このサイトの管理人、表具師かっぱの日記です。
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別冊 表具師かっぱの「脱 三日坊主 宣言!」もちまちま更新中
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今日は、一級建築士の山隈直人さん(kt 一級建築士事務所)が手掛けている家に襖を納めるために、朝から十三まで行ってきました。今回の仕事は、「縁無し襖」の新調がメインです。
普通の襖は四方に縁が付いていますが、茶室の「太鼓張襖(たいこばりふすま)」のように縁を付けない特殊な襖があります。これが別名「坊主襖」ともいう「縁無し襖」です。「太鼓張襖」は下張り、上張り共に白紙(障子紙や奉書紙)を使いますので光を通すのですが、「縁無し襖」は縁が無い以外は普通の襖ですから、光を全く通しません。(縁が無い分、製作には手間と時間が掛かりますが…)
この「縁無し襖」、若い設計士さんに人気があるようで、洋室、和室を問わず使用されるケースが増えてきました。特に洋室などでは動く壁として、床から天井まで届く高さのものや、幅が2メートル程あるもの、上張りに布地類やビニールクロスを用いるものなど、自由な発想で今までの常識では考えられない使われ方をされるケースが増えています。
背が高かったり、幅が広かったり、裏と表で張る上張りが違ったりするとどうしても反ってしまう虞があるので、下地を作るところから気を配らなくてはなりません。また、上張りも1枚では張ることが出来ず、何枚かを接いでやる必要もあります。そういう事を知らない設計士さんも実際には居るので、表具師の側からアイデアを提供する事も多いです。(もちろん金額的な事もしっかり話し合わなければ後々トラブルの元になります)
今回の仕事も、設計士さんがイメージしているものを実現する為に、色々とアイデアを提供しました。言われた仕事が出来ると言うのは表具師として最低限必要な能力ですが、これからは襖を扱うプロとして、実現不可能なものに対する代替案や、より良いデザインなどのアイデアを提供して行くのも必要になってくるでしょう。そのためにも日々新しい事に挑戦し、知識と技術を磨かねばなりません。そうする事で仕事の幅も広がり、次の仕事に繋がるのです。今更ながらですが毎日が勉強ですね。