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もちろんLASだけに限らず、エヴァネタだったら何でもOK。
作品に関する感想もお気軽に書きこんでくださいね。
[473] 題名:とある 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2011年05月12日 (木) 21時41分
とあるとあるって最近良く聞くんですが、とあるってどこやねん。
いつどこで誰が何を何のためにやったのかちゃんと言わんかい。
5W1Hはぁー!!ってツッコミたくなるのは私だけかしら。
というよりも荒らしと思われてたらどうしよー。
[472] 題名:とあるネルフの運命改変(中身…ろくでも無い) 名前:何処 MAIL URL 投稿日:2011年05月09日 (月) 06時27分
…私は…
逆行した…
刻を…時間を…
【とあるネルフの運命改変】
「ここは…」
覚えている…確かオーバー・ザ・レインボーの船室…ベッドに横になったまま私は呟く。
「…又…繰り返すの?」
…嫌!
「やり直し!そう、やり直しよ!仕切り直しね!」
…?
「今の…声…え?私?…私…誰?」
knockknock
!?
「どうぞ、開いてるわ…」
…私の声じゃ…無い?
Gakuooon!
「よっ、起きてるかい?明日には日本の領海だ、君のお待ちかねの初号機パイロットとのご対面だぞ。」
「加持さん…」
「?どうした?顔色が悪いぞ?天才少女リナ・綾波・インバースともあろう者が気後れかい?」
!?
◇◆◇
「…さてと、これが記録映像ね…」
ウィ〜ン…
『ね…ねえアスカ…』
『何?』
『その…アスカは何でエヴァに乗るのかなって…』
『碇君…いや、しんのすけ!全く君はお話にならないわね!』
『アスカ?』
『そをーんなのこの惣流・アスカ・ナーガ様々の実力顕示の為よ!』
『でも死んだら元も粉も無いぞおねーさん。』
『をー―――っホッホッホッホッホー!ほぉんとなぁんてお馬鹿なのしんのすけは!この超絶美形かつ才能溢れる惣流・アスカ・ナーガ様は使徒ごときに負ける訳が無いわ!』
『をを、アスカはさすがだな。ミサトにもそのアクチョン仮面ばりの格好良さ見習わせるんだぞ。』
『をーっほっほっほ!しんのすけは私の見ていればいいのよ!さぁて時間ね、行きますわよ!』
『あ、アスカ、一寸待つんだぞ』
『をーっほっほっほ!なぁにを子ちゃまなしんのすけぇ?この私に待てですってぇ?まぁ良いわさぁ言いなさいをーっほっほっほ!』
『…行く向き逆だぞ。全くアスカといいミサトと言い当てにならないんたから全く〜』
『をーっほっほっほ!場を和ませる為のジョークも判らないなんてしんのすけは何てを馬鹿なのぉ?をーっほっほっほ!』
『をを、高度な技だなアスカ。すげーぞ。』
『をーっほっほっほ!』
「こ!こ?これがシンジとファーストぉ〜!?」
◇◆◇
「…憂鬱だわ…」
…何でファーストと私が外見入れ替わった挙げ句性格までああなる訳!?
「…名前まで違うし…」
惣流・アスカ・ナーガ?我宇里しんのすけ?誰よあんたら!
「くすん…シンジぃ…」
「君の心はガラスの様に繊細だね…」
♪フンフンフンフン♪
「誰!?誰よあんた!」
「それは秘密です。あ、僕との出会いは内密にお願いしますね。何しろ本来僕の出演は未だ遥か先なもので。」
「は!?」
「又ご縁があればお会いしましょう。ではさようなら。」
「え?あ、一寸ぉ!?」
◇◆◇
「我宇里…お前の息子、どうにかならんか?」
「無理ですよ冬月先生…」
「即答かおい!?全くだから貴様は駄目雄なんだ!」
「そうです、私が我宇里駄目雄です。♪は変な駄目雄〜だか〜ら変な駄目親父〜♪」
「全く…唯君も何故こんな馬鹿を…」
◇◆◇
はぁ…
私はオーバー・ザ・レインボーに着艦態勢で降りて来るヘリに絶望の眼差しを送りながら本日恐らく8ダース目のため息をついた…
“続かない”“葛城みさえは流石に止めた”“確かにネーミング大事”“ごまたん、やっぱり俺駄目ぽ”
[471] 題名:特攻服ネタまでありがとうございます>ごまめさん 名前:銀世界 MAIL URL 投稿日:2011年05月08日 (日) 22時56分
調子に乗って、特攻服ならぬ鯉のぼり完結編。
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あたしは・・・あたしは司令に勝ったと思ってたのに・・・!!
帰宅した後、シンジは、鯉のぼり発見の報を司令に伝えに行った。
飾れないことも言ったらしいけど、お約束で「問題ない」って言われたらしいわ。
それで、あたしは気付くべきだった。
連休明けに学校に行こうとみんなで待ち合わせていると、相田が泣きながらやって来た。
「ううう・・・NERVが・・・オレの憧れのNERVがぁ・・・っ!!」
嫌な予感がして、アイツの握り締めていたデジカメを奪って、メモリーを見てみた。
画面は小さかったけど、そこがNERV本部の正門だってことはわかったし・・・その横で靡いてる代物に「碇」って文字も読めた。
つまり・・・
「い・・・嫌〜っ、あたしこんな所で一生働くなんてやだ〜っ、ドイツに帰る〜っ!!」
そう、NERVは今や一般研究機関となってるけど、あたしは研究者の道を歩むから、将来ここで働くつもりだった。
だけど、もうダメ、あたしはここで働くなんて無理。
「・・・鯉のぼりは日本が生んだ文化の極み・・・そう思った時期が僕にもあったよ・・・レイ・・・僕はもう駄目だ・・・」
「大丈夫よカヲル、もう5月5日は終わったわ、つまり鯉のぼりは用済み」
「そんなことないよ・・・親の愛は年中無休だよ!!」
シンジは、デジカメのデータを見て、感激で目を潤ませていた。
「父さん・・・父さんが僕への愛情を、全世界へ主張してくれるなんて・・・」
シンジは完全に、現実が見えなくなっていた。
「・・・あたし・・・今すぐドイツに帰るわ・・・」
あたしは、これが嫁舅戦争の敗北か・・・と思いながら、速攻で空港に向かった。
結局、あたしは2週間で日本に戻って来た。
あたし達の前では、父親の愛情にうっとりとなってたシンジだったけど。
どうやら、全校生徒に「特攻鯉のぼりの所の子」呼ばわりされたのには我慢出来なかったらしい。
シンジの悩みと、リツコが「離婚してアメリカの研究機関に勤務する」と脅したのが重なって、司令は結局、鯉のぼりを撤去した。
それにしても、あたしがあれだけ言っても知らん顔だったのに、よく知らない学校の人達の反応を気にして考えが変わるなんて。
あたしはミサトに不満を言ったんだけど。
それくらい、シンジがあたしや友達に安心出来るようになったってことよ、ってミサトは笑ってた。
すっごくいい事だと思う。
思うけど・・・こんなコト、二度とごめんだわ。
[470] 題名:こんなもん誉めて、わざわいが起こっても知らんぜよ! 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2011年05月08日 (日) 21時48分
「そうか・・・そうだったのか。僕たちの名前が皆、カタカナ表記なのは、そんな理由があったんだ!」
「この世界の謎に一歩近づいたのね、シンちゃん。」
「こいつの親父の葛城博士は、ああ見えて地元じゃ負け知らずのブイブイ言わせたヤンキーだったのさ。
俺なんて『加持 両刀児』だなんて・・・。笑えんよ」
「何を言うのよ。すごくいい名前じゃない」
「えっ?君は、…綾波 鼻毛マツコデラックスちゃんかい…」
「そうよ。あんた、なかなか可愛い顔してるじゃない。バイト探してるの?あたしを雇いなさいよ。いくらでも体で払ってあげるわよ。」
ズルズルズル
「えっ。あの、どうして俺は軽々と持ち上げられているんだい。というより、綾波 鼻毛マツコデラックスちゃんは、俺よりも体がデカイんだね・・・??あの、えーと、葛城??シンジ君、シンジくーん!!いやだーーーっ」
スパイは、消えた。
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「『碇シンジ参上』と刺繍された特攻服か。。悪くはないけれど、「闘魂」がないのが気に食わないわ。」
「・・・アスカ、まだアスカ・ボンバイエのままなんだね・・・」
[469] 題名:天才や!ごまちゃん天才や! 名前:何処 MAIL URL 投稿日:2011年05月08日 (日) 00時50分
【と在る平行世界の毒電波通信】
バイト代は働いて貰うぞ。
…ん?どうした?
…そうか…
そっとしといてやれ…
人にはな、触れない方がいい事もあるんだ…
…司令の息子ってのも大変だとは思うさ…
だけどな…苦労ってのは、意外と皆してるもんさ…
葛城なんか本名は葛城ミサトじゃなくて葛城魅乳里にヘブッ!?
いてて…居たのか葛城…解った悪かった。触れちゃいけない話題だった。
…ああ、反省してる。
いや、違うぞ葛城、俺も苦労してるんだ…
…ああ、加持両刀児なんて名前なばかりに…
…おぃおぃそんな退くなよ…
…なあ葛城、お前まで何で納得してるんだ?
[468] 題名:大切なもの。4 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2011年05月08日 (日) 00時12分
奇妙な世界に逆行した碇シンジ。そこでは、さしたる変化はないように見えたが、大切なものが狂っていた。
それは『ネーミング・センス』であった。
この世界では彼は 初号機パイロット:玉キンサブロウ(通称タマキン)
という名前であった…。
◆まだ逆行してる
「分裂する、使徒ですか…」
「対戦相手に不足なし!信じるところに道は出来るわ。バカタマキン!
あたし達がタッグを組んで、必ず敵をリングマットの白い砂に変えてやるのよ!合宿ね!」
「アスカ…(今は、アスカ・ボンバイエだから無理ないけど前よりも好戦的になってる気がする…)」
「頼もしいわアスカ!はいコレ!お揃いのレオタードよ!」
(アスカは、ダサい、とか言って抗議するんだよなたぶん)
「ミサト、何よコレ!Tシャツが気にいらないわ。ちゃんと『闘魂』にしてちょうだい」
(そうきたか!)
「タマキン!あたしが『闘』であんたが『魂』よ!」
「えっ!?」
「まあ!キンちゃんたら、アスカとペアルックね…!」
(うれしくない!)
◆拉致された
「ここは…どこだ…」
私は、どうやら拉致された。おそらくゼーレにだ。なんということだ。
「副司令。お助けにあがりました」
「加持君か!ありがたいが、君の身は大丈夫なのかね」
「元より覚悟のうえです。それよりも、たま司令と間違えて副司令を拉致してしまったので、老人達がカンカンなのです。彼らは、猫のおもちゃを山のように用意して楽しみに待っていたのですよ」
「…あっそう」
◆もう最悪
僕は、廃墟の中でピアノを弾いている不思議な少年に会った。
彼は…!?
♪♪♪♪♪♪
「この曲、知ってるかい?」
「『猫踏んじゃった』だろ…そりゃ知ってるさ…」
「会いたかったよ」
君は…カヲル君…。
「僕は、カヲル。男股(おまた) カヲル。」
「カヲル君…!君ってやつは」
「今の君が、『玉 キンサブロウ』なら僕だって合わせてあげるさ…!」
「カヲル君!!君はやっぱり僕の親友だあ!」
「これぐらいなんでもないさ!キンタマロウ君!」
「だが、それだけは言うなあー!!」
ぶちっ
◆たま司令@営業中
「父さん…父さんは、こっちの世界ではすごく人気者なんだね…」
柱の影から、こっそり父を伺う少年。
「はーい並んで並んでー。記念写真はこちらでーす。あっ、フラッシュはたかないで下さいねー。
たま司令がびっくりしちゃうからねー」
案内役の日向マコト。
父は座布団の上に鎮座ましましている。にゃんご。
「あんた何こっそり見てるのよ。お父さんに話しかけたいの?」
「あ、アスカ、…う、うん。でも中々近づけないよ」
「そういうときには秘密兵器よ!見てなさい。ソニック猫じゃらし」
「それただの猫じゃらしでは」
「こねずみスペシャルもあるわ」
◆長い廊下で
「と、父さん!」
「なんだ。キンサブロウ。」
「あの…よかったら僕と、一緒にお昼を…」
「悪いが仕事がある。…〜〜〜ん!!」
「父さん!お願いだよ!」
みょんみょんみょんみょんと、猫じゃらしを振り回しながら迫る息子。
「あっ、やめろ。そんな。つい追ってしまうではないかっ」
「司令!あたしからもお願いします!」
こねずみスペシャルの紐を持ち、地面にじりじりといい感じに動かしながら迫るアスカ・ボンバイエ。
「ね、ねずみ。やめろ。おしりがムズムズしてしまう!じりじりじり…にゃんご!」
ばっ
思わず飛び掛かる司令。
「こっちよ、たま司令!」
「つかまえたあ!」
「あっ。何をする!あごひげを撫でてはいかん。ごろごろ。」
「父さん、父さんはあったかいんだね」
「あたしにも撫でさせて」
ごろごろ。
ごろごろ。
「…司令のあごひげを撫でたら、恋が叶うのよね…」
「…えっ…」
頬をそっと染める少年と少女。
タマキンと、ボンバイエ…。
◆たま司令@尋問中
「司令…。私の…私の飼っていたネコが死んだんです。」
「…にゃんと…!それはつらい。赤木くん、忌引でお休みしたまえ!」
「愛してますわ!司令!」
◆三人目
「綾波が、生きてる…!?」
「…そう。あたし、あんたを助けたの」
「そ、そうだよ。覚えてないの?」
「多分あたしは三人目だと思うからさ」
「三人目?ということは鼻毛松子…」
ガシッ
「ぐえっ」
「気安く呼ぶんじゃないよ!」
「あ、綾波…。いつ、のど輪なんて覚えたの?」
少年は壁に押し付けられ、持ち上げられた。足が床につかない。すごい力だ。
「あたしは、ただの松子じゃないよ!綾波 鼻毛マツコデラックスだよ!!ガキが!」
「…!強敵ね…!さらに強くなって戻ってきたのね!望むところよ」
「アスカ、燃えないでくれ」
「な に よ。 あ ん た 」ジロリ。
「…あ、相手にとって、不足なしよ!」
脇汗びっしょり
◆惚れました
こんな世界は嫌だとばっかり思っていたのに…
父さんはなんだか優しいし、こうして、あごひげとお腹を撫でたら、気持ちよさそうに、僕の腕の中にいてくれるときもある。
「ごろごろ。にゃんご」
「僕はここにいていいんだろうか」
「そんなことで悩んでいるの!バカタマキン」
「アスカ」
「いいこと、タマキン。あんたに足りないのは利口さじゃないわ」
「えっ」
「馬鹿になりたりないのよ!馬鹿になれ。とことん馬鹿になれ。恥をかけ。いっぱい恥をかけ。そうすれば見えてくる。裸の自分が見えてくるわ」
「…そ、そうかな」
「闘う前から、負けること考えてどうすんのよ!迷わず行くの。行けばわかるわ」
「…ア、アスカ!何か感動したよ!惚れた!惚れました!僕は君に、ついて行きたい!」
(↑好きとか愛してるじゃないんかい)
「あたしにかかれば使徒なんて、片手で3秒よ。…あたしにも、司令を抱っこさせてよ…」
「あ、うん…」
(こういうところは、女の子らしくて可愛いや…)
「…にゃんご?(何だこの雰囲気は)」
◆どうかしてるぜ
「そうか、僕はここにいていいんだ」
「おめでとう」
「おめでとうタマキン」
「よくやったタマキン」
「コングラチュレーションタマキン」
「めでたいでタマキン」
「タマキン祭り」
「タマキン大回転」
「タマタマキンキンたまきんきん」
「ありがとう!みんな」
「おめでとう!キンタマロウ君」
「だが、それだけは言うなあー!カヲル君!!」
ぶちっ
◆総辞職
「これのどこがめでたいのよ!これはもう、気が狂ってるね」
「あ…三人目の、綾波…鼻毛マツコデラックスさん…」
「納得いかないね!監督、交代。漫画家、交代。元デブ、交代だよ。」
終 劇
◆それから
「はっ!」
僕は、目を覚ました。
「どこだ…ここは」
「目を覚ましたかい」
「ケンスケ!?何してるの。頭から変なツノが生えてるよ!?」
「おいらは、ケンスケじゃないよ。ジャージャー・ビンクスだよ」
「あの嫌われ者の?じゃあ僕は…」
「タマキン・スカイウォーカー。」
「それはアナキンだよ!!もういいよ!僕らと関係なくなってる!」
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※ごまめちゃん、殴り殺されるかもしれない。
[467] 題名:何より高価(たか)い鯉のぼり〜タダより高いモノはない〜 名前:銀世界 MAIL URL 投稿日:2011年05月05日 (木) 19時16分
まともな話と言えるのかは大いに謎ですよ?
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シンジのママの親戚の家に行く前に、せっかくだからと少し街を歩いた。
「シンジ、あれ何?」
「八つ橋? んーと、ラザニアの麺みたいな形をしたお餅と言うか団子と言うか・・・食べてみる?」
「んー、でもこっちのソフトクリームもおいしそうよねー、あんまり食べたら太っちゃう」
「アスカなら細くてスタイルいいから、旅行で少し食べ過ぎたって大丈夫だよ。
気になるなら、帰った後のメニューで僕が調整するから」
「ふふふっ、シンジがそう言うなら、食べちゃおっかな〜♪」
「うん、折角だからアスカには楽しんで欲しいし」
旅で開放的になっているのか、シンジがいつもよりも照れずにいる。
家族旅行も多いけどカップルも多くて、あたし達はそんなに目立たなかった。
「ここの抹茶ソフトな、ちっこい頃食うたんやけど、ものっすご美味いんやで」
近くからした声に、シンジはよく知る誰かを思い出したみたいに笑った。
「やっぱり京都だと、道行く人も関西弁だね」
「そうね」
でも、次の瞬間、あたし達は八つ橋を喉に詰まらせかけることになった。
「ふぅん、トウジの思い出の味なのね・・・あ、ほんと、美味しい〜!」
あたし達は顔を見合わせる。
「・・・シンジ・・・『トウジ』って名前って、よくある?」
「ううん珍しい・・・少なくとも、絶対に『シンジ』とか『ケンスケ』とか『カオル』より少ない・・・『ゲンドウ』よりは多いだろうけど」
あたし達は、ちょっとしたパニック状態だった。
2人っきりの旅行なんて、絶対にみんなに秘密だって思ってたのに〜!
「せやろ、京都行ったらヒカリに食わせたろ思てたんや」
「ねぇ、シンジ、『ヒカリ』って名前って・・・」
「珍しくない、そこまで珍しくないけど、もうそういう問題じゃ・・・」
「何やさっきからごちゃごちゃうるさいのぉ・・・」
「それに、何だか聞き覚えのある声の気がするわ・・・ってアスカ?!」
「や・・・やっぱりヒカリだったんだ・・・」
新第三東京市から遠く離れた古都の地で、まさかの見知った顔との遭遇だった。
「ええ〜っ、2人で旅行なの? 不潔よ、アスカも碇君も!」
「アンタ達だって同じじゃない!」
「ちゃうちゃう、ワイらは合同家族旅行で、今だけ別行動しとるんやって」
「・・・大して変わらないと思うよ、それ・・・」
いつもと同じように賑やかに喋りながらも、あたしは少し考えた。
「・・・ねぇ、アンタ達、会ったついでに手を貸してくれない?」
事情を説明して、鯉のぼり探しを2人に手伝わせることにした。
それがさっさと終われば、もっとシンジと観光する時間が取れるわ。
でも、あたしはすぐに、その見通しが甘かったことを知る。
シンジのママは整理好きだったみたいで、残された品は全部、きれいに箱に入れられていた。
おまけに、ちゃんとそれぞれに札がついていたから、どれが「鯉のぼりでない」かは、すぐに見分けがついた。
それらのたくさんの箱をどかすのに、男手を確保しておいて正解だったけど。
鯉のぼりの箱は、色々な荷物の奥深くに埋もれていた。
って言うか、何も書いてない箱がそれだけだったから、鯉のぼりが入ってるとしたらソレしかなかった、ってとこ。
「かなり大きいな・・・」
言いながらシンジは、いそいそと箱を開けた。
中にはいくつかの包み。
1番上のをそっと開けると・・・
「わぁ・・・」
「・・・・・・・・・」
金ピカの鯉のぼりが、こっちを見上げていた。
ううん、色だけだったら、予想はしてたから良かったんだけど。
そこにはでかでかと真っ赤な文字で「碇シンジ誕生」って刺繍がしてあったんだ。
・・・お金はかかってると思う、多分。
「す・・・すごいわね」
「・・・仕立て直したら特攻服出来るで、これ」
親友達の感想も耳に入らないかのように、シンジは次々と包みを開けて行った。
・・・まさかあたしも、1番目のがマシだと思うなんて想像もしなかった。
2番目は、派手な紫の布地に金色の刺繍で「碇シンジ参上」。
3番目は・・・なぜだか蛍光ピンクの布地に、黒い文字で「碇シンジ見参」と縫い取られてた。
よく見たら、2番目の刺繍は、金じゃなくて蛍光イエローだし。
「これに付けて飾るんだよね」
そう言って、シンジは箱の奥から棹を取り出した。
やっぱり全部金箔・・・だけじゃなく、貝がちりばめられたりしてた(蒔絵って言うんだって)。
いや、それだけなら良かったんだけど・・・やっぱり、なぜかその上に蛍光ピンクのテープが巻かれてたわ。
「父さん・・・」
それなのに、シンジは、うっとりと鯉のぼり一同を眺めてた。
ああもう、普段はマトモな方なのに、司令が絡むと判断能力皆無になるんだから!
「父さん・・・ちゃんと僕の事、祝ってくれてたんだね・・・」
祝いじゃなくて呪いじゃないかと思っちゃったわよ。
「よし、早く帰って、これを飾ろう!」
もういいわよ、勝手にして。
あたし、観光する意欲も無くなったわよ。
でも、そんなあたしを、ヒカリ達は大急ぎで部屋の隅に引っ張った。
「アスカ、アレを飾らせちゃっていいの?」
「仕方ないわよ・・・シンジ喜んでるし、アイツの部屋なら勝手にしたって」
「いや、シンジの部屋には絶対入らへんで。
鯉のぼりくらい見たことあるやろ、外で泳いどるやん」
「でも、ほら、あたしたちの所って庭ないから外に出すことないし」
「甘いで惣流・・・あんなでかいモンが部屋に入るわけないやろ。
マンション住まいのモンが鯉のぼり飾る場所はな、ベランダや!」
「何ですってぇ〜!!!」
あたしの叫びに、さすがにシンジも振り向いた。
「シンジ、駄目よっ、絶対飾らせないわよ!!
そのセンスにあたしまで巻き込まれるなんて嫌だからね!!」
「で、でも、せっかく父さんが・・・」
「そういうのはね、気持ちだけ受け取っとけばいいのよ!
家に飾ったら、あたし、出て行くわよ!」
そう言ったら、シンジは渋々だけど、ベランダに飾るのを諦めたわ。
あたしの勝ちよ、司令。
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ツッコミ要員確保のため、急遽、書きやすい2人を投入。
ジャージ人間は多分、ド派手な代物がセンス悪いことには気付くと思うのです。
全身真っ黒とかだったら納得したかもしれませんが。
[466] 題名:鯉のぼり。。ああまともな話がキタ! 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2011年05月02日 (月) 23時36分
・たま司令!鯉のぼりですって!
・赤木博士。あれは食べられるのかにゃ?
・いやーん。司令ったら、今日もかわいいですわ!おひげ、もしゅもしゅ!
(一人でブログ書いて興奮する寒い金髪子さん)
[465] 題名:何より高価(たか)い鯉のぼり 名前:銀世界 MAIL URL 投稿日:2011年05月02日 (月) 22時25分
刺激を受けて、父子愛溢れる(?)物語、こどもの日ネタ。
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色々あって平和が来て、あたし達は高校生になっていた。
何だかんだで、無事にシンジとは彼氏彼女の関係になったんだけど。
シンジってば奥手なんだから、相変わらず。
だから、連休直前にシンジが言った言葉に、あたしはすごく驚いた。
「アスカ、良かったらさ、連休中、一緒に京都旅行付き合ってくれないかな?」
す、すっごいステップアップだわっ!!
わくわくしながら、あたしはすぐに返事した。
「えー、何で勝手に行き先決めちゃってるわけ?
まあいいわ、一緒に行ってあげる」
行き先は、どこだっていいんだしね。
「助かるよー、1人じゃどうしようと思ってたんだよね」
そりゃ、1人旅行なんて寂しいわよね。
「母さんの遺した品って、結構あるらしくてさ」
・・・は?
「アンタ・・・まさか、このあたしを遺品整理に付き合えって言うわけ?」
いや、まあ・・・シンジのママの大切な物だったら、あたしが受け継いでも全然構わないんだけど。
「整理って言うか・・・物探しなんだよね、鯉のぼり」
話を聞くと、つまりは以下の事情だった。
司令ことシンジのパパは、リツコと再婚していて、めでたくシンジの弟が生まれたわけなんだけど。
その子の初ぜっくとやらで、司令は、張り切って鯉のぼりを特注したらしい。
シンジは、気にしない振りをしていたけど、やっぱり羨ましかったみたいだった。
でも、リツコは、届いた鯉のぼりを飾りもしないで、厳重にしまいこんでしまったんだって。
シンジがわけを尋ねたところ、リツコは暗い笑いを浮かべて言ったそうだ。
「ふふふ・・・シンジ君・・・貴方のお父さんは、語彙と美的センスが著しく欠如、いいえ、もはや皆無な人なのよ・・・」
はあ、と頷いたシンジに、リツコはこうも言った。
「シンジ君、貴方の分の鯉のぼりも、きっと探せばあるはずなのよ。
でも・・・そうね、貴方のお母さん・・・ユイさんがマトモな美的感覚の持ち主なら、やっぱり、私と同じことをしたんじゃないかしら。
そうよ・・・誰の目にも触れない奥深くに、永遠に封印したはずね・・・」
「リツコさんは、見ない方がいい、見たら絶対後悔するって言うんだ。
でも僕は、父さんが僕を思ってくれた証が少しでもあるなら、見てみたいんだよ」
そっか・・・シンジ、ずっと親子離れて暮らしてたもんね。
「あるとしたら、京都の母さんの親戚の家なんだ。
母さんの部屋が残ってるらしいから、調べていいって言ってもらったから」
「じゃ、探すの手伝えばいいわけね・・・仕方ないわね、あたしは優しいから、一緒に行ってあげる」
実は、怖いもの見たさ、ってのもあった。
「ありがとう、アスカ!」
「リツコが震えるくらい悪趣味な鯉のぼりってどんなものか、見てみたいしね」
「何で悪趣味って決め付けるのさ〜」
シンジは不満そうだったけど、この流れなら悪趣味に決まってるじゃない。
でも、特注品だから、きっと結構高価よね・・・金色だったりとか。
そんなこんなで、あたし達の連休は、悪趣味な(断定)鯉のぼり探しの旅になった。
[464] 題名:コメント(184) 名前:銀世界 MAIL URL 投稿日:2011年05月02日 (月) 22時02分
妙にリアリティのある数字に腹筋崩壊しました(何でそこ??)