「自己陶酔型のとーちゃんと違って
私の場合 理性が優っているから
人前で自分だけ情緒の世界を展開するのは ちょっち・・・」
「馬鹿者が!
己の感性の世界に観客を無理矢理引きずり込んだ時
感動とゆーものが生まれるのだ」
「今 生理中なんだっ
ちっとぐらいいたわれよ」
「病気じゃないんだ 弱音を吐くな!
東京国際女子マラソンでワインホルトはそれでも
42.195kmを完走したぞ 彼女を見ならえ」
「じゃあ あんたも一度生理になってみな!
わたしの半分あげるから」
「・・・とーちゃん
感動の 美的 芸術的世界って 何だ?」
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
「・・・じつは とーちゃんにもまだよくわからないんだ。
ただねー最近 こー思うんだよ とーちゃんは。
賢しげな芸術論とか美学とかを振りかざす前に
もっと自然な目でものを見たらば
意外な感動を発見するかもしれない・・・ってね。
そーゆーことって時々あるだろう?
人や動物たちが生きてくところの
なんでもない場所とかでさ・・・」
**'86「銀のロマンティック・・・わはは」川原泉***