[246] 題名:秋の雲じっとみつめる孫五歳「詩人かもしれぬ」短歌おしえよう≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2023/11/06(月) 09:55
今朝の新聞歌壇『小池光選』での1席の私の作品です。【評】・秋の空をじっとみつめる五歳の子はめずらしいが、それを見て「詩人かもしれぬ」というジイジの発想の飛躍が、まことにほほえましい。夢が現実となりますように。▼孫歌を詠むのは少し抵抗がありましたが、斯うして小池光先生からエール頂けて有り難く思います。▼今回は吾より他は皆、師と今回は彼の歌友の『小川洋子さん』の読み方を学ばせて頂きました。▼また、今朝は『伊藤一選』でも採って頂き、まさにビックラポンです。明日に掲載させて頂きます。
[245] 題名:秋の夜きょうは結婚記念日と写真の君に言ひて灯を消す≫森川慶子 名前:風太郎 投稿日: 2023/11/05(日) 09:52
今朝の新聞歌壇『大辻隆弘選』の彼女1席の作品です。【評】。しんと静まった秋の夜。作者はいつものように眠る前、亡き夫の写真の前に座る。あなた、今日は結婚記念日でしたよ。そんな風に遺影に語りかけて部屋の電灯を消す。そんな細やかな心の動きがしっとりと描かれた歌。▼選者の言う通り、彼の「小津映画」の1シーンを見るような場面、奇をてらうこともなく、直接、読み手に語りかけるような、長い間の夫婦生活を垣間見るような、彼女の作品は不思議な余韻を残します。▼こんな歌を読みますと、もう少し私も頑張って見ようと今朝は思いました。
[244] 題名:祝うがに二重の虹のかかりたり点滴とれて自由な吾が身に≫池田裕宣 名前:風太郎 投稿日: 2023/11/03(金) 09:31
歌の先輩である「雅夢士さん事、福元幸茂さん」が結社、『南船』の最高欄の「天降集」に昇蘭、結社の指導者の位置に就かれた。本人は謙遜していますが、大変にめでたいことです。▼その彼に紹介して頂いた、同じ結社の後輩の池田さんの先日の新聞歌壇「道浦母都子選」での彼の作品です。▼恐らく鹿児島の錦江湾に掛かった虹なんでしょうか、点滴が取れ病の癒えた喜びが伺い知ることが出来る1首です。▼暫く、そのお名前を見ることは有りませんでしたが、また復調され、これからはまた楽しみな存在になりそうです。
[243] 題名:月灯りたよりに峠ふたつ越え父の酒買う昭和も遠く≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2023/11/01(水) 08:56
今朝の新聞歌壇「秋葉四郎選」での私の作品です。満州から復員後、父の人生は儘にならなかった。その分、苦労もしたが、その昭和も随分と遠くなりました。▼全国短歌会が晴れやかに『松山市立子規記念博物館』で行われました。ここで斎藤茂吉館の館長である彼が挨拶をされた。▼この席で彼から次の選者に就任された『坂井修一先生』にバトンタッチの挨拶をされ『本物の歌を採るように仰せつかりました』と返されたそうである。▼斎藤茂吉、師の『佐藤佐太郎・志満婦人』の歌の流れを継ぎ、次へ交代されましたが、坂井修一先生がその伝統を引き継ぐ歌を採用していくとの言葉は、私に取っては非常に心強く思いました。▼物理学者としても相当なキャリアの持ち主でもあり、東大の中でも重責の彼に歌を通じてまみえることは私の残された人生に大きなプレゼントを頂いたものと感謝に堪えません。
[242] 題名:山裾の小さな家に一人住みめぐまれし餅を一個だけ食ふ≫藤井擴 名前:風太郎 投稿日: 2023/10/27(金) 22:26
👆の歌は「朝日歌壇」佐々木幸綱選の1席の彼の作品である。『バカ騒ぎの時代からはなれ、しずかに質素に迎える正月。良寛さんを思いだす』。▼まさに、彼の『山崎方代』を思いださせる1首である。彼はこの掲示板の本家筋に当たる『風』に日々、投稿して短歌の研鑽をされている方である。▼四国の山間部に一人、居住を構え、私より少し年上の方であるが、大地を耕し、闘牛を育成され、暮らしている方である。▼この歌からも解るように、己が暮らしをぶりを淡々と詠嘆されているが、結句の数詞が小気味よく胸に迫ります。▼吾が短詩を公の場に晒すことは己の人生を曝け出すことでもあるが、そこにこそ、何千年も引き継がれた、日本の誇るべき文学、文化である事は間違いありません。
[241] 題名:天の原ふりさけ見れば波斯なる砂漠の上に出でし月かも 名前:風太郎 投稿日: 2023/10/27(金) 11:38
今日は、少し息抜きの心算で例年の、正倉院短歌コンクールと、12回の『山上憶良短歌賞』ヘ投稿しました。▼👆の歌は、サブ歌であるが古今和歌集から本歌取りをしました。▼もちろん、1首は本気であるがダメ元、気分なのでお遊び気分である。▼驚いたのは『憶良短歌賞』は御丁寧に応募に対して、お礼のメールを担当者から頂きました。テーマが家族でしたので、孫歌は甘いと言われ、良い歌は少ないと言われますが、男の孫歌にしました。▼気楽な気持ちですので、力が抜けて案外といけるかもです。
[240] 題名:来阪時にぎわいあふるるこの街も空き家の増えて子供の見えず≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2023/10/25(水) 09:02
今朝の新聞歌壇「秋葉四郎選』での私の作品です。バースデーと重なりました、今朝のヒットは嬉しさも格別です。▼私の町もマンモス団地が林立していて、入居の競争率が厳しく嘆きの声が聞かれましたが、今は空き家が👀立ちます。▼古い長屋やアパートはそれに輪をかけて、寂びれています。▼日本有数の町工場も、来阪時と比べ見る影も有りません。少子化の現実はこれはもう政治問題、日本の将来に夢が減少していることを、感じずにはいられません。
[239] 題名:仏壇の前でお寿司を分け合うて結婚記念日ひとりとなるも≫森川慶子 名前:風太郎 投稿日: 2023/10/23(月) 17:57
今朝の新聞歌壇「米川千嘉子選』での彼女の作品です。これは、今年の彼女の結婚記念日の日の感慨であろうが、夫君を亡くされて1年、いつもは、仏壇前で出前のお寿司を食べながら祝ったので有ろうが今年は////。▼こんな歌を読みますと、断じて、夢残されてはならないと実感します。▼最近は縁あって結ばれても別れる夫婦も大変に多いのですが、半世紀以上連れ添った、歴史、夫婦の重さ見たいなものを感じさせてくれる、1首だと思いました。
[238] 題名:枕辺の時計手に取る秋の夜半二十歳の君は夜勤となりて≫森川慶子 名前:風太郎 投稿日: 2023/10/23(月) 09:33
昨日の「米川千嘉子選』での彼女の作品です。今日の新聞歌壇の「米川千嘉子選」でも掲載されていましたが、まさに米川先生の優等生である。▼【評】・「君」は作者の孫だろうか。最近夜勤になったと聞いていた「君」のことをふと思うのだ。日暮れも早くなって夜も長い季節。今までと勤務時間が変わった「君」を案じる心だが、それをさりげなく詠まれているところに味わいがある。▼まさに、「小津の映画」に1シーンを観るような趣がある。選者が『さりげなく詠まれているところに味わいがある』と評する中にこの短詩の魅力、彼女の力量が伺い知ることが出来ます。
[237] 題名:葉のかぶせ物取れたころから始まってよみがえりくる数多の失敗»小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2023/10/22(日) 09:46
今日の新聞歌壇「米川千嘉子選」の彼女の作品です。【評】「歯のかぶせ物が取れてしまった。ちょっとがっくり、なのだが、なぜかそこからいくつもの苦い「失敗」の記憶が芋蔓式?
に蘇ってくる。何かの拍子に、開けてはいけない記憶の蓋が開いてしまうことがあるが、この歌はそのきっかけが面白い。▼選者の評が無ければ、私に取っては???こんな感じですが、言われてみればなるほど、そうである。▼日常のほんの些細なことから、短詩を生み出す彼女に脱帽である。▼この歌壇も日常詠がここ最近続いているが、暫くは続く予感がします。