[236] 題名:背をなでて「大丈夫だよ」のひと言を声に出さざりしことを悔めり≫森川慶子 名前:風太郎 投稿日: 2023/10/16(月) 09:40
今朝の新聞歌壇「米川千嘉子選」での彼女の作品です。今、若い人たちを含めまた空前の短歌ブームだと言われ、特番で番組を組み、日テレ系で放送されていた。▼若年層のSMSでは1回につき1万首を超える応募があると言います。▼若さ溢れる感性豊かな言葉は羨ましいくらいに輝いています。▼そんな中、彼女のような高齢者の👆のような歌を拝見しますと、人生を生真面目に捉え生きた重みのある言葉は何とも言えない輝きを放ちます。▼死別した亡夫の彼女の歌のヒットが続きますが、31文字の中にこれほどの情感を詠い込める、短歌の魅力は、性別、年齢を超えて、きっと歌い続けられて行くことだろう。
[235] 題名:よくかんで食べよと言いし君は亡く自らに課すひとりの夕餉≫森川慶子 名前:風太郎 投稿日: 2023/10/11(水) 13:17
今朝の新聞歌壇「秋葉四郎選」の彼女の作品です。引き続き亡き夫君の歌ですが、かってのご夫婦の日常をさりげなく詠んだ1首である。▼ことさらに悲観するわけではないが、それ故に余計に残された者の寂しさが浮かび上がります。▼生前は、何やかやと恐らくは有ったのでしょうが、生前の言い差しの一つ一つが身に沁みる、短歌という文芸は、たった31文字であるが、見事に1シーンを蘇らせる、日本人が考え出した、世界に誇るべき文化でしょう。
[234] 題名:白浜太郎さんへ!!! 名前:風太郎 投稿日: 2023/10/09(月) 16:17
白浜太郎さん、こんにちは。何時も👀を通して頂きありがとうございます。私も太郎さんのブログを楽しみに記が変わればいの一番に読ませて頂いています。▼快刀乱麻の論説に何時も舌を巻いて読んでいます。▼大和のあの辺りは、かなりの変化が有りますが、日本の歴史の原風景みたいな趣が有ります。隣接の郡山は、秀吉の弟の居城があった城跡、町も金魚で日本一ですが、当時の街並みを保存をして、今も新しい家を建てられない保存地区が有りますが、何度、訪ねても心の郷へ帰ったような気持ちになります。▼お互いに誕生日を迎え○○歳になりましたが、大和の古都を奥様とのんびり楽しんで下さい。これからは寒くなりますので風邪を引かないでお勤めにお励み下さい。
[233] 題名: 名前:呆け爺 投稿日: 2023/10/09(月) 13:50
先ずはおめでとうございます。風太郎氏の歌才には恐れ入るばかりです。
薬師寺の大池越えの風景は私も大好きです。以前は五重塔は一つでしたが、西塔が再建され、二つの塔が並び立ち、三笠山を後ろに控えた風景は美しくて忘れられません。
もう十数年奈良へは行っていませんが、もう一度見たいと思っています。
[232] 題名:薬師寺の塔のしらかべ緋にそめて夏の終わりの没り日かたむく≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2023/10/08(日) 22:46
今朝の新聞歌壇『佐々木幸綱選』の私の作品です。この歌壇の新聞は関西では手に入りませんが、2席までネットでオオプンされますので特選狙いで先月から投稿しましたが、関東の歌友がヒットをメールで知らせてくれました。有難いと感謝しています。▼薬師寺の塔の短歌では選者の祖父に当たる『佐々木信綱』歌人の余りにに有名な短歌を意識して詠みました。▼常々、短歌も料理と同じでひと手間が大切と思い、入日を気分を出す為に『没り日』と思いを凝らしました。▼薬師寺のかたえには大池と言われる池があり、季節の折々にはカメラマンの格好の被写体になります。▼若い時に妻がこの近くにある国立の病院に入院したため、1年間、悲喜こもごもの思いを抱えつつこの土手の道を何度通った事でしょう、今では懐かしい青春の1ページです。
[231] 題名:食洗機夫が買って操作する入らぬものはわたしが洗う≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2023/10/08(日) 10:13
今朝の新聞歌壇『大辻隆弘選』での彼女の作品です。『只事歌』ですが、さりげない所に、気負いなく上手だなあーと思います。▼最近はどの歌壇も日常詠が多く、「斎藤茂吉・佐藤佐太郎」に憧れ写生を自分の根幹に据えて詠む私などには、真似が出来ず羨ましい感も有りますが、花もいろいろと割り切ってめげずに前に進んで行きたいと思います。『入らぬものは私が洗う』良いフレーズだと思いました。景色が👀に浮かびます。
[230] 題名:パソコンに「く」と一字打つそれだけで熊野がでてくる吾のふるさと≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2023/10/06(金) 00:03
今月号の月刊誌「大口玲子選」の私の作品です。この投稿歌は出す前からちょっぴりと自信めいたものがあってヒットを確信していた1首でした。▼故郷を捨てて60年、年追うごとに、多感な少年時代の熊野地方の景色、風情が身に迫ります。▼特に秋ともなれば、紀伊半島は冬に向けて西の偏西風が強くなり、風が風を呼ぶ街となり、枯木灘の海鳴りが絶えない日々が連夜つづきます。▼熊野の。中辺路・大辺路の川は落ち鮎の季節となり、熊野古道は秋の草花に満ち溢れます。▼その、世界遺産の熊野の郷は2年先まで外人観光客で予約が埋まっていると友人からラインが有りました。▼熊野を題材に詠んだ歌が数え切れないほど採用されましたが、『ありがたきかな、故郷の山・川』、感謝してもしきれない、思いが有ります。
[229] 題名:老い猫が夕日を浴びて城址を「文句あるか」と睨みゆくなり≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2023/10/04(水) 10:04
👆の歌はNHK短歌の『老い』での『坂井修一先生』に採って頂きました作品です。▼この度、『秋葉四郎先生』が引退して、Y紙に次ぎ部数を誇る伝統ある歌壇の選者に就くことが、今朝の新聞に掲載されました。▼今日からの投稿歌は来年の1月から掲載が始まります。▼東京大学の教授であり、副学長でもある、彼が他に職種を得ることは、様々な問題をクリアしてからのことだと思いますが、何はともあれ、喜ばしいことです。▼折に触れ、彼の細君の『米川千嘉子先生』が選者を務める関連紙に坂井先生の論文が掲載されていましたが、これで、M紙と夫婦そろって巨大な部数を誇る短歌の選者になりました。▼私も、また気分も新たに新鮮な心意気で彼に短歌を学んで行きたいと思います。
[228] 題名:獣園の老ライオンと眼のあえば「楽ではない」と欠伸を返す≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2023/09/28(木) 09:23
今朝の新聞歌壇『永田和宏選』での私の作品です。やはり、何と言っても『永田和宏先生』は格別です。▼巧く擬人化が出来、「欠伸を反す」の下の句で絵になったと思います。▼永田先生にはサブ歌で社会詠で何度も挑みますが、採用された試しが有りません。動物の歌が多く、選者の嗜好をくすぐるのも、ヒットの近道と思っています。今月も先生でラストを飾る事が出来ました。
[227] 題名:公園の片隅にある水飲み場蛇口ひねれば鳩の寄りくる≫森川慶子 名前:風太郎 投稿日: 2023/09/27(水) 09:50
今朝の新聞歌壇『秋葉四郎選』の1席の彼女の作品です。【評】・公園の隅の水飲み場、常々鳩も水飲みに利用しているのであろう。作者が水を出すと当然のごとく鳩も飲む。身近で親しい光景。▼慶子さんも好調です。きっと、夫君の亡き後、歌の創作に思い巡らす様子が伺い知れます。老境の為す技でしょうか、「身近で親しい景色」を淡々と詠む、作為のない姿勢には舌を巻きます。▼私などは見得を切る見たいに身構えてしまいますが、大いに見習うべきだと思います。