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和田絵画教室

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宮秋美保子展

1237:和田千秋 (2013年11月01日 (金) 20時02分)

パネルに紙張りで、細かいグリッドを全面に配し、その上に木の葉状の絵を描いた、全体的にドローイング風な絵画展(於:とわーる、11月3日迄)。

作家が会場にいらっしゃったのでお話を伺うと、還暦を前にしての初個展だとのこと。キャリアは伺いそびれたが、初個展とは思えないレベルの高さでした(私の初個展のことを思い返すと、ああ、反省ばかり)。

執拗にグリッドを引いている感じは、市美の「アールブリュット」展に似た感じもあり(失礼にはあたりませんよね)、アカデミックな美術教育に毒されていない魅力を感じました。このまま進んでもらいたいですよね。

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稲葉幸作展

1236:和田千秋 (2013年10月23日 (水) 23時23分)

備前のような、焼締陶を嘉麻市で作られている、稲葉幸作さんによる陶芸展(於:村岡屋ギャラリー、27日迄)。

美術家にもファンの多い稲葉さんのやきものは、形は陶芸家が作るが、色や風合いは「火」が作るという、ある意味究極のやきもので、使い勝手のよい民陶風のものが主流です。

今回は、茶籠に仕込んだら良さそうな、半筒の小服茶碗を分けていただきました。おまけとして、尺八(実際には尺八の2倍の長さがあるので、別の名称でしたが、失念しました)の演奏を3曲していただきましたが、風の音のような縹渺とした音色で、心に「秋」が沁み入りましたよ。

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元村正信展

1235:和田千秋 (2013年10月18日 (金) 19時30分)

いつもはアートスペース獏でされている元村さんが、珍しくヴァルトで。今回だけの限定版だそうですが、なんでもヴァルトの森さんと、大学時代に同級生だったとか(於:ヴァルト・アートスタジオ、26日迄)。

私のおぼろげな記憶によれば、90年代に植物をテーマに制作をされていた元村さん。そのころは、植物素材の竹などで出来た立体と、絵画を組み合わせた作品構成となっていました。今年初めの、市美の「クロニクル」に出されていた作品もこの頃のもので、私の周りでは一番評価の高かった作品の一つです。

その後ゼロ年代には、人を描く絵画に移行され、今回の新作では、再び植物をテーマに替わられていました。恐らく一番自信のあるテーマなのではないでしょうか。今は紙に描かれていますが、いずれはキャンバスなどのタブローでも描かれるのでは? タブローとして独立した「植物」シリーズが楽しみですね。

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江上茂雄展

1230:和田千秋 (2013年10月11日 (金) 20時54分)

今展は、福岡県美の「郷土の美術をみる・しる・まなぶ」というシリーズの第5回目にあたり、現在101歳になる偉大なるアマチュア作家・江上茂雄さんの画業を紹介するもの(11月10日迄)。

江上さんは明治45年生まれで、会社員時代はいわゆる「日曜画家」として、定年退職後は一日一枚と決めて、これまでに2万枚もの絵を描かれてきたという。会場にはその2万枚から選ばれた、珠玉のといっていい、風景画を中心とした、クレヨン・クレパス・水彩画が展示されていた。

専門的な美術教育は受けられていないのだが、一枚一枚の作品にかける集中力が、密度ある優れた絵画を生み出していて、特に描いたり削ったりと手間を重ねられるクレヨン・クレパス画に、個人的には心を打たれるものが多かった。

と、素直に「感動させられた」と書いて終わりにすればいいのだが、ここには、日本美術の重要な問題が隠れているようにも思われる。それは、この江上さんのような作家を(例えば、岸田劉生でも高島野十郎でもいいのだが)、欧米の美術関係者に紹介するときの困難さである。

我々日本人からすると優れた作品に見えるのだが、彼らからすると18世紀以前の美術に見えてしまうかもしれない。欧米では近代以降、文脈主義、歴史主義なので、彼らからすれば遅れた美術にしか見えないのではないかという問題である。どうやって彼らを説得したらいいだろう、、、と、以前から考え続けてきた。

別に彼らを説得する必要はないし、我々だけで楽しめばいいのだという意見もあるだろう。まだ上手くまとまらないのだが、今現在での答えは、「記録アート」として意味があるということだ。昨年末出版された、香川檀「想起のかたち」水声社に、多くを教えられたのだが、元々美術の一番重要な機能は、記録する、想起させるということなのだ(とても良い本です。ご一読あれ)。

時代や出来事、街並みを記録し、保存すること。歴史的事件をたえず想起させ、再解釈をうながすこと。それこそが美術史の文脈を欠く日本にあって、文脈主義の欧米に対抗できる方法の一つかもしれない。

山本作兵衛さんのように、多くの人に紹介し、後世に伝えたいような人物は、今回のように展覧会をやる意味があるのである。極東の日本の、そのまた地方の大牟田・荒尾に、江上茂雄という明治から平成を生きて、生涯にわたって地方を描き続けた人がいたということ。また、そのことを記録し保存するのは、美術館の最重要な仕事の一つである。

その点、今回の展覧会カタログは、自覚的だったと思われる。箱入りで、付録付き。付録が何かは、買った人だけのお楽しみだが、付録を見つけた時には、感動を覚えるほどであった。

江上茂雄という稀有な人物の、記録保存箱なのだが、何十年後かにこの箱を開けたた人は、大正から昭和という時代の、タイムカプセルのように感じるだろう。それこそが、優れた作品、優れた展覧会の条件であると言いたい。お勧めの展覧会です。

1232:竹口浩司 (2013年10月14日 (月) 21時21分)

実に示唆にとんだ考察、ありがとうございます。香川壇の本、読んでみたいと思います。今回の展覧会でぼくたちが大きな眼目としてかかげているのは、歴史主義、形式主義ではすくい取ることのできない江上茂雄という画家をいかに「美術」の歴史の中に組み込み、さらには「美術」のあり方を攪乱とまでは言わないまでも再検討するきっかけにするかということですし、それはそのまま人が生きて在ることを考え直すことになるとも信じています。もちろんまだまだ道は始まったばかりではありますが、特に図録にはデザイナーであるカラマリインクの尾中氏のアイデアや思想や愛がぎゅうぎゅうにつまっております。和田さん、いつも見守ってくださりありがとうございます。

1233:和田千秋 (2013年10月14日 (月) 22時41分)

竹口さん、香川檀(まゆみ)さんの本は本当にお勧めです。図書館にありますから是非読んでください。この本を読んで、私が昔から好きだった塩田千春さんや石内都さんなど、多くが「記憶アート」の流れで説明できることが分かりました。大竹伸郎や米田智子、望むなら九州派でさえ再解釈可能です。面白いですよ。

1234:竹口浩司 (2013年10月14日 (月) 23時15分)

ああああ、、香川さんのお名前間違ってましたね。お恥ずかしい。やんわりと教えてくださり、ありがとうございます。

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前田信明展

1231:和田千秋 (2013年10月13日 (日) 22時27分)

熊本在住の、前田信明さんの新作個展(於:ギャラリー尾形、26日迄)。

以前は、黒っぽいミニマルだったように記憶していますが、ここ数年の福岡での発表を拝見すると、ずいぶんと変化されてきたようです。

会場で前田さんにお話を伺うと、キャンバスに塗った絵の具を、雨ざらしにしたり、サンダーでこすったりして制作されているとか。実際にキャンバスを見ると、ダメージが散見されるのですが、それでいいとのことです。

制作方法からすると、もの派的でもあり、ミニマルともの派は影響関係にあるので、作品の展開に無理はないのですが、前田さんによると今回の作品は、より「絵画」の意識がつよいのだとか。

なるほどシェイプドキャンバスから出発された前田さんらしく、今回のサンダーで削られた跡も、矩形の外枠に則ったタテ・ヨコの構図になっていて、やはり絵画なのでしょう。今後、矩形のキャンバスを十字架のように組み合わせるのも考えられているとか。どんな「絵画」になっていくのか、楽しみですね。

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マレーシア現代美術展

1229:和田千秋 (2013年10月06日 (日) 21時23分)

17人のマレーシア作家による現代美術展(於:アジ美8F交流ギャラリー、8日迄)。

規模といい、内容といい、アジ美の企画かと思う程の充実ぶりです。テーマは、ポストコロニアル、ナショナリズム、マルチカルチャリズムと、今日的に重要なテーマばかり。

一つのテーマにしぼってないのは、これが世界巡回展であり、包括的にマレーシアの現代美術を紹介するためだそうです。福岡から、阿部守さんが友情出品しているのも見逃せません。

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アール・ブリュット・ジャポネ展

1228:和田千秋 (2013年10月04日 (金) 20時37分)

2010年にパリで開催されて、12万人が観たという同名展の、帰国凱旋展(於:福岡市美、11月24日迄)。

「アール・ブリュット」はフランス語で、英語に訳すと「アウトサイダーアート」となり、定義は「正規の美術教育を受けていない作家による美術作品」ということなのだが、この展覧会でも9割以上は障碍者の作品で、実態は障碍者アートのことである。

障碍者の作品展が、これだけの規模で紹介されるのは、正直言って大変嬉しい。彼、彼女たちの作品が評価されて、彼、彼女たちの誇りや自信につながればなによりだと思う。作品も、訴える力が強くて非常に良かった、、、とこれだけ書いて終わりたかったのだが、少々危惧するところもある。

例えば明治期に生まれた「日本画」が、政治的な理由で、浮世絵や文人画を排除したように、「アウトサイダーアート」からも何かが排除されている。それは私の見るところ、健常者と障碍者の境界領域的な作品である。

障碍者の中で、一番人口が多いと思われる身体障碍者の作品は、知的に問題がなければごく普通の絵で、手が不自由だと、表現主義風の作風になる。

しかし、いわゆる「アウトサイダーアート」は、知的障碍者や精神障碍者の作品が中心で、こう言ってよければ「素朴で奇妙な」作品が多く見受けられる。このことが、われわれ健常者の、障碍者への期待を反映しているのなら、見ていて心が落ち着かない気分にさせられる。

アウトサイダーアートは、1910年代のシュールの時代から評価されてきたが、近年のマルチカルチャリズムの時代に、さらなる興隆を迎えている。そのため、マルチカルチャリズムにかかわる問題点がそのまま見られる。

それは、ある「寛容さ」なのだが、「管理された寛容さ」である。以前、ドイツの美術館を回ったことがあるが、そこに展示されていた日本人作家は、荒木経惟と森村泰昌の二人だけだった。ミニマルやコンセプチュアルのかっこいい欧米作家の作品の間に、荒木の貧しい黄色人種のヌードと、白人にあこがれて白人に扮装する森村の作品がはめ込まれていた。どういう役割を演じさせられていたかはお分かりだろう。

「アウトサイダーアート」も、同じようにある「寛容さ」によって管理されているとしたら、彼、彼女たちはずっとアウトサイダーのままだろう。「アウトサイダーアート」という名称も、障碍者アートを狭く管理しつつ、批判を逃れるためのあいまいな名称に見える。

こんな危惧は、たんなる私の思いすごしならばいいのだが。彼、彼女たちの作品は、重ねて言うがすばらしいものだった。何か、昨年日本を巡回した、アメリカの日系人たちが強制収容所で作った「GAMAN」の芸術を思い出させた。それは、日本での展覧会タイトルが「尊厳の芸術」であったこととも関係があるだろう。

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田部光子展

1227:和田千秋 (2013年10月04日 (金) 19時32分)

言わずと知れた九州派の女座長・田部光子さんの美術館の企画展示(於福岡市美 企画展示室、12月15日迄)。

ある女性学芸員が「田部光子を九州派から解放しよう!」と言ったとか。その意味が、この展覧会を観るとよく分かる。

5、60年代に、第五福竜丸事件や水俣病にショックを受けて「魚族の怒り」を描いたり、「女性の解放は、妊娠からの解放が必要」と、「人口胎盤」のオビジェを作る。

また、九州派が企画した「セックス博物館」展で、セックスからジェンダーへとテーマをずらすために、会場で女仕事であるミシン掛けを続けたりと、実に戦略的で頭のいい人である。

フェミニズムやジェンダーにかかわる、それら作品の先見性は、九州派を超えていると言ってもいいすぎではないだろう。私が一番好きな「プラカード」シリーズ5点が並ぶのも今回の目玉である。

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GALAの常設展

1226:和田千秋 (2013年10月04日 (金) 19時01分)

Art Pro GALAの常設展(18日迄)。

村上勝さんや、今林明子さんの作品も展示していますが、目玉は、田中千智さんの初期作品。今のスタイルを確立する前の絵を見ることができます。

今につながる雰囲気を持っていて、やはり栴檀は双葉より芳しと言った感じでした。

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内藤修子展

1225:和田千秋 (2013年10月04日 (金) 18時52分)

長崎在住の作家・内藤修子さんの個展(於:アートスペース獏、6日迄)。

サブタイトルは「昭和哀燐・花嫁の数程喪服は在る」というもの。婚礼衣装や喪服を着た、等身大の人形などからなるインスタレーション。

サブタイトルからすると、家父長制からなる、家制度に嫁いだ昭和の女性の哀しみをテーマにした作品なのだろう。しかし政治的なテーマとは違って、受ける印象はどろどろとしたもので、例えば山下菊二のような、土着的、民話的なシュールレアリズムといった感じがした。

山下菊二が晩年に、狭山事件や昭和天皇をテーマとして扱ったように、シュールと政治性は分離したものではない。内藤さんの作品の本質も、こちらの方にあるのではなかろうか。

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