[154] 題名:弟が馬鈴薯の花が咲いたからたまには帰れとラインをよこす≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2023/05/21(日) 10:02
今朝の新聞歌壇の「大辻隆弘選」での作品です。▼『評』アニキ、馬鈴薯の花が咲いたから、たまには帰ってこいよ。弟からそんなメッセージが届く。花が咲いたというのは口実で、本当は、久しぶりに兄の顔を見て水入らず酒を酌み交わしたいのかも。男の兄弟らしい照れくささ。▼選者は長く三重県の高校の教師を長くしていた歌人で、日本の伝統的な結社のリーダである。▼生き届いた過不足の無い評価は、詠み手に取っても嬉しいものです。
[153] 題名:こんな色つけていたんだ長いことつかっていない口紅赤い≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2023/05/18(木) 15:52
新聞歌壇「米川千嘉子選」での彼女の1席の作品です。▼『マスク生活がすっかり長くなってこの1首に共感する人は多いだろう。以前は何も言わずに習慣になっていた赤い口紅。外の世界に対して主張していたのか鎧おうとしていたのか。▼男性陣にとっては味わうことの出来ない日常の感覚である。そんな経験出来ない世界をうらやましく思う1首だと思います。
[152] 題名:絹さやのしろい花咲けば思いだす母と毛糸の綛とりした夜≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2023/05/11(木) 09:06
今朝のSK新聞『小島ゆかり選』での作品です。小島先生とも、こんなに長いお付き合いをさせて頂くなんて、最初は想像もしませんでした。気が付けば本当にたくさんの作品を採って頂きました。▼昔は今と違いセーターなどは編み直しおさがりを着るのが当たり前の時代でした。▼良く夜なべに母と綛とりをした思い出が、昨日のように蘇ります。
[151] 題名:もう染めよと言う人もなし四年目の春となりたり白髪のままに≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2023/05/06(土) 13:47
👇に続き「栗木京子選」での彼女の作品ですが、何の衒いもなく日常を淡々と感情を抑え詠む彼女の抒情性に舌を巻きます。▼斯ういう同年代の歌詠みさんが身近にいることは、私に取りましても宝物のような存在です。▼感情を押し殺し事実だけを詠うなかに得も言われない詩情を醸し出す。いつか私もその域に達してみたいと思います。
[150] 題名:袖口でふいた涙は冷たくて冷たいままに祈りつづける≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2023/05/05(金) 22:14
今月号の「大口玲子選」での彼女の作品です。ここ最近、洋子さんは好調で各媒体でヒットを打っています。▼何気ない、多分、母親のそして主婦としての日常の生活から派生する悩みを過分なものを取り省き彼女自身が淡々と詠んだ1首だと思います。▼さりげない表現ではあるが、それが余計に際立つ歌だと思いました。▼私もゆくゆくは、このような自分を客観的に見ている、第三者的な短歌を目指したいと思っています。
[149] 題名:ときたまに娘は直球を投げてくる「ストライク」と受け笑いをかえす≫小林貴以子 名前:風太郎 投稿日: 2023/05/01(月) 09:40
今朝の毎日歌壇で風太郎塾の貴以子さんが「米川千嘉子選」での入選の作品です。▼この、ヒットは彼女にとっても大きない意味が有りますので、本当に良かったと思います。▼今、ラインで知らせてあげましたら、天にも昇って行くような感じでした。お待ちどう様でした『おめでとうございます!』。
[148] 題名:朝来帰(あさらぎ)とう郷の漁村のバス停に寅さんいそうな春の夕ぐれ≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2023/04/30(日) 07:49
今朝の新聞歌壇「米川千嘉子選」での作品です。▼今年、初めての寅さんシリーズの歌です。風太郎塾の皆さんには、必ず自分の歌を出来上がったら、映像化する事。▼そして、固有名詞の持つ力を信じよと、事ある事に指南しています。▼まさに👆の歌は固有名詞が羽ばたいてくれたと思います。▼4月は9首という月間ホルダーを記録させてもらいましたが、きっと春の珍事だと思います。
[147] 題名:賞状を頂きました。 名前:風太郎 投稿日: 2023/04/28(金) 20:29
今日、新聞社からご丁寧に賞状と金一封の五千円が届きました。早速、妻に頼み筆書きでお礼の書状を認めてもらい感謝の思いを届けました。思えば10年前、短歌に何の関係もなく、まさか自分がこの世界に関わる事なんて夢想だにしなかった、今、改めて市から頂いた文化功労賞、その他の賞に心からの感謝と、教え導いてくれました先輩に感謝申し上げます。
[146] 題名:紀の郷の川湯にうつる満月を桶にすくえばながれ星二つ≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2023/04/27(木) 10:24
今朝の新聞『永田和宏選』での作品です。巧く映像化、出来たと思います。▼熊野古道の直ぐそばを流れる川湯温泉は川そのものが温泉で多くの外国人や、世界遺産を巡る人たちでにぎわっています。永田和弘先生に引き上げて頂くと、また頑張ろうと新たな気持ちが沸き上がります。▼短歌はいかに自分が詠んだ31音を映像化するかが大切とここ最近に思っています。▼映像化した場面を改めて眺め自分ならこの映画を再度、鑑賞したいかを客観的に見る👀を持てば歌の良しあしが解ると思っています。▼≪たちまちに君の姿を霧とざし或る楽章をわれは思ひき≫私の憧れる「近藤芳美先生」の凄さがようやく理解できるようになりました。
[145] 題名:「貧乏は恥ではないが不便なり』父の遺ししひとつの名言≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2023/04/26(水) 07:28
今朝の新聞歌壇「秋葉四郎選」での1席の作品です。【評】・成程、貧乏は恥ではないが不便。長い人生経験から実感した真実で、作者の父親の言葉だから、父を偲ぶ思いも強く出ている。▼私には、「河馬」・「無人駅」・「寅さん」・「枯木灘」・「熊野」・名言」のシリーズでヒットを打つケースが多いのですが一つの型を持つことは短歌を作る上で非常に助けて貰っています。▼四月の連続ヒットは、短歌の神様がらの褒美と素直に思っています。