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ビヤガーデンのマスターをしてたら
先月亡くなられた神楽会員の御遺族が来て
「おかめ」の人形を置いていった。
今日が四十九日だそうだ。
太鼓の名手と言われた佐藤さんには
生前さんざん世話になった。
この諏訪神社の祭礼の時期には
玄関に「おかめ」の人形が飾ってあって
その出来栄えの素晴らしさに息をのんだものだ。
もう十数年も前に亡くなられた奥さんが人形作家で
御主人の舞姿を人形に拵えたものらしい。
それは単に忠実な考証を超えて、まるで
「おかめ」がそこで舞っているかのように見えた。
晩年の省二さんは八十八歳での一人暮らしだったが
最後の最後まで地域と伝統を支え続けていた。
決してお荷物では無かったと葬儀で遺族に言った。
おびただしい数の人形たちはそれぞれ
親戚に貰われて行くことになったが
世話役は「おかめ」を置いてゆくよう頼んだ。
この人形は諏訪神社に飾ってこそ生きる筈だ。
予約済みで散逸寸前だった「おかめ」は
こうして世話役の手許にやってきた。
久々に心底うれしかった。
おおきなお世話役 [7304] 09/02/(火) 01:34:22
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