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恒例の「クリスマス・アドベント」の日なのに 朝からみぞれ混じりの雨が降りしきる。 ときどきピュ〜ンと冷たい風も。
こりゃ吹きっさらしの能舞台じゃ凍死すると 急きょ冬囲い。 オヤジさんちのハウスのビニールは 肉厚で光をよく通す。
できた! アドベントは午後からだが、 その前にタキギ割りしようと 早出してきたお父さん達のお陰で助かった。
いよいよ始まる。 ドンチャン騒ぎのクリスマスしか知らない 世話役にとって、 このアドベントは何度見ても新鮮な驚きだ。
モミの枝の渦巻きの中心から 子ども達が1人ずつリンゴローソクを置いてゆく。 白夜で春を待つ北欧の季節行事らしい。 シャイなさこちゃんは、3年目にして 初めてこの単純な作業をやり遂げた。
イベントのあいだ中、 あの元気な子ども達が身じろぎもせず 黙って他の子を注視している。 静けさの中で、ただ だっこちゃん先生の 1人ずつ子ども達の名前を呼ぶ優しい声が聞こえるだけ。説明は無い。 みんな自分の果たすべき役割を 3歳の子まで自分で考えて理解する。 そして名前を静かに呼みあげられると 極度の緊張感に包まれてローソクを受け取り、 渦巻きの季節の中に置いてくる。 それだけの事だが みんな表情や仕草が微妙に違っていて なんだか性格のヒダまで映し出しているよう。 だから、あの賑やかなさこちゃんが ほんとはとっても繊細な少女なんだとバレてしまう。 えらかったね、森で勇気ができたね。
おおきなお世話役 [4588] 12/21/(火) 20:35:34
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