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台湾の「楽生療養院」、入所者立ち退きの危機 - モネ
日本統治時代に開設された台湾のハンセン病療養所「楽生療養院」(台北県新荘市)の入所者約310人が、強制立ち退きの危機に直面している。都市高速鉄道建設の影響で、住み慣れた施設が取り壊されるためだ。平均74歳と高齢化した入所者は、代替施設のビルへの入居を迫られているが、「生活が破壊される」と移転を拒否して自治組織を結成、工事の差し止めを求める裁判も起こしたが、住民の関心は極めて低いという。このため、入所者の代表が来週来日し、日本の元患者や市民に支援を呼びかける。
「楽生療養院」は1930年に台湾総督府が開設。台北市近郊の小高い丘の上にある開放型の施設で、入所者は電動車を操り、平屋の個室や院外へも自由に行き来できる。
取り壊しの計画は、台北市と新荘市を結ぶ都市高速鉄道の建設工事に伴い、同院の敷地が車両庫用地に充てられることで持ち上がった。新しい施設は、現在の施設の隣接地に建設中。入所者が入る療養施設は鉄筋8階建てで、ほぼ完成。隣の病棟とは空中廊下で結ばれる。現在の院の建物は一部を除いて取り壊される予定だ。
入所53年になる陳再添さん(69)は、新施設を見上げながら「移転は第ニの隔離だ」と訴える。8階のビルでは、電動車でも部屋の行き来がしにくくなるし、来客も気軽に訪問できなくなる。院側は当初、新施設の完成後も希望すれば現在の施設にとどまれると説明していたという。
陳さんは、3月19日に入所者の投票で移転に反対する「楽生保留自救会」の会長に選出された。入所者のほとんどが移転に反対で、体を張って工事のブルドーザーを止める覚悟だという。
自救会のメンバーは法廷闘争も展開。7日には地元の板橋地方法院(地方裁判所)で、高速鉄道を運営する台北市捷運局に工事の差し止めを求めている仮処分申請の審尋が行われた。入所者側は「隔離され続けた入所者には、院との間に使用貸借権がある」と主張したが、同局側は「院と入所者の問題」と反論した。
地元でも報道はされているものの、ハンセン病への偏見が根強いうえ、住民の関心が地下鉄開通に向いているため、反対運動は盛り上がらないままだ。
◇裁判支援求め13日に来日
入所者のうち25人は昨年12月、日本統治時代に強制収容された補償を日本政府に求める訴訟を東京地裁に起こした。その裁判の第1回口頭弁論が13日に東京地裁で開かれるのに合わせ、黄金涼さん(77)ら原告や弁護士が来日、日本の国民に移転問題への支援を要請することになった。
黄さんは強制収容を逃れるため自宅に身を潜めていた42年、警察官によって同院に入所させられた。14歳だった。
黄さんは「今の施設は風景が非常に良く快適だが、新しい施設は生活の場ではなく、牢屋(ろうや)のようだ。日本の皆さんにも強制移転の問題を知ってもらい、運動を盛り上げたい」と訴えている。一行は13日に来日し、東京や岡山、大阪で日本の元患者や支援団体と交流する。
(毎日新聞)2005年04月10日 (日) 02時35分 No.252