[13856] 題名:FTさん 当体義抄は偽書
名前:霞ヶ関リークス
◇5WBnmh.AZo
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投稿日:
2025/09/19(金) 17:25
2001:ac8:88:9001:c82c:38f7:ee57:8250(IPv6:) (2001:ac8:88:9001:c82c:38f7:ee57:8250)
本抄の真蹟および古写本はない。
ただし冒頭より第五問答まで(『定本』761頁5行目)が、『金綱集』「禅見聞」
の末文(『日宗全』14-343~347)と論旨や引文がほぼ共通し、また本文にお
いても一部全く同文が見られる。
本抄は『金綱集』上記部分を参考とし、宗祖に仮託して偽作されたもの。
本抄は大小十九の問答からなる。①②③問答では一往法体に約し、迷悟十界の
依正悉く妙法蓮華経の当体であることが示される。
④問答では再往信受に約し、謗人権教の者は妙法の当体に非ず、正直に方便を
捨てて妙法を信受する我われこそが、妙法の当体であると述べる。
⑤問答は天台の当体・譬喩蓮華の二義の様を問い、『玄義』第七等の説示によ
り、因果倶時不思議の一法こそ当体蓮華であってそれを妙法蓮華と名づけ、
比喩蓮華とはそれを因華果台の蓮華によって喩えることであるとする。
⑥問答では過去その当体蓮華を証得した人を問い、五百塵点の当初の教主釈尊
であることが明かされる。
⑦⑧⑨⑩⑪問答では『法華経』の当体蓮華の出処について、迹門にては『方便
品』の諸法実相の文、本門にては『神力品』の結要付嘱があげられる。
⑫⑬⑭問答は当門流においての当体蓮華の証文は、『法華経』各品の表題たる
妙法蓮華経であるとし、そこには当体・譬喩の両説が含まれるのであり、譬喩
即法体・事相即理体=法譬一体の義が示される。
⑮⑯は如来在世の当体蓮華の証得者について、爾前迹門では証得せず本門にて
在世霊山一会の衆が証得したことが示される。
⑰問答は末法の当体蓮華証得者いかんというに、日蓮が一門順縁の行者である
とし、
⑱⑲問答では天台伝教等は地涌千界に非ざる故にこの法を弘通されなかったこ
とが明されている。
さて、⑤問答までは、『金綱集』編者の頭注に示されるように、両者の密接な
関係は一目瞭然である。
しかるにその関係については、第一に、本抄を『金綱集』が取材した。第二に、
『金綱集』から取材して本抄が偽撰された。
金綱集の文が『当体義抄』の原型となった。
その成立時期については南北朝期頃ではないかと推定している。
また本抄と「立正観抄」とに「本地難思ノ境智」 「妙法ノ名字ヲ替ヘテ号二
シ止観一ト」という、日蓮の他の遺文には見られない共通の用語が見られるこ
とから本抄は『金綱集』とともに「立正観抄」をも参照して成立した。
なお本抄、⑨問答の「伝教大師釋シテ云ク」、⑭問答の「伝教大師釋シテ云ク」
、⑯問答の「天台云ク」、⑱問答の「天台大師ノ云ク」「伝教大師ノ最後臨終
ノ十生願ノ記ニ云ク」の文が、いずれも出典不明であり、このようなことは常
の宗祖遺文にはあり得ず、本抄偽撰の根拠たり得ると同時に、この出典不明引
文が、後半に集中しており、ともあれ以上により本抄は、宗祖に仮託して成立
した偽撰文書と判断する。
これを恰も蓮師の言の如く扱う神経はわたしに理解できません。
もっとも偽書・偽経なんでもござれであれば、上述の如きは意味をなしません。
貴方の奥底の一念は日蓮教学ではなく、中古天台本覚論・恵心流口伝法門の焼き直しで
捏造されたものである。