[13651] 題名:80周年原爆忌に思う――核の世界拡散は止められない/止まらない
名前:霞ヶ関リークス
◇5WBnmh.AZo
MAIL
投稿日:
2025/08/07(木) 23:47
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◯ 原爆忌
間もなく、アメリカによる
人類初の大量破壊兵器=原爆による
残酷・悲惨なホロコーストの
80周年原爆忌 広島6日、長崎9日を迎える。
◯ 核の世界拡散は止められない
昨年、原爆被害者の権利を擁護し、
核兵器廃絶を目指す被団協が
ノーベル平和賞を受賞した。
しかし、現実には、被団協の願いもむなしく
「核の世界拡散」が止められない/止まらないという
冷厳な事実がある。
◯ 核拡散の象徴的な出来事
北朝鮮の金正恩氏は核ミサイル開発に注力し、
アメリカが認めようが認めまいが、
今や同国は歴然たる核保有国である。
アメリカが「北朝鮮が核保有国であること」を
認めない真意は、日本や韓国さらには台湾が
核開発を目指す動機・口実を与えたくないからであろう。
アメリカに、核施設を爆撃されたイランと異なり、
有耶無耶のうちに(北朝鮮の背後にいる中国の対米抑止が理由で
――というのが正しいかも)、
核兵器と弾道ミサイルを所持・
拡充している北朝鮮のやり方を真似て、
これに倣う国・組織が出て来ることが懸念される。
◯ 核不拡散の幻想――
NPT(核拡散防止条約)体制は瓦解する宿命?
NPT体制は、
①核兵器禁止をうたう国が、
実際には核の傘に依存している事実、
②NPT体制の形骸化
――核兵器を減らさない保有国、核保有国の独占構造、
③核兵器禁止条約(TPNW)が抱える現実との乖離という
不条理・矛盾・問題を内包しており、
いずれ瓦解する宿命にあると思う。
◯ 潜在的核開発希望国
現在、下記の国々が核開発を行う可能性があると目されている。
これらのうち、一国でも開発が進むと、それが起因になって、
ドミノ倒しのように更なる拡散に繋がるのは当然。
◉ イラン:
アメリカ、イスラエルがウラン濃縮施設の存在や
過去の核開発疑惑を持ち、IAEAとの緊張が続く。
2025年6月21日、米国はイランの3つの
核関連施設に対して空爆(バンカーバスターなど)を実施。
◉ シリア:北朝鮮の支援によるプルトニウム施設建設疑惑。
イスラエルによる空爆で破壊されたとされる。
◉ ミャンマー:北朝鮮との協力による核施設建設疑惑。
亡命者の証言もあり。
◉ サウジアラビア:原子力開発を進める一方、
核兵器開発の意図があるとの見方も。
◉ 日本:高度な核燃料サイクル技術とプルトニウム保有量から、
世界では「潜在核保有国」と目されている。
◉ 韓国:北朝鮮の核開発進展に深刻な懸念。
技術力はあるが米韓原子力協定により再処理が制限されている。
◉ ドイツ:NATOの核共有国。核兵器製造能力はあるが政治的制約あり。
ただし、ロシアのウクライナ侵攻(欧州への脅威の顕在化)と
これに対するアメリカの対応が期待外れであることなどから
独自の核武装という選択肢が浮上する可能性。
◯ 世界最終戦争の恐れ
7月28日、トランプ氏はロシアに対してウクライナとの
和平合意を求める期限を50日から10〜12日に短縮し、
合意がなされなければ懲罰的関税や二次制裁を科すと表明。
これに対しメドベージェフ前大統領は、
①トランプ氏がロシアに対して行った
和平合意の期限短縮を「最後通牒ゲーム」と呼び、
挑発的で危険な行為だと非難、
②このような圧力外交は、ロシアとウクライナの戦争ではなく、
米国とロシアの直接的な衝突につながる恐れがあると警告、
③「ロシアは気にしない。世界は震えているが、ロシアは冷静だ」と述べ、
米国の圧力に屈しない姿勢を強調、
④米国がロシアの中枢を攻撃しロシア指導部が全滅した場合、
人間ではなく、システムが自動的に判断して、ロシアの核ミサイルを
アメリカに向けて発射する
『死の手(Dead Hand=Perimeter)』による
核報復が行われる可能性を示唆し、
トランプ氏の発言を「危険な領域への踏み込み」と批判。
この発言を受けて、トランプ氏は、8月1日、
戦略ミサイル原子力潜水艦(SSBN)2隻を
ロシア近海に戦略配置するよう
命令したことを明らかにした。
この一連のやり取りは、外交的な駆け引きというよりも、
核抑止と報復の心理戦に近いチキンゲームに近い様相を見せており、
1962年10月に米国とソ連が核戦争寸前まで対立した
キューバ危機を彷彿とさせる。
異常気象のみならず、人類は滅亡の危機と隣り合わせにある。
◯ 結言
原爆忌には、従来のユートピア的な「反核や平和の願い」を
一億総懺悔するかのように繰り返すことが「年中行事」となっているが、
日本・日本民族が生き残るためには、核の拡散が止まらない/止められない
趨勢・現実を深刻に認識すべきである。