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Gehen wir!「小話掲示板」へようこそ。
エヴァに関するショートショートショート、つまり小話を自由に書きこんでください。
もちろんLASだけに限らず、エヴァネタだったら何でもOK。
作品に関する感想もお気軽に書きこんでくださいね。

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[847] 題名:遠き浪漫渓谷 名前:銀世界 MAIL URL 投稿日:2012年01月29日 (日) 23時05分

「しくしくしくしくしく・・・」

「ケンスケ・・・どうしたんだろ」

「しーっ、あれや、触らぬ神に祟りなしやで」

「まあ、余計な刺激を与えないに越したことはないだろうね」

「「「じゃ、そーっと逃げ・・・」」」

ぐわしっ!!

突如動いた茶髪の癖毛の頭に、眼鏡が光る。

3人は見事に、がっちりと掴まえられていた。

「痛い痛い痛い! 引っ張らないでよケンスケ!」

「ATフィールドで防御する暇もなかったよ・・・この素早さ・・・人知を超えているね・・・」

「いやお前ら2人はまだええ、腕や・・・足踏んで引き留めるなケンスケー!!」

「君の脚は実に受難続きだね・・・」

「それはさすがに笑えへんからやめてくれへんか」

「ええい、お前ら、オレの話を聞けぇー!!」

「わ、わかったから落ち着いてよ、ケンスケ!」

「今日、真希波に、雄にとって谷間はロマンなんだろ、ってニヤニヤわらわれたんだ・・・」

「はぁ・・・」

「続けて、その谷間が最も正確かつ美しく見える、それがプラグスーツだ・・・って」

「・・・確かに」

「認めるんかい、シンジ」

「でもアイツ、『キミは滅多な事じゃ、それを拝めない、残念なヤツ〜』って笑ったんだ・・・!!」

「いやまあ、ごくたま〜にやけど、入り込んだり出来る事もあるやんか、な?」

「五月蝿いっ、どーせお前より遥かに確率が下がるんだよっ!
 くそぅ・・・本来は、トウジの方がクラスで変態認定されてたのに、どこでどうなったんだ・・・」

「・・・で、君は何を望むんだい?」

「よくぞ聞いてくれたっ!
 うちのクラス全員を、NERVに出入りさせて、プラグスーツ着用させるんだ!」

「「「へ??」」」

「これでオレも谷間が見られるってモンだ!!
 シンジ、親父さんに、是非お前から頼んでくれ!!」

「・・・生々しい父子の会話になりそうだね・・・」


[846] 題名:夢と希望の浪漫渓谷へようこそ 名前:何処 MAIL URL 投稿日:2012年01月29日 (日) 19時44分

何時も通りあの高校のいつもの昼休み、例によって女子一同揃って食事中…

「何で男って胸ばっか有難がるのかしら…」

ストロベリーブロンド少女がぽそりと呟いた台詞が全ての発端だった。

「!?!!ア、アスカななな何突然いきなり急にそそそそそそそんな事…」

「独り言よ、気にしないでヒカリ…」

「確かエドモンド・モリスって学者が提唱した説だと…」

「いやマユミ、真面目に答えなくていいから。」

「…胸…乳房…おっぱい…母性の標…アスカの…あ、鼻血。」

「…まあ妄想癖発動したレイは放っといて…」

「…ぶつぶつ…(何よ大きい事が良いんでしょ男なんてあたしだって未だ成長期だし必ず大きくなる筈なのに何よ小さいだの貧乳だの微乳だの全く失礼なちゃんとカップはBなのにどこ見てるんだか全く)…ぶちぶち…」

「あ…マナが自滅してる…」

「ムグムグ…ん〜!お稲荷さんは美味しいにゃあ!さぁっすが美食の国日本!」
「…ま、雌狐だか雌狸だかは放っといて…」

キラーン!

「ふっふっふっアスカちん!このアチシがチミのエロ台詞聞き逃すとでも思ったのかにゃぁ?」

「あ、やっぱり」

「ふっふっふっふっふっふっふっふっふっ、良いかにゃアスカちん!世の雄共は皆おっぱい星のおっぱい星人なのさ!」

「また適当な事を…」

「そう!雄にとってはおっぱいは夢!おっぱいは希望!そして谷間はロマンなんさ![※ネタ引用・リンカ様※無断引用ごめんなさい※]判るかにゃアスカちん?」

「判るかー――っっ!」


〇〇〇


じ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ

「む〜〜〜…」

「?どったのアスカ?さっきからあたしの事見てるけど…」

「…何でも無いわ。お風呂入ってくる。シンジ!ミルク出しと…二本出して!一本今飲む!」

「?」「あ〜はいはい…」

ぺりっ。ごっごっごっごっ…

「え?あ、も、もう一本飲んじゃった。」「あらぁ〜良い飲みっぷりねぇ。」

「ご馳走様!お風呂入って来る!シンジっ!風呂上がりに飲むから仕舞わないで出しておいててよねっ!」
バタン!

「ね、ねぇシンちゃんどったのかしらアスカったら」「さ、さぁ…」

△△△

ピシャン!ガタガタバサバサッ

シャッ!

「…谷間は…ロマン…ねぇ…」

ムニュ

「…まあまあってどこかしら…」

フニャッ

「でも未だ未だミサトには…クッ!負けてらんないのよおっ!」

ペラペラ…

「ええっとぉ、大胸筋を鍛えるにはぁ、このポーズでぇ…」


□□□


「さぁてお風呂〃…ん?何この本…入浴ヨガ?」

バタン!ドタドタばしっ!

「…見た?」「?入浴ヨガ?どおりで長風呂だと…」
「…中は見た?」「?うんにゃ?」

「…本当に?」「?ええ。」

「…そ。邪魔したわね。」
バタン!パタパタ…

「???」


[845] 題名:節分接吻 名前:何処 MAIL URL 投稿日:2012年01月29日 (日) 09時34分

「ミサト、未だ一月なのに良いの?豆まきなんて?」

「いーのいーの。二日は泊まり込み予定だから早目に済ましちゃうわ。ヂャ、いくわよぉ〜、そーれふくは〜うち〜!」

「おには〜そと〜」

「あ、アスカごめん、あたしんちでは鬼は外って言わないの。」

「へ?」

「実家の風習でね、鬼は外って言うと只不幸を家から祓うだけなんで、鬼より福が多く来てくれる様にした方が良いって事らしいのよ。」

「?」

「それに、柊に鰯の頭に豆まき、これだけ鬼の嫌いな事が揃えば寄り付きもしないわ。」

「はぁ、そんな物なのね〜…」

「プッ!そう言えばさー、あたし加持と大学生の頃恵方巻きが出回り出してね〜で、皆で恵方巻きポッキーゲームした時があってさ〜。」

「!」

「ありゃ駄目だわ、何せ太巻きじゃない。目の前で大口空けて太巻きにかぶり付きなリツコの顔がさぁ…プププッッ!」

i-mode emoji

「もー我慢できなくて二人で笑いだしたら噎せるわ鼻にご飯粒入るわ最悪だったわ〜。」

「あ、あはは、ミ、ミサト馬鹿過ぎ」

「日本の大学生なんて八割方そんなもんよ。!そーだアスカ試しにシンちゃんとしてみたらぁ?」

「してみたらって…恵方巻きポッキーゲーム?」

「そ♪シンジ君なら必死になってかぶり付き…アッハハハハッッ!そ、想像しただけでお腹痛い〜っっ!」
「ミサト、失敗前提でそれ笑い者にするってどうなのよそれ…」


内心、又マリの法螺に引っ掛からず良かったと胸を撫で下ろすアスカであった。
その後、夕飯の買い物から帰って来たシンジが豆を踏み事態が発覚、掃除&お説教&ビール(デザート抜き)の刑に処せられた事をペンギンは知っている。

さて、節分当日アスカ嬢の購入していた冷蔵庫の恵方巻きはどう食べられるのでせうか?


[844] 題名:昔バレンタインって戦車があってね(いや、別に意味は無い) 名前:何処 MAIL URL 投稿日:2012年01月29日 (日) 08時48分

【パイチョコは男のロマン】

「パイ…」

「又メランコリーにブルーだね、碇シンジ君。」

「…カヲル君か…」

「そんな君に耳寄りな話を持って来たよ。」

「…耳寄り?」

「そう!何時も〃君の大好きな女性の二つの山に後一歩で登頂断念を余儀無くされる優柔不断な不幸少年への朗報」「誰のせいだよ!」
「聞きたく無いのかい?せっかく良い話を持って来たのにね。」

「…良い話?」

「そう、リリンの世の中には女性が男性に好意を示せる日があるんだ。そしてその時女性は自らの山にチョコを」
「待て待て〃!…それ、誰に聞いた話?」

「?真希波マリさんからチョコパイの日が有ると」

「…カヲル君、それ嘘だよ」

「何を言うかぁ!あちしは本当の事しか言ってな〜いっ!」

「おや噂をすれば」「…アレが嘘じゃ無くて何なんだよ…」

「いいかいワンコ君!チョコパイと裸エプロンは日本女子のたしなみ!バレンタインには本当の大人はみぃんなそうやって」
「もう良い、話すな、止めろ。て言うか良くそれだけペラペラとホラを吹けるなっていっそ感心するよ全く…」

「?法螺なのかい?」

「…ワンコ、彼女のチョコパイは美味しかったろ?ん?」

「…だからさぁ…」

「おや?それじゃシンジ君も漸く登頂に成功したのかい?」

「え?あ、いやその…」

「良くやったシンジ。」

「げ!?と、父さん!?い、いつの間にっ!!」

「その話、詳しく聞かせて貰うよ碇シンジ君。」「面白くなって来たぁ♪ワクワクするなぁ」

「…君達ねぇ…」

「見付けたぁっっ!マ〜リ〜っ!今度こそ逃がさな」「アスカ…やっと見付けたわ。さあ私と一つになってその魅惑のチョコパイを」
ドドドドドド…

「あ…頭痛い…」

「問題無い。」「?そうなんですか碇司令?」

「…問題有りまくりだよ…」

ドドドドドド!

「待てマリーッ!」「待ってアスカ」「うひょ〜!?アチシってモテモテぢゃ〜ん♪」


[843] 題名:せつぶんの日 名前:銀世界 MAIL URL 投稿日:2012年01月28日 (土) 22時35分

少し早いけど、何処さんがバレンタイン書いたから、自分もフライングしてみる。

*     *     *

「アスカー、もうすぐ節分だにゃ」

「そうね、豆まきだっけ?」

「それだけじゃにゃいのだ、最近の節分に欠かせないのは恵方巻きにゃ、え・ほ・う・ま・き」

「あー、巻き寿司をラッキーな方角に向かって食べるんでしょ」

「はぁ〜、アスカは本当の恵方巻きを知らないんだにゃ〜」

「何よ、また騙そうったって、そうはいかないわよ」

「本当の恵方巻きは、カップルで向かい合って、1本の巻き寿司を食べるのら!」

「・・・それじゃ、ラッキーな方角に向けないでしょ」

「わかってにゃいねぇ、アスカってば・・・恋人達にとって何よりラッキーな方角!
 それは愛しい愛しい彼氏または彼女がいる方向に決まってるじゃーん!!」

「あ・・・あのさ、それって、巻き寿司でポッキーゲームみたいな感じになるわけ?」

「わかりやすく言うと、そうなるねー。
 でも、1番違うところは、幸運のためには絶対に避けちゃいけないってわけ。
 ちなみに、日本語でキスのことを『せつぶん』って言うのは、ここから来てるんだにゃ」

「な、なるほど」



「うーん・・・でも、マリの言う事だからなぁ・・・あ、ヒカリがいる、聞いてみよう。
 でも、こんなのマトモに全部聞けないし・・・」

「アスカ? 何ぶつぶつ言ってるの?」

「あ、ヒカリ、その、節分・・・に、恵方巻き作る?」

「そのつもりよ、元々、関西の風習みたいだしね」

「じゃ、鈴原に・・・」

「持って行ってあげるつもりよ」

「そ、そうなんだ、じゃ、間違いないわ・・・」

「何が間違いないの?」

「な、何でもない、じゃあね!」



せつぶん→せっぷんの元ネタは、「サザエさん」の4コマ
(今日は節分だと言われたノリスケさんが、タイコさんにチューしてから出かける)
カップル狩り、真面目な(?)動機でやってるのはケンスケくらいだろう・・・後は面白半分だな、きっと


[842] 題名:又暫く目を離した隙にっっ(;´д`) 名前:何処 MAIL URL 投稿日:2012年01月28日 (土) 11時00分

黒世界やらよんひゃくまんやら…(敢えて正直者には触れない)

【ばれんたいんでーKILL】

「なぁ…ユイ…」

「何?あなた?」

「言い辛いんだが…シンジとアスカ君の視線が痛いんだ。」

「?それで?」

「…いい加減私の膝から降りてくれないか?」

「♪い、や。」

「…あのな…」

「んふ〜♪はーいあなたぁ、私がチョコ食べさせてあげるわ、だからほらほら、早くお口を空けて♪」

「アスカ…だから母さんに酒を渡すなってあれほど言ったんだ…あーあー、一人でワイン一本空けてるし。」
「シンジ…正直おば様の事が判らないわ…あの理知的で上品なおば様がこんなに壊れるなんて…」

「は〜い、あ・な・た♪あ〜ん」
「…シンジ、少しは私を助けろ。」

「無茶言わないでよ父さん…この状態の母さんを止められる訳無いだろ。」
「…人生諦めが大切らしいですわおじ様」

「あ〜ん♪」
「二人共私を裏切るのか!?」

「だって…ねぇ?」「私達には無理よねぇ…」

「あなた、早くあーん♪」「…えぇい仕方無い。」

…パクン。

「キャハハハハッ♪もーゲンドウさんったらぁ♪」
「…」

「ボソボソ…(アスカ、逃げるよ。とばっちりがそろそろ来そうだ。)」
「ボソボソ…(マジ!?り、了解っ!)」

「クスクス…あらぁ?シンジどこへ行くのぉ?」
「ユイ…シンジもアスカ君に食べさせて貰うらしい。」

「「しない(しないわ)よっっ!!」」

***

「ふう、やれやれ…」

「何あのラブラブ夫婦っぷりって…」

「…母さん酔っ払うといつもアレなんだ…父さんも何のかんの言いながら良く付き合うよ全く…」

「…シンジ、あんたも食べさせて欲しい?」

「え?」

「…良いわよ…食べさせてあげても…」

「…アスカ…」

「…」  「…」

「…」 「…」

「…」「…」

「「…」」


「「「「一寸待ったあッッッ!!」」」」

「げっ!?カ、カヲル君!?ケンスケ!?」
「な?!綾波さんに真希波さんまで!?」

「「「「この世に蠢く悪党共がぁっ!」」」」

「「あ、悪党共って僕らぁ(私達ぃ)!?」」

「世間体って物を弁えず二人だけの世界を作り」
「そう…AT(熱々)フィールドは心の壁…」
「あまつさえ他人の存在を無視するその行為!」
「菓子業界の甘計に嵌まりし哀れな愚か者よ…」

「「「「バカップル共に天誅をっ!」」」」

「「ヒイッ!?」」

***

「あ…あのさ鈴原…」

「ん?何やイイン…あ、いやいやヒ…ヒイッッ…ヒカ、ヒカ…」

「…(真っ赤)」

「ヒカ…ンンッ!何やヒカリっ!」

「ト…トウジ…さん…」


ズドドドドドド!

「!?」「な、何や!?」

「「「「一寸待ったあッッッ!!」」」」

***

…後に血のバレンタインと呼ばれる事となるカップル狩り事件…


被害者は全員チョコを無理矢理喰わされ流れた鼻血で床は彩られた…


「僻み、妬み、嫉み…醜いねぇ、これがリリンか…僕には判らないよ。たかがチョコで何故歪み憎むのか…」

「…貴方も参加した癖に…」

「さ、行こうか。リリスの分身、仕組まれたチルドレン」

「…(誤魔化した…)」


[841] 題名:ところがどっこい 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2012年01月26日 (木) 00時33分

初号機は、ネロを残して、宇宙の果ての遠いお国へ、飛び去ってしまいました。


[840] 題名:黒世界化 名前:銀世界 MAIL URL 投稿日:2012年01月26日 (木) 00時09分

この前のがあんまりだったので、久々にパロってみようと思った。

*     *      *

「初号機・・・僕はもう疲れたよ・・・」

サードインパクト発生。

♪らんらんら〜、らんらんら〜、らんらららんらんら〜ら〜♪

 ――フランダースのエヴァ

*     *     *

・・・ダメだ、なぜだか黒いモンしか書けない(大汗)。
1番好みなのは黒い中に一筋白いのが入っているくらいなんだけど、何か真っ黒だ。
そして、ごまめさん、さらに漆黒にしてくれてダンケ・・・無自覚に黒いカヲル君が素敵。


[839] 題名:あの子のことが僕は嫌い 30 答えは秘密 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2012年01月25日 (水) 23時09分

どうしよう…。

今日は、特殊訓練だった。
前のときみたいに、弐号機に、僕とアスカがダブルエントリーして、浅間山のような非常事態下での擬似戦闘をシュミレーションするという内容だった。

リツコさんの仕事が良すぎるんだ。

過酷すぎるよ。

50度近くあがった体感温度の中で、ガギエルみたいに動き回る使徒を殲滅するプログラムなんて。

今やっと、なんとか擬似使徒を殲滅出来た。

だけど。

「アスカ…大丈夫?まだ、目を覚まさないのかな…」

アスカは、気を失ってしまっていた。
集中し過ぎたんだ…。
殲滅に成功したとたん、長い髪がふわあっと揺れて、(つまり本当は、頭が揺れたんだ)そのまま糸が切れたみたいに力無く、すぐ後ろにいた僕に倒れこんできた。

慌てて受け止めた。

今は、僕を椅子の背もたれみたいにして、アスカの頭が僕の左胸のあたりにある。
アスカの上半身は、すっかり僕に預けられている。
後ろ向きだけど。
苦しそうに眼をつむった表情と、高い鼻筋が見える。
僕もつらかったけど、プラグの中の温度も下がり、今は少しずつ楽になってきた。

「……なんとかして、連絡とらなきゃ…」

LCLという液体に満たされたプラグの中だから、全然、アスカの重さは感じない。ふわんふわんしていて、非常灯だけに照らされた、赤い水の視界の中、まるで夢の中みたいだ。

でも、現実だ。
通信機能まで、殲滅のショックでいかれてしまったのか、リツコさん達と通信が出来なくなってしまっていた…。

早くしないと、アスカが気絶してるのにさ!

「リツコさん!ミサトさん!マヤさん!聞こえないの?!アスカが大変なんです!誰か!」

声を張り上げても返答はない。
空しく自分の声だけが反響する。

そのうち、エントリープラグを強制排出してくれるのかなと思っていたけど、一向にその気配はない。

何かトラブってるのか?

「もう…」

しょうがない。
僕から開けてやる。
慣れない弐号機の、操作盤に手を伸ばす。

「ご、ごめんアスカ…手を伸ばすよ」

僕にもたれるアスカごしに両手を伸ばしたら、より身体が密着するような気がした。
いや、そんなことを思ってる場合じゃないぞ!
アスカが、大変なんだから!
僕は上体を起こす。

「あっ!」

そうしたら、当然なんだけど、もたれる角度が急になってしまって、アスカが前方に向かってゆっくりと倒れこみそうになった。
とっさに、アスカを支える。
つかむ。
というか、アスカのお腹と胸のあたりに手を回して、完全に後ろから抱きしめるみたいな形になってしまった…。

「・・・・・。」

赤い視界のなか、プラグスーツごしに感じられるアスカの身体の柔らかさ。

ずっと触ってみたかった。

アスカは無言だ。
何も言わない。
気を失ってるんだもん。

…ダメだ。逃げちゃダメだ。
この夢のような状況に。
逃げちゃダメだ!

無理矢理、理性で衝動を引き剥がす。
そっと、手をお腹のあたりに廻して支えながら、それからふとももの外側を持ち、アスカを横抱きにするみたいにずらした。

弐号機の制御盤に、楽に近づけた。

「……。」

これは、これで、すごく恥ずかしい体勢のような気がする。

アスカを僕の膝の上に横抱きにして、エヴァの操縦桿に向かうなんて…。

一体、どこのロボットヒーローだろう?

「アスカ…大丈夫?」

まだうつむいて、眼を閉じている。
さっきより、よく顔が見えた。
唇が少し開いて…。
僕の胸に頬っぺたをくっつけてて…。
ほんの少し、つらそうに眉間が寄せられてる。
きっと、僕が、ほんの少し首を伸ばして角度をつけたら、なんの障壁もなく、君の唇を思い切りふさぐことができる。

赤いこの世界で。
思考が静止する。
アスカのぷるんとした唇に、魅入られてしまう。

まつ毛、ながい…。
満たされたLCLが起こす、ささやかな渦の水流に長い髪がたゆたう。

ぽこん。
と、小さな小さな真珠のつぶみたいな泡が、アスカの唇からあがった。

僕は我に返った。
通信しなきゃ。

「えっと…」

マニュアルで、タッチパネルのキーボードを操作する。オートメーションは使えない。

カチ、カチ…

そっけないコマンド画面が表示される。

"ID番号とパスワードを入力して下さい"

「はあ?」

この非常時に?!
何考えてるんだ!

僕のID番号とパスワードを入力した。

"承認出来ません。機体と異なるパスワードです"

「はあっ?…まさか、これは弐号機だから、アスカのID番号とパスワードでなくちゃだめなのか?」

IDはわかるけど、パスワードまでは…
とりあえずIDを入力した。
すると

"パスワードを忘れましたか?"

というボタンが現れた。

なんだよこれ…。

呆れながら、ボタンを押す。
アスカ、ごめん。
だって、まだ目覚めないし…。

揺さぶったり、名前を呼んでも応えない。そっと、頬っぺたをつついてみたけど、無反応だ。
頬っぺたをぺちぺちなんてたとえ軽くても僕には出来ない…。
後が怖い。

"秘密の質問を選択して下さい"

こけた。
なんだこりゃ。

気を取り直して、僕にも、わかりそうなのを探す。

"小学校の先生の名前は?"
"産まれた病院の名前は?"
"母親の旧姓は?"

「………」

どれもダメだ。
わからない。

いつも一緒にいても、アスカについて知らないことは、やっぱりたくさんあるんだ。当たり前だ。
だって、アスカは、僕じゃないんだ…。
ふいに、さみしくなる。
分かりきったことなのに。

あっ。
ひとつだけ、わかりそうなのがあった。

"好きな食べ物は?"

これならわかるよ!

"ハンバーグ"

僕は入力した。
すぐにアラートが返ってきた。

"回答が登録されているものと異なります"

「えっ?そんな、バカな…。
アスカが一番好きなのはハンバーグだよ?間違いないのに…」

困るよ。そんな。
いつも一番喜んでるよ。
………。
少し考えた。
まさか。
そう思いながら、そっと入力し直す。
まさかね!

"シンジのハンバーグ"

・・・・・。
ごくり。

"回答が登録されているものと異なります"

……そりゃ、そうだよね…。
恥ずかしい。
僕、うぬぼれてたんだろうか?
そうだよな。
もしかしたら、僕が知らないアスカの好きな物があるのかもしれないじゃないか。


・・・・・。

でも、アスカが大変なんだ。
連絡をとるんだ。
絶対答えなきゃ。
もう一度だけ。
再入力した。





プラグがイジェクトされる。

金属の稼働音がして、ゆっくりとプラグが持ち上がる。

ほんとにさあ……。

たまらないよね?

この子ったらさ!
本当に、たまらないよ。

僕は、まだアスカを横抱きに抱きかかえてる。

リツコさん達の声が通信機器ごしに聞こえる。

『すぐに救護班が担架を運ぶわ!』

慌ただしく人が動いてる。

コックピットが持ち上がり、LCLがゆっくりと排出されてゆく。

持ち上げられていくのを感じながら、僕はもう一度、目を閉じたアスカを見つめた。

一瞬だけいいよね?
だって、たまらないんだ。

回した腕にチカラをこめて、自分の胸に押しつけるみたいに、アスカをぎゅっと抱きしめた。
僕のプラグスーツの胸の突起が邪魔だよ。
やわらかい。

もう。
もう。
ほんとに、この子は…っ!


"好きな食べ物は?"

"バカシンジのハンバーグ"


そう、僕が入力したら、弐号機の目が光り、制御盤が生き返った。

電気がいっせいにつき、次々と機能が復活した。
まるで、ハレルヤみたいに。
ひとりで照れる僕を笑うみたいに、弐号機の電気系統が、カチカチカチと音を立て、チカチカチカ光っていた。

ただのハンバーグじゃないんだよね。
僕のハンバーグなんだよね?
ぼくの、アスカ。



LCLが全部排出されて、僕は座席から立ち上がった。
アスカを抱えたまま。
水からあがったので、自分の体にも、アスカの体にも重力がかかるのが感じられるが、嫌じゃなかった。

アスカを抱えたまま立ち上がる。
いわゆるお姫様だっこってやつ?
まあ、いいよ。
重いけど、重くないんだ。

救護員の人が駆けつけたので、担架にアスカを横たえる。

「サード、君が運んだのかい?」

意外そうに救護員の男性に尋ねられた。

「そうですよ」

普通に答えたけど、なんだか不思議そうに首をかしげていた。

「そうか。いや、なんだか君の様子がすごく落ち着いているみたいだったから」

「アスカに、ついてていいですか?」

「心拍、呼吸、異常ありません。おそらく気を失っているだけでしょう」

別の人が、アスカの瞳にライトを当てたりして、確認している。

「いいと思うよ。さ、急げ!」

今日は大変だったよね。
アスカ。
ハンバーグ、作ってあげるからね。

絶対だよ。

僕は、一緒に駆けていった。


***


「モニターは以上です」

伊吹マヤが報告する。

「シンジ君、意外なくらい紳士だったわね」

「優先順位はわかってるのね」

「あの…アスカの無事を確認した上だから良いようなものの、本当にこの殲滅後のフェーズのテストには意味があるんですか?先輩…」

「あるわよ」

「殲滅したら、戦闘が終わりって訳じゃないわ。無事に帰還するまでが戦闘よ。非常時にどう対応するか、応用力を確認するためよ」

「はあ…」

先輩も、葛城三佐も、シンジ君の様子を観察して喜んでるようにしか見えないのは、マヤの気のせいでしょうか…?

「ウチの今夜の晩ご飯は、間違いなくハンバーグね!賭けてもいいわよ!リツコ」

葛城三佐が、赤木博士に胸を張って宣言していた。


……………………

※フリーメールかっ!遠足かっ!というツッコミ待ちです。まあ、それから思いついたのですが、無理矢理エヴァンゲリオンにしてみました。
※エヴァンゲリオンの機体の用語とかめちゃくちゃ適当です。マニアな方には気持ち悪いかもしれません。
※なんとなく、おめでたい内容だから、こちらのサイトの400万ヒット記念を兼ねよう。そうしよう。おめっとさーん。


[838] 題名:ブラックブラックサンダー 名前:ごまめ MAIL URL 投稿日:2012年01月25日 (水) 22時44分

「どうしてなんだ…!なんでこんな目にあうんだよ!もうやだ!もうやだ!」
「もういいのかい?」
「カヲル君?そこにいたの?」
「君が望んだんだよ?あの時。お母さんの支配から逃れて、人生をやり直したいって。そして、こんな世界になったんだよ。そうしたら、ひたすら他人が恐ろしくてたまらない世界だ。だが、これは本来、君が望んだ世界だ。忘れたの?」

↑↑↑
本編の碇シンジ君の世界

=======
※835の銀世界さんの続きを考えてみたゆ。なんちゃって〜




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