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投稿日:2003年02月27日 (木) 13時13分
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【転載】長文スマンm(__)m
噺家の林家菊蔵(はやしやきくぞう)氏をご存じだろうか。この人によると人間の怒りは、だいたい20分くらいで治まるのだという。本人によるとこれは医学的な学説であるという(本当だろうか?)。そんな菊蔵氏の体験を紹介しよう。 菊蔵氏はあるとき、「日本ラーメン党」なる組織をおこした。もちろん認可を受けた財団法人でもなければ、公益法人でも何でもない。本人が勝手にでっちあげた実にあやしげな団体である。そこで組織に箔(はく)をつける為、菊蔵氏は当時影の総理といわれ事実上の日本のドンであった田中角栄氏に「日本ラーメン党」の名誉会長に名を連ねてもらおうと考えたのだった。 なんとか画策して角栄氏に面会の約束を取り付けることができた。日本の最高実力者の角栄氏だから会いたい人間は多い。早朝に面会時間があるのだが、一日で数十人並ぶのだ。よって一人に与えられた面会時間はたったの5分であった。よけいな事を言う暇はない、菊蔵氏は角栄氏に会うや、短刀直入に、
「日本ラーメン党の名誉会長になっていただけないでしょうか?」
と切り出した。すると、角栄氏は一瞬絶句したあと、顔が真っ赤になり、それからスーっと青くなっていったのである。菊蔵氏は直感した。心の中で、やばい、怒ったぞと叫んだ。 角栄氏は、最初は静かな口調でこう切り出した。
「君ねえ、確かに儂は中国に行った。それは中国との国交回復のためであって、ラーメン喰いに行ってたんじゃないぞ!!!」
と言うと、それから怒り爆発で、声を荒げて怒鳴りまくりが始まったという。菊蔵氏にとって不運だったのは、この日はなんと、角栄氏の派閥の造反があった日だったのだ。角栄氏の120余名を有する自民党最大派閥から、その懐刀と目されていた竹下登氏が40名ほどを連れて派閥の離脱を宣言した日だったのだ。角栄氏にとっては人生最悪の日の一つといってもいい日である。そうでなくても怒り爆発寸前のところに、人をくったような顔した男が、日本ラーメン党のなんのかんのとうあほらしいことを言ってきたのだから、「ふざけた事言ってんじゃねえ、ばかやろう!」と言いたくなるのも無理からぬことであった。 さてこれからが菊蔵氏の腕の見せどころである。こういう状況は嵐と同じで、頭を低くして嵐が頭の上を通過していくのを待つのが一番いいのだという。菊蔵氏は、頭をうなだれて角栄氏の怒鳴りまくりを柳に風と流しながら、ちらっと時計をみて20分ほどたったことを確認して、もうそろそろいいだろうと、切り札を切った。
「先生、会員が5万人います」
それを聞いて、角栄は、はっとした表情をして、今まで怒り狂っていたのが嘘のように、機嫌を直して、
「君い、それを早く言いたまえ〜。よっしゃ、その話うけようじゃないか」
と言ったのだという。 いやはや、菊蔵氏の手腕に脱帽である。
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