[537] 題名:頂いたハチクをすぐに茹でたこと美味しかったを伝えたい人≫山崎美加 名前:風太郎 投稿日: 2025/08/13(水) 09:48
日曜日の新聞歌壇「米川千嘉子選」での美加さんの作品です。【評】・一般的なモウソウチクの竹の子より遅く出回るハチク(淡竹)。下処理が必要な食材を突然頂くと戸惑うこともあるのだが、作者は「すぐに茹でた」。好意に応えるこんな喜び。▼この歌壇は8首選ばれ、3首に、評がつきますが、入選の割合は女性が多く狭き門です。それ故に次回こそはと、気合が入ります。▼女性の日頃の暮らしをシンプルに心遣いを詠んだ景色にとても好感が持てました。
[536] 題名:復員の父の背中に飛びついたあの日の吾も八十路過ぎたり≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2025/08/11(月) 08:39
今朝のM紙歌壇は「戦後80年(戦争・平和)特集」でした。一つの戦後のけじめとして投稿しましたが「米川千嘉子選」で採って頂き有りがたい想いをしています。▼あの、戦争さえなければ、兄弟4人もまた、違った人生が開けたかも知れませんが、皆、随分と苦労をして、それなりに、一人も欠けることなく同じ年代になりました。▼世界はあの大戦に甚大な教訓を得たのに、相変わらず核をちらつかせ、キナ臭い報道が日夜続いています。世界に次のヒロシマ・長崎の無きよう「世界平和」をただただ、祈るばかりです。合掌
[535] 題名:鮎釣りを教えてくれし級友(とも)も逝きだんだん遠のくふるさと熊野≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2025/08/10(日) 09:00
今朝のA新聞歌壇の『佐々木幸綱選』での私の3席の作品です。【評】・いっそう深まる故郷への思慕が読める。▼この歌壇も葉書からネット投稿にも変わり、随分と楽にはなりましたが、相変わらずの難関は変わりませんが、良かったです。さくらさんから、LINEで朗報を頂きました『ありがとうございました』。
[534] 題名:いつになく大きなヘリコプターの音母に告げれば戦争かたる≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2025/08/09(土) 10:21
引き続き『大口玲子選』での洋子さんの作品です。【評】・このヘリコプターの任務は人命救助あるいは報道だろうか。非常時を思わせる音が醸し出す不安感が、母の戦争体験を呼び起こすことにつながってゆく。地続きに今の時代の危機があることも思う。▼常には無い景色を母に告げたことから、意外な世界に話の景色が展開する、こういう世界を引きだす、彼女の感性にはいつも驚かされます。▼一つの事柄に対してストーリーの引き出し方は、これはもう、彼女の天性であろう。この8月は各歌壇も、戦争に関しての作品を多く掲載していますが、彼女の視点は、派手では有りませんが、選者の評のように、呼び起こすことに繋がっているのだ。
[533] 題名:イニシャル入りMの刺繡のハンカチをくれた彼女のイニシャルもM≫山崎美加 名前:風太郎 投稿日: 2025/08/08(金) 10:09
引き続き、『大口玲子選』での美加さんの作品です。お若い彼女の雰囲気が醸し出される、詠みぷっりだと読ませて頂きました。おそらく偶然なんでしょうが、そこに気がつき1首にしたところが彼女の手柄と言うところでしょうか。切れ味のある1首だと思いました。▼大きな雨が昨夜降り、焼き付くような猛暑も随分と涼しくなり、一息を付くことが出来ました。『暑さ寒さも彼岸まで』、このまま、一気に凌ぎやすくなることも無いでしょうが、昨夜はクーラなしで眠ることが出来ました。
[532] 題名:軽トラの荷台に置かれ走り行く田の神(カン)さんの祭りぞ今日は≫山本隆 名前:風太郎 投稿日: 2025/08/06(水) 10:17
9月号・U月刊誌の『大口玲子選』での彼の作品です。私より10歳も上の方の頑張りには、やはり元気を頂けます。全、11首の作品の内、大阪勢が4人も掲載され、M紙歌壇にも見かける人もいて、関西勢の活躍が何とも、心強いです。▼生駒山の下のこの辺りはかっての『河内』いまなお、勇壮な漢の粋を示す、ダイナミックなお祭りが多い地域です。今月は彼の「美加さん・洋子さん」も掲載されました。相変わらずお元気です。
[531] 題名:アリやクモ名も知らぬ虫も上がりくるともに地べたに住むものなれば≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2025/08/03(日) 11:04
今朝の新聞歌壇の『内藤明選』での洋子さんの作品です。【評】・家への闖入者たちは、入り込んで動き回り、やっかいな存在である。しかし、「ともに地べたに住むもの」はいろいろな虫とそこに住む人との、ある共存、共栄を思わせもする。▼洋子さんらしい👀の付け所の作品だと思いました。言われてみれば、確かにそうではあるが、そうで、あるがゆえに、凡人はそんな世界を、中々に汲み取れません。▼下句の景色の達観がとても面白い表現だと感心しました。
[530] 題名:脳トレをしているごとくに読む古事記神々の名のいたく縺れて≫森川慶子 名前:風太郎 投稿日: 2025/07/28(月) 10:25
今朝のM紙歌壇「米川千嘉子選」での慶子さんの作品です。やはり、御同輩が、未だ『古事記』を読み勉学に励んでいることを、垣間見えることに、刺激を感じます。それを、さらっと、脳トレと言う慶子さんに🍻、乾杯です。「縺れる」と言う字を始めて見聞きしましたので、ググリ勉強させて頂きました。▼齢を重ねるごと難解な書物はつい、敬遠勝ちになりますが、彼女からの1首で刺激を与えて頂きました。
[529] 題名:楽しかったと聞かれて「ふつう」と答えいる焦って探して出てきたことば≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2025/07/27(日) 09:45
今朝の新聞歌壇の「大辻隆弘選」での洋子さんの作品です。【評】・「楽しかったと?」と問う友に「つまらなかった」とも言えない。とっさに「ふつう」という言葉を発してしまう。そんな人間関係の機微を細やかに掬い取った歌。▼こんな、人間の機微を、彼女はしれっと歌に詠む、何時も、その感性には驚かされます。当に選者の、評の通りの「機微を細やかに掬い取った」歌だと思いました。
[528] 題名:白菜がきゅうりにかわり夏が来た小皿にもらう母のぬか漬け≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2025/07/20(日) 09:34
今朝の新聞歌壇の『栗木京子選』での洋子さんの作品です。【評】・自家製のぬか床に季節の野菜を漬けている母、食卓に上がったきゅうりを見て、夏の訪れを実感したのである。それぞれの小皿に取り分けて味わう様子が眼に浮かぶ。楽しい会話まで聞こえるような一首である。▼私は社会詠みで少しは自信の有った投稿でしたが今回は駄目でした。斯う云った、さりげない日常詠を詠まれたら、彼女に敵いません。選者の言われる通り、会話まで聴こえてきます。▼没になった作品も捨てがたいので、他の選者でまた、改めて挑戦したいと思います。