期のSHC(Smart_Hand_Controller)は使用できない。
・SHCは、最新ファームウェアにバージョンアップすると、OnStep-XをWiFi経由で
コントロール可能。(詳細はSHC項参照)
最初は、WiFi接続回りで躓きましたが、ここをクリアした後は、「バージョンアップ
して良かった」と思えるように成りました。
関連URL:
https://onstep.groups.io/g/main/wiki/32747


2,SHC(Smart_Hand_Controller)
OnStep/OnStep-Xには、SHCというユニットがサポートされています。
「Sky-Watcher ハンドコントローラー」と同様にマイコン(EPS32)を搭載したハンド
コントローラーです。
私のSHCは、ATLUX/OnStep用に作成した旧タイプなので、ST4インターフェースで
OnStepコントローラーと接続するタイプです。
最近はSHC2という、バッテリー&WiFi対応の最新版が開発されていますが、
SMT(表面実装)部品が採用されているため、ディスクリート製作は困難です。
そこで物は試しと、旧SHCへ最新SHC2ファームウェアを組み込んだところ、WiFi経由
でOnStep-Xとの接続が可能と成りました。
接続先のOnStep-Xユニットは、3個まで設定出来て、SHC起動直後に選択出来るように
成りました。
ATLUX用&P2用OnStep-Xを並べておいても、それぞれに接続&制御出来ます。
SHCの電源は、USB経由で供給出来るように改造して、ON/OFFスイッチも追加しました。
こうすることにより、リビングからリモート接続でOnStep-Xをコントロールしながら、
SHCでコントロールも出来るようになり、より便利に成りました。
関連URL:
https://baheyeldin.com/astronomy/onstep-esp32-smart-hand-controller-shc.html
https://onstep.groups.io/g/main/wiki/7152

3,myFP2ESP32(フォーカーサ)
従来から使用しているフォーカーサです。
ESP32マイコンを搭載し、WiFi経由で動作します。
合計8台目と成りますが、各フォーカーサには個々のIPアドレスを割り当てていますの
で、どのPCからも制御出来ます。
ASCOMドライバーもあるので、N.I.N.A.、SharpCap、FireCaputerからも制御出来ます。
OnStep-Xでは、2つのフォーカーサをASCOM上で切り替える場合、一旦撮像ソフトを終了
しないと切り替え出来ないので、C8用フォーカーサをmyFP2ESP32に変更しました。
こちらも、タカチ製プラスチックケースに実装し、且つオムロン製DINレール取付板経由
でDINレールへ取り付けています。
関連URL:
https://sourceforge.net/projects/myfocuserpro2-esp32/

4.PC
ウェイトを兼ねて、超小型PCを搭載しました。
採用した超小型PCは、「HP ProDesk 400 G5 DM」。第9世代のIntel/Core5_CPUを搭載
しています。
最近流行しているミニPCでも良かったのですが、信頼性を重視してHP製を採用して
います。
Windows11_ProとWiFiを内蔵していますので、リモートデスクトップ経由ですべての操作
が可能です。
この時、PCにはI/Oデバイスを認識させるために、無線マウス用USBアダプター、
無線キーボード用USBアダプター、ディスプレイ用DisplayPortダミープラグを接続して
あります。
PCを赤道儀へ搭載すると、CMOSカメラのUSB3ケーブルが純正品の長さで使用できるよう
に成るので、安定した高速キャプチャリングが可能に成ります。
ZWO製ASIAIRやアストロアーツ製GearBOXと類似コンセプトですが、Windowsマシンなので
汎用性に優れていると思っています。
異なるカメラ、好みの撮像ソフトや天文シミュレーションソフトを組み合わせることが
出来ます。
弱点といえば、ZWO製初期EAFがASCOM非対応なので使えないという事かもしれません。
→最近「ZWO New EAFスタンダード」がASCOM対応に成ったようですね。
なを、データ領域用として500GB_HDDを搭載したので、容量を気にせず動画撮影が出来
ます。

5.ケーブル配線
最近の撮影システムは電子デバイスを多用するため、ケーブル配線のお化けと成りま
す。
このため子午線反転を自動で行おうとすると、「ケーブルが赤道儀に絡んで最悪断線」
となる危険性があります。
この対策として、私は次の対策を施しています。
・各種ケーブルを鏡筒先端側に集約させる。
・ケーブルは結束バンドで整形して、ウェイト側へ渡らせる。
・ウェイト側からケーブルを地上(床上)へ降ろす。
可動部のケーブル長を適切に調整すると、ケーブルが赤道儀に絡む危険性が激減しま
す。
トータルケーブル長は長くなるデメリットが有りますが、ケーブル断線の危険性よりは
優位性があると思っています。
GN26sやATLUXも同様の対策を施しています。
今回のP2赤道儀改造では、まだ赤緯クランプ部へ絡む危険性が残っているので、今一歩
改善したいと思っています。

やまぎし [329] 07/15/(火) 11:48:50



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