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[493] 題名:あの子のことが僕は嫌い 25 どうでもいい日 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2011年06月06日 (月) 23時15分


今日は別にどうってことない。いつもと一緒だ。

ユーウツな月曜日の朝。
慌ただしい朝食と身支度。あいつは弁当を用意する。
ミサトはボサボサ頭のまま、コーヒーで食パンを流しこんでる。まだ半分寝てるみたい。
でも、なんか変よ。
シンジがいつもより、ちらちらこっち見てて、その視線がいつもの四割増しくらい恨みがましい気がする。
でも、うっとーしいから断然、無視する。

「行ってきます」
「…きます」

学校についた。早速、ヒカリとおしゃべり。
ん?やっぱり何か感じる。
ちりちりした視線。そっちを見たら、一瞬、視線があったのち、慌てて目を伏せるシンジがいた。

教室移動のとき。
掃除の時間。

何かを言いたそうなのに、あいつの視線だけがチリチリする。
…気持ち悪い!言いたいことあるならはっきり言いなさいよね!
昨日のアイスのことを根にもってんのかしら?それとも一昨日のプリン?

「フン!そんなの当たり前じゃん」

夕方、下校してネルフに向かった。
あたしが色々、話しをふっても、「うん」「そうだね」とか生返事ばっかり!
そのくせ、チラチラこっちを窺ってる。
なんなのよ!

「あ」

ネルフの通路の向こう側から、プラグスーツを着たファーストが現れた。

「碇くん」
「あ…綾波、テスト、もう終わったの?」
「ええ。碇くんたちは、これからなのね」

ムカッ!
たち?
ひとまとめにしないでよね!

「うん」
「碇くん。これ」
ファーストが、脇に抱えていた小さな袋をシンジに渡した。
「何、それ…」
あたしが、そう聞こうとしたら、ファーストが続けて言った。

「お誕生日、おめでとう」
「えっ!綾波、知ってたの!?」
「教えてもらったから」
「誰に?も、もしかして父さん!?」
「…いいえ。赤木博士」

「そ、そう…」
少し肩を落とすシンジ。

「でも、本当にうれしいよ。ありがとう綾波。開けていい?」
顔を上げたシンジは微笑んで礼を言った。
それを見たファーストが薄いピンク色に頬を染める。
ピンク色に……………。

「腕時計だ!」
「それは、赤木博士から。お手製の試作品。一度つけたら死ぬまで永久保証と言っていたわ」
「え…う…へー…そうなんだー」
腕時計をそっと袋に戻すシンジ。賢明ね。きっと手首を切り落とさない限り、外れないようなシロモノよ。

「…それは、私から…」
「本の栞だ。…ありがとう。大事に使うよ」

真っ白な上質の紙に、四つ葉のクローバーの絵がエンボス加工で浮き出ていて、筆記体で英語の諺が書いてある。

「私の持ち物の中で、1番きれいなものだから…碇くんに」
「そ…そうなの?いいのかな。そんな大事なもの」
「いいの。それじゃ…」
「あ、うん。ほんとありがとう」

うれしそうに微笑んで、ファーストの立ち去る背中を見送ったあと、感動を噛み締めるみたいにひとつ大きな息をついたシンジが、横を向いたであろうときには

「あ、あれ?アスカ?どこに行ったの」

あたしは風のようにその場を立ち去っていた。

***

何よっ!
あたしにはなんにも言わないなんて!
ファーストからプレゼント貰って、あんなに嬉しそうにして!!
ファーストに負けるなんて!
シンジなんか、大っ嫌い!!

テストがはじまって終わっても、シンジとは口をきかず、まっすぐに家に帰り、速攻で部屋に閉じこもった。
バカバカバカ。悔しい。Tシャツとショートパンツに着替えて、ベッドに突っ伏す。

「ねぇアスカ〜…機嫌直してよ。晩ごはんはアスカの好きなハンバーグにしたからさ、出てきてよー」

部屋の外から、困り果てたシンジの呼ぶ声がする。

あたしの好物?
…んなもん逆でしょうが!バカヤロー!

「もう、なに怒ってるんだよ〜」

ぶちっ
そのひとことにあたしはキレた。ベッドからひととびに立ち上がり、

スターン!!

「わっ!?」

勢いよく襖を開けてやった。びっくりしたシンジと目があう。

「何に怒ってるですって!?そんなの、自分の胸に聞いてみたら!!」

「え…う…あ…」

目を泳がせるシンジに詰め寄った。
エプロンをしたシンジを、反対側の壁に追い詰める。

「その、ゴメン。とにかく謝るから」
「…やっぱりわかってないんじゃない!そんな謝り、いらないわよ!」
「だって、そんな、まさか!」
「何よ!」
「あ、綾波が僕にプレゼントくれたから怒ってる…?」

「!!そんなわけないじゃない!バカーッ!! 」

パチーーン!!
スターン!
平手うちをお見舞いして、稲妻より早くまた自分の部屋に引っ込んだ。

「…〜っ。やっぱり怒ってるじゃないかあ…」

涙目でほっぺたを抑えながら、つぶやく少年。


***


「ねぇアスカ…聞いてよ。本当は、ずっと言おうと思ってたんだよ。今日が僕の誕生日だって」

閉ざされた襖に向かって話しかける。沈黙しか返ってこない。

「でも、中々言えなかったんだ。ゴメン」
「…なんで言えなかったのよ」

か細い声で、返事があった。襖の向こう側で、座ってるみたいだ。
僕も、廊下に腰を降ろした。

「その、今まで祝ってくれる人いなかったし、自分から誕生日だって言うなんて、とても難しかったんだ。
馬鹿みたいだけど、僕にとっては」

「…あたしにも…?」
「あ、う、本当は…アスカに1番言いたかったんだけど…、…?」
襖の向こうで、アスカがしゃっくりみたいな変な音を出したみたいだった。

「だ、大丈夫?」
「…いいから続けなさいよっ。なんであたしに言えないのよ」
「う、うん。その、もし言って…アスカが…いや。いい。これ以上は言えない。」

…僕の誕生日を、アスカにまで、どうでもいいみたいに扱われるのが怖かった。
なんて言えない。

「……」

「…だって、どうでもいいじゃないか。僕の誕生日なんて。父さんだって気にかけてないんだ。先生のとこにいたときだって、なんてことない、どうでもいい日だった。ずっとさ。ここに来て、急に、どうでもよくない日になるなんて変じゃない。だから、言えなかった。だから、綾波とリツコさんからのプレゼントにはびっくりして、嬉しかったんだ」

ガラッ!スターン!

「!?」

また急に襖が開いた。
僕は床にしゃがんでて、アスカは立っているから、思わず見上げる形になった。
瞳が冷たい。

「…ア、アスカ?」
「あんた…あたし…あたしは…」
「な、なに」

「あたし、やっぱりあんたなんて、大嫌い!!」
「!!」

…そ
そんな…まさか誕生日に

君にそんなことを言われなきゃならないなんて
しかも見下ろされて

僕は僕が嫌いだけど、これでまたもうひとつ嫌いが増えた。これこそ僕にお似合いの贈り物か…ハハ…
鼻の奥がツンとしてきた。
呆然として、思わずひとりの世界に突入する僕のポロシャツの後ろ襟を、いきなりアスカが掴み上げた。

「ぐぇっ」
「こっちに来なさい!」
「あ、あのアスカ?」
ずるずるずると、お尻を床につけたまんまの僕を引きずるようにして、玄関まで連れていく。

「…ちょっと待ってなさい」
「ふえ?」
バタバタと部屋に戻って、財布を片手に戻ってきた。

「…」

少し考えて、また戻って、今度は少し厚手のパーカーを羽織って来た。

「行くわよ」
「ど、どこに!?ぼ、僕、エプロンしたままなんだけど…」

否応なしにサンダルを履いて、玄関に鍵をかけて、外に連れ出された。


***


「あ、あの…この腕は…?」
「何よ。嫌なの?」

アスカは僕と腕を組んだまま、まっすぐ前を見て、ずんずんずんと前に進む。
腕を組むというか、連行されてる感じだけど。

「嫌じゃないけど…」

パーカーの袖にくるまれたアスカの腕が僕の腕にからんでる。や、柔らかい胸も少し触れてるような…。

「アスカ、暑くないの?長袖だよ?」

はっきり言って、結構むし暑い。腕のせいか僕は余計熱い。

「いいの!だって…急いでたから、上着いるじゃん」
「???」

何本めかの街灯を通り過ぎる。虫たちが灯りに群がっているのがわかった。
カナブンの羽音が近づいては去って行った。

………。アスカ、部屋着のTシャツとショートパンツのままだったよな。
暑いのに上着がいるってことは、………見えたら困るから?透けるかもしれないということは、…胸が?

「……」

いま、腕に触れてる柔らかさが、その、ブラをつけない、そのままのアスカの胸だということを悟って、僕はますます熱くなった。
僕のほうを見ないアスカがずんずん進んだ先は、コンビニだった。


***


「さ、好きなのを選びなさい」
「な、何を?」
「あんた馬鹿じゃないの!?目の前にたくさんあるでしょ!」
「だってこれ、ケーキ…もしかして、誕生日だから、ケーキなの…?」
「…」
赤い顔になったアスカが、プイッとそっぽを向く。

「そうか…ありがとう…アスカ」

組まれたままの細い腕が、もっと愛おしくなった。思わず、組まれた箇所に、もう片方の手をそっと乗せてた。
ぴくっと震える君の習性が、僕の胸をうずかせる。

「…いいから、さっさと選びなさいよ」
「うん。…どれにしよう。…アスカは?」

「あんたばか?あたしは別にいいの………これにするわ」
アスカはミルフィーユ、僕はショートケーキを選んだ。

レジで、アスカが会計を済ませる。

「ゴメン、おごって貰っちゃって」
「本当よ!」
「うん。倍にして返すよ」
笑って答えると、アスカはむにゃむにゃ何か言ってた。

眩しいコンビニの明かりの中では胸が気になるのか、パーカーの前で不自然に腕を組んで隠そうとするアスカが、おぼつかなさげで可愛いかったが、他の男の客がやたらアスカを見るのが、俄然気にくわなかったので、早く帰ることにした。

「荷物、僕が持つよ」
ポリ袋を片手にもち、帰り道は僕から手を繋いだ。
帰りのほうが、行きよりゆっくり歩いた。…二人とも。

全然しゃべらなかったけど、心がいっぱいだった。


***


帰ってから、シンジを部屋に押し込んで、その間に、テーブル・セッティングをした。といっても料理をしたのはシンジなんだけど、盛り付けをあたしがした。
それでもシンジは喜んでた。ホントにお人よしのバカね。

食後に二人でケーキを食べる。
なんてことないコンビニのケーキだけど、美味しく感じた。胸いっぱいって感じに目を潤ませてるシンジと視線がからむたびに、甘さを百倍くらいに感じた。
イヤだわ。
イヤでイヤでしょうがないわっ!あたし。

食べ終わったあと、アイスティーのおかわりをいただきながら、もう一度言った。

「お誕生日、おめでとう。シンジ」
「うん。ホントにありがとう」

ファーストにも、この笑顔を見せたのね。胸がちくっとした。

「でも、あたしはあんたが嫌いだと思ったわ」
「…っ。む、無理もないのかもしれないけど、どうして?」
「どうしてって。どうして…どうでもいい日なの?あたしは…あたしの誕生日は、あんたに1番に言ってもらいたかったからそうしたのに。あんたにとっては、どうでもいい日でも…」

…あたし、何言ってんのかしら。恥ずかしくなってきた。

「…それで怒ってくれたのか…ありがと…ゴメン」

「と、とにかく、自分で自分をどうでもいいと思ってたら、本当にどうでもいい人間になっちゃうんだからね!」

「うん」

「どうでもいい日なんてないのよ」

「うん。…そうだね。きっと毎日が、誰かの誕生日だ。生まれてきてくれて、おめでとうって日だ」
「そうよ…おめでとうシンジ」
「うん」

「…ありがと」

「なんでアスカがお礼言うのさ」

「べ、別に!」
生まれてきてくれて、ありがとうって意味よ。
そんなことは、教えてあげない。今はまだ。

それに、あんたのグズのせいで、あたし、ファーストに負けたじゃん!バカシンジ!絶対に許さないから!


***


「絶対に許さないから」

そういう理由で、アスカはその夜はずっと僕のそばにいてくれた。
ミサトさんが帰って来なければ、朝までずっとおしゃべりしていたかった。
その場所が僕のベッドかどうかなんてことはどうでもよくて。
だけど、もしも電気を消した寝室ででも、君の香りに包まれて、ずっと話せたらどんなにいいだろうと妄想する。うん。

ミサトさんが申し訳なさそうに買ってきたケーキに、「二度も同じパターンなんて信じらんない」ってアスカが呆れてたけど、僕はうれしかった。明日の朝もケーキだね。

ベッドに入る前に、デスクの電灯で綾波とリツコさんに貰った栞と腕時計を眺めた。
よく見ると、栞には英語で諺が書いてあった。

“God helps those who help themselves.”

「天は自ら助くるものを助く」

確か、そういう意味。
綾波がこれをくれたことに、この言葉が関係あったのかはわからないけど、僕にとっては意味がある気がした。

そして最後に、アスカがくれたプレゼントを思い出す。毎日、もらいたいよ。
今も僕の胸と腕は熱い。

一瞬だったけど、確かに君を僕は抱きしめた。

誕生日を祝うための、ドイツ式ハグなのかはわからない。だけど、もっと、もっと欲しくなっちゃうよ。
ちょうどそのときにミサトさんが帰ってきたのが、少しだけ残念だ。うん。

もしも、もしも毎日、そうできたなら。僕は思い上がった想像をする。
今以上に、どうでもいい日なんてなくなる。



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※この二人、つきあってませんよ。不自然ですね。※成就するかどうかは長編でまとめてる途中で、まだ出来てまへん。


[492] 題名:電話 名前:何処 MAIL URL 投稿日:2011年06月05日 (日) 17時59分

トルルル・トルルル・トルル…
ガチャン

「アロー…何だシンジか。何の用…はぁ?あんた今日は仕事早上がりって…」

『…』

「まぁた人の仕事引き受けたんでしょ。本っ当馬鹿ね〜、いい加減その性格なんとかなさいよ。」

『…』

「あーもー、いちいち謝らなくていいから。大体あんたの性格ならどうせこんな事になるだろうと思ってたわ。」

『!?』

「あのね…そう言う台詞は時間通りに帰って来てから言いなさいよ。」

『…』

「まぁた謝る…ま、いいけどね。それじゃあんた今日何時ぐらいに帰って来るの?」

『…』

「…はぁ。O〜K〜、午前様って事ね。」

『…。…、……!』

「んー…そうね…じゃ、一つ私のお願い聞いて。」

『?…?』

「そ、お願い。」

『…、…?』

「あんた馬鹿ね、何であんたの誕生日にあたしがプレゼント貰わなきゃいけないのよ。」

『…?』

「お願いってのはね、あんたが今付けてる腕時計よ。リューズ引いて時間止めといて。」

『?』

「そ。家の時計も目覚まし以外全部止めとくわ。あんたが帰って来るまでこの家の時間は寝室以外止まったままよ。」

『!』

「判った?あんたの誕生日ぐらい一緒に迎えなきゃね。」

『…』

「なぁにが“有り難う”よ!そんな台詞よりとっとと仕事片付けて早く帰って来てあんたの顔見せなさいよ!待ってるのも大変なんだからね!」

『…』

「…いいの…うん…うん…シンジ、早く帰って来てね…待ってるわ、貴方。」


[491] 題名:赤き泉から生まれしものは 名前:銀世界 MAIL URL 投稿日:2011年06月05日 (日) 00時10分

事の起こりは、ミサトが「休みが取れたから、少し早いけど、シンちゃんのバースデーパーティをしましょ!」と言い出したことだった。
それだけなら良かったのだが、ミサトは「お祝いの準備なら任せなさいっ!」などとのたもうたのだ。
どうやら、高校入学の日に、ミサト作の祝い膳から逃げ出すために、友人達と祝った事を、2ヶ月後の今でも残念がっているようだ。
とは言うものの、ミサトもさすがに1人で大量の料理を作るわけには行かず、ヒカリに手伝いを頼んだようなのだが・・・

「準備が出来るまで、出かけててね」

と、ミサトとヒカリに家を追い出されたシンジは、困った顔で、結局近所をうろうろしていた。
ミサトの料理の腕前を考えると、さすがのヒカリでも、どうにかなるとは思えなかったのだ。

「何しとんのや」

同じ所をぐるぐると歩き回っていると、やって来たトウジに呆れ顔で尋ねられた。
シンジにとってみれば、今1番会いたくないと言うか、よりにもよって、と言う相手だった。

「トウジ、ごめん、本当にごめん・・・」
「ど、どないしたんや、急に」

人様の愛しの彼女を、あんな危険な台所に放り込むなんて、僕は何て奴なんだ、とシンジはぶつぶつと言う。

「だ、大丈夫やて、委員長にどないかならん料理なんてあらへん」
「トウジは、ミサトさんの料理を知らないから、そんな事言うんだよ・・・」
「・・・いや、実は知っとる、どさくさで食わされた事あるさかい、知っとるけど・・・ほんでもワイは、委員長を信じとる!」
「甘いわ、鈴原君」

トウジの背後から、冷めた声が響いた。

「あれは、信頼とか友情とか根性とか、その辺りでどうにかなる代物じゃないわ・・・司令の美的センスがどうにもならないのと同じくらい」
「綾波、今、父さんの美的センスは関係ないだろ?!」
「つまり、世の中にはどうしようもない事がたくさんあるわ・・・」
「無視しないでよ、綾波!」

レイがどこまでも淡々と言うものだから、逆に急所に突き刺さるような思いだ。

「大丈夫だよ、シンジ君、今日のミサトさん料理は、僕に任せてくれたまえ」

カヲルがにこにこと言う。

「口の中にATフィールドを張れば、どんなに不味い料理でも耐える事が可能さ」
「そないに器用な事、ほんまに出来るんか?」
「僕を甘く見ないでくれトウジ君、ATフィールドを張り続けて10ン年、今となっては自由自在さ」
「よっしゃ、ほんなら、今日の主力はカヲルっちゅうことで・・・」
「2人とも・・・盛り上がってる所悪いけど・・・」

シンジがおずおずと言う。

「僕が心配なのは、料理には、味見が付き物なんだよ」
「は?」
「え?」
「それは・・・つまり、ヒカリさんが、ミサトさん料理を、何の防御もなく口にすると言う事?」

レイの言葉に、シンジは恐る恐る頷く。

「何やってるのよーっ、さっさと中に突撃して、ヒカリを助けなきゃ駄目でしょっ!!」

怒鳴り声がしたので振り向くと、腰に両手を当てて頭から湯気を出さんばかりのアスカが立っていた。
その後ろから、マナが慌てたようにアスカの持っていた荷物(アスカが怒った勢いでかなり振り回されていた)を引き取った。
次の瞬間、一同は弾かれたように走り出す。
自宅に戻ると、シンジは勢いよく玄関の扉を開けた。

「あらぁ、碇君、もぉ戻って来たのぉ?」

ふらり、と出て来たヒカリの頬は紅潮しており、どこか足元がおぼつかない。

「うふふ・・・碇君、お誕生日おめでとぉ〜」

とろんとした目をしたヒカリは、くすくすと明るく笑うと、そのままシンジの首に抱きついた。

「い、委員長〜!!」
「ヒカリ〜?! ちょっとシンジ、何ボケっと突っ立ってんのよ!!」
「離れろや、シンジっ!!」
「そんな事を言われても・・・う・・・動けない・・・」
「でれでれ嬉しそうな顔をしてるわよっ!」
「うふふふふ」
「やだ、あたし、修羅場に来合わせちゃった?」

1人で後ろからのんびりと来たマナが、面白そうにこちらを見ている。

「決してそんなわけじゃ・・・っ」
「おお、珍しい光景」

タイミングが最悪の時に、ケンスケが現れて、今の状況を写真に撮った。

「碇君・・・何が起きてるんですか?」

最後にやって来たマユミが、冷ややかな目をして聞いた。

「僕も聞きたいよ、それ〜!!」
「・・・委員長、何や酒臭うないか?」
「やだぁ、トウジったらぁ〜、あたしがお酒なんか飲むわけないじゃなぁ〜い、うふふ・・・」

トウジの質問に、ヒカリの意識は彼の方に向かい、今度はトウジに寄りかかる。
シンジは、やっと解放され、目を白黒とさせた。

「・・・いや、洞木さん、君は今、どう見ても泥酔状態だよ? 酔っ払ってるってことさ」
「あたしはぁ〜、お酒なんて飲みませぇんっ!!」

ヒカリはトウジにしがみ付いたまま、真っ赤な顔とうつろな目でカヲルを睨む。

「でも、料理にお酒が入る事はあるわ」
「ミサトーっ、アンタ、ヒカリに何食べさせたのよっ!!」

レイの指摘を聞いて、アスカは憤慨しながら台所に向かう。

「えー、お赤飯作ったの、味見してもらっただけよ」
「どうやったら赤飯で酔っ払うんですか、ミサトさんっ!!」

ようやく立ち直ったシンジが叫ぶ。

「・・・とりあえず、水くれや、水」

ヒカリを支えながら入って来たトウジが、弱り切った顔で言った。
急いでアスカが水の入ったコップをトウジに渡し、トウジはヒカリの口元にコップを持って行ったが・・・

「やだぁ、トウジ・・・口移しで飲ませて?」
「く・・・っ?!」

ふふっ、と笑顔で見上げられ、トウジは耳まで真っ赤になる。
アスカがすかさず、トウジに蹴りをお見舞いした。

「な・・・何すんねん、惣流、せえへんわ、そんな、どさくさで・・・」
「明らかに誘惑に駆られてる顔してたわよっ!」
「・・・で、これが赤飯、ですか?」

シンジは、ミサトが示した鍋の中を覗き込む。
確かに、赤い、赤いが・・・。

「・・・これは・・・赤いご飯ではあるけど、お赤飯じゃないよね」
「見た目は雑炊かリゾットですが・・・このニオイは・・・」
「そもそも、赤飯が真っ赤って変だろ」

鍋の中に広がる赤い泉を見ながら、マナ、マユミ、ケンスケが引き攣った顔でこそこそと話す。

「・・・これをどうやって作ったか説明して」

レイがミサトを睨んだ。

「えっと、ご飯を準備して、小豆を入れて、それからケチャップと唐辛子と豆板醤とタバスコとコチュジャンと赤味噌とトマトピューレとハバネロと・・・」
「あ・・・明らかに赤飯の材料じゃない物の方が多い・・・っ!!」

シンジは頭を抱えた。

「赤いご飯だからお赤飯よっ!」
「・・・ほんで、酒はどっから来たんでっか?」

トウジが不機嫌に聞く。
ヒカリは、トウジの首に抱きついたまま、すーすーと寝息を立てていた。

「それらを入れて炊き上げた後、隠し味に赤ワインを1瓶入れたのよ!」
「何で過熱後に入れたんですかーっ!!」
「碇君、そういう問題ではなく、もっと根本的な所だと思いますが・・・そもそも、そんな大量に入れたら隠し味ですらないですよね」
「せめて、タバスコとか赤味噌とかと一緒に入れてたら、アルコール分は飛んでたのに・・・!!」
「君にとって、タバスコは許容範囲なのかい、シンジ君・・・」
「ミサトの料理だから、ハードルが極端に下がってるだけよ」

とにもかくにも、鍋の中身の正体は判明したわけだが、それが何かの救いになったわけではない。

「折角作ったんだから、食べてよね」
「ミサト、アンタ、ヒカリがあんな状態になったのに、これをみんなに食べろって・・・」
「ヒカリちゃんは真面目だから、お酒に免疫が出来てなかっただけよ、きっと。
 みんな、ちょっとくらいお酒を口にした事はあるでしょ?」
「ミサトさん、僕ら、未成年ですよ?」
「未成年でもハメを外す事はあるじゃなーい」
「わ・・・私は、法律守って、お酒を20歳まで飲まない事にしてますからっ!!」

マユミが叫ぶように言って、何とかミサト赤飯から逃れた。

「あたしっ、丁度、戦自の訓練の一環で、お米は固めに炊いた玄米のみって期間に当たってるんです!」

本当か嘘かは知らないが――おそらく嘘だろうが――ミサト赤飯は限りなく液状に近いため、マナも口に出来ない。

「ケンスケ君、貴方、前にウチでお酒飲んだ事あったわよねん?」
「そ・・・それがですね、実は、学校にバレて、停学の危機なんですよ〜。
 料理に入ってるとは言え、帰り道に先生にでも会ったらマズイな〜とか思うんで・・・」

ははは、と引き攣った笑いを浮かべて、ケンスケも逃げた。
停学云々は嘘である事は、シンジも知っているが、何も言わない。

「お赤飯は嫌い・・・血の味がするもの」
「しないわよっ!」

レイの言葉にミサトは叫んだ。
確かに、本来はミサトの言う通りだが・・・このミサト赤飯は、そんな味がしても驚かない。

「トウジ君、貴方、食欲旺盛よね?」
「委員長、しっかりせぇや〜」
「・・・無視?」
「むにゃ・・・やだ・・・トウジ・・・ちゃんと『ヒカリ』って呼んでぇ・・・むぎゅ・・・」
「・・・ヒカリ、そないに引っ付かれたら・・・ワイ・・・」

すかさず、アスカが本日2度目の蹴りを入れたので、トウジはその場にばたりと倒れた。
何の事はない、普段よりも遥かに弱いキックなのだが、熊に出会ったら死んだ振り、ミサト赤飯回避には気絶の振り。

「もぉ、アスカったら、食べる口減らしてどうするのよ。
 それじゃ、責任持って、アンタは食べるわよね」
「え・・・シンジ、アンタのパーティなんだから、アンタが食べなさいよ」
「お・・・お祝いだよね、祝ってくれてるんだよね、それなのに僕にそんな事を言うんだ・・・酷いや、アスカ・・・」
「罰よ、罰っ、ヒカリに抱きつかれてデレデレしてた罰っ」
「あれは事故だってば!」
「じゃ、いただきます」

割って入った声に、シンジとアスカは同時に振り返った。
カヲルが自身ありげな笑みを浮かべながら、ミサトから茶碗を受け取っている。

「そう言えば・・・口の中でATフィールド張るから食べられるって言ってた・・・」
「上手く行くかしら・・・」

そして、カヲルは笑顔のまま一口食べ・・・

「カヲル君ー!!」
「カヲルーっ!!」

その場でカヲルが泡を吹いてひっくり返ってしまい、シンジとアスカは悲鳴を上げた。
レイが茶碗の中身を観察し、

「・・・よく混ざってなかったみたい、タバスコと豆板醤とコチュジャンの塊が入ってるわ・・・」

と結論を出した。

「こ・・・これって、ミサト赤飯はATフィールドより強いって事?」
「ミサトさん・・・何て恐ろしい兵器開発しちゃったんだろ・・・」
「そんなに不味い? ・・・普通においしいわよね、うん」

シンジとアスカが顔を見合わせる中、ミサトは平然と自分の料理をぱくついている。

「・・・ミサトさんがあの赤飯より強いって事は・・・最強なんじゃ・・・」
「あたし達が戦うより、ミサトが出て行って戦ったら簡単だったかもね・・・」
「わからないわ・・・3すくみかもしれない」
「3すくみ?」

レイの言葉に、アスカは首を傾げる。

「紙は石に勝ち、石は鋏に勝ち、鋏は紙に勝つとか。
 他に、狐と漁師と鉄砲とかがあるわ」
「ってことは・・・ミサト赤飯はATフィールドに勝って、そのミサト赤飯にミサト本人は勝てるけど、ミサトはATフィールドには勝てない・・・」
「これを証明するには、本当にカヲルが口の中でフィールド張れていたかを検証しなきゃいけないけど」

面倒臭い・・・とアスカは呟いた。
そうこうするうちに、いつしかレイから連絡を受けていたリツコがやって来て、倒れているカヲルと、新兵器もどきのミサト赤飯を回収して行った。
これ幸いとばかり、レイもリツコにくっ付いて帰ろうとする。

「あ、レイ、カヲル君を看病する時に、白衣の天使とかやってあげなさいよー」
「白衣・・・リツコ博士から借りればいいの?
 それでカヲルは喜ぶ? 早くよくなるの??」
「リツコの白衣って・・・それじゃ、白衣の悪魔になっちゃうわ」
「ミサト、レイに変な事を教えないで頂戴。
 ・・・そうだわ、貴方、コレを食べて大丈夫だったんだから、特殊な体質なのね・・・この際だから徹底的に調べさせて貰うわ」

嫌〜!!と叫びながら、ミサトはリツコに引きずられて行った。
残された一同は、ぽかんとそれを見送っていたが、やがて、自分達も失礼すると言って帰って行った。
ケンスケは、ちゃんと当日に祝ってやるから、とシンジの肩を叩いた。

「・・・トウジは帰る時も冷たかった・・・」
「そりゃ・・・あんな様子を見せられたら仕方ないわよ。
 アレに関しては、あたしも鈴原と同じ意見だから」

2人で残され、シンジは座ったままテーブルに指で丸を描きながら唇を尖らせ、アスカはそんなシンジを睨むように立っていた。

「いいじゃないか・・・最後は、あれだけ積極的に甘えて貰ってさ・・・」
「何、アンタ、羨ましかったわけ?」
「羨ましいって言うか・・・委員長がアスカで、トウジが僕ならどうなるかなって思ったって言うか・・・」
「アンタバカァ?!」
「・・・うん、アスカに正直に言うなんて、バカだ、本当・・・」

きっと、自分も空気に残ったアルコールで酔っているのかもしれない、とシンジは思った。

「あ・・・お腹空かない? 何か作ろうか?」

ミサト赤飯のせいで、結局、ヒカリは1品も作れなかったようで、食べられるものは見当たらない。

「待って、シンジ」

アスカは辺りを見回し、流し台に置いてあった袋を持って来た。

「これ・・・マナの家の台所借りて、作ったんだ・・・けど・・・」

いそいそと袋の中から箱を取り出して開けたアスカは、中身を見て絶句した。
シンジは、そのひしゃげた物体を観察する。
何となく丸い輪郭が見え、白くとろりとしたものがかかっており、箱の中にはイチゴがごろごろと転がっている。

「ケーキ・・・ヒカリに作り方教えてもらってたから作ったんだけど・・・運ぶ時に潰れたみたいで・・・しかも、冷蔵庫に入れ忘れたから、生クリーム溶けてる・・・」
「で、でも、おいしそうだよ、食べよう!」

シンジは急いで立ち上がり、ナイフと皿とフォークを揃える。

「うん、今日の食事はケーキで決まりだ」
「・・・え、主食?」
「だって、『パンがなければケーキを食べればいい』って昔から言うし」

何より、アスカの気持ちが嬉しかったから、ゆっくり味わいたいとシンジは思った。

「・・・シンジ、それ、ことわざでも何でもないわよ」

アスカはおかしそうに笑った。

==============================

いろいろとカオス、かなりタイトル詐欺(でも、海じゃないし、泉だし)。
唐突に、赤い食材をひたすらぶっ込むミサトさんが頭の中に現れたんです・・・ごめんよシンジ君。

ギリシア神話は好きです、冒頭の男女は誰かと思ったら彼らでしたか。
そしてユイさんの黒さが素敵。
チンタは今まで見た中でも最も酷い名前の1つですが、あの話、結構ネーミングセンスが難なので(主人公の彼女の1人がシュウだったり、チンタの兄の奥さんがツヤ子だったり)。
とりあえず、コレに比べたらサオジロウはマトモな名前だと思う、うん(ぇ)。


[490] 題名:僕はエロス 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2011年06月02日 (木) 22時10分

エヴァ×ギリシア神話。
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僕はエロス。

愛と美の女神、アフロディテの息子さ。

母さんを好きにならない男はいない。みんな夢中になる。
だけど、母さんの夫、つまり僕の父さんは、むっつりして、気難しくて、鉱山にこもりっきりの鋳物の神だ。鉄を鍛える火花から目を守るために、変なサングラスしちゃってさ。
陰気だ。オリンポスで1番美しい女神は、1番の醜い神と一緒にさせられた。

僕?僕はこどもの姿をしているよ。だけど僕はすごいんだ。
僕のこの紫の弓で、人間でも神でも心を操ることが出来るんだ。どんな楯でも壁でも防げない。
かならず恋のとりこになる。

ほら、人間が現れた。
あの気取った男は、女に優しく振る舞うけど、本当は愛していない。
心にあるのは自分の復讐だけさ。

そんなやつに、よっと。
本当の愛の矢を撃ち込んでやった。
びっくりしてるね。
見せ掛けの優しさが、本当の愛に変わって驚いたかい。これで、あんたの復讐はますます苦しいものになるだろう。
愛に背を向けるという苦しさが加わった。

女のほうには、ほら。
不安の矢を撃ち込んでやった。愛しているけど、恐ろしい。
失う恐怖と、愛ゆえの疑念で苦しむんだ。


「君は繊細だけど、少し歪んでいるね」

竪琴を手にした太陽神のアポロンが僕に話しかけてきた。

「そうかな」

「お母様に愛されないせいかい」

「そんなことないさ」

「愛の矢を操るきみが、愛を知らないなんて皮肉だ。だからいつも残酷なことが出来るんだね。君が残酷なのは、君がこどもだからさ。愛されないこどもだから」

「うるさいな。ほっといてくれよ。君だって撃つぞ。あの無口なダフネにでも夢中になればいい」

「おお怖い」

「そしたら、ダフネには君を恐れる恐怖の矢を撃ってやる」

ふん。
馴れ馴れしいぞアポロンのやつめ。いつも余裕ぶってさ。

愛なんてくだらないもんさ。みんな嘘だ。
優しさなんて、見せかけだ。

ん?あの子は。
人間の女の子だ。自分だってこどものくせに大人の女ぶっている。
この世で1番と評判の、王の美しい末娘だ。
母さんよりも美しいとすら言って、崇める人間までいるらしい。赤い髪と青い瞳。確かプシケとかいった。
自信満々といった風情で、髪を緩やかに編みあげて、優雅に庭園を歩いている。

おもしろい。
そんなに美しさが自慢なら、国で1番つまらない男に夢中にさせてやろう。僕の母さんみたいに。

僕は矢をとってプシケの胸に狙いを定めた。

「…」

少女の、白いローブに覆われた、控えめだが美しい双丘の谷間と白い肌に目を奪われた。

視線をあげたら、青い瞳と意思の強そうな柳眉が、聡明さを表しているのか、太陽のように輝いていた。
薔薇色の頬に微笑みが浮かんでいる。


ダメだ。逃げちゃダメだ。
狙った獲物は必ず撃つ。
ようしゃしないんだ。

思い切って矢を放った。

「アッ!?」

人間には見えない矢が胸を貫いた。
とたんに頬が桃色に上気して、視線がキョロキョロと落ち着かなくなった。瞳が潤んできて、切なげだ。
もうこれで誰かに恋に落ちなくてはいられなくなっている。誰かに。

ここに国で1番のダメな男を連れて来なくては…それで…それで…君は…そいつに…夢中になって…。
身も心も捧げて……。愛して…。

「あっ?」

気がついたら、僕は自分の矢の矢じりで、自分の指を傷つけていた。


∽∽∽∽∽

「誰?そこにいるの…?」

「ぼ、僕は…」

オリーヴの木の影で、僕と彼女は出会った。

結論からいうと、彼女は僕を見てくれたはじめてのひとになった。

瞳から視線が外せず、少しずつ影が近づく。

呼吸が浅く、早くなって、かぐわしい香りに耐えられなくなって、手を触れたとたんに抱きよせて、唇を貪るように求めた。
このときはまだ彼女には僕の姿は見えない。人間には神の体は見えない。
そのぶん感じてほしくて、背をしなやかに弓なりにのけ反らせるほど抱きすくめ、唇と白い首筋に何度もキスを落とした。

「んっ、あっ、や…ぁ」
「はあっ…」

甘い吐息と、潤んだ瞳が、もっともっとと僕をせかす。

気がついたら、背中の羽をひろげて、彼女の膝裏と背を抱えて、僕は思いきりよく天上に向かって飛び去っていた。

∽∽∽∽∽

結局、あれから色んなすったもんだがあったが、僕たちは一緒になれた。

彼女に求婚する人間たちを遠ざけ、気にくわなかったがアポロンに頼んで、彼女を山の上に一人でやってこさせるよう、彼女の家族に神託を授けて貰った。

快く応じてくれた彼は、結構いいやつだった。
そのかわり、あの美しい青い髪のダフネを手に入れられるよう力を貸してくれるねと条件をつけられたが。
お安い御用さ。

家族と涙の別れをして、それでも気丈に一人ぼっちで山の崖っぷちにとどまる彼女がなんていじらしかったことか!
泣くまいとするけど、あまりの心細さに思わず出そうになる涙をこらえる君を、そっと宮殿に運んだ。

天上の宮殿での日々は中々スリリングだった。
昼間は姿を現さず、暗いとばりの降りた夜に訪れて、僕が君の夫だ、何も心配はいらない、用事は全て召使いに命じればいい。安心してここで暮らしなさいと言ったのに、意外にも彼女は姿の見えない僕に掴みかかってきた。

「アンタ一体誰よ!もし怪物なら、あたしがやっつけてやるんだから!」

どうやら大変な猫かぶりで世間はうまくたばかってきたが、本性は相当なじゃじゃ馬らしかった。
だけどそこだって魅力的じゃないか?(自身の矢に触れたための弓の凄まじい魔力のせいか?いやそんなことないよ)

僕は僕を僕のまま見てくれるひとが欲しかった。

「いたた!やめてよ」

「うるさい!さああたしを家に帰しなさい」

「悪いけどそれだけは出来ないよ…だってもう君は僕のものになったんだ」

「あっ」

彼女は僕の姿を見てないけど、矢を受けてから僕にキスされたので、僕のキスのとりこというわけ。絶対に逆らえないよ。

「あっ、んっ、や…」

美しく髪を結い上げて絹のローブを纏った君もすてきだけど、あえやかな生まれたままの姿の君はもっと素晴らしい。


僕たちは幸せだった。

君が、心配して泣き暮らす姉たちに会いたいと哀願したときは気が進まなかったよ。案の定、姉たちは君をそそのかして、僕の姿を確かめろ、そして怪物なら殺してしまうがいいと入れ知恵した。その裏には幸せに暮らす妹姫に対する嫉妬心が隠されていたのに。

「たとえ、あいつが怪物でも、あたしもう、あいつを殺したり出来ないわ。だってあいつは…いいやつなんだもの。
そして、あたしを愛してくれているんだもの」

そう言っていたと召使いのニンフから聞いたとき、僕は嬉しかった。

だけど君は、君を抱き疲れて眠る僕の姿を見てしまった。
僕を照らすろうそくの蝋が肩にたれて、びっくりして跳び起きた僕を君は見た。

「黒髪の、黒い瞳の、まだ少年みたいな、あなたが、あたしの夫なの?あなたは翼をもった愛の神エロス?」

「そうだよ。どうして見ようと思ったの?本当の僕がどうでも、僕はそのままの僕で君と触れ合いたかったんだ。
僕の矢で僕を殺すの?」

「許して。あたし、ただ、どうしてもあたしの目であんたを見たかったの!」

「そのままでよかったのに!」

僕は魔法をとき、彼女は何もない野原に放り出された。僕は傷を癒すために母さんのところに逃げた。


∽∽∽∽∽

三昼夜、歎き悲しんだ彼女は、それだけの女じゃなかった。

「あたし、あんたを取り戻すわ!あたしわかった、あんたを愛してるの。失った愛は必ず取り戻すわ」

母さんの怒りからも逃げ出さず、自分から堂々と母さんの元へやってきた。

僕が怪我をしたことで、母さんはわかりにくいけど相当に怒っているようだった。微笑みのままなのがいっそう怖い。

美の女神の宮殿で、さんざん無理難題を命じられても君は決してへこたれなかった。
そんな君の健気さに胸を打たれた虫や鳥たちまでも、君を助けてくれた。

そして、あの恐ろしい冥界への使いまで君はやってのけた。母さんを恐れながらも、君をそっと手助けした神々がいた。

だけど、冥界の女王ペルセフォネの化粧箱には冥府の眠りがつまっているのに、好奇心からつい開けてしまった君に、死の眠りが取り付いたときには、いてもたってもいられなくなって、宮殿の外に僕は飛んでいった。
僕を閉じ込め、とらえていた母さんのいましめを全て吹っ飛ばして。


君にとりついた黒い死を、弓を振り回し追い払い、もう一度化粧箱に詰めた。
眠りこんで横たわる君をだき抱えて、キスをしたら、君の瞼がぴくぴくしたので、もう一度キスをした。
「ん…」
体が温かくなってきた。もっと、もっと。
「…あなた。あたしのあなた…んんっ」
僕だってずっとキス出来なくてつらかった。僕の頬を片手を上げて撫でようとする君をもっと抱きしめた。

∽∽∽∽∽

そして、僕たちは母さんと、偉大なる大神ゼウスを説得し、正式に結婚した。神々が盛大に祝福してくれた。

「どうして皆、こんなに祝福してくれるんだろう?」

僕の疑問にアポロンが答えた。

「『愛』であるエロス、君と、試練を乗り越えたプシケ『魂』が結ばれて『真の喜び』が生まれたから、みんな喜んでいるのさ!君の花嫁はよくやったよ。よくぞ辛く苦しい試練に耐えたものさ。やはり苦難を突き抜けて魂は歓喜にいたるんだね!」

「そうか…ありがとうみんな」

僕のプシケは神の酒を飲み干し、神々の座に連なった。
僕たちは永遠に一緒だ。


∽∽∽∽∽

「エロスは何をしていますか」

「はい。アフロディテ様。プシケとともに宮殿にこもったままです」

「しようのないこと…愛の神としての仕事はほったらかしじゃないの。ああ、いつまでもかわいいこどもの姿でいてほしかったから、わざと愛を与えず、誰よりも母である私を求めるように仕組んでいたのに!」

「そなたの計画は失敗だ。だからこそあいつはこどもであることをやめ、自分だけの愛を見つけて、少年から青年となったのだ」

「あなた」

「もうあいつには気まぐれに愛の矢を撃つことはできまい。愛の尊さと心を知ったからな」

「そんな…では愛の神の仕事はどうします」

「簡単だ。あいつに弟を作ってやればよい。そしてその子に愛の弓矢を引き継がせよう。その子の名は『愛の返礼』だ」

「えっ、弟?」

「そうだ…愛しているよ、我が妻よ」

「あ…」


∽∽∽∽∽

弟に愛の神としての仕事を引き継いで、今日も僕は幸せだ。真の愛を教えてくれたプシケはいつも美しい。
可愛い娘も産まれた。
この子の名前は「真実の喜び」

神の酒を飲んだプシケは女神となり、腰の後ろに美しい蝶の羽がちょこんと生じた。

「あん!ばか…」

そして可愛い蝶々の羽は、彼女の新しい弱点でもあった。


もし、蝶のように不思議な軌跡を描くさまよえる魂があるなら、いつか必ず愛に辿りついてほしい。(好奇心はほどほどに)
試練は苦しいけれど、乗り越えたら「真の喜び」がそこにあるよ。




------------------------------------
※遅くなったけど消毒のつもり。
※LAS、LRK、ミサ加持、ゲンユイが隠されています。
※有名なお話だと思いますが、ギリシア神話の「エロスとプシケ」を題材としています。「アポロンとダフネ」も少々。
※名前をエヴァキャラに置き換えることが難しかったんで、そのままです。
※シンジasエロスは、両親に対してコンプレックスを抱いた屈折した愛の神様ですが、もちろん神話のエロスはそうではないです。プシケもお転婆ではありません。アスカちゃんなんで。

※神話では、エロスに弟が産まれますが、その父親は夫ではなくアフロディテの浮気相手の軍神だそうです。
(お父さん発狂ですね)


[489] 題名:シンジのシはシビアのシ 3 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2011年05月30日 (月) 00時08分

※このシンジ君は、たいへんにシビアで感じが悪いです。黒い毒です。
※破のネタを含みます。夢を抱いている人は見ないように。くされギャグです。
※読んだ人が悪い。というか別に誰も読んでない。
---------------------------------------
「全ては心の中だ。だが、それでいい」

■おとぼけおとうちゃん

◆墓参りのいいシーン

父「シンジ。もう私を見るのはやめろ。お前はもう、赤ん坊ではないはずだ」
シンジ「でも…僕は…」
父「シンジ。お前にひとつ言っておきたいことがある」
シンジ「何!父さん!」

父「うんこの後は、お尻をふけ」
シンジ「……………………」
父「そして流せ。忘れるな。ユイの顔は覚えてなくとも、それだけは心に留めておけ。」
シンジ「……………………」

父「私 自 身 も そ う し て き た」

‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐

◇シンジ、煮えくりかえるはらわたの底で

父さんぼくは確かに赤ん坊ではないよ。でも幼児でもないよ。なんで中二の息子にいまさらトイレトレーニングだ。
生憎と随分前から自分で拭けるようになってんだよ。母親の墓の前でなんでなんだなんでなんだ。
子育てか。そこからか。
タイムラグがありすぎるだろうよ。

父「時間だ。先に帰る。」

バラバラバラバラ(無駄に偉そうなヘリコプターの音)

シンジ「父さーん!いっそ墜落しちまえー!なんで墓参りにそんな大層なヘリが必要だー!予算の無駄使いだー!
父さんなんか、父さんなんか軽バンで充分だあー!わあー!歩けー!」


※君もなれるよ、ネルフの司令!!☆ミ☆ミ☆ミ

■何を言うの

アスカ「ねえシンジ、チェスしよっか」
シンジ「え!!なんでそんなこと言うのさ!まぎらわしいよ!なんだよソレ!」
アスカ「何を妄想してるのよ!」


■何を思うの

アスカ
「ねえシンジ、ウノしよっか」
「ねえシンジ、ジェンガしよっか」
「ねえシンジ、リバーシしよっか」
「ねえシンジ、しよっか」

シンジ「はい」

■レイの秘密

シンジ「あの・・・あの子どんな子なんですか」
リツコ「レイのこと?いい子よー。とても。私の母を死なせてるけど。」
シンジ「むしろそれが最大の秘密ではないでしょうか」


■もっと質問すればいい

あー波さん「司令…食事って、食事って美味しいんですか…?」
父「レイ…」
あー波さん「司令はステーキで私はサプリメントなんですか?」

「人の心はあるんですか?」
「恥ずかしくないんですか?」
「それで人間といえるんですか?」
「熱い血は通っているんですか?」
「そんなで生きていけるんですか?」
「滋養ってどこにあるんですか?」
「一人くらい友達いるんですか?」
「老後はどうするつもりですか?」

父(涙目)ナプキンをかなぐり捨てながら
「もう連れて行って!こんな子、連れて行ってしまって!誰か!誰かー!」

あー波さん(警備員に引きずり出されつつ)
「離して!教えて下さい!それで、それで人と言えるんですかー!滋養って、滋養ってどこにあるんですかあー!
年金、年金は貰えるんですかあー!」

ガリガリガリ!
扉に爪の後を残し退場


■きっと知らない

シンジ「うををおー!綾波ぃっ!」

あー波さん「私が死んでも代わりはいるもの…」

シンジ「ちがうっ!
せっかく敵の腹の中に入れたんだ!今こそ立ち上がれー!暴れろ!中から破れー!チャンスだろうがー!
綾波、綾波は、『いっすんぼうし』のお話を知らないのかー!」

あー波さん「ごめんなさい…読んだことなかった」


■レイの秘密2

リツコ「ふたりとも、ようこそネルフの地下へ」
シンジ「連行じゃないですか!なんで僕、手錠かけられてるんですか!」
ミサト「あたしまでなんで手錠かけられてんのよ!!」
リツコ「うるさいっ!あんたが私の話聞かないからよー!」

ズギューン!ちゅいーん

シンジ「わあー!撃ったー!」
ミサト「跳弾が!あぶない!」

ぷすっ

リツコ「あ。レイの水槽に・・・。」
ミサト「水!水が出てる!ヒビ!ヒビいってる!!」

リツコ「さあ二人とも驚きなさい!レイのからだはいくつもあるのよ!!でも魂はひとつだけしか宿らなかった!
そしてなんでシンジ君は平然としてるのよ!!」
シンジ「だって髪の毛がブルーで目が赤い時点で、綾波が普通の人じゃないってことは丸分かりでしょ」
リツコ「誰がこんな子選んだのよー!適格者であっても適性は無いわよー!」
ミサト「それよりも、ヒビ、ヒビ!あああー裂ける!!」

バッシャーーーーーーーン

■パワハラ君

あー波さん「ごめんなさい…何も出来なかった」
シンジ「いいんだ…何も出来なくていいんだ。何もしなくていいから、何にもしないでくれ。お願いします。」

※たぶん掃除しながら話してる

■(こういうことかなあ)スポイルドチャイルド

みーさん「行きなさいシンジ君!誰のためでもない、自分自身の願いのためにー」
シンジ「ミサトさん!失礼ですが『責任』という言葉をご存知ですか!」
かーくん「シンジ君、今度こそ君だけは幸せにしてあげるよ」
シンジ「カヲル君!ひどい嫌がらせだ!そんな恐ろしい呪い受け取りたくない!」

「誰か僕に厳しくしてよ!僕を甘やかさないで!
僕をスポイルしないで!
アスカ!僕を馬鹿にしてよ!いつもみたいに叱ってよー!」
-----------------------------------------
おしまし

※銀世界さんのがじわりじわりと面白かった。チンタか。そうかチンタか。


[488] 題名:NERVの国から(再びパロディ※混ぜるな危険注意報発令中!) 名前:銀世界 MAIL URL 投稿日:2011年05月28日 (土) 22時08分

シンジ・ポッターのネタがこれ以上浮かばなかったので、普通は混ぜねーよ!な物をぶち込んでみた。

******************************

〜あーあーあああああーあーあああー♪《主題歌》

ある日、僕達は突然、父さんの気まぐれで北海道のF良野に連れて行かれ、大自然の中で生きる家族を体験することになり。

僕は、父さんを手伝って、水道を小屋まで引いて来たり、風力発電用の装置を作ったりしなければならなかったわけで。

別にそれだけなら良かったンだけど、父さんは、丸太でログハウス・・・ではなく、丸太基地を作っており。

今度は、粗大ゴミや廃材で、新たな基地を作るとか言い出したわけで。

でも、僕の親友であるケンスケは、そんな父さんを尊敬し、せっせと手伝っているンだ・・・。

(この親友役がケンスケに割り振られた時、ケンスケは涙を流して喜んだわけで。
 ケンスケは、やらされるンなら、「主人公に初恋の人を取られ、次に好きになった人は兄と結婚する」なんて役どころで、
 しかも「チンタ」なんてどこかの世界の僕とどっこいどっこいな名前《※1》の、主人公の友人役じゃないか、って思っていたわけで。
 表向きの決定打だったのは、親友が自衛官になる時があり、ケンスケは自前で迷彩服を持っていたからで。
 ・・・つまり衣装代が浮くからだと、父さんは言っており。
 でも、後で聞いた話だと、その裏では、主人公――つまり僕――の妹――その親友と将来結婚することになる――役の候補の1人だった委員長が、
 全部の筋書きを読んだ後で、「不潔よーっ!!」と叫んで役を辞退してしまっており《※2》。
 つまりこの時点で親友役をトウジにさせるわけにも行かなかったわけで。
 もう1人の妹役の候補だった綾波は、役名が自分と同じ《※3》だからと言う理由で、主人公の初恋の人をやると言い出しており。
 カヲル君は、「シンジ君と同居した後でレイと結婚する黄金ルートを辿りたかったのに」とぶつぶつ言いながらも、やっぱり親友役を辞退しており。
 ・・・つまり、ケンスケが選ばれたのは消去法と言うか、ケンスケしか残っていなかった、なんて大人の事情があったわけで。
 そんなことがあったなんて、僕もケンスケも、ちっとも知らなかった)

妹のマユミは、父さん子だから、やっぱり真面目に手伝っており・・・
と言うより、怖がって言われるがまま作業しているようにも見えなくもないンだけど。

(父さんが父さんである時点で、山岸さんが怖がるのは仕方がないと僕には思われ。
 妹役は、やっぱり綾波がすべきだったンじゃないかなとも思ったわけで)

僕は、黒板家の長男として、その作業をやらないわけにはいかないのであり。

(最初、自分の名前が「こくばんシンジ」だと思っていたら、山岸さんにすごく冷たく「『くろいた』です」と言われたンだ・・・)

最初のうちは、母さんの妹であるミサトおばさんが、僕達の面倒を見に来てくれてたけど、都会暮らしに帰っちゃったわけで。

(本当の所は、やっぱり、ミサトさんも役を降りてしまったってことなンだけど。
 その原因となったのは・・・僕らの台詞にある「ミサトおばさん」って言葉だと思われ。
 仕方ないじゃないか、台本にそう書いてあるンだから・・・。
 でも、おかげで、後のおばさんの夫――そしてさらにその後、彼の浮気が原因で離婚する――役の加持さんは、出番がなくなって喜んでいたンだ)

隣の日向さん家のソウタ兄ちゃんは、ミサトおばさんを好きだったので、すごくがっかりしており。

そんな妙な環境でも、僕達は成長して、僕は初恋をしたわけで。

でも、初恋の人のレイちゃんが引っ越す時、僕は待ち合わせ場所に時間通りに行けず、
レイちゃんの・・・やけにデカい足跡だけがそこに残っており。

(そのデカさは、足跡をつけるためだけに撮影に借り出された綾波が、移動が面倒だからとか早く距離を歩き切りたいとかいう理由で、エヴァで歩いたのが原因なわけで)

その後、いろいろとあって、僕はR臼の町で、ユイちゃん《※4》という子に出会い、
彼女を手に入れるまでにボロボロになりながらも、ついに結婚したわけで。

(本来、僕がボロボロになるのは、「ユイちゃん」のその時点での旦那さんに殴られるからだったはずなンだけど。
 ユイちゃん役のアスカが、「シンちゃん、あたしをお嫁さんにしてくれる気ある?」って台詞を、照れちゃって上手く言えないでおり。
 そしたら、霧島さんが、自分の方が上手いかもとか言って、僕を相手に、代わりにその台詞を言っちゃったわけで。
 怒ったアスカが、霧島さんに跳び蹴りを食らわそうとした瞬間、霧島さんが素早く避けたから・・・アスカのキックが、僕に直撃したンだ。
 これが、僕がボロボロになった、本当の理由であり。
 ちなみに、「ユイちゃん」の旦那さん役には、誰にもしがらみがないからとかって理由で、アスカは青葉さんを指名していたンだけど。
 僕を殴るはずだった青葉さんが、実際には、僕の手当てをしてくれたンだ・・・)

だけど、問題だったのは、やっぱり父さんは父さんであり。

「・・・シンジ・・・いつでも、NERVに帰って来るんだぞ・・・」

父さんが言うと、どうにも裏があるように聞こえるわけで。

・・・父さん、貴方は・・・不気味です。


※1:嘘じゃありません、本当に元ネタに存在する登場人物ですから恐ろしい。
※2:辞退の理由はお察し下さい・・・まあ、大人のドラマですから、そんな珍しいモンでもないんですが(汗)。
※3:偶然ですが、事実です。
※4:これまた偶然ですが、事実です。


<登場人物>

主人公:黒板シンジ(本当は語り手ではあるが主人公じゃないらしい)
父:黒板ゲンドウ(本当はこっちが主人公らしい)
妹:黒板マユミ(シンジと兄妹には見えやすいと思われ)
親友:笠松ケンスケ(裏事情はどうあれ、良い役ゲットしたのではないかと思われ)
叔母:宮前ミサト(彼女におばさんは禁句)
隣人:日向ソウタ(まあ、どっちにしろミサちゃんには振られるンだ・・・でも十分に良い役)
(叔母の夫:井関リョウジ)
初恋の人:大里レイ(ひらがなとカタカナの違いだけ)
結婚相手:高村・ユイ・ラングレー(別に主人公の母親と同じ名前ではない)
↑の夫:高村シゲル(しがらみがないとか言われちゃった)

*******************************

何かいろいろと申し訳ない・・・レイとユイがいるからやってみたかっただけ。
だけど、意外と配役考えるのが大変だった(遠い目)。
主人公の親友役は、主人公曰く「男っぽい性格」で、圧倒的な女性視聴者人気を誇り、迷彩服を着る機会があるというわけで、3人のうち誰がしてもおかしくなかったし(ぇ)。

当初、年齢を無視して方言繋がりで(いや、河内弁と北海道弁は違うにも程があるぞ)「トウジ=ソウタ兄ちゃん」の予定だったんですが。
あまりにも笑えないシンクロがこの2人に発生することを思い出して自重しました(大汗)。
後、「お札についた泥がGPSだった」ってネタも、あんまりなのでやめた(って言ってたら意味がない)。
ちなみに、元ネタとしているのは、あくまで作品として発表された範囲であり。
その後の構想とか裏話とかは聞かなかったことにしています、はい(元ネタについて調べる方もいるかもしれないので・・・アスカ=ユイちゃんにした以上、ここはしっかりと言っておく)。

「そのままでいてください」は、ネットリアル問わず、私が言われやすい言葉No.1です。何でだか。>ごまめさん


[487] 題名:たま司令 みたび 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2011年05月26日 (木) 00時16分

たま司令@司令またぎ

「じゃーん!新作、ミサト特製スペシャルカレーベシャメルソースがけ!!
さあ皆〜!!遠慮なくじゃんじゃんおかわりしてね!!」

なぜか、ネルフの食堂でカレーをふるまう葛城三佐。

「・・・・・・・・・・・・・」

スプーンをもったまま、固まるこども達。

「ゴクッ・・・これは、命令ですか?葛城三佐」

「そんなこと確認しちゃだめよファースト!!迷わず行くにも限度はあるわ」
制止するアスカ・ボンバイエ。

「・・あ、父さん!」

たま司令が、食堂のテーブルにひらりと飛び乗った。

「これは司令!」

思わず、敬礼するミサト。

「うむ」
たま司令は会釈したのち、

ててててててててて ひょい ひょい ひょい

テーブルのカレー皿をまたいで

ててててててててて

そのまま立ち去った。

「・・・・・・・・・・・・・」

「父さんが、またいだ・・・」
「猫またぎの、カレー・・・」

「食べてはだめ」
--------------------------------

※この季節、食中毒にも、気をつけましょうね。


[486] 題名:名前を呼んではいけないあの人 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2011年05月25日 (水) 23時37分

ほんとですねえ。<キール
私なら「元デブ」とか使ってしまうかもしれませんが、銀世界さんは綺麗なままでいてください。


[485] 題名:書いた後で 名前:銀世界 MAIL URL 投稿日:2011年05月24日 (火) 23時42分

宿敵・ヴォルデモートが全然出てないことに気付いた(汗)。
多分、キールさん辺りなんだと思います。


[484] 題名:かんそう 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2011年05月23日 (月) 23時21分

銀世界さんのポッターが可愛い。また続き見たいです。何処さんがリツコさんになりきってる。何処さんひとりでしゃべってますね。私みたいに。




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