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[403] 題名:AEOE@WEST 10 小さなことからコツコツと 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2010年11月21日 (日) 23時43分
※これはギャグです※お笑いです※シリアスでスタティックな方は読まない方がいいです※今回はトンちゃん(トウジ)とシンジの会話です。※一応連載※「誰にも喜ばれないSS」※読んだ人が悪い※
「なあ、シンジ…。お前がわしの実家に来たのって、ほんまは、惣流から逃げて来たんか?」
「…っ。そんな。」
「怒らんから、正直に言うてみいや。な。」
わしのばあちゃんの家の台所で、今日も洗いものをすませて、エプロンで濡れた手を拭くシンジに、思い切って尋ねてみた。
ばあちゃんは、自分が病院に行くついでに、嫌がる惣流を無理やり一緒に連れて行った。だから、今この家におるのは、わしとシンジだけや。
「…僕、アスカに酷いことしたんだ…。あ、トウジのとこに来たのは、ちゃんとトウジに謝りたかったんだよ。それが1番の理由だけど…でも…」
「惣流から逃げたい。という気持ちもあったわけやな」
「否定は出来ない…だって、今、僕はアスカが恐い…。アスカはきっと、僕を一生許さないって、僕を憎みきってるはずだよ。そんなアスカに向き合うなんて、僕にはとても出来そうにないよ。」
シンジの入れてくれた麦茶を飲み、わしは考えた。
「でも、あいつは追いかけて来たやんか。まあ、追いかけたり飛び出すんはイキオイで出来るけど、大事なのは今後やで。お前が気まずいのもわかるけど、『ヘレンちゃん、ほんまは行くとこ無いんと違うか。』…と、ばあちゃんが言うとった。案外、あいつもお前のとこに逃げてきたんちゃうか?」
「そんな、まさか!だって、アスカはいつも、ずっと僕より強かったよ…」
「まあ聞けや。もし、そうやったとしたら、本当はどうしようもなくなって、お前のとこに逃げてきた惣流やのに、シンジが拒絶することで、また見捨ててしまうことになるんちゃうか。」
「…そんな、僕、アスカにもう酷いことしたくないよ。」
「せやったらお前が逃げんとやな…」
「でも、恐いんだよ!アスカに酷いことを言われるのが、傷つけられるのが、どうしようもなく恐いんだ!」
「………。」
しばらく沈黙が続いた。
麦茶のグラスの氷がカラン。と鳴った。
暑いな。しかし…。
「シンジ。これを見ぃ」
「?」
わしは、シンジの顔の前に人差し指を一本立てた。
「何本や」
「一本。」
指をチョキにした。
「せやったら、これは」
「二本。」
「よし。そのまま、指の先をじーっと見ろ」
「?うん。」
「ちょっとずつ、ちょっとずつ、そのまま目を見開いていけ」
「……。」
目を大きくするシンジ。
「それでな。こう言え。出来るだけ腹の底から声出すんや。せーの。
『小さなことからコツコツと!』」
「…小さなことからコツコツと!」
「そうや。ええぞ。シンジ。やっぱり似合うわ。思うたとおりや…」
わしは満足した。一人うなづく。
「…何。これ?」
「いや。気にせんでええねん。ヘレン、いや惣流とのこともな、『小さなことからコツコツと』また始めたらええやないか。とわしはお前に言いたいねん。シンジにはそういう地道な努力がよう似合う。」
「…そうか。そうだねトウジ…。なぜ目を見開かされたのかはわからないけれど。小さなことからなら、始められそうな気がするよ…」
「そうや。その意気や。何たってヘレン、いや惣流のほうからお前のとこに来てくれたんや。恐がっとったら勿体ないで!」
「うん。うん。…」
「飛び出すことより、戻ることのほうが勇気がいるんや。またそばにおってくれるチャンスや。小さなことからはじめようや」
わしらは麦茶を飲み干した。
※
「ところで、さっきの格言なんだけど、関西じゃ有名なの?」
「えっ。格言…?」
「実は、トウジのおばあちゃんも、お友達のおばあさんも、ご近所のさいとうさんも、僕に同じ言葉を教えてくれたんだ。」
「あ、そ、そうなん?」
「そして三人とも、僕にその言葉を言わせたあと『思うたとおりや。似合うわ…』って納得して去って行ったんだ。」
「へ…へー。」
「…ねぇ。この街。何か変だよ…。」
シンジがうつむき、プルプル震え出した。
「ねぇ。この街も第三東京と一緒なの!?僕たち子どもには分からない、知らされないシナリオがどこかにあって、大人だけがそれを分かってて、利用しようとしているの!?そうなら、そんなの酷いよ!」
「いや、別に秘密文書とかそんな大層なもんやないねん。脈々と受け継いだ文化というか、わしらのジョーシキというか…」
わしは焦った。
シンジが怒っとる。
「じゃあ何なんだよ!」
「わ…わかった!わしがこれからもお前に教えたるさかい!小さなことから慣れていこ!まずな、こういう腹を立てたシチュエーションではな、こう言うねん」
「『怒るでしかし』だろー!それももう、トウジのおばあちゃんから聞いたよ!一体なんなんだぁー!!」
※
ガラガラガラ。バタン。
玄関で音がした。ばあちゃんが帰ってきたな。
「たっだいまー。あー暑い暑い。えらいこと暑い。ひからびるわ。あら、あんたら何してんの。漫才の練習?それ以上盛り上がるんやったら、外の公園でやってや。ヘレンちゃん病院に連れて行ってんけどな。こら不思議な怪我や。怪我してないわけではないねんけど、そのうえから治してしまったような跡がある。奇跡や。神さんがくっつけたみたいや。
言うてやな。医者がしきりに首をひねっとったわ。不思議なこともあるもんやなあー!あ、お土産にアイスバー買ってきたで。食べる?あとな、ヘレンちゃんの替えのパンツも買うてきてん。この子着替えもってへんやろ。そしたらな、店員さんがな、いや、おばあはん、こないな可愛いパンティ履くんでっか?お若いわねぇー!!言いよるんよー!あーはははは!うちもこれからは可愛いパンツはこかしらん。」
「シンジ!鈴原!!これは同じ日本語なの!?何を言ってるのかわからないわ!ていうか、そんなことシンジ達に言わないでー!!」
…わしは、シンジと顔を見合わせて、アゴをしゃくった。
「シンジ、惣流のやつ、涙目やで。さあ、お前の出番や。サポートしたれ…。」
※これはギャグです※お笑いです※ごめんさい。※ヘレンさんのだんなさんのギャグといえば。※「小さなことからコツコツと」っていい言葉だよね※似合うなあって思ったのは、性格的によ。※読んだ人が悪いんだからね※
[402] 題名:銀世界さん 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2010年11月21日 (日) 22時42分
こんなヨゴレをほめていただいて、ありがとうございます。恐縮です。ばあさんも礼を申しております。
ばあちゃん「ホメてくれて、ほんまにおおきにありがとう。新世界さん。」
トンちゃん「一文字違うだけで世界が違いすぎや!」
すいません。
ごまめもお二方の続きを楽しみにしておりますー。
[401] 題名:笑いました 名前:銀世界 MAIL URL 投稿日:2010年11月20日 (土) 00時48分
「ヘレン」を見た瞬間に笑いが止まらなくなりました(大阪のおばーちゃんシリーズ好きです、ファンです!)。
「お財布君」や「第二東京」がボディーブローのように効いて来ました、ツボです。
お2人とも私の腹筋を筋肉痛にしないで下さい・・・いやもっとして(笑)。
[400] 題名:何処さんへ 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2010年11月18日 (木) 23時09分
次のお題は「ちょっとだけよー」て、どうすか。
[399] 題名:何処さんへ 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2010年11月18日 (木) 21時58分
あんたも好きねぇ。
[398] 題名:毎度お下品ですいません 名前:何処 MAIL URL 投稿日:2010年11月18日 (木) 04時19分
メランコリック少年シンジの憂鬱
『ミサト…』
『…あによ』
『ないの…』
『へ?』
『…アレ。』
『…今度は何?又牡蠣とか』『…来ないのよ。』
『…マジ?』
『…』
『…身に覚え…有る…か…』
『どうしよう…』
『…知ってるの?シンジ君は?』
ブンブン!
『…女の子ね…大丈夫よ、あたしも一緒に居てあげるから自分でシンジ君に伝えなさい。』
『ミサト…』
がばっ
チュンチュンチュンチュン…
「ゆ…夢?」
◇◆◇
「あ、おはようございますミサトさん。」
「ファ〜〜…おあよ〜シンジ君〜…ゔ〜眠ぅい…」
「珈琲入れます?」
「ん゙〜お゙願い゙〜」
コポコポコポコポ…
「…ねーシンジ君、アスカがドイツから帰って来るの来週よね?」
「…この平穏な朝も来週には…はぁ。」
「んな事言っちゃって、本当はさみしいんぢゃな〜いの〜?」
「ミサトさん…アスカがドイツ帰ってる間、僕のお小遣いの減り具合が以前の半分なんですよ…」
「…へ?」
「やれ綾波とお揃いのパンプス買うだ、やれケーキを一緒に奢れだ、果てには料理の研究と称して買い食いに連れ回すだ…」
「…それってデートと違うの?」
カチャン、トプトプトプトプ…
「…綾波や洞木さんも一緒なんですけど…」
「…お財布君?」
「…言わないで下さい…」
カチャカチャ
「あー良い薫り…シンちゃんさあ…正直アスカとどこまで行ってる訳?」
「第二東京ですかね。」
「…シンちゃんさあ、素で言っちゃってるけどいい加減高校生なんだしさぁ、もうちょっち話の裏読もうょぉ…」
ズズッ
「裏?」
「つーまり〜、ぶっちゃけた話避妊具使う関係にゃ未だな「ミサトさん」」
「…シンジ君、目がマジよ…」
「…この前から父さんやリツコさんや日向さんや青葉さんやマヤさんが僕に同じ事聞くんですよ。」
「ほー。」
「挙げ句に実物箱で寄越して来るんですよ。」
「成る程。」
「どうしろって言うんですかそんなの。大体どこに仕舞えばいいんですか下手な所置けばまるで僕が使ってるみたいじゃないですかそれにこんなのアスカや綾波に見付かったら僕本当命の危機ですよ!」
「…いっそ使えば?」
「は?」
「だから使えば?」
「ミサトさん…一応保護者なんだから発言は慎重にして下さいよ…」
「…っかしーわねぇ…シンちゃん位の年頃ならさあ、したくて大変なん」「大変です。」
「…え?」
「けど大体ですよ、経済的にも自立してない未成年でそうゆうのどうこうって法律上も倫理上も駄目でしょ?」
「シンジ君枯れ過ぎ。」
「全く…保護者がこれだから…」
「あによぉ」
ズズズ…
「…誰に使いたいかは決まってる訳?」
「…内緒です。」
ズズズズズッ
「…アスカの誕生日近いわよね…」
「…“部屋留守にしたげよーか?”なんて発言は無しですよ。」
「…正夢になる日は遠いか…シンジ君珈琲おかわり。」
「?はいはい只今…」
*某チューブで見た“エキセントリック少年シンジ”は大爆笑だった。*
[397] 題名:消毒がひつようらー 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2010年11月17日 (水) 22時23分
汚れちゃった・・・汚しちゃった・・何処さん 銀世界さん そのほかの皆さん、消毒をよろしくお願いします
[396] 題名:AEOE@WEST 9 アスカ、来阪。 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2010年11月17日 (水) 22時17分
※これはギャグです※お笑いです※シリアスでスタティックな方は絶対読まないで下さい※60歳〜70歳のばあちゃん二人の会話文で進行します※登場人物 トンちゃん(トウジ)の祖母とその友達のおばあさん。お客さんのジン君(シンジ)と、カラオケ喫茶のボーイをやってる花畑ミツル(本名、青葉シゲル)※一応連載※「誰にも喜ばれないSS」※読んだ人が悪い※今回は特にくだらなくて自己嫌悪※とうとうアスカちゃんを登場させた※
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アスカ、来阪。[前編]
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ちょっとあんたー!大変よ。たいへん!
どないしたん。そんなに慌てて。
だって大変やねん。あら、あんた何食べてんの。
シャーベット。
うちにもちょうだいや。
ええで。はい。あーん。
あーん。
こら、あっさりしておいしいわ。
せやろ。角のな。コンビニのな。みかんジュースを製氷皿で凍らせてん。ここのが1番おいしいわ。
形もかわいいて、シャレてるやない。今度、うちもやろ。
それで何が大変なん?
ああ、せやった。忘れとった。
ちゃうねん。
さっき、お客さんのジン君追いかけてな。いきなり女がウチに押しかけてきよってん!!
うえーっ!!ほんまに!
あの子、おとなしそうな顔して意外とやりよるな。
どんな女?
それがあんた、ジン君は真面目そうに見えるやろ。髪も黒いし。
ところが女のほうは、髪まっからけのヤンキーや!
しかも体じゅう包帯まみれで傷だらけ。あの子、きっとごっつぅスケ番やわ。
よっぽどの『出入り』があったんやな!!
ジン君てそんな子やったん!はあ。人は見かけによらんなあ〜。
それでやな。
女のほうが「よくもよくも、あたしを見捨ててこんなところに逃げよったな!このろくでなし!ごくつぶし!」
言うてジン君をしばきまくるねん!
ジン君も抵抗すりゃええのに、無抵抗で「ごめん、ごめん」繰り越すばっかりでしばかれっぱなしやねん!
そら、えらいことやないの!警察呼ばな!
それが、トンちゃんが、「わしがこの場をおさめるさかい、ばあちゃんは危ないからどっか安全なとこに逃げとけ」
言うから、あんたのとこに逃げて来てん。
そんな、トンちゃんかて足不自由やのに、そんな凶暴なスケ番、相手できひんやろ!!
あら、トンちゃん。
言うてる間にウチにやって来たん?
あの子ら大丈夫なんか?
シャーベット食べる?
食べる。はい。どうぞ。
ばあちゃん、あいつヤンキーちゃうで。外人やねん。って、嘘ぉ。だって髪真っ赤らけやん。
それに日本語ぺらぺらやったし。
あいつは地毛が赤毛なんや。日本語うまいんは、日本人の血も混じっとるからや。
って、ほんま?
せやったら、あれか。
あの子、スケ番やのうて、ヘレンさんか。
ヘレンさんて誰やねん。って?
そんなん、日本語ペラペラの金髪の外人の女の人言うたら、ヘレンさんやんか。当たり前やん。
それより、トンちゃん。
ここで悠長にしててええんか?修羅場やないん?
修羅場は修羅場でも、あんなもん付き合うてられるか。あほらし。ってなんで?
…結局、わあわあ泣き出した女の子をジン君が「ごめんな、ごめんな…」って体さすって慰めてるう?
なんやソレ!
それで、目の毒やさかい、さっさと退散してきた。
はあはあ。なるほど。
ちょっとっ!トンちゃん!
あんたなんでそれほっといて逃げてきたんや!
そのまんま盛り上がったらどないしてくれるんや!うちの家は連れ込み宿やないで!
こうしちゃおれん。早よ帰らな!
そんなあほな!って?
せやからあんたは子供やいうの!
ウチの家に変な匂いついたらどないしてくれんねん!
えっ。何なに。もしかしたら外人さんがええことしとるかもしれんの?
いやー!うちも行こ。
ちょっとメガネとってくるわ。めがねめがね。
とってこんでええ!ってなんでよトンちゃん。
あら。お隣りのさいとうさーん!
ちょう、あんたも見に来るー?もしかしたらなー、外人さんがええことしてるかもしれんねーん!
見たいー?せやろー!!(大声)
やめーいっ!てなんやトンちゃん!
はよ行かな、あんたのばあちゃん、ピューっと走って行ってもうたで!
あの子、足早いからな!
ほれほれほれ、うちらも急がな!
さいとうさんも早足、かけ足やで!
※
はあ、はあ…
あら。やってへんわ。
残念。
なんやジン君。道の真ん中で立ち尽くして。
あらまあ、あんたほんまに顔じゅう傷だらけにされて。えらい色男やな!
ああ、あんた、間に合うて止めることが出来たんか?
…それが、うちが家の扉を開けた途端、女の子が飛び出してきて、あっという間に走って行ってもうてん。
えっ。
日本語ぺらぺらの、外人さんの女の子、逃げてもうたわ…。
ヘレンが、逃げた。
後編に続く
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前編あとがき
さいとうさんって、誰なんでしょうね。
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アスカ、来阪。[後編]
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ヘレーン!
ヘレン、ヘレンちゃあーん!
どこやー!
どこ行ってもうたんやー!ヘレンー!
なんや、トンちゃん。
何顔赤くして怒ってんの。
こうしてうちらも一生懸命探してあげてるやんか。
「それでは一生かけても見つからん」ってなんでよ。
だってあいつはヘレンちゃう!アスカいうんです!
ってジン君まで何よ。
「日本語ぺらぺらの外人の女の子で名前はヘレン言うんです。よろしゅう頼んます。」
ってトンちゃんのおばあちゃんがうちらに言うてたで。
頼むからうちの婆ちゃんの発言をそのまま信じんといてください。ってなんやそれ。
だってジン君、「アスカ」言うたら、日本人の名前やで。
あんた間違うてるわ。
なんで僕が間違うんですか!僕が前からの知り合いですやん!ってほんまかいや!
そもそもヘレンちゃんが逃げたんも、どっかの色男が酷いことしたせいとちゃうんか?
あら。うつむきはったわ!
さいとうさん、冗談言うとる場合やないで。そろそろ日が暮れる。暗くなったら、このへんは物騒やで。
それに怪我した若いお嬢さんやろ。変なおっさんに絡まれでもしたらほんま危ないで!
駐在さんにも連絡したけど、市場のな、大将な、夕方にはな、このへんの駅前で店子の屋台いっせいに開店さすやろ。
ヘレンちゃんの人相伝えて、見つけたら知らせてもらうよう頼んだらええわ。
どこ行ってもうたんや…。ヘレン…。
※
とっぷりと日も暮れたな…
もう遅いから、みなさん家帰ってくれてええで。夕飯の支度もあるやろ?
今夜は家にあるもん食べて、食べ終わったらまた捜しに来たるわ。
ほんまに、おおきに…
ありがとうな。
※
〔携帯〕
…もしもし…ジン君、あんたまだ捜す気?
もう少し、もう少しだけです。おばあさん達は帰って休んで下さい。って、あんた晩ご飯も食べんと歩きどうしやないの…
※
ああ。しんど。
あら、ミツルちゃん?
あんたこんな物影でギター弾いて何下手くそな歌うとうてんの。
あっ。しまったつい本音が出た。でも気付いてないわ。よかった。
ストリートでも自分の実力試そう思いまして。言うの?こんな夜中に?
誰もお客さんおらんやんか。
〜♪
あの子どこの子
どこの子あの子〜♪
あ、それ売れへんわ。
ほな。
最後まで聞いていけ!って何ー!?ちょっとうちの上着の裾引っ張らんといて!
♪
コンビニのあかりだけ
居場所にして
君はどうしておうちに帰らないの
君のおうち
きっと待ってる
いまは居場所がわからなくても
おうちに帰ろう
おうちを作ろう
♪
…あんたこそ、うちに帰ったほうがええ思うけどな。
せやけど、コンビニか…
トンちゃんとジン君に電話するわ。ほな。ミツルちゃん、またね。ばいばい。
※
お姉ちゃん、どっから来たんや?
ひとり?なら、わしらとカラオケでもいかへん?
なんや、無視すんなや!
痛っ!
なんで蹴るねん!
おっ、おおお…なんやお前ら。
わしら何もしてへんで!
なんやねん。男連れなら最初からそう言えや。けったくそ悪いのう…。
※
〔携帯〕
もしもし…はい…
…アスカが見つかりました…
隣街のコンビニの前で、三角座りでしゃがみ込んでるところを、僕とトウジ君が見つけました…無事です…はい。
本当にありがとうございます…すみません…皆さんにもありがとうございます…
…はい…
ヘレンじゃないです…
アスカです…
※※※
おはよう。
ヘレンちゃん見つかったんやて?!よかったなあー
しーっ!その名前言うたらあかん!また本人が怒る!
なんでやの。
ヘレンやないから怒るんか?
ちゃう。ちゃう。
わたいらがヘレン見つかったか。ヘレンちゃんよかったな。言うてたら、ジン君に「シンジ!ヘレンってどこの女?あんたいつ手を出したの!?」って怒り狂ってやな。あやうくジン君、殴られ死ぬとこやったんや。
よう止められたもんやで。ほんま!
了
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※これはギャグです※お笑いです※本当にごめんなさい。ヘレン。と管理人さん※やっさんの「めがねめがね」を使うんなら、ヘレンの「リコンよ!」も使ったらいい思う※元ネタは昔『ガキ』で「ヘレンが逃げて皆で山狩りした」とかいう話をしていたのが面白くて未だに覚えていたのです。※これはギャグです※ごまめは西川夫妻好きです※
[395] 題名:今日も風さえ吹きすぎる 名前:ごまめ@よろこび MAIL URL 投稿日:2010年11月15日 (月) 22時25分
何処さんありがとーのお返し編
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「…有り得ないわ…」
何故、味噌汁を作ろうとしてコーンポタージュが完成するの?
ヒトのもつ可能性。指向性。
我々人類の進化の証である共通認識のプロトコルを、この、目の前の、痛いエプロンをつけた女は悉くくつがえそうというの…!!
「ミサトのお味噌汁、まあまあね。おかわり。」
アスカ!
なぜ飲むの!?
「シンジ、パンあったわよね?軽くあぶってバター塗って。このスープときっと合うわ」
「でっしょ〜!!あたしはやれば出来る子なのよん!アスカも頑張ってお弁当作りなさいね!!」
いい気になってダンスを踊らんばかりにルンルンしてるミサト。
間違って、いるわ。
そうだわ。
「ミサト。次はコーンポタージュを作ってみて?」
「ん?いいわよ!まっかせなさ〜い!!」
大人味噌汁→トムヤムクン。
子ども味噌汁→コーンポタージュ。
ということは、トムヤムクンか、コーンポタージュを作ったら、普通の味噌汁が出来るはず!
「はいどーぞ!」
ずず。
「…コーンポタージュを作らせたら、コーンポタージュが出来たじゃないの!!有り得ないわ!何のトリック!?」
「こんばんは。綾波レイです…。お疲れですか。赤木博士。」
無表情なレイが声をかけた。
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ごまめもお邪魔させていただきました!
何処さんも銀世界さんも続きが楽しみですー。
何処さんのミサト味噌汁マジでうまそうです。トムヤム味噌汁。飲んでみたいです。
[394] 題名:お弁当にまつわるガールズトーク ――ハッピーマンデー提案 名前:銀世界@歓迎感謝 MAIL URL 投稿日:2010年11月15日 (月) 00時07分
歓迎のお言葉をいただいたので調子に乗って続き(?)を書いてみた・・・
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「アスカ、明日から碇君のお弁当を作るの、これは命令よ」
のどかな学校帰り、突然、戦友・綾波レイに言われ、惣流・アスカ・ラングレーは目を丸くした。
「な、何なのよレイ、いきなり!
あたしは『命令ならそうするわ』ってキャラじゃないのよ!!」
「知ってるわ」
レイはアスカの叫びにも顔色一つ変えずに返答する。
「でも、リツコ博士が『世界の存亡がかかってるのよ』って言ってる」
「何でリツコが・・・」
赤木リツコ、NERV技術部長にしてバリバリの理系の博士。
その人がどうして、個人レベルの事情と世界の存亡なぞを結びつけるのか。
「とにかく『“世界を滅ぼした女”と呼ばれたくなければ聞きなさい』って」
「あ、あの、どうしてお弁当が世界の存亡と繋がるの?」
スケールの大きい話に、一緒にいた親友の洞木ヒカリが顔を引き攣らせた。
「エヴァに乗った時に想定される成績が、碇君だけ少しずつ下がってるの・・・アスカのせいで」
「何であたしのせいなのよっ、アイツがだらしないだけでしょ!?」
「終日訓練の日のお弁当、碇君だけ自分自身で作った物だから・・・」
うっ、とアスカは言葉に詰まる。
アスカ自身はシンジに作ってもらっている。
レイと、彼女と同居している渚カヲルは、何だかんだで互いに作り合いっこしている。
シンジの親友である鈴原トウジの弁当の作り主は、この場にいるヒカリである。
5人中4人が誰か――いや、単なる誰かではなく大切な存在――の手作り弁当で。
残るシンジだけが自分自身の作・・・これはじわじわと堪えるだろう、とヒカリは思った。
「何だか碇君に悪いわね・・・私、鈴原にお弁当作るの止めた方がいいかしら?」
「大丈夫、問題ないわ」
ヒカリの呟きに、レイがきっぱりと言った。
「むしろ止めた方が問題があるわ。
鈴原君の成績は、ヒカリさんのお弁当がある時とない時で全然違うの。
本人は『豚まん屋のCM』って言ってる・・・よくわからないけど関西人なら通じるって・・・。
リツコ博士も言ってたわ、ヒカリさんにはこれからも頑張ってもらって欲しいって。
エヴァ関連の成績はパイロットの精神が影響するから、やる気出してもらわないといけないから」
「そうなの・・・私、みんなが頑張ってるのに何も出来ないって思っていつも苦しかったけど、役に立ててるのね?」
「ヒカリさんのお弁当が世界を救うのよ」
「ありがとうレイちゃん・・・私、これからも頑張るわ・・・!」
「ええ、頑張ってヒカリさん・・・!!」
レイとヒカリは固い握手を交わしている。
後ろに夕陽と荒波が見えそうな雰囲気である。
ヒカリは、愛しの彼氏の影響か、最近は妙に感情表現が暑苦しくなっている。
レイは、固有の感情表現法を持っていなかったせいか、目の前のことに影響を受けやすい傾向を見せていた。
まあそれはいいのだ、アスカから意識が逸れていれば。
その隙に、とアスカはそっと角を曲がろうとしたが
「どこ行くのアスカ、まだ話は終わってないわ」
あっさりレイに見つけられた。
「アスカ、私達では碇君の立場を公平にしてあげられないみたいなのよ、あなたがやるしかないわ!」
暑苦しさを残したまま、ヒカリまで説得を始めた。
「シ・・・シンジは一応、我慢強いからいいのよっ。
鈴原なんて、食堂に切り替えた日なんか傍から見ても酷く暗かったから必要だろうけど!」
「そ、そうなの・・・じゃ、もっと鈴原がやる気が出るように私も考えなくちゃね。
メッセージカードでもつけてみようかしら。
『大好きなトウジへ 愛をたっぷり込めました(はぁと)』なんて、きゃあー!」
ヒカリは自分の世界へ行ってしまった。
「密かに名前で呼んでたんだ・・・」
「アスカも、少しはヒカリさんを見習うといいと思う」
「あ、あたしとシンジは名前で呼び合ってるじゃない、とっくの昔から!」
「そう、ヒカリさんにとっての鈴原君に相当する存在って、やっぱりアスカにとっては碇君てわけね」
アスカは再び言葉に詰まった。
「レ、レイこそどうなのよ」
「私・・・?」
やだ、レイったら顔を赤らめてる。
ヒカリもだけど、どうしてあたしの周りって、わかりやすい子ばかりなんだろう。
アスカは内心で呟いた。
「この前、カヲルが言ったの・・・私とお弁当交換をするのは嬉しいって。
言われて、私も気持ちがぽかぽかした・・・私も嬉しいのね」
「そう、良かったわね」
何であたしがレイの代わりにこんな反応しなきゃならないのよ。
「『トウジへ 訓練頑張って早く帰って来てね。
帰ったら最初に夕ご飯にする?お風呂にする?それとも私・・・?』
いやだ私ったら、何書こうとしてるのかしら」
「不潔よ、ヒカリ」
何であたしがヒカリの代わりに(以下略)。
3人並んで歩いているのに、うち2人がそれぞれ自分の世界に突入してるんですけど。
アスカは小さく溜め息をついた。
「だから、アスカが作らないなら、私とカヲルで碇君のお弁当を作るわ」
「ちょっと待てー!!」
わけわからないわよっ、とアスカは叫んだ。
レイが、シンジに対して深い関心を寄せていたのはわかってる。
カヲルが、時に行き過ぎた友情表現をシンジに見せていたのも知ってる。
でも、その2人は、今やカップルになったのではないのか。
それがなぜ、2人揃ってシンジに・・・
「私もカヲルも、碇君に対しては保護者気分なの・・・碇君はひもじくならないわ、私達が守るもの」
「別に今でもひもじいってわけじゃないでしょ・・・」
アスカは溜め息をつく。
「まったく、どいつもこいつも・・・ミサトもこないだからお弁当作れってうるさいし・・・」
「でも聞かなかったのね」
「当たり前でしょ、ミサトが言っても説得力ないじゃない」
葛城ミサト、NERV作戦部長にしてアスカとシンジの同居人兼保護者。
しかし、炊事洗濯掃除その他、生活力が影響する全ての要素をシンジに丸投げしている。
「それで、リツコ博士は、私からもアスカに言うようにって指示したのね」
レイが納得したように頷いた。
「『同居人の保護者と被保護者が揃って家事が大の苦手とはシンジ君は不運ね』ってリツコ博士が言ってた」
「あ・・・あたしだってやれば出来るわよ!」
「葛城二佐も同じことを言ってたわ・・・こういうのを表す言葉、何かあったわね」
日本語にそこまで詳しくないアスカでも、あまりロクな諺が出て来ないであろうことは想像がついた。
レイの目に冷徹な光が宿る。
ミサトが見たら、「レイこそリツコに似てきた」と言ったであろう。
「えっと・・・『蛙の子は蛙』とか、『血は争えない』とか?」
まだ少しうっとりと考えごとをしながら、ヒカリがぼんやりと答えた。
「あたしとミサトには血縁関係はないってば!」
「思い出したわ」
アスカがヒカリに抗議する横で、レイがぽつりと言った。
「『ペットは飼い主に似る』」
「誰がペットよ!!」
アスカは、今度はレイに向き直り、掴みかかる。
「ちょっとヒカリ! ぼんやりしてないで何とか言ってよ! レイってば酷過ぎるわよ!!」
「え? ペンペンってそんなに葛城さんに似てないわよね?」
半端に話を聞いていたらしいヒカリの言葉に、アスカはがっくりと肩を落とした。
「アスカ、碇君のお弁当作りは司令からの命令と思った方がいいわ」
「そう言われても・・・」
「大丈夫よアスカ、頑張れば何とかなるわ」
レイは決然と、ヒカリは励ますようにアスカを見る。
「違うわよ、あたし、料理苦手なんかじゃない、やれば出来るんだから!」
((じゃあやりなさいよ・・・))
アスカの言葉に、2人の視線が冷ややかになる。
「た、ただ、あたしの料理って本格的だから時間がかかるわけよ、だからお弁当には向かないわけ」
「わかったわ、アスカ」
ヒカリがアスカの手を優しく取る。
「アスカが本当に本格的な料理をするのか、苦手な言い訳してるのかは私にはわからないけど」
「・・・ヒカリ、さり気なく酷い事言った」
「それなら、毎週月曜日にお弁当を渡すことから始めたらいいのよ」
ヒカリはにっこり微笑んだ。
「土日の間に仕込みをすれば、月曜の朝には渡せるわ。
1週間に1度でも、碇君にとっては今よりはいいはずよ」
「ちょ、ちょっと待ってよ、料理で土日を潰せってわけ?!」
土日はシンジをお供にショッピング、または映画、または・・・エトセトラエトセトラ。
訓練が休みなら、楽しい外出の日なのだ――またの名をデェト(byミサト)。
「慣れれば短時間で手際良く出来るようになるわ、頑張るのよ、アスカ」
「ヒカリってば、やっぱりあたしが料理出来ない前提で言ってる」
「でも、そうなんでしょう?」
「レイまで・・・!!」
アスカの負けん気がむらむらと燃え上がった。
「いいわよ、やってやるわ! シンジに幸せな月曜日を提供してやろうじゃない!!」
かくして、世界は守られることになったのであった。
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妙に綾波さんが感情豊かですが、同居人がいるなど本編と設定違うのが影響してるのです。
3人寄ったら委員長が常識人だというイメージがあったのに、なぜかアスカさんが常識人の役回りになりました。
でも、こういう話って・・・常識人は損をするのがお約束なんですよねぇ(汗)。
ちなみに「豚まん屋のCM」(byトウジ)が通じるかどうかは、ほんまに関西人の見分け方その1です。
関西以外に在住の方でご存じない場合は、「あ○時な○時」でググってくらはい・・・。