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Gehen wir!「小話掲示板」へようこそ。
エヴァに関するショートショートショート、つまり小話を自由に書きこんでください。
もちろんLASだけに限らず、エヴァネタだったら何でもOK。
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[503] 題名:ジオフロント・メタル・シティ 名前:何処 MAIL URL 投稿日:2011年06月12日 (日) 08時59分

『♪サツガイせよサツガイせよサツガイせよ!!』

“サツガイせよサツガイせよサツガイせよ♪”
“うぉぉぉぉぉぉぉぉ!”

『皆の者!今宵サバトは残り一曲!心して聞けい!“ヘル・キル・デス!!”』

♪ギュゴォオォォン!

“うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!”


◇◆◇


「ハーイシンジ君、今夜のギグも最高だったわ。」

「…ミサトさん…もう無理です!僕にはやっぱり合わないんです!」

「へ?」

「大体僕はクラシック専門だったんですよ!エレキギターじゃ無くてチェロなんです!ましてやボーカルなんて端から無理なんです!」

「あっちゃ〜…まぁた始まったかぁ…」

「いきなり父さんに呼び出されて急に会場に放り込まれて…一体自分の息子何だと思ってるんだよ!?」

「…それで会場湧かせたんだから凄い才能よ。シンジ君、貴方はメタルの申し子よ…」

「んな事言われても嬉しく無いわぁ!何で演奏前に二時間掛けてドーラン塗って髪逆立ててチェーン巻いた刺付き革ジャンに安全靴なんて格好しなきゃいけないんです!?わかんないよこんなのわかんないよ!!」

バキッ!ガシャン!ドゲシ!バキン!

「お、落ち着いてシンジ君」

「何で生け贄が必要なんだよ!火を吹く必要無いだろ!客も罵倒されて喜ぶなよ!サツガイせよサツガイせよってお前ら犯罪者だろ絶対!嫌だ嫌だもう嫌だー――っっっ!」

バキン!ドゲシドゲシドカン!

「…流石ね、日本にも少しは骨のある奴がいたとは。」

「フーッフーッ…?だ、誰だ!」

「あーシンジ君、彼女はドイツのメタルクイーン、アスカ・ラングレーさん。次のギグでは彼女とバトって貰うわ。」

「ハン!こいつが私の相手になれるかしらね、なんたって私は音楽エリートな天才なんだからね!」

「(…た、助けて…)」


◇◆◇


「…報告せよ…」

「碇…お前の息子は予定通りの行動を取ったぞ…次のギグまではバンドを続けるそうだ…」

「…次はレイを接近させる…」

「流石だな、この悪党めが…」

「…(ニヤリ)」


[502] 題名:シンジのシはシビアのシ 4 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2011年06月11日 (土) 23時39分

※このシンジ君は、たいへんにシビアで感じが悪いです。黒夢の毒です。
※破のネタを含みます。夢を抱いている人は見ないように。くされギャグです。
※読んだ人が悪い。というか別に誰も読んでない。

---------------------------------------
■海のにほひ

シンジ「これが海の匂いか…」

加持さん「海の生物が腐った匂いだ…」

シンジ、また心の中で独り言
「(……この雄大な海を前にして、そんな言葉しか出てこないとは……この男。やはり気がふれちょる。)
気が、ふれちょるぜよ…。」

加持さん「言葉に出てるよ。君はなんて土佐弁が似合わないんだ」


■水槽を前にして

あー波さんの後ろ姿(まだかなまだかなー碇くん、こっちこい、こっちこい!あっ!ジャージと眼鏡がこっちきた!あなた達じゃないわよ、あっち行きなさいシッシッ!よしよし。そうそう。あっ!女がこっち来そう!女はいらんのんや!そう!向こう行け向こう!こっち来んな。あっ碇くん、キター!やったっ。さあこっから見せ所ですよ。受け止めろわたしのはかなさ!)

シンジ「綾波…何見てるの」

あー波さん「この子たちは、この中でしか生きられない。私と同じ・・・」

(よっしゃ!どやどやどや!これでもう日本じゅうわたしにメロメロやで。騙されろや日本人!お前らの求めてるもんは、コレや!)

シンジ「…」

シンジ、そしてまた心の中で独り言「(……その昔、海を赤くした張本人が、よりにもよって魚かわいそう発言ですか。そうですか。そしてその魚には自分自身の意味も含めたりしちゃって、つまりは、わたしかわいそう。って言いたいんですか。わざわざ水槽の前で待ってますオーラ出してると思ったら、言うに事欠いて、それか)…この女、最悪だな…」

あー波さん「聞こえてるわ碇くん」


■エレベーター

式波さん「ひとつだけ聞かせて。あんた七光りのことどう思ってるの」

あー波さん「こしひかり」

式波さん「お米じゃないわよ!」

あー波さん「ひとめぼれ」

式波さん「イヤー!それって好きってことじゃない!ばかー!」

あー波さん「どまんなか」

式波さん「きゃあああ!イヤー!」


■言い負かされた

あー波さん「あなたにはエヴァに乗らない幸せがある」

式波さん「は?」

あー波さん「…(エヴァに乗ってんのはわたしと碇くんだけでいいのよ!あなたいらないの。元々いらないの。退場!退場!)」

式波さん「あんたの言ってるのは、オリンピック目指してる人にオリンピックじゃない幸せがあるって言ってるようなもんよ。せっかくだけど言われなくてもそんなのわかってんのよ。それでも必死に頑張ってんのよ」

あー波さん「…」

パーン!

式波さん「いたぁい!なんで殴るのよ!」


■アングルおかしい

ベッドの上で独り言式波さん「別にいいの。エヴァに乗るのなんて食べていければ(やたら長い台詞)」

どかっ
ザーーー

式波さん「あらカメラ壊れた?ごめんなさいつい踵が」

■テイク2

バキッ
ザーーー

式波さん「ごめんなさいつい拳がぁー」

■電話ごしに

あー波さん「……(こいつなんだかんだいってひきよった…気ィきくやないか…空気読むことを覚えたのね…)」

赤木博士「…どうしたのレイ、早く話しなさい」

あー波さん「……ありがとう」

(言うたった。言うたったで…まさかこんな日が来るとは…)


■お食事会

微笑み招待状を見つめるシンジ「綾波の食事会か……料理できるようになったんだ…それよりも掃除は覚えたのかあいつ…。序であれだけ部屋が汚れてたんだぞ。料理より先に衛生観念を身につけてくれたんだろうな…。食中毒なんていやだよ…ゴクリ…」


■見せどころ

零号機、行きますー!
たった一人で敵に特攻です!

さあセリフー!

「碇くんが、もう二度とエヴァに乗らないですむよほにーーー!」

(気を遣ってくれた女の同僚の仇討ちしたろうとか、そんなことわたし思いつきもしませーん!碇くんのことで頭がいっぱいですー!碇くん碇くん碇くーん!さあ日本人、うっとりしろー!)

うつむくシンジ「綾波……だからまさに今もう降りてるじゃないか僕…」

あー波さん(メガネに向かって)「あなたは逃げて!」

(はい、もひとつダメ押しでいい子ちゃんでしょわたしー!)

■葉っぱをください

あー波さん「ごめんなさい…何も出来なかった…」

シンジ「いいんだ…これでいいんだ…」

(キターーー!やった!やった!はっぱ!はっぱ!これや!これやがな!わたしと日本人はこれをずっと待っとったんや!DVDとブルーレイ売るとき、他はいらん、ほかは。ここだけ延々エンドレスに詰めとけー!はっぱ!はっぱ!はっぱ一枚あればいいー!わたし元々裸族だし!)

かーくん「シンジ君…君だけは今度こそ幸せに…」

槍どーーーーーん

あー波さん、心の叫び(な…何さらすんじゃこのくされ横恋慕ホモがあーー!いてまうどワレこらあぁぁ!!!)


■歌にまでシビア

♪その背中にはーなんたらかんたらの羽があることー

シンジ「天使の羽ですか?もう僕は中学生なんでランドセルは卒業しました」


♪残酷なーてんしのテェゼー

シンジ「残酷な天使って、とどのつまりは悪魔だよね…」

♪しょうねんよ神話になれー

シンジ「これからの日本に神話はいらないと思うんだ…。(マジで…)」


♪地位とか名誉とかいらないけれどー

シンジ「わざわざ辞退しなくてもそんないいものは誰も君にあげようって思わないから安心してほしい」


***

あー波さん「…碇くんに友達はいるの?」

シンジ「…あんまり、いない…。」


■トゥルーマン・ショー

序より

シンジ「やります!僕が乗ります!」

(うわぁああ!なんだこれ!ま…真っ暗闇で正面に敵がいるのに、僕の乗り物、光ってる!蛍光グリーンに光ってる!目印か!なんのために!敵のために!?見世物か!アホだ!アホすぎる!戦を、いくさを何と心得る!)

びしゅうううん

「あほか父さーん!せ、責任者、出てこーい !」

(客がいる!)

(あたしのパンツを見たがる客がいる!こんな変な位置にカメラを置くなんてデバガメだわ)

(客がいる!そうでしょそうでしょ。聞きなさいわたしのモノローグ。見なさいわたしの寝室)


槍どーーーん

かーくん「彼ら気がつきそうなんで、槍でしとめときました」

「ご苦労」


■ビリリリ!ビリリリ!

謎の女マリ「もしもし!やっほーわんこ君!きみに着ボイス作ったよ!メールに添付するから使ってにゃ!」

シンジ「…」ピッ

『電話だよ!ネルフの犬畜生!早く出な!犬畜生!犬畜生!犬犬犬!犬畜生!犬畜生!』


シンジ「…」ピッ

『メールだよ!ネルフの、ハイカラ野郎のペテン師の、岡っ引の、モモンガーの、わんわん鳴けば犬も同然くん!メールだよ!』

シンジ「誰が使うかあ!それに、どっちかと言えば、モモンガーはお前だあー!」

でーい!
少年は、思わず携帯を海に投げ捨てた。

あー波さん「碇くん。海を汚しては、いけないわ」

シンジ「君が言うな!」


---------------------------------------
※ギャグですよ。さあ許すことができるかな。君は今、試されてる。
※私はこんな『自分正直女子』な、あー波さんのほうが好きですが、世間から見たらそうでもないかもしれません。

※あと、「序」で、最初に戦うシーンで最初からビカビカ塗料が光ってるのは本当におかしいと思った。映画の評論家先生たちがもう指摘してんのかな?夜の闇の中で戦うときは最初は暗くしておかないと。勝ったあとには光ってもいいけれど、じゃないとやられ放題やん。


[501] 題名:何処さんへ 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2011年06月11日 (土) 22時20分

絶望した絶望した!!


[500] 題名:“そら無いわ”<“未だマシ”と言う事で(笑) 名前:何処 MAIL URL 投稿日:2011年06月11日 (土) 16時31分

どれも酷ぇ名前(笑)正しく五十歩百歩(笑)
でも鼻毛桜が一番まとも風に聞こえる罠(爆)何故?

「いいえ、違うわ。」

!?誰だ!


【あー波さんすっとばす作家変…あ!いやいや作家編です作家編】


「鼻毛桜…私にとっては一番酷い名前…」

!?あ、あー波さん!いいいたんですかかかか…

「それに…綾波マツコデラックス…怖かった…」

…確かに…

「でもさ綾波…サオジローやらキンザブロウも酷いと思うんだ…」

おおタマキン。居たのかタマキン。存在感薄くて居るのに気付かなかったぞタマキン。流石は主人公らしくない鬱主人公だなタマキン。何震えてるんだタマキ《撲っ!》

「その名で呼ぶなーっ!しかも連呼するなーっ!何処の癖に何処の癖に何処の癖にいぃぃぃっ!」

痛《撲ッ》止め《撲ッ》死《撲ッ》助け《撲ッ》《撲ッ》《撲ッ》…

「ハァ…ハァ…ハァ…」

ピクッ、ピクッ…

「…ナックルパート…流石ね、アントニオ碇…いえ、碇カンジ。」

「それも嫌だー!」

「そう…嫌なのね…」

「そうさ!僕の名前で遊ばないでよ!僕に優しくしてよ!もう少しまともな名前にしてよ!」

「いいえ、タマザブロウやサオジローは未だ世間にいそうな名前。鼻毛は流石に有り得ないと…涙?私、泣いているの?」

「だ、大丈夫だよ綾波、綾波の名前は未だ僕よりまともに聞こぇ…ゴホン、は、鼻毛抜けば綾波桜だろ!フーテンのカヲル君の帰り待っててそうじゃないか!」

「ふふっ…楽しそうな話をしているねシンジ君、綾波さん…」

“…来たよ…噂をすれば…”“目を合わせたら駄目よ碇君。”

「僕がフーテンのカヲルならばタコ社長役はキール議長にお願いしようかな…フフ…」

“…議長聞いたら怒るだろうね…”“同感”

「あ、あんな所におるで。」
「本当だ。おーい碇ぃ、綾波ぃ、渚まで混じって何話してるんだ?」

「やぁ、鈴原君に相田君。」「「…下には下がいたか…」」

「「?」」

“チンタか。そうかチンタか。”“そう…チンタ…”“…チンタだからね…”

「「「…」」」

「?なぁ…何だよその生温かい笑みは?」「?ケンスケの顔何や付いとるんか?」


◇◆◇


ゔ…うう…

い…痛タタタタ…ふう、酷い目に…

「ハン!自業自得ね!そんなんじゃ世界平和なんて実現出来ないわよ!」

ってこの声…このシルエットはまさか…

「元気ですかー!?私の出番今回無しじゃないの!コノヤロー!」

ビターン!

張り手を喰らい、吹っ飛びながら薄れ行く意識の片隅で、私はこう思っていた。

…あぁ、アスカ・ボンバイエは今日も本当に元気だなぁ…


[499] 題名:絶望せよ絶望せよ!ZETSUBOU=! 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2011年06月10日 (金) 23時56分

>銀世界さん
ユイさんは人間じゃないですかねー。パパは猫でママは人間。
ネコ耳の趣味は私もありませんが、襟首くらいはつかんでやりたいかもです。何処さんと同じくサオジロウのほうが変に1票です。サオだよ!!


[498] 題名:しつもーん 名前:銀世界 MAIL URL 投稿日:2011年06月10日 (金) 23時44分

>ごまめさん
アスカの「司令はほんとにおりこうなネコちゃんだわ!」に笑ったんですが。
その世界ではユイさんは人間ですかー?
であるなら、シンジ君じゃなくてキンザブロウ君には、ネコ耳が生えていてしかるべきだと思うんだ・・・使徒にではなく。
いや、男のネコ耳なんて、たとえ女性顔のシンジ君であっても、あんまり見たくはないけど。

>何処さん
その不等号は大きいほど変な名前ってことは・・・サオジロウの方が変な名前??
・・・あたしにはわからない何かがあるのでせうか(汗)。


[497] 題名:大切なもの 6 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2011年06月10日 (金) 22時45分

せっかくの良識を壊してくれるわ。うははは。
------------------------------------

◆名前の由来

父さんを膝の上に抱き、ノミとりをしてあげながら、僕は思い切って尋ねた。

「にゃんご。そこだシンジ。ごろごろ」
「父さん…聞いていいかな。どうして僕の名前は、『金三郎』なの?よりにもよって」
「知りたいか」
「キンサブロウ君、それを知ったらあなたはきっと後悔するわ」
「リツコさん!?」

「あなたの名前の謎は…ネルフの地下にある」

◆この世界の秘密

「こ…これは…」

仮面を被った巨人が磔刑にされている。よく見たらネコミミが生えているが多分気のせいだ。

「これが僕の名前の秘密?」
「そっちじゃないわ。これよ」
「違うんですか!なんのための巨人ですか!しかもそれ、チラシの裏じゃないですか!」
「えーと…」
「肉球の跡しかないのに、よく読めますね、リツコさん!」
「愛よ。どれどれ、えーと『(サード)チルドレンだから、(金三郎)』と書いてあるわ。『3』つながりのようね」


◆◆◆


「馬鹿なことはやめろキンサブロウ君!」

叫ぶ日向。

「うるさいうるはーい!こっ…こんな世界、ぶっ壊してやるー!」

初号機が、ジオフロントのピラミッドの上で暴れていた。

「LCLの濃度をあげるんにゃ!」
「う…!?ぐはっ」
「なんて酷い!」口を押さえる伊吹マヤ。

一同「ほんとにひどい」


◆LAK(s)

「めちゃくちゃだよね…僕の父さん」
すっかり意気消沈のキンサブロウ。リビングでひたすら三角座りで俯いている。
それをじっと見つめるアスカ・ボンバイエ。

「タマキン…(この世界のシンジの通称です)」
「見てよこれ。こんな…こんないい加減な手紙ひとつで、僕を呼び出したんだよ」

くしゃくしゃになった紙をポケットから取り出す。その紙には、たったひとこと、『こい』と書かれていた。

「父さんは、やっぱり目茶苦茶なネコなんだよ…笑っちゃうよね」
「バカタマキン!やっぱりあんたバカよ。あんたの目は節穴なわけ?!」
「えっ?」
「だって司令はネコなのよ!ネコなのに、人間の言葉を書いたのよ!あたしにはわかる。この二文字には、司令があんたを思う心が詰まってるわ!どんなにすごいことか!司令はほんとにおりこうさんなネコちゃんだわ!」
「…!そ、そうか…!僕、気がつかなかったよ…!父さん、父さんはがんばったんだね…!ありがとうアスカ、気付かせてくれて…!」


◆LAK(s)2

「負けた…あたしもうダメ。バカタマキンに負けたわ…あたし、もうエヴァに乗る資格がないのよ…!くっ!」
「ア、アスカ!?どうしてそんなに落ち込んでいるんだ!負けたって、シンクロ率のこと…?」
このままではいけない!
前の世界のように、アスカを壊してしまうわけにはいかないんだ!
広い屋上で、少年は思わず張り巡らされたコーションテープを乗り越え、少女の肩を掴んでいた。

「負けたって何がさ!…シンクロ率なんて、エヴァなんてどうだっていいじゃないか!
それよりも大切なのは…ア、アスカ自身で…」

「あんたバカ!?エヴァはあたしのすべてよ!離して!」
「いやだ!アスカ、もっとアスカはアスカを大切にしてよ!僕にだって…アスカは大切なんだよー!」
「えっ!?」
「シンクロ率なんてどうだっていいよー!アスカー!」
少年は我知らず、少女を抱きしめていた。真っ赤になった少女が答える。

「だって…だって負けてるじゃない!」
「なんの負けだよ!」
「アゴの長さ!長いアゴは強さの証!あたしの弐号機はあんたの初号機に長さで負けてるっ!」

「そんなもん心底どうでもええわーっ!!」(思わず関西弁)

「初号機のアゴなら弐号機にやるよー!リツコさんに言って取り外そー!?アゴってー!アゴォォ?…うわあああぁ!」
少年は、泣きながら少女をいつまでも、いつまでも抱きしめていた…


※【LAK(s)とは】この世界におけるラヴ・アスカ・キンサブロウ(シンジ)の意であろうか。いやそんなばかな。


◆ようせいづかん

「うおをぉー!綾波ぃ!そういえばどうして綾波は『鼻毛桜』なんだ!」

僕は暗い穴の中を必死に手探りする。
奇妙な小さな綾波のような塊がいくつもいくつも波打っていた。

「わたしが抜けても代わりが生える」
「それはもう鼻毛だけに」
「カヲル君は黙ってて!ということは、この粒々は毛根細胞!?」
「わたしの正体…それは妖精。はかない生き物。ネコの造りし鼻毛のようせい。」
「いいのかそれでー!意味わからないよ!」

「天敵は花粉と黄砂」

※もし、美しい彼女の正体が鼻毛の妖精だったとしても、ショックを受けないでおきましょうね。巨大化するよりマシか。

「鼻毛、もしゅもしゅ!」
「だからカヲル君は黙ってて!」

「鼻毛のせいで、口呼吸」

「それで君はいつも口を半開きなのか!」


◆たま萌え!

またもや私は拉致された。おそらくゼーレにだ。何と言うことだ。後ろ手に椅子に縛られたまま、私は過去を回想した。あの日も、今日と同じような小雨の降る日だった…

「私が身元引受人に指名されたんだって?私は彼と直接の面識はないんだが…」
「京都わんにゃん動物病院からお電話で依頼がありました。猫どうしの喧嘩で傷ついているそうです」

***

こぬか雨がしとしとと降っていた…
ビニール傘を指した私は、病院の玄関で奴に体面した。

「どうも、冬月先生」

奴は前あしに包帯を巻き、傷口を舐めないよう、お首にエリザベスカラーを巻かれていた。

「なぜ私を指名したのかね。言っておくが、そんないわれはないぞ」
「ふっ…その質問にはお答えできませんにゃ…。ぺろり…」
そう言ってそっぽを向き、猫舌でお口をぺろりした奴の可愛いことよ。私は我を忘れた。

…キュン…!!

「…ひ、引き取ったる!なんぼでも引き取ったるぞ!安心しろ!たまくん!」
「感謝します。にゃんご」

◆たまキュン!

「どこに連れて行くのかね」
「何、すぐですにゃ」
たまは私をゲヒルンの地下に連れて行った。猫用ヘルメットがこれまた可愛いらしいことよ。

「これは…」
想像を超える巨人がそこにいた。だがそんなことよりも。
「冬月」
えっ!たまに呼び捨てされた…!わけもなく胸が動悸した。ユイ君にもここまで感じたことはない。

「一緒に夢を、見ないかにゃ?」
「見ちゃる!ああなんぼでも見ちゃるとも!」

そして現在にいたる。

◆大切なもの

「父さん…『3』つながりなのは理解したけど、どうしてキンサブロウなのかはやっぱり僕にはわからないよ…」
「ふっ。キンサブロウよ。そんなことは、父の背中を見て悟れ」
「背中…」

僕は父さんの後ろ姿を見つめていた。

♪チリンチリンしゃんしゃんしゃん

鈴の音を響かせながら、父さんが歩いてゆく。

「…」

父さんの歩みに合わせて、父さんの猫ふぐりもぷらんぷらと揺れていた。

「まさか…」
「わかったか、キンサブロウ。タマキンはオスネコにとって、大切なものにゃのだ!」

「…つまり、父さんにとって『僕は大切』ってこと!?…父さん!」

喜びが少年を包む。

「おめでとうタマキン!お父さんの気持ちが通じたのね!」
「アスカ!」
「タマキンおめでとう」
「綾波!」

「やったぜタマキン」
「よくやったタマキン」

「たまたまきんきんタマキンキン」

「ありがとう!みんな」

「何がありがとうよ!冗談じゃないわ!」怒り狂った伊吹マヤが現れた。

「…あ…伊吹さん?」

「司令が所きらわずマーキングするせいで、オスネコシャワーで臭くっていられません!断固抗議します!たま司令に去勢手術を受けさせて下さい!」

「…イヤにゃーーーっ!」

「わあ!」
「きゃあ!司令が逃げたわ!そっちよ!」
「いたた!父さん僕の頭に登らないで!」

「ぶるぶる…私を助けろ!キンサブロウ!」

------------------------------------
※銀世界さんのゴーシュはえがった。僕は本当はこんなバンドがやりたいんじゃないんだ!
※不幸さでいうと キンサブロウ>サオジロウ>メランコリック>あの子のことが僕は嫌い>エロス ですかねえ。
何のことだか意味わからんわ。


[496] 題名:セロ弾きのシンジ 名前:銀世界 MAIL URL 投稿日:2011年06月09日 (木) 00時14分

シンジはネルフ音楽団でセロを弾く係でしたが、いつも楽長にいじめられていました。

「シンジ・・・私はお前にドレミファまで教えている暇はない、出来ないなら、帰れ」

シンジは、粗末な箱みたいなセロを抱えて壁の方へ向いて、「僕は要らない子なんだ・・・」と、ぼろぼろ涙をこぼしました。
その晩、シンジが家で練習をしていると、誰か扉をトントンと叩く者がありました。
扉を開けて入って来たのは、大きな三毛猫でした。

「音楽はいいねぇ・・・リリンが生んだ文化の極みだよ。
 ああ、シンジ君、シューマンの『トロイメライ』を弾いてごらん、聴いてあげるから」
「何で僕が猫のために演奏しなきゃならないんだよ?」
「いや、遠慮は要らないよ」

シンジはしばらく考え、ハンカチを引き裂いて耳に詰めてから、嵐のような勢いで「インドの虎狩り」という曲を弾き始めました。
猫は、びっくりして目や額から火花を出しましたが、シンジが演奏を止めると、けろりとして言いました。

「シンジ君、今夜の演奏はどうかしてるね」

そうして、扉を開けて出て行ってしまったので、シンジは心の中で「もう来ないでよ・・・」と言いました。
次の晩もシンジがセロを弾いていますと、屋根裏をコツコツと叩く音がしました。
天井の穴から、1羽の郭公が降りてきました。

「あたしの音楽の練習に付き合いなさい!」
「君は『かっこう、かっこう』って鳴くだけだろ?」
「それが難しいのよっ、あたしはドイツに行く前に、誰よりも上手くなるんだから!」

シンジは仕方なく、かっこうかっこうかっこうとセロを弾きました。
郭公はふんぞり返って合わせて歌っていましたが、シンジはいい加減に疲れてしまい、いきなりぴたりとセロをやめました。

「アンタバカァ?! 何でやめるわけぇ?!」
「だ・・・だって、こんな真似、いつまでもしてられないよ、夜が明けるじゃないか!」
「音楽家だったら、どんな意気地なしだって、喉から血が出るまで頑張るわよ!」
「出・・・出て行けよ! 羽をむしって朝御飯にしてやる!!」
「バカシンジ!」

郭公は怒鳴ると、窓にぶつかって硝子を割り、そのままどこまでも真っ直ぐに飛んで行って、とうとう見えなくなってしまいました。
次の晩もシンジが夜中過ぎまでセロを弾いていると、また扉をコツコツ叩く者があります。
扉が少し開いて、入って来たのは、1匹の狸の子でした。

「オレは小太鼓の係なんだ、セロに合わせてもらって来いって言われたんだよ」
「・・・どこに太鼓があるんだよ?」

子狸は、なぜかいきなりキャンプ道具を広げ始め、飯盒を引っくり返して置き、1膳の菜箸を取り出して両手に持ちました。
その様子が何だかおかしくて、シンジはとうとう笑い出してしまいました。
子狸の演奏がなかなか上手いので、シンジは弾いているうちに「これは面白いな」と思いました。
夜が明けると、子狸は「ありがとな」と言って帰って行きました。
その次の日、明け方近くになってシンジが楽譜を持ったまま、うとうとしておりますと、また扉をコツコツと叩く者があります。
隙間から入って来たのは1匹の野鼠で、大変小さな子鼠を抱えて歩いて来ました。

「センセ、妹が具合悪うて死にそうなんや、治したってくれ!」
「ええ?! 僕が医者なんかやれるわけないだろ?」
「さっきまで、あんなにごうごう弾いとったやないか!
 ここらのモンは、みんな病気になったら、センセん家の床下に入って治すんや。
 体中の血の回りが良うなって、すぐ治るモンもおれば、家帰ってから治るモンもおる」
「僕が・・・僕がセロを弾くと・・・君達の病気が治るんだ・・・」

シンジは目を丸くしていましたが、やがて子鼠をつまんで、セロの穴から中へ入れてしまいました。
しばらくして出してやると、子鼠はしばらく目をつぶったままぶるぶる震えていましたが、にわかに起き上がって走り出しました。

「良うなったんや・・・おおきに、ホンマ、感謝するで!」

野鼠は泣き笑いのような顔で、子鼠を連れて帰って行きました。
それから6日目の夜、ネルフ音楽団の人達は、街の公会堂のホールの裏にある控え室で、顔を火照らせていました。
ホールでは、まだパチパチ手が鳴っていて、司会者が控え室に入って来ました。

「楽長、アンコールの要望があります」
「・・・シンジ、何かやれ」

こうして、皆はシンジに無理やりセロを持たせて、いきなり舞台へと押し出してしまいました。

(どこまで人を馬鹿にするんだよ・・・こうなったら『インドの虎狩り』を弾いてやる)

それから、あの猫が来た時のような勢いで弾き終えると、シンジは素早くセロを持って楽屋へ逃げ込みました。
すると、楽長が立って寄って来て言いました。

「・・・シンジ・・・よくやったな」

仲間もみんな立って来て、口々に「おめでとう」「おめでとう」とシンジに言いました。
その晩遅く家に帰ったシンジは、いつか郭公が飛んで行った遠くの空を見ながら

「あの時は、ごめんね・・・僕は怒ったんじゃなかったんだ」

と言いました。
すると、それに応えるように、天井裏から「かっこう」と鳴き声が聞こえたのでした。

******************************

セロ=チェロだと10年以上も気付かずに過ごしていましたよ。
ずっとやりたかったネタですが、元ネタの主人公の切れやすいキャラをシンジ君に変換するのがなかなか難しく^^;。

ほぼ元ネタそのまんまの展開ですが、ラストの1文だけ付け足し。
主人公と郭公には、是非とも再会して欲しかったので2重の2次創作。

この話は、テレビや学校で見た人形劇のイメージが強くて、ずっと郭公=ヒロインだと思ってました。
狸のキャラが思い出せなくて調べたところ驚愕・・・郭公は男の子でした(汗)。
・・・どっちでも、郭公役は女性で、一人称「私」だったのに・・・(元ネタでは『僕』らしい)。
まあいいや、鼠のお母さんを鼠のお兄さんにしちゃったし
(ちなみに最初は鼠のお姉さん=ヒカリで、狸=トウジ、猫=ケンスケの予定でした)。
とにもかくにも、私の中では郭公はヒロインです(きっぱり)。


[495] 題名:チンタといいサオジローといい… 名前:何処 MAIL URL 投稿日:2011年06月07日 (火) 00時58分

【赤木リツコのクッキング教室】

引っ越しの為部屋を片付けていて、一枚のエプロンを見付けた。
そう、これは誕生日祝いに母にねだったんだわ…思い出すわね、あの日の会話…


『キャーッ♪このエプロン可愛い♪見て見てこの猫柄!』

『リツコ…あんた大学生にもなって…』

『なによぉ、可愛い物は可愛いのよ母さん!』

『はぁやれやれ…二十歳過ぎた女が猫マニアなんて、婚期遅れそうね、クスッ。』

『あ!酷いわ母さん!』

『クスクス…はいはい、じゃ誕生日祝いはこれでいいのね?』



そうか…このエプロンもう買って10年か…

数える程しか袖を通していないエプロンを手に、ふと私はこれから息子になる少年と、その彼女の顔を思い出す。
そう言えばもう直少年の誕生日か…

「…あの二人に、お揃いでエプロン買ってあげよう…」

そうね…赤木リツコのお料理教室強制入会って事で。
将来の息子夫婦に今から教育して行けば、将来が楽しみだし。

「頑張るわよ、リツコ!」
私は新居への引っ越し作業を再開した…憧れのジューンブライトは間近だ。



※恐らくチンタ<キンザブロー<サオジロー<鼻毛桜かと思われ。

※その発想は無かったと言われる何処ですが、ごまめさんに『その発想は無かった』大賞を贈りたい(笑)

※銀さんには是非とも変わらずにここの良識を…って、駄目だチンタがリアルに脳裏へ(笑)


[494] 題名:銀世界さん 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2011年06月07日 (火) 00時08分

サオジロウはマトモな名前?(エ)




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