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歓楽街に老人ホーム - モネ
老後の暮らしを歓楽街で！？―。約百件の飲食店が軒を連ねる福岡県筑豊地区最大の歓楽街、飯塚市吉原町に四月一日、介護付き有料老人ホームがオープンする。昨年十一月までビジネスホテルだった建物を改装。客室がお年寄りの入居施設に生まれ変わる。周囲には居酒屋やスナック、フィリピンパブなどが並び、窓から夜のネオン街が一望できる立地。同県高齢者福祉課は「歓楽街の真ん中の老人ホームとは聞いたこともない」と全国でも珍しい試みに驚いている。
この老人ホームは「飯塚観光ホテル」を経営していた企業が子会社をつくり運営。同ホテルは一九七二年開業の同市でも一番古いビジネスホテルだったが、バブル崩壊後は利用客が激減。近年の客室稼働率は５０％程度に低迷していた。
ただ、ホテル周辺は病院も多く、同市の中心商店街とも隣接。飯塚バスセンターまで徒歩一分と利便性は高い。
ホテル経営者から老人ホームの施設長に転身する岡部容子さん（５４）は「現在多くの老人施設が町外れにあるが、人との交流が増える環境を提供して、お年寄りに生き生きと暮らしてもらいたい」と、その狙いを語る。
五階建てホテルを約一億二千万円かけて改装。五十二室あった客室は、二十四の個室と二つの二人部屋に。ベッドやテレビ、机などはホテル備え付けのものをそのまま利用する。廊下は車いすで通れるよう三十センチ拡幅した。フロントや食堂などがあった二階部分には、約百八十平方メートルのデイサービス施設を設けた。
従業員も転業に対応するため、二人がホームヘルパー二級の資格を取得。既に四人の入居が決まり、問い合わせも相次いでいる。
（西日本新聞）2005年03月30日 (水) 06時58分 No.222