[457]2004/12/12(日)　　　何が言いたいというわけでもなく

「相手の立場に立って考える」ということはとても難しい。
本当に相手の立場を想定しようとすると、相手の思考、言動、環境など、全てをそっくりそのままトレースしないといけないからだ。
自分だったらどうだろうかと考えることは、相手の立場では全くなく、相手と自分を単に置き換えているだけのことである。
それでは相手の立場に立ったなどとはいえない。
考えているのは相手ではなく自分だからだ。
相手の立場に立って考えた結果出てくる答えは、自分が出したものではなく、相手が出すであろうと予想される答えでなければならない。
それには、相手になりきる必要がある。
それは思いやりだけではけして到達できない。
むしろ思いやりは邪魔で、配慮といったよけいなものがあっては相手の内部まで食い込んだ思考は出来ない。

そんな思考をするには、鋭い観察眼と、人生経験と、多くのタスクを同時に処理できるメモリがなければならない。

そのどれもが、私にはない

[2004年12月12日 (日) 23時47分]