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[388] 投稿者:春菜 - MEMORI-


1 始まりの物語
ここは、花村第1小学校の5年A組の教室。
生徒たちがギャーギャー騒いでいる教室には1人静かに先生を待っている生徒がいた。
「先生おせー」 
とつぶやいた生徒の名前は山下(やました)翔(しょう)。運動が得意な普通の男子。
今日は4月7日。
やっと学校が始まって5年生になった。
1学期の初めだとゆうのに先生がおそい。
ガラッドアが開くと今までさわがしかった教室がいっきに静まる。
先生がきた。
廊下側のすりガラスに人影が見える。
転校生だろう。
すりガラスのせいで顔までは分からないが女の子のようだ。
「皆さん、おはようございます。今日から5年生ですね。仲良くやっていきましょうね。今日から新しいお友達がふえます。星村さん、入ってください。」    
5−Aの担任の先生は山野(やまの)美(み)湖(こ)とゆう若いきれいな女の先生だ。
すごくやさしいと生徒からの評判もいい。
少し間をおいてガラッまたドアが開く。 
するとさっきまで廊下に立っていた女の子が教室に入ってきた。
その瞬間教室がざわついた。                  
かたまであるピンクと黄色の髪。目の色も髪と同じきれいな色…                                            
一瞬見とれてしまうほど可愛くて…みんなが我にかえったときは女の子が先生に言われて自己紹介をし始めるところだった。         
「星(ほし)村(むら)未来(みらい)です。まだ、この町のことをよく知らないので色々教えてください。」
けして大きくないけどよくとおる女の子らしい声だった。
「みなさん星村さんと仲良くしましょうね。」
「はーい!」
全員で返事をした。  
「星村さんの席は村野(むらの)(流(る)実(み))さんの隣です。」
「は〜い!」
下校途中、前にあの子がいた。
転校初日だとゆうのにもう友達と帰っている。
(星村さんと一緒に帰っている子は村野さんだ。あの子の隣の席だしな)
家に帰ったら翔はすぐ寝た。
宿題が無かったからいいんだけど…
次の日、学校に行く途中に翔は会ったのだ…あの転入生に…
「あの…えっと…山下翔君だよね?」
ときかれたとき翔はほんとにビックリした。
まだ1回も話したことが無いのに翔の名前をフルネームで完璧に覚えているなんて…まぁそれはそれでうれしいけど。
当たってたから1回うなずくと
「おはよう!じゃあまたあとでね〜!」
と言って走っていってしまった。
学校に着いた、すでに星村未来(さん)は学校にきている。
翔にはもう1つビックリすることがあった。
たった1日しかたってないのに50人以上いる5年生全員の名前を覚えていた。(もちろん翔ノように一回も話したことがない生徒もいる)
未来は翔が来たことに気がついて話しかけてきた。
「あのね〜翔って呼んでいい?」
ときかれた。一瞬「えっ」と思ったけど「いいよ」と言ってしまった。
「私のこと未来って呼んでね!」
そう言って未来は村野さんの所に走っていった。
1時間目の授業が終わって休み時間になった。
未来たちが話している。
村野さんの顔が少し赤くなっていた。
話し声がかすかにきこえた。
「未来〜私○○君が好きなの…協力してくれる?」
「OK協力したげる!」
未来が言うと村野さんは「ありがとう」と頭をさげた。
「何かほしい情報ある?」
「えっと…とにかく何でもいいから探ってきて!」
「わかった!調べてくる!」
その後未来が坂口良と話をしている。
きいた事はメモを取って。
そしてそれが終わると「ありがとう」と言ってとびっきりの笑顔を見せて村野さんの所に戻っていった。
坂口は、その笑顔の可愛さに赤くなってボーっと突っ立って
「じゃま!」とか「どけ!」
なんて言われながら皆にドンドン押されていた。
ちなみに I.LOVE坂口隊とゆう変な名前の親衛隊5人はその坂口をみて赤くなって「キィー!!!」と叫びながら怒っていた。
2時間目の授業は体育。
皆、外に出てリレーのチームを決めるためにコートの半分を走ってタイムを計っている。全員が走り終わった。
先生がどんどん名前を読み上げていく。チームが決まった。
結局未来は翔がいるCチームに入ることになった。(翔はBチーム)
未来と翔以外の生徒は速くて20秒台、未来と翔は10秒台だった。
未来のすごいところはスピードだけではない。
体力もかなりすごい、それは見ていれば分かることだ。
全員走ったせいで息を切らしているのに未来だけが息もふつう、汗すらかいていない。
未来の体力がすごいと分かっていたのは翔だけじゃなく、クラスの全員が分かっていることだった。
その日Cチームは1人田村きよとゆう女の子が休んでいた。
田村きよとゆう生徒は体が弱いらしく1年のときからよく休んでいた。
田村きよは、ほとんど外で遊ばず中で本を読んでいる生徒だ。
本人も「運動は苦手」と言っている。
まあその田村きよの分を走るのが未来になったわけだ。
1人100m走るのだが未来は2人分で200m走る事になった。
休憩タイムが終わった。
「リレーを始めるー!!!」
とゆう先生の声でスタートの旗が動く。それと同時に初めの1歩が前に出る。
Cチームは2位。Bチームは1位。
全チームのバトンがどんどんわたってゆく。
Cチームのバトンがアンカーの未来にわたった。
翔の.耳元で「ビュン」っと鳴って砂ぼこりがまった。
未来が走り出したとき翔と未来の間は約40m。
あっという間に未来はBチームのアンカー翔とならんだ。
振り返ると今までいたはずの未来がいない、2位だったCチームが1位になっていたのだ。
チームはCチームを入れて4チーム。
その中のだんとつ1位だ。
「すごいスピード…」
翔はつぶやいた。
「女の子でこんなに速い人はじめて見た…」
どうやらビックリしているのは翔だけではないらしく皆ボーゼンとしている。
体育の授業が終わって教室に帰るとまた未来の机の周りに人の集まりがあった。
放課後。
(今日は未来は1人で帰るみたいだな…)
と思って翔が目をはなしたらまた未来がいない。
あたりを見回す…だけどいない…1人男がいるだけ…
(あの男…あやしいよな?)
と思って翔は男の後をつけることにした…やがて男は古ぼけたマンションに入って行った。
(声が聞こえる!)
翔はそう思って見つからないように息をひそめる。
「ここ…どこ?」
「さ〜?どこでしょう?」
「ちゃんとこたえて!!!」
男は話をそらした。
「キミのその腕輪を調べたいんですよ…」
「この腕輪を?」
男は1回コクンとうなずいた。
「ムリよ!これはお母様とお父様にもらった物だもん!」
(そうよ…どこにいるか、生きているのかさえも分からないお母様とお父様にもらった…)
「話しても無駄なようですね…ある方の命令ですからね…力ずくでもいただきます!」
「いやー!!!」
バッ!翔は思わず男と未来の間に飛び出していた。
「こっちだ!速く!」
と言った時にはもう未来の腕をつかんで走り出していた。
だが追いつかれるのも時間の問題だ。
「かくれよう!!!」
「う、うん…」
声が震えている…未来も女の子だしさっきの出来事はやっぱり怖いらしい。
「大丈夫?」
翔は心配してたずねる。
「あっ大丈夫だよ…さっきは…ありがとう」
未来はムリに笑顔を作る。
「うん…それよりさっきの男だれ?」
翔は未来が気を使っていると分かっていたからなるべくやさしく声をかけた。
「私は知らない…でもこの腕輪をねらってた…お母様とお父様のこと知ってる人かもしれない…」
さすがに未来に元気は無い。
「家の場所知られてない?」
「最近、後つけられてるのは知ってた…でも知られてないよ…」
「じゃあケータイ番号とメアド教えるよ。なんかあったら連絡してくれ。」
「うん、はい、私の番号とメアド…」
2人は自分の番号とメアドを紙に書いて交換した。
翔には未来がとても悲しそうに見えた。
「翔…今日のことはヒミツにしてほしいの…警察に届けるつもりもないし…」
未来が言った。
「えっ…でも…警察には届けたほうがいいんじゃ…」
予想外の言葉に翔はビックリしている。
「ううん…これはこの世界の問題じゃないから…この世界じゃ解決できないから…警察なんてこの問題じゃあ、あてになんないよ」
未来の声が一瞬小さくなった。
「えっ」
「ううん…なんでもない…」
未来は平然としていが、翔には違和感が感じられた。
「危ないから送っていくよ。」
と翔が言うと未来は「ありがとう。」と言って笑顔を見せた。
翔はその笑顔で少し安心した。
(立ち直りがはやいな…)
未来がムリに笑っているのを翔は分かっていたけれどなぜか安心してしまうのだ。
未来はお母さんとお父さんのことを思い出していたのだ。
5歳の時に離れ離れになったお母さんとお父さん。
そのときの記憶がなくてもさびしいと思うのは当たり前のこと。
未来もまだ小学5年生の女の子、いくら心が強くても会いたいと思うはず。
「ここが私の家だよ。」
そこは、この「星村町」の7丁目にある一戸建ての家だった。
水色の壁には所々花が飾られている。
カチッカギが開く音とほぼ同時にドアが開き、カワイイ男の子が出てきて未来にしがみつく。
「おね〜た〜んあり?おね〜たんこのおに〜たんだぁ〜れぇ〜?」
男の子が未来にしがみついたまま聞く。
「翔おに〜ちゃんだよ〜」
「しょう、おに〜、たん?」
男の子がぎこちなく言った。
「翔、送ってくれてありがとう、またきてね。」
「おう…」
翔が返事をした。
「しょうおに〜たんバイバ〜イ」
男の子が翔に手を振る。
「未来じゃぁな…えっと…」
「千男だお〜」
男の子の名前は千男とゆう名前のようだ。
「千男(ちお)君もバイバ〜イ」                                    
翔は家に帰ってすぐに自分の部屋のベッドにむかった。
翔の部屋は中学生の姉、夕月(ゆつき)と一緒の2人部屋。
二段ベッドは夕月が上の段で翔が下の段。
頭のほうには電気と小さな本棚があって漫画や小説、図鑑なんかが入っている。
今は夕月が部活で家にいないから、うるさくしても文句を言われることは無い。
翔の家は両親が働いているからほぼ毎日、家には翔1人。
翔にとってはめずらしくないことだった。
翔はぎしっと音をたててベッドに乗った。
そして考え始めた…未来のことを…。
(未来はあの時確かにこの世界の問題じゃない…この世界じゃ解決でいないと言った。どうゆう意味かは、分からないけど…とても悲しそうだった…未来はお母さんとお父さんのことを、お母様、お父様って呼んでた。もしかしてお嬢様とか?…未来ならありえるよな…皆とは少し雰囲気ちがうし…)
と思ったときに眠ってしまった。
別に眠かったわけじゃないのだが…
朝起きると頭がガンガンしていた。 
2 臨海学舎
次の日、土曜日で学校は休みだけど月曜日が臨海学舎だから学年で仲の良いメンバーが集まって
お菓子を買いに行ったり服を選んだりしている。
翔も近くのコンビニいちごにお菓子を買いにいった。
翔が一緒に買いに来たのは、山(やま)西一(にしい)信(のぶ)と坂口良だ。
翔はクラスがずっと一緒のこの2人が1番の友達なのだ。
遠足の時なんかも3人でお菓子を買いにいく。
コンビニいちごは花村第1小学校の5年生でにぎわっていた。
臨海学舎は制服は着なくていいから皆楽なのだ。
(皆とお菓子交換したいな〜)
翔はそんなことを考えていた
月曜日<臨海学舎>
「翔まって〜!一緒に学校いこ〜!」
朝早くから未来もやっぱりハイテンションで翔のほうに走ってくる。
「おう!」
翔もワクワク気分で返事を返す。
キーン・コーン・カーン・コーン!!
2人が学校の門を入ろうとしたとき学校のチャイムが鳴り出した。                
2人は走って下足室に入って上靴にはきかえて教室まで走った。
窓から教室の中をのぞいて先生が来ていないことを確かめると
「ふ〜」と一息ついた。
そしてガラッとドアを開けて教室に入ると皆がドアに注目している。
翔はいやな予感を感じた。
「山下君!どーゆうこと!?」
「2人はどーゆうかんけい!?」
「山下翔が未来の彼氏!?」
「ちがうよ!道でたまたま会ったから一緒にいこうってことになって」
翔がそう言うと皆は「な〜んだ…」とゆうふうに自分の席に戻ってまた臨海の話をしだした。
「ふぅ〜」
翔はため息をついてチラッと未来を見た。    
(未来じたいのこともよく知らないからな…)
ガラッドアが開いて先生が入ってきた。
「皆おはよう!今日から臨海学舎だね!9時にバスに乗りますね。」
「は〜い!」
皆が元気に返事をする。
学校からの泊まりは初めてだから5年生にとっては大きな祭りのようなものなのだ。
9時になった。
5−Bの汗っかき先生が
「バスに乗るぞー!!!」
と言う。
汗っかき先生とは先生のあだ名で本名は栗野(くりの)太郎(たろう)とゆう名前だ。
運動好きで、汗っかきなことからこのあだ名がついた(らしい)。
宿舎は学校から3時間ほどの所にある花村町花の丘とゆう所だ。
「海に入るから着替えてきなさい」
海とゆう言葉をきいて皆元気になって、
「は〜い!!!」
と返事をした。
女子のほうはやけに騒がしい。 
「未来の水着ってラビットってゆうブランドのんでしょ!?似合うよ!!!」
「そういえば未来カバンもラビットだったよね?」
皆未来に次々と質問をする。
「う、うん…」
未来が困ったように返事をした。
「未来ってかわいいよね〜」
「どーすればそんなに可愛くなれるの〜」
「え…どうすればって…」
「何にもしてないのにそんなにかわいいの?」
「うらやまし〜」
(女の子にカワイイなんて言われたの初めて…この学校なら楽しくすごせそう…前の学校みたいにいじめられずに…)
「ありがとう 」
未来はそう言って笑顔を見せた。
「皆…早くしないとほっていかれる…もう男子準備できてるから」
っと黒山(くろやま)理(り)実(み)とゆう生徒(田村きよの友達)が言った。
するとさっきまで騒がしかったのがうそのように静かになり、
さっさと着替え始めたのだった。
未来もさっさと着替えて部屋から出た。
(よかった……この学校の子たちがやさしくて…)
未来はそう感じたのであった。
いよいよ臨海学舎の1番のイベントきもだめしが始まる。
くじびきで2人チームになって宿舎の中を歩く。
先生と何人かのハズレくじを引いた生徒がオバケ役になる。
オバケ役は人をおどかして楽しむからかなり本気でおどかしてくる。
その場で座り込んで動かなくなった生徒もいたらしい。
チームが決まった。
未来は翔と同じチームだった。
流実は坂口と同じチームになって喜んでいる。
未来が見ているのに気がついて左目を閉じて見せた。
未来がそれにたいしてほほえむ。
「よろしくね、翔」
未来はそう言って翔に笑いかけると、翔は
「おう…」
と照れくさそうに返事をする。
「未来はオバケとか苦手なのか?」
と翔はきいた。
「少しね…」
ペロッっと舌を出して未来は言った。
「きもだめしを始める〜!第1チームスタート!!!」
ほかのチームがどんどん出発していく。
未来と翔のチームも出発した。     
「黄色い鈴を取ってゴールに行くんだよな?」        
翔が未来に確認する。
「うん」
未来は答える。
ヒューヒューっと窓のすきまから風がふいている。
未来たちの前のドアがギーッと音をならして開いた。
そこから血まみれの包帯を体にまいた女の人が地面をはいつくばって出てくる。
「きゃ〜!!!」    
未来が小さく叫んで翔の腕にしがみついた。
「未来、山野先生だよ」
翔がそう言うと未来は顔を上げておそるおそるオバケを見る。
「山下君言っちゃだめじゃなぁい!!!」
と山野先生が言った。
どうやら、山野先生もおどかすのが楽しいらしい。
山野先生だと分かったらしく翔の腕を放して
「山野先生びっくりしましたよ〜すごく怖かったです。」
「そう!?そう!?ありがとう!!!先生うれしい!!!」
と言って山野先生はニコニコした顔でもといた場所に戻っていった。
そして未来は山野先生のとき意外はニコニコしながら1回もおどろかなかった。
そうしてきもだめしは無事に終わったのだある。
3 あやつられた友達
ヒューヒュー
夜の冷たい風がなっています。
その風の中を未来が飛んでいました。
「いないな〜黒山さん…」
未来は30分ほど前に見たのだ、黒山さんの腕にはまっている
悪魔の腕輪を…
悪魔の腕輪をはめている人はあやつられている可能性がある
と言う話を小さいときに仲の良かったおじいさんから聞いたことがあった未来は、黒山さんが危ないと感じたのだ。
「あれって黒山さん?」
そこは宿舎うらの森だった。             
たくさんの木が茂っていて中は薄暗い。                         
わずかな月のあかりだけが頼りの暗い森の中で、黒山さんのきれいな長い黒い髪がフワフワと揺れている。
未来が黒山さんの後ろに下りた。
「黒山さん!!!」
未来が呼びかけると黒山さんは顔をゆっくり未来に向ける。                                                        
「やっと来たな、魔法の国の姫、未来、もしやと思って来てみれば…そうか、人間界に来ていたのか、見つからないはずだ…」
そう言った黒山さんの腕輪の宝石が光った。
その声は黒山さんの声ではなかった。
いつものおっとりした声ではなくハキハキした声。
「黒山さんをあやつっているのは…もしかして魔界の王女聖奈!?」                                                              
「そのとうりよ。あったことも無いのに良く分かったわね。あっあんたが3歳の時会ったっけ?まぁほめてあげる」
聖奈が意地悪く言った。
「あんたにほめられてもうれしくないわよ!まさか人間界にまで手を出す気!?」
未来の表情か曇った。
いつもの落ち着いた表情ではなく、怒っているかのように。                     
「そんなわけが無いでしょう!?こんな無力な国私には必要ないもの。」
「この国は無力なんかじゃないわ!」                                                
「どうみても無力じゃない!魔法も使えない人間たちがただ働いてドロドロになっているだけのこんな国!」
「そんなこと無い!この国の人達は皆で協力して生きているわ!皆で助け合って・・・魔法なんか無くたってそれだけで十分じゃない!」                                                      
「あんたはまだ小さいからそんな甘いこと言ってられるのよ!大切な人を目の前で失った私の気持ちなんかあんたには分からない!」
「目の前で失ってなくたって分かる!聖奈はまだあのときのことが忘れられないんでしょ!?」
(聖奈の恋人のことが…)

4 悲しい過去
●ここは魔界の城。
「お父様!黒を金国に行かせる気ですか!?」
12歳の時の聖奈の声だ。
「なにを騒いでおるのだ。黒はこの国1番の剣士じゃ。心配することは無い。」
黒とゆうのは聖奈の彼氏の名前。
金国に攻めに行く兵士の名前の中に黒の名があり聖奈はかなりあせっていた。                                
「ですが、金国は黒のライバル白がいる国、あちらも白を出してくるに違いありません!」                                                  
「そんなに心配なら聖奈、お前も戦場に出てみるか?」
いきなりの発言に聖奈はおどろいた。
「よいのですか!?」
「お前にその気があるのならな。」
「ぜひ行かせて下さい!!!」
そして金国に行く日になった。
ついに金国との戦いが始まる。
戦っているところは金国と魔界の間にある地図にのることが出来るかもあやしい小さな島、リークス島。
1時間で島にパチパチと音をたてて炎がともる。
キーン!キーン!と剣のあたる音が響いていた。
聖奈の心はもう恐怖でいっぱいだった。
いきなりの出来事だった。
聖奈の顔に血がとんできた。
まだあたたかい血が聖奈の顔にべっとりとつく。
聖奈は顔を上げる…目の前にいるのは黒だった。
黒の腹に剣がささっている。
黒はためらうこともなく剣の前に飛び込んだ…それは自分のためではなく、愛する人を守るため…黒は自分の命がつきるまで聖奈を守ると決めていたのだ。
聖奈は黒のを確かめると近くにあった岩のかげに黒の体を寝かした。聖奈はもういきがない黒に
「待っててね?すぐに終わるから…」
と言って立ち上がった。
顔を上げた聖奈は別人のような瞳をしていた。
今まできれいな水色だった瞳がワインのように赤くなっていた。
そのとき聖奈の本当の「力」が目覚めたのだ。
聖奈は学校で習った魔法を使おうと呪文を唱えはじめる。
いつもの聖奈なら人を魔法で吹き飛ばすほどしか出来ないはず。
今回は今までとはちがった。
呪文を唱えているだけで聖奈の周りには大きな風が起こり人が吹き飛んでゆく。
「黒を…黒をーーー!!!」
聖奈が大きな声で怒鳴りつける。
たちまち聖奈の魔法が発動し1瞬で島は火の海となった。
国に帰ってきたのはもう息も無い黒を抱いた聖奈だけでした。●
5 友達との戦い
「いやな事を思い出させてくれたわね・・・そうよ・・・でも、そのおかげでこんなにすばらしい力を手に
入れたんだもの?感謝しなきゃね?」
聖奈はいやみっぽく言う。
「聖奈!昔はそんなじゃなかった!元に戻って!!!」   
未来は必に叫ぶ。
「まだそんなことを言うか!!!あんたが言っていほど世界はそんなにあまくはない!」
そう言って聖奈は黒山理実の体をはなれた。
「私が用があるのはおまえの腕輪だけだ!すぐにわたすなら命は助けてやるぞ?」     
未来は渡すきなどさらさらないが一応聞く。
「何に使うの?それしだいで答えは変わるわよ?」
聖奈はこう答えた。
「国をもっと強くするために決まってるでしょ?その腕輪でユータムを捜すのよ…」
「それじゃあわたせないわ…」
未来はわたさないと言う。
「それならしょうがないわね…いくよ!!!」   
聖奈は体勢を整える。
「望むところよ!!!」                                     
未来が受けてたつと言わんばかりに声を張り上げた。
「まちなさい!!!」
未来の上から声がする。              
「あれ?もしかして沙羅?」
沙羅と呼ばれた少女が未来の横に下りる。
「そーよ!」
(あちゃ〜…沙羅のことすっかり忘れてた…)            
未来はちょっと困った顔になる。
「今、私のことすっかり忘れてた…って思ったでしょ!」  
未来は内心ビックリしている。
「あ〜ばれたか〜…沙羅、心読めるんだった…」
どうやら友達のことは本当に覚えていないらしい。
「そうよ!」
沙羅はそんなことまで忘れたのかと言う顔になった。                                         
「聖奈を1人で倒そうなんて考えてることおみとうし!出来るわけ無いでしょ!?あんたぬわよ!」        
たちまち沙羅は真剣な顔つきになった。           
どうやら本当に心配しているようだ。
「ゴメン……」
未来は沙羅に言われてすっかり小さくなっている。
「私も手伝うからね!!!」
ちょっとえらそうな言い方。
「うん……」
未来はうなずく。
「風使い沙羅か・・・だが2人になったところで力は変わらぬ!!!」
聖奈が言うことなんか完璧ムシ! 
2人は召還魔法の呪文を唱える。 
すると突然ヒューと冷たい風が吹いた。
「アイス!!!」
未来が言うと水色や青の衣装を身にまとった氷のガーディアンが現れた。
そのまぶしい光に聖奈の目がくらんだ。
「ヒサシブリダネ、ミライ、キョウハ、ナニヲスルノ?ヒトアバレスルヨ」
「聖奈のスキを作って!」
「マカセテ」
(このままじゃ黒山さんが危ない……どこか安全な場所に…)   
未来が意識のない黒山さんを少し離れたところの木のところに寝かせて沙羅のところに戻った。
「フー出番よ!!!」
沙羅の声…
その瞬間大きな風がアイスの横で止まって風のガーディアンが現れた。
「アイスに協力して聖奈のスキを作るのよ!!!」
「OK!ヒサシブリニアバレルヨ〜」
「ヒサシブリネフーゲンキニシテタ?」
アイスがフーに聞く。
「ゲンキダッタヨ〜コンカイモガンバロウネ!」
2人はどこにあったのかも分からないちゃぶだいの周りに座ってお茶を飲み始めた。       
2人はお茶を済ませて攻撃体勢に入った。
そのいっぽう、聖奈は呆然としていた。 
2人が戦闘中にお茶を飲んでいたのに驚いたのであろう。
(ハッ戦闘中にボーっとしているなんて敵に背をむけているのと同じだ!!!)
聖奈は心の中で自分に文句を言っている。
そして聖奈は右手を上げた。
「あ!!!」
沙羅がつぶやく。
「まずいかも!!!」
未来も声を上げる。
そして聖奈の腕についていた腕輪が光りだした。
腕輪から青い光が空にのびている。     
その光は邪悪な者が放っているとは思えないほどのきれいな光の柱になっていた。
その青かった光はとたんに黒色に変わっていた。             
その柱をわたるように紫の光がわたってきた。
未来は光の出ているところを見た。
腕輪のかざりから光が出ている。  
丸い平べったいかざりがついている。
半分が白、もう半分が黒色でそれぞれ別の顔になっている。
白のほうは天使のようなカワイイ笑顔。
黒のほうは悪魔のような、何かたくらんでいそうな不気味な笑み。                                                      
(あのかざりをこわせばガーディアンを出すのを止められる…でも結界のせいで近寄れない…)
未来はなんとか聖奈に近付く方法はないかと考えている。 
その間にも紫の光は光の柱をわたって近付いてくる。                   
紫の光が近付くにつれて風の抵抗が大きくなる。
今では風使いの沙羅も身を守るので精一杯なほどにまで風の抵抗が大きくなっていた。
紫の光が未来たちの前に止まった。            
そして…ポムっとゆう音と一緒にガーディアンが出てきた。      
未来と沙羅が叫んだ。
「カワイイ〜」                                            
そのガーディアンはムム悪魔とゆう名前で、悪魔のぬいぐるみのような姿をしていてとてもかわいい。  
でも、油断してはならない。                   
いくらかわいいからって弱いとは限らないからである。         
フーやアイスは特殊なガーディアンだから心がある。
怖いなら怖いと言うし、うれしいならうれしいと言う。                         
とゆうことで、フーとアイスはこの戦いに向いていない。                                            
フーとアイスは当てにならないから、未来とサーラがフーとアイス戻して、新しいガーディアンを出す準備を始めた
呪文を唱え終わった未来が閉じていた目をカッっと開いた。
「ガーディアン、ぴょんぴょん!」
ポワン
「ゴシュジンサマ!オヨビデスカ〜?」                 
ツボの形をしたストラップから煙が出てかわいいウサギに変わる。
「聖奈のスキを作って!!!」
「セイナ…?……セイナッテアノセイナデスカ〜!!?」
ぴょんぴょんが言った。
「う…うん…」
未来が気まずそうに言う。
「ムリッポクナイデスカ〜?」
「ぴょんぴょんなら出来るよ…たぶん・・・」
未来は大丈夫だと言うがたよりない声だ。
「タブンデスカ〜…ウ〜ン…ヤッテミマスカ〜!!!」                            
ぴょんぴょんが言い終わるとぴょんぴょんの表情が変わった。                       
「ゴルァー!!!何ふざけとんじゃワレ!!!正気に戻ったらどないや!!!」
これはぴょんぴょんの声だ。              
どうやらぴょんぴょんは表情だけでなくガラまで変わってしまったようだ。
ムム悪魔もビックリしてその場に立ったまま、ピクリとも動かない。
そのスキにぴょんぴょんが攻撃する。
ムム悪魔はあっさりたおされてしまった。
「ムム悪魔がたおされたか!!!」
聖奈が言っている。                
未来はその少しのスキを見逃さなかった。    
未来の調節した弱い風が聖奈の腹に直撃した。
「うっ……」                   
聖奈が倒れるたところを未来が受け止めた。                                 
「聖奈…悲しいことがあってもそれを受け止めて頑張らなくちゃだめだって言ったのは聖奈じゃない!元に戻ってよ!昔の聖奈にもどって!!!」
未来瞳のから一筋の涙だこぼれ落ちた            
そのとき聖奈の体が青白く光り出していた。
未来がいつの間にか流れていた涙を拭いて聖奈を見ると聖奈は目を閉じてただペタンと座ってただ
光っているだけ…光がきえたとき聖奈の体から種が出てきたのだ。
そこに小さな黒い鳥が来てその種を持っていってしまった。
「聖奈!聖奈!!!」
未来は聖奈をゆする。
「う…うぅん…」
聖奈が目を覚ました。
「聖奈!!!ちょっと待ってね!今沙羅を呼んで来るから!」
未来が沙羅を呼びに行こうとしたとき。
「未…来…ありがとう…」
未来は立ち止まって聖奈のほうを見た。
「未来が…助けて…くれたんでしょう?」                
未来はただ聖奈を見て、質問にも答えずに言った。
「聖奈…まだ苦しい?」
聖奈は答えた。
「少しね…」        
未来は聖奈に背を向けると、歩き出して、沙羅を呼んで戻ってきた。     
沙羅は桃色のガーディアンをつれてきた。
「プリティーちゃん、お願いね?」
ガーディアンはプリティーちゃんとゆう名前らしい。
「マカセテクダサイデス〜」                  
プリティーちゃんはそう言うと聖奈の手に触れた。
すると聖奈の体がピンク色に光りだした。    
聖奈の傷が治っていきます。
「聖奈はもう大丈夫よ…」 
沙羅が言った。
「宿舎に戻らないと…」
「聖奈は私にまかせて宿舎に戻ったら…?」
沙羅が言った。
未来は少し考えたが…
「沙羅・・・お願いね?」
そう言って黒山さんを連れて宿舎に戻った。
6 戦いの後に
「あれ〜未来どこ行ってたの〜?探したんだから〜!!!」
宿舎に戻ったとき、やっかいなことに未来は流実に会ってしまった。                
とっさに黒山さんだけは隠した。
「流実ちゃん…あの…えっと…散歩してきたの!!!」
未来が言い訳を言った。
「ふ〜ん…」
〜その日の夜〜
汗っかき先生がこう言った。
「今日の夜は大サービス!!!自由だー!!!体育室も11時まで使っていいぞー!!!」
そう言われて1人の男子がこう言った。
「夕飯食い終わってから皆、体育室であそぼーぜ!」
するとほかの男子も…
「おっ!いいなーそれ!!!」
1人、2人、3人と「やろう、やろう」と騒ぎ出し最後の1人の男子が…
「女子も来いよな!!!」
と言ったので女子が…
「楽しそうね〜理実ちゃんいこ〜」
と田村きよが言った。 
「うん…」
「未来行こうよ〜、ね〜」
と流実も言う。
「うん」
そして夕飯が終わった。
体育室には次々と人が集まりだして…最後には5年生全員が集まった。
はじめに言い出した男子は「全員集まったか」と言うようにニコニコしている。
「やりたいことある人〜!!!」
と男子が言った。
「はいはい、は〜い!!!カラオケしたいで〜す!!!」                                      
「そういえば、ここカラオケの機械あるな〜先生にマイク借りれば歌えるぜー!!!」
{どうして体育室にカラオケの機械があんだよ}
「カラオケに賛成の人〜!!!」
ずらずらっと手があがった。
「1、2……おっ全員だぁ!」
「翔!お前足速かったよなぁ?マイク2,3本借りてきてくれ!!!」
1人の男子が言った。
「おう!」    
(たく人使いが荒いんだから)
「借りて来たぞ!!!」    
そこからは歌合戦!
皆歌っていく…中には10曲も歌っている人もいる…歌ってないのは残り12人になった。                
「そろそろいくか…」
未来がつぶやいて立ち上がって
「次私歌いま〜す」
と言った。
「何の曲にするの?」
「これなんかどう?」
「こっちでもいいんじゃない?」
「それは未来が決めることじゃないの?」
「リクエストするぐらいいいじゃん?」
「未来ならなんでも歌えそう!!!」
「リスト見せてくれる?」
未来が言うと持っていた女子が「はい」と未来にわたした。
「MEMORI…」
未来がつぶやいた。
「未来はMEMORI―歌うの?」
と流実が聞くと未来はコクンとうなずいた。
未来が歌い始めた。    
寂しそうで、つらそうで、でも優しくて…未来の歌声にどんどん引き込まれていく。
未来の想像以上にうまい歌…
(いつもの明るい未来がこんなに悲しそうに歌っている…?)
いつの間にか未来の瞳に涙がたまっていた。
(お母様…私はこの歌をうまく歌えていますか?この…お母様の歌を…)
翔はリストを見て気がついた。
(MEMORIなんて歌、リストにのってない)
MEMORIはリストにのっていない歌だったのだ。
(どうゆうことだ…?)
「未来速く起きて!男子に寝顔、見られちゃうよ!!!」 
「う…ん…て、えぇ〜!!!」
「ふぅ、やっと起きたか〜」
「あ!流実ちゃん…じゃなくて翔だったの〜!?」
未来がビックリして声を上げる。
「2人声似てるから分からなかっ…とゆうことは翔は私の寝顔見たの〜!?」
「う、うん…そんな大げさに言わなくても…」
(忘れて〜 )
「あぁ〜未来ちゃん起きちゃってる〜!」
そのとき未来のところに流実が来て…
「未来〜今日時間あいてる〜?」
「うん、あいてるよ!」
「じゃ〜今日帰ってから遊ぼ〜」
「うん!!!」
と約束して臨海学舎は終わった。
未来は家に帰ってきて持っていくものをかばんにつめる。
「ケータイと、財布と、カギ、ゲーム…OK!千男行こうか」
「おね〜たん、流実たんにいまからいくってでんわちなくていいの?」
「あっ!そっか!電話してくるから待っててね?」
未来が電話のところに行って流実の番号を押した。
「もしもし…流実ちゃん?今からそっち行くね?うん…千男もつれていっていい?…1人にするの心配で……うん…ありがとう!」
ガチャッ電話が切れた。
未来がインターホンを押すと森のくまさんの音楽が流れた。
「未来?ちょっと待ってね!」
トンットンッ ガチャッ
「行ってきま〜す!!!」
「流実ちゃんどこ行く?」
「う〜ん……まぁとにかく星村公園で考えない?」
「うん!」
〜5分後〜
「ブランコあいてる〜」
「ラッキー」
「のろ…って…あ…」
未来がいきなり大きな声を出した。
ビックリして流実が未来のほうに振り返った。
「なんだ〜…あ!」
「翔達、なにっやってるの?」
「べつに…」
翔がゲームをしながら行った。
「俺らは行くとこないからとりあえずここにきて決めようってことになったんだよな…翔?」
一信が翔にたずねたが、翔はうなずくだけだった。
「……それでどこ行くか決まったの?」
「ゲーセン…」
翔がガムをふくらましながら言う。
「一緒に行こうよ!!!」
良と一信が目をキラキラさせる。
「俺のことはいのって呼んでね〜」
未来と流実が相談して決めた結果が…
「一緒に行かしてもらうよ!」
良と一信が…
「大歓迎だよ!!!」
翔もうなずいた。
良と一信、それから未来と流実は歩き出した。
翔もゲームをやめて歩きだした。
10分後…
場所はゲーセンチェリーだった。
星村町の中でゲーセンチェリーを知らない人はいない。
毎日けっこうにぎわっている。
「流実ちゃん!」
「なに?」
「あれやろ〜」
未来が1台の機械を指差した。
「あれってプリクラノこと?」
「うん!」
良が未来と流実のほうに振り返った。
「未来ちゃんと流実ちゃんプリクラとるの?俺らも入れて〜ほら翔も!」
良と一信が走ってきた。
「ん…」
翔も歩いてくる。
「翔!はやく、はやく〜!」
「それじゃ〜いくよ〜!ハイチーズ!」
パシャッ
初めに流実がプリクラを見た。
「一信君かわいい〜」
流実が言った。
「次何する?」
「UFOキャッチャーやりたい…」
未来が言った。
「いいよ!」
ウイーン  ゴトン
「未来UFOキャッチャーうま〜い!!!ピーじゃん!!!
かわい〜私のも取って〜!!!」
「いいよ」
「俺にはあれ取って〜!!!」
「俺もあれ!!!」
「俺も…」
男子3人も未来にたのむ。
「いいよ!取ってあげる」
そう言った未来は1回も失敗せずに、残りの4人分を取り終えたのである。
良と一信は未来に取ってもらったことがうれしくてピョンピョンはねてるし、流実はピーが可愛くてニコニコしている。
でも翔だけは違った。
(1回も失敗しなかった…未来はほかの子とは何かが違う気がする)
6時になった。
皆が家に帰っていく。
翔も家に帰った。
今日は部活が早く終わったらしく夕月が帰ってきていた。
夕月は勉強机の前のイスに座って本を読んでいた。
翔が帰ってきたのにきずいて本から目をはなす。
「翔おなかへった?」
夕月がきいた。
「おう…」
翔が答えると…
「じゃあコンビニいちごで弁当買ってきてね」                                                   
(ハーまたこれだよ…姉なんだから自分で作りゃいいのに…料理上手いくせに…)                          
夕月は本当はすごく料理が上手なのだが面倒くさいからと言ってほんのたまに作るくらいしかしない。
(こっちだって考え事してたのに…)
10分後、家に帰った翔は言った。
「自分であっためて食っとけよ〜…」
すると夕月は本に夢中になっているが、「うん」と返事をする。                       
翔は買ってきた弁当を電子レンジで温めて食べた。
食べながら翔は考えた。
(未来は周りの皆と何かが違う。走っても息切れしないほどの回復力…走っているときはかすかに息を切らしていた…俺と同じぐらいの足の速さ…臨海のとき黒山さんと一緒に突然消えた…)
と考え事をしているとやっぱり今回も寝てしまった。
未来のことを考えているときだけ寝てしまう…
だれかが未来のことを考えるなと言っているかのように
翔は昨日考えたことを未来に聞こうと思った…でもやめた。
(何か事情があるのかもしれない…)
そう思ったのだ。
その後、翔は友達から元気がないとか調子、悪いのか?とか、何かあったか?と言われた。
そのたびに
「別に…何もないけど…」
と答えた。
(やっぱり聞いておくべきだったのか?)
そう思ったりもしたでもブンブンと首を振って「だめだ!決めたじゃないか!!!」
と自分に言い聞かせた。
でもやっぱり気になるものは気になるのだ。
「そうだ!星村町には神様がいるじゃん!!!神様に聞けば…」
放課後。                             
翔は学校から10分くらいのところにある星の神殿と呼ばれる洋風の城に行った。
●ここには昔人が住んでいた。
 とてもやさしいきれいな女の人だったそうだ。
 でもその人は歳をとらなかった。
 小さかった子供がおばあさんになっても、姿ひとつ変わらなかった
 それもそのはず…その女の人は神様だったのだ。                 
 女の人が住んでいた城が星の神殿と呼ばれているここだった。●
翔は神殿に入っていった。
建物の中央には大きくてきれいな鏡つきの祭壇があった。
鏡には何かで削って書いたような文字があった。
この世界の文字じゃない。
翔には見たことのない文字だがなぜか読める。
〜選ばれし者、自分自身をこの鏡に映し、赤い羽根の天使に黄色い鈴を持たせれば神が舞い降りる〜
「鈴?」
翔はポケットを探った。
出てきたのは臨海の時に肝試しで取った鈴だった。
「これをここにはめればいいのか・・・?」
翔はその鈴を天使の手にはめた。
すると天使の手が細かく揺れ、鈴がリンッリンッと鳴った。
白い羽がヒラヒラと舞った。
「あら、お客さん?」
と高い声が聞こえた。
そのとき、ピンクの服を着た白い翼を持つ女の人が現れた。
「こんにちは。人間界の神ルーシイです。」
「本当に神様?」
「そーだけど神様なんて呼ばないでよ!ルーシイって呼んでね?」
「えっと…俺、翔っていいます…あの星村未来って知ってますか?」
「知ってるわよ?だって大親友だもの?」
「え!あの…そのこのこと教えてほしいんですけど…」
「個人情報は本人の許可をもらわないということが出来ないようになってるから…」
あ…そうですか…分かりました。」
「ごめんね…何かあったらまたきて?出来る範囲なら力を貸すから」
「はい。ありがとうございます…それじゃあ…」
「さようなら…」
ルーシイは白い羽を残して消えた。
翔は鈴を天使の手からはずすと神殿の外に出た。
「かゆい…」
翔の手がなぜかとてもかゆい。
翔は手を見て気がついた。
いつの間にか翔の手にハートの半分の模様がついていた。
ピンク色のハートの半分…ちょうどハートの真ん中のところから、うずまきがのびている。
「いつついたんだろう…まぁいっか…」
そうつぶやいて翔が歩き出そうとしたとき…
「うわ!!!」
桃色の紙が翔の顔にひっついた。
書いてあったことは…↓
翔くんへ
手にハートの半分のマークが出たでしょう?
その模様は一度神を呼び出した印なの。
でも半分足りないでしょ?
完全のハートを作りたかったらもう一人の神も呼び出すね!!!
そうすればそれと同じ黒いハートの半分が出てくるから!
でも、もう一人の神はかなり変わってるわ・・・
あなたに呼び出すことが出来るかしら?
もし呼び出すことが出来たなら、何か、ごほうびをあげてもいいわ?
これであなたと私は友達だよ。
私に出来ることなら頼まれてあげるからそのときは呼んでね!
これからもヨロシク
ルーシイより
「もう一人の神?2人もいるのか…どこにいるんだろう…」
翔は時間があまったのでもう一人の神を探しに、いそうな神殿や宮殿と呼ばれるところに行った。
もう6時になった。
星の神殿から出たときから2時間はたつ。
「やっぱり…かんたんには見つからないか…」
翔はあきらめて家に帰ってきた。
(未来のことを知ろうと思ったら、また1つナゾが増えた…未来が転校してきてからまだ1ヶ月たったか、たたないか…それでこの村の神様と親友関係?ありえないだろ普通!!!)
忘れようと思ったけれど忘れることはできなかった。
「どうしろってんだよ!!!」
こんなことを考えてもどうしようもないのに……
7 見られた戦い
次の日、翔が未来と話していると未来の腕輪が急に光った。
未来はそれに反応して「ちょっとゴメン」と言って階段を下りていく。
未来が向かった先は階段の途中にある踊場だった。
物置と5年生の教室をつなぐ階段の踊り場で普段から人道りの少ない場所だ。
チャイムが鳴った。
未来はいつのまにか教室に戻ってきている。
先生がきた。
転校生を紹介します。入ってください。」
先生がそう言うとドアが開いて女の子が入ってきた。
すごく長い髪がサラサラとゆれている。
「風陣沙羅です。これからよろしくお願いします。」
「風陣さんは星村さんの幼なじみだそうです。仲良くしてあげてください。風陣さん、あそこのあいている席に座ってください」
「はい。」
「沙羅これからよろしく。」
「さっきの話本当なの?ユータムが見つかったって…」
「うんほぼ間違いないと思う…腕輪が光ったから。」
「だれ?先生?子供の分けないよね?」
未来は下を向いて黙ってしまった。
「もしかして…子供?」
沙羅が静かに言う。
未来が気まずそうにうなずいて言った。
「あそこの男の子よ…名前は山下翔。姉の夕月との二人兄弟。両親は働いていて、夕月は中学の
部活で帰るのが遅く、ほぼ家で一人。」
「へぇ〜調べたんだ〜何日かかった?」
「3日でほぼすべて調べた。言ったこと意外にもまだ調べたことはあるけど別にこの件には関係ない。」
「さすがね。でもどうするの?まだ5年生でしょ?まきこむわけには行かないし…」
「でしょ?それで沙羅に相談したんだけど…どうする?」
「私たちにはどうすることも出来ないよ。翔君がユータムであることを自覚するまで影で見守るしか。」
「そうね…自覚するまで」
翔はまだ2人の話に自分が入ってて、すごく深刻なことであることが分からなかった(はず)…
もし話題が自分だと分かっていたとしても、なぜ話題が自分なのかとゆう低レベルな考えしか
浮かばないだろう…(バカだから)
もう4時になった。
未来は沙羅と帰っている。
今日も一応流実もいるけど、ほとんど、ほって行かれている状態だ。
後ろから翔もついてきているが、流実の様子が少しおかしくなってクスクス笑っている。
それに気がついた流実が翔をキッとにらんだ。
翔が家に着いたときは4時30分ごろ。
宿題を終わらしたので翔はヒマになった。
考えて、考えて、やっと決まったのがゲームだった。
翔はピコピコゲームを始めた。
そのころ未来たちは…
「沙羅!星村公園にダークホールが開いた!!!ワープするよ!!!」
「OK!!!」
未来と沙羅がワープで星村公園に行った。 
10秒で着いた。
着いてから20分がたった。
「なかなかしぶといよ…!」
「サンダー撃つよ!!!」
未来がそう言うと未来の手に紫のボールが出た。
沙羅は未来の攻撃があたらないところによけた。
「いっけー!!!」
ドーン!!!
そのとき翔は…
「でっかい音だな、何の音だろう……星村公園のほうからだ…行ってみるか!どうせヒマだし・・・」
翔はすぐに自転車に乗って星村公園に行った。
(だれだ?あの黒マント…)
そこには未来と沙羅と…あとナゾの黒マントがいた。
でも翔には黒マントなんかどうでもよかった。
“未来達は何をしているのか”
“さっきの音はなんだったのか”
(見ていれば分かるかもしれない!!!)
翔はそう思って見ていることにした。               
「沙羅!そいつには炎が効くよ!!!」
「分かった!!!ファイヤー!!!」
沙羅がファイヤを出したとき…ボッと敵の黒いマントに火がついた。
翔が動くとガサッと音が鳴ってしまった。
未来が気づいて翔のところに近寄ってきた。
翔はこれ以上どうしようもないとゆうようにその場で固まっていた。
「翔…見てたの…?」
「うん…」
「ビックリした?」
「少し…」
翔がそう言うと今度は未来がビックリしたような顔になった。
「そんなにビックリしなかったってこと?」
「まぁね…少し感づいてたし…」
「へぇ〜この子けっこう頭いいんだ〜…」
沙羅が言った。
翔はブンブンと首を振った。
未来はだまれと言う目で沙羅を見た。
「まぁいいか…どうしたの?何かききたいことがあるなら言えば?」
翔は少し考えてから言った。
「なんで俺が見てもいいんだよ…普通ならダメだろ?」
「それは」
未来は沙羅を見た。
沙羅はそれに気がついて言った。
「いいんじゃない?教えても…本人だし、それを教えられてどうするかは本人しだいでしょ?」
未来は決心したのかこう言ったのだ…
「翔は…魔法界の伝説の“ユータム”だから…」
「えっ!?」
未来はうなずく…ただ翔を寂しそうな目で見ながら…
沙羅は未来の様子に気がついて未来にささやいたのだ…
「きっと生きているから」
沙羅は少し間をおいてもう一度口を開いた。
●未来は魔法界の姫で私(沙羅)はその幼なじみです。
ユータムとは11年間のあいだ忘れられもせず、ずっと語りつがれてきた伝説に出てくる国の名前です。
魔法界はこの日本のように多くの町や村が集まって出来た、自然が豊かな楽しく、にぎやかな国でした。
魔法界の隣にはもうひとつ国があって悪の女王聖奈の治める国がその国でした。
未来のお父様が治める国が“魔法界”聖奈が治める国が“魔界”と呼ばれるようになりました。                                         
昔は中の良かった魔法界と魔界でしたが、最近ずっと魔界は他国との交流を一切受け入れては
いませんでした…そう…魔界の国王が亡くなってから。
魔界はどんどん力をつけていき他国からの輸入もなくなりました。
魔界の住人のほとんどは子供のときから魔法を使うようになりました。
国王どうし仲が良かったので、お互いの国を攻めることは無いと魔法界の住人は安心していました。
けれど仲が良かった魔界の国王が亡くなってからは住人も不安でたまりませんでした。
そんなある日、いきなり魔界が攻めてきました。
最近ずっと魔界と交流をしていなかったので、魔界の力がどんなものか分かっていませんでしたが、
前とは比べ物にならないほどの力だったことはすぐに分かりました。
魔法界の王様と女王様は自分がんでしまったときの国を守る者が必要だと考えました、それが未来。
未来は5歳のときに人間界に逃がされたのです。
未来を逃がした直ぐ後のことです。
魔法界が魔界に負けてしまう寸前でした…男の子と女の子が現れました。
10歳くらいの男の子と女の子です。
男の子がリュー女の子がリラと名乗りました。
男の子が剣を抜き、女の子が呪文を唱えます。男の子が走り出しました。
女の子が男の子にむかって電気の魔法を出しました。
男の子が横に剣を出すと電気の魔法が男の子が出した剣にあたりました。
男の子の剣が光だし、剣の刃に電気が通っています。
男の子が敵の親玉に向かっていって戦っています。
キンキンと剣がぶつかりあっている音が聞こえてきます。
数分後、男の子が戻ってきたのです。
敵の親玉は20歳前後の年上…なのに無傷で帰ってきました。
魔法界は戦いに勝ち、また町に平和が戻りました。
勝利に導いてくれたリューとリラを招き、せいだいなパーティーが行われました。
リューとリラはユータムから来たのだと言っていたそうです。
その夜、リューとリラは近くの宿に泊まりました…けれど朝になって2人の泊まった部屋には誰
1人いませんでした。
変わりに宿の代金と置手紙だけがあったのです。↓
魔法界の皆さんへ
いきなり手紙だけで申し訳ないと思っていますが、国の命令ですから帰らせていただきます。
王様、女王様、お忘れじゃないと思います…あの契約を…
僕達は相手国が敵に攻められたときは、兵士を送り手助けをするとゆう契約を果たしに来た兵士です。
魔法界は僕達が想像するよりも自然が豊かで、にぎやかで、楽しくて…そんなこの国が一目見ただけで好きになりました。
また機会があれば来ようと思っています。
ユータムもこんな国になれたら…そう思いました。
ただ1つ残念だったのが、魔法界のお姫様を1回も見られなかったことでしょうか。
きっと王様と女王様が人間界にお逃がしになったのでしょう?
僕たちはこの国に来ることが出来たことを誇りに思っています。
人の命を…ひとつの国を守れたことで少し自信が出ました。
また出会うことがありましたらよろしくお願いします。
リュー・リラより
「未来は5歳から両親と一緒に暮らせなかった、あのとき魔界が攻
てこなければ一緒に暮らせた
かもしれないのに…」
沙羅が悔しそうな怒ったような顔になった。
「いいの…もう過ぎたことだから…気にしないで?」
未来は沙羅に言った。
「翔?あなたがそのリューとリラの血を継いでいるのよ?」
沙羅が気を取り直して言った。
「なんで分かるんだよ…」
「未来の腕輪が光ったのが証拠よ?」
沙羅が答える。
「でも安心して!巻き込むつもりはないから・・・何かあったら守るから…」
未来が言うと沙羅が翔に石の腕輪を渡して帰っていった。
8 新たな仲間
翔はさっきのことが気になってしまって、帰った後に未来の家に行った。
ピンポーン、翔がインターホンを押すとガチャっとドアが開いて未来が出てきた。
未来は少しビックリしているようだった。
「どうしたの?」
「さっきのことで…」
未来は何も答えてはくれない。
「俺に何かできるなら…させてくれないか?」
未来はまたビックリした顔になったけど困ったように斜め下を向いてしまった。
「俺も仲間にしてくれ!!!」
未来は決心したように前を向いた。
「いいわ…」
「イェ〜イ!!!」
「良かったわね…これからはよろしく。私のことは沙羅でいいから。」
後ろから見ていた沙羅が言った。
「これからヨロシクな!!!」
そして仲間になった翔なのですが…?                     
「なぁ、なぁ、なぁ!!!なにかすることないの!!!」
翔が30分前からギャーギャーうるさい。
「何もしなくていいわよ…」
未来が本を読みながら答えた。
「何かさせてよ〜 」
「今することないんだからしょーがないでしょ!!!」
ギャーギャーギャ!!!
未来と翔が言いあいをしているのを見ていた沙羅はあきれてこう思った。
(あの2人仲がいいのか悪いのかわかんない…)
沙羅は無理やり笑顔を作って言った。
「そんなことよりケーキ食べない?買ってきたんだけど…」
「食べるー!!!」
未来と翔が一緒に言った。
未来がケーキにぱくついた。
「おいし〜」
次に翔がケーキを口の中にケーキをほりこんだ。
「うめ〜」
2人はお互いの顔を見て笑った。
「翔ったら口の周りにクリームついてるよ〜!!!」
「未来だってー!!!」
(本当に仲いいのか悪いのかわかんない…)
ピピピッピピピッ
いきなり未来の腕輪が音をならして反応した。
「ダークホールが開いた…」
「場所は…花村第1小学校(翔達が通っている小学校)〜!?」
「しょうがないよ…行こう!」
「ここからワープするから翔つかまって!!!」
「うん!」
シュッ花村第1小学校についた。
「まだマリオネット(操り人形)は来てないのかな…」
「ううん、いるよ…」
「えっ翔は居場所が分かるの!?」
未来がきくと翔はうなずいた。
「体育館のうらだ!」
「分かった!行こう!」
「俺も行く!!!」
「うん!」
(マリオネットのいる場所を特定することが出来る…これがユータムの力…?)
沙羅は考えながら走っていた。
体育館のうらには確かにマリオネットがいた。
「あれ?この前とは色が違う…」
「うん、マリオネットはマントの色でランク分けされているのよ」
沙羅が言った。
(ユータムの力は確か何個もあったはず…)
沙羅はユータムの力が気になるようだ。
「翔は攻撃があたらないところにいて!」
「えっ俺も戦いた…」
「だーめ!!!」
未来と沙羅が言った。
「翔はまだ戦ったことないんだから見て戦い方を覚えてね?」
未来が言った。
「未来話してるヒマはないみたいよ…」
「うん、あいつは最高クラスだからね…」
マリオネットはもう呪文を唱え始めている。
「シーク!!!」
未来が簡単な魔方陣の魔法を使った。            
使ったのは水の魔法。
マリオネットはその攻撃を吸い取ってしまった。
「そんな…攻撃が…」
「吸い取られた…!?」
未来にも沙羅にもこんなことは初めてだった。
そしてマリオネットは未来をかごに入れて連れ去ろうとした。
マリオネットが帰ろうとして翔達に背中を向けたときスキが出来た。
沙羅が攻撃しようとするが、気付かれて吸い取られるのが分かっていたからやめた。
(俺がもっと強ければ…戦えれば!強くなりたい!もっと…もっと強く…強くなるんだ!!!)
翔がそう思ったとき…翔の体が光りだした。
敵が目をくらまし未来が捕まっていたかごの魔法が破れたのです。
「これもユータムの力…?」
沙羅がつぶやいた。
(未来でさえ何も出来なかった相手を1回も戦ったことのない翔が倒したってゆうの…?)
「大丈夫か?」
翔が言った。
「うん!助けてくれてありがとう」
「あたりまえだろ?仲間なんだから。」
と翔がニコっと笑った。
(仲間か…新しい仲間…)
未来はなぜかうれしくなった。
「ゴメンね…助けてあげられなくて…」
「いいよー暗くなんないでー…ところであれは?」
未来がキョロキョロしながら言った。
「さがそ!」
「あれってなに?」
「あった!これよ!てきを倒すと動かしていた魂が人形になって出てくるの。この魂は人から奪ったものだから奪われた人に返すのよ?」
未来が答えた。
「魂が戻るまで奪われた人はどうなってんの?」
「病気ってことになってるはずよ?」
「ねぇ…これ魔法界に帰るための鏡だ…」
沙羅が言った
「……翔、ゴメン…少しだけ行ってくる…」
「分かった…」
そして未来と沙羅は魔法界へ旅立って行った。

2008年01月09日 (水) 20時45分



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