「ピアノ・レッスン」のアルバムがあったので(長文お許しを。それに、ここに掲載するに当たって不適切でしたら削除してください)。
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「不安の萌芽」
そうつぶやいた君。
“ナイマン”のピアノ曲。
「……護るため」
“エイダ”と“ベインズ”の物語。
大きな秘密。
哀しい調べ。
「距離を置いた方がいい?」
言葉を得た“エイダ”
「わたしからは、死んでも言いたくない、4つの言葉を言わないで済むために」。
瞳の奥には“哀しみの泉”。
言葉を失った“ベインズ”。
泉の底に沈んだままの「ピアノ」。
「自分にどんな犠牲を強いてでも……」。
ピアノの“鍵”を探し続ける“エイダ”。
最初は、小さな芽。
やがて、時が、不安の影を。
「護り抜きたい……」
影に消える声。
ささやき消え入るように。
瑠璃色した泉の底に真昼の月が沈む。
“ベインズ”
言葉の奥の深い空洞。
「慈しみ、育んでいく価値のあるものだから……」
イノセント。
“エイダ”
無垢な情熱。
天蓋のように泉を覆う“ベインズ”の眼差し。
哀しげな笑み。
沈黙
「不安の萌芽」。
懐から取り出したピアノの鍵。
“ベインズ”
手のひらから滑り落ちる鍵。
泉へ。
泉の底へ。
底へ。
泉の底に沈む“エイダ”のピアノ。
真昼の月が、泉の底に潜む。
“エイダ”の影が……瑠璃色に溶け込んでいく。
そして……月が落とす影に。
闇を包む“ナイマン”のピアノ曲。
“エイダ”と“ベインズ”の物語。