[196] 題名:つきかげの古本購い今めくる裏のサインの経たる年月≫森川慶子 名前:風太郎 投稿日: 2023/08/04(金) 09:28
今週の「秋葉四郎選」の彼の作品です。私より少し上の方であるが、やはり歌を詠む方の旺盛な読書への意欲には頭が下がります。▼一瞬、初句に「おや」と思いましたが、古本の2句で見当が付きました。「上村松園」の明治41の有名な作品です。▼彼女の旺盛な読書欲とその、かっての持ち主のサインに👀を付けすぐさま、歌に詠み込むのは流石だと思いました。いつまでもお元気で、彼女から刺激を頂けるのは私に取っても有り難い存在です。
[195] 題名:半夏生の白も黄ばみて七月に入りぬそこまで夏が夏が来ている≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2023/07/30(日) 09:20
今朝の新聞『大辻隆弘選』での彼女の作品です。【評】白と緑のコントラストが鮮やかな半夏生の葉。その白の部分がしだいに疲れて黄ばんできた。梅雨も半ばを過ぎもう七月。作者はその色の微かな変化のなかに夏の変化を感じ取る。季節の変化への繊細なまなざし。▼短歌への一考察として、選者が評するように一つの歌の対象物を、確りと繊細に見つめる👀の置き所が大切なことは重々に承知している心算ですが、改めて気づかせて頂いた、今日の1首でした。
[194] 題名:「山よりもでっかい猪は出てこない」父の遺せし名言の一つ≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2023/07/27(木) 10:04
今朝の新聞歌壇『小島ゆかり選』での2席での作品です。勿論、評は付きましたが、この意味合いは読者の方が考えて見て下さい。▼寅さん・河馬・熊野・枯木灘に続く私のシリーズものの一つのテーマですが、こうした、得意分野を歌に詠み込むのもヒットにたくさん繋がりますので、ますます、磨きを掛けて行きたいと思います。▼短歌という文芸は理屈を詠むのは適さないとは多くの選者が時に触れ言われますが、こうしてコミックに展開すれば充分に通用することが有り難いです。▼小島先生には本当によく採って頂き、女性の歌人の中では一番の採用数が多い選者です。何時も『(人''▽`)ありがとう☆ございます。』
[193] 題名:胸を張り歩幅を拳一個分ひろげて歩む老化予防に≫池田裕宣 名前:風太郎 投稿日: 2023/07/25(火) 10:17
今日も彼の短歌を取り上げました。新聞歌壇「秋葉四郎選」での作品です。▼取り立てて、向こうを唸らす派手な歌では有りませんが、この歌は、2句・3句の『歩幅を拳一個分』で詩情が出て、キッチリと結句の『老化予防に』で着地が決まったと思います。▼やはり短歌はこうした小さな言葉を積み木みたいに丁寧に詠むことも大切な作業だと思いました。初句『胸を張り』も素直で好いですね。
[192] 題名:ふるさとの「桃の木峠」のバス停は少年のころへ還る入り口≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2023/07/23(日) 08:56
今朝は本当に気持ちの好い日曜の朝を迎えられました。朝から、しきりに「コンビニへ行ってらっしゃい」と囁く声が聞こえてきましたので、まさかと思いながら駆け付けました。▼何と、最も難関と言われるA新聞『佐々木幸綱選』で今年、3首目のヒットを放つことが出来ました。▼この歌壇は年間、4首を目指していますので、後1首です。▼固有名詞に助けられたのと、バス停そのものを、タイムマシンに見立てたのが、成功したみたいです。漢字『還る』に拘りました。
[191] 題名:あれこれと言葉紡ぎて詩(うた)うたう心の色を言の葉として≫池田裕宣) 名前:風太郎 投稿日: 2023/07/22(土) 10:53
新聞歌壇「道浦母都子選」の彼の作品です。▼斯ういう作品を見ると自分が短歌を必死で学んでいた時を思い出します。▼子規の教える『頭重脚軽の病を避ける―結句の付け方』。岡野弘彦先生の短歌は和歌の流れを引き継ぐ、漢字の字数は7〜9字程度になるべく抑えることが肝心との指南を教科書通りに実行しているように見受けられます。▼柔らかい初句の入り方、そうして4句の詩情、結句の収め方もとても良いと思います。▼だんだんと年数を重ねますと、メタファーを取り込み読者を意識するようになったり、小難しい短歌を詠みがち、なって来ますが、時には初心に帰る大切さを学ばせて頂きました。
[190] 題名:「寝てる間に帰ってくれ」と施設での今も尾を引く母の言の葉≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2023/07/20(木) 22:40
NHK短歌、8月号の『山崎聡子選』の「悔やんでいること」での題詠みでの私の作品です。▼どう足掻いても、94歳の母をわが家庭でで面倒を見ることが出来ず、泣く泣く施設で介護を頼むことに成りました。これで良かったのか未だに答えは出ません。▼でも、だんだんと其れがベストであったんだと思うようにしています。▼NHK短歌をも長い付き合いになりますが、もう一度、テレビの放映を目指して、実現すれば、卒業したいと考えています。
[189] 題名:暮れかかる錦江湾の波しずか夕日は光る金波銀波に≫池田裕宣 名前:風太郎 投稿日: 2023/07/20(木) 10:20
新聞歌壇「道浦母都子選」の彼の作品です。この版にもよく出てきます、結社『南舟』の『福元幸茂さん』から、結社の新鋭で良く掲載されていると、歌。住所。名前を教えて頂きました。▼今年の新聞をよく読んで見ますと、確かに彼の作品が👀に付きました。▼また、一人の人脈が繋がりました。『雅夢士さん、(人''▽`)ありがとう☆ございます。』▼この歌壇は👆の歌でもわかりますが、確りと素直に景色を詠めば、引き揚げて頂けるので有難い存在です。彼の結社は「水瓶』系ですので、歌を読ませていただき、基本通りだなと感心しました。
[188] 題名:亡き父によく似る弟ひょいと来て紀州訛りをひさびさに聞く≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2023/07/19(水) 07:11
今朝の新聞歌壇「秋葉四郎選」2席での作品です『評』亡き父によく似る弟。突然訪れ、紀州訛りで親しく語る。肉親との思いがけない出会いである。紀州訛りがいろいろ思わせる。▼👆の歌は、ローカルチックを上手く出しながら詠い、ヒットを狙えるのではないかと、密かに思っていました。結果が出て良かったと思います。
[187] 題名:間をおけばパズルの答えはぱっと出てそういうことかとひとりうなずく≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2023/07/18(火) 10:19
新聞歌壇の『内藤明選』での彼女の作品です。▼『評』ちょっと置いておくと、答えは簡単に得られて、何だそんなことか、と納得する。しかしその簡単な「間」の転換が微妙で不思議である。「パ」と「ぱ」の跳ね具合、「そういうことか」の語感がリアルである。▼こんな世界を詠ませたら彼女は本当に上手だなあと感心します、と、共に歌の歌材は何処にでもあるように思いますが、そいう所へ目線が行くのは、並み大抵ではないことは、充分に心得ています。