[287] 題名:フォトで見しウユニ塩湖のフラミンゴ行進するをこの目で見たし≫池田裕宣 名前:風太郎 投稿日: 2024/01/25(木) 07:06
昨日、同じ『坂井修一選』での彼の作品です。鹿児島県の雅夢士さんの後輩で昨年、秋に退院後、予想した通りにほつほつと、作品がヒットしだしています。▼やはり、結社の歌会で学んでいる現役の詠み手らしく、歌に過不足はなく、具体的な景色が紡ぎだされ好感の持てる作品である。▼恐らく入院中に何かの写真集を見たのでしょう。彼も伸びてくる詠み手の一人だと思いました。
[286] 題名:ふるさとは立木そだたぬ枯木灘 風が風よびまた風を呼ぶ≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2024/01/24(水) 09:18
今朝の新聞歌壇の『坂井修一選』での私の作品です。今年から交代されました坂井先生はその就任の挨拶で、伝統的な写生歌も採ってゆくと話されていましたが、1ヶ月で2首の採用は予想外の嬉しさです。▼枯木灘の周辺は年中、風が強く、備長炭の原木の馬部樫の雑木は育ちますが高い木立の樹は育たないところから、そう呼ばれています。▼下の句で、思い切って『風』を3度繰り返し、リフレイン効果を狙って成功したのかな、と思っています。▼確りと地に足の着いた歌に挑戦したいと思います。
[285] 題名:トーマスの絵本もここで買ったなと閉店決まる本屋をのぞく≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2024/01/21(日) 10:14
今朝の新聞歌壇の『栗木京子選』での彼女の作品です。ごく、普通の景色ですが、初句・2句の≪トーマスの絵本もここで≫と、持ってきたことで、意外性と具体性がストンとはまり込み、やはり運び方が上手いなあと思いました。▼ここ最近の歌壇はどこの新聞歌壇も、主流は日常の何気ない暮らしの中の意外性に👀が向けられて入るようで、厄介な流れに戸惑っています。
[284] 題名:寄りかかる人などいない独り居の夕餉はワインでホロホロと酔う≫小林貴以子 名前:風太郎 投稿日: 2024/01/20(土) 09:54
NHK短歌2月号の『山崎聡子選』「パートナー」がテーマの彼女の作品です。もう一押しすれば彼女の再度のテレビ番組で放映される位置でのヒットでした「おめでとうございました」。▼彼女の人なりを少し、👆のお歌を通じて紹介したいと思います。都心に夫君とオフイスを構えられ、切り盛りをされ見事に成功をおさめられた、スーパーウーマンである。▼ゴルフ、旅行、写真、花、詩歌に親しまれています。夫君、亡きあと、オフイスを畳まれ、Y市でのマンションでの悠々自適の一人暮らしですが、週末には、得意の料理を活かし親しい友人とのサロン的な交流を図られています。▼歌を通じて10数年、親しくお付き合いをさせて頂いています。お年を感じさせない、優雅な振る舞いは、まさに、老いとはこうあるべきと、いつも感心させられます。▼勿論、それ相応の悩みや憂鬱はあるとは存じますが、それを感じさせない、👆のお歌だと思います。▼ブログでは折々の花の写真を自分で活写されて紹介されていますが、いつまでも、お若く、お元気で、短歌を詠み続けて欲しいと思っています。▼≪夕餉はワインでホロホロと酔う≫何と『男前』な言の葉でしょうか。
[283] 題名:二十年なじみし革ジャン着こなして老いかくしつつ河馬を見にゆく≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2024/01/19(金) 11:53
NHK短歌の2月号の『着る』がテーマの岡野選での私の作品です。歌友さんから連絡を頂きました。早速、本屋に注文をしました。▼『河馬』ではたくさんのヒットを稼ぎましたが、久しぶりに河馬を詠んで見ました。▼河馬と短歌は相性が良いらしく、こんなにも長くお付き合いできたことに、少し、驚いています。
[282] 題名:海へ行くみたいに自転車をこいでゆくドラッグストアにもちょつとある海≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2024/01/17(水) 09:54
コロナ下で3年間、開かれなかったNHK短歌全国大会が去年の末に開催されました。17000余首の中から選ばれた彼女の作品です。▼彼女は度々、全国大会で入選していますが、作品を読むたび、上手く詠むなあーと、舌を巻きます。現実の実写と心象の世界を、自由に行き来する、この詩情は彼女の持って生まれた天性なのでしょうか。▼確かに巨大なドラッグストアに紛れ込みますと、洋子さんが詠ったような感覚に陥ります。そこらあたりの感覚を真似てみたいとは思いますが、こればかりは天性というべき、洋子さんの生き方から来るように思えてなりません。
[281] 題名:庭に出て明けの明星見つつ飲むスノーピークに淹れたコーヒー≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2024/01/14(日) 12:01
今朝の新聞歌壇の『米川千嘉子選』での彼女の作品です。洋子さんの得意な年齢を感じさせない、こじゃれた、1首である。▼「スノーピーク」とはアウトドア専用の機器ですが、明けの明星をキャンプ用品のコップに淹れて、珈琲を呑むところに詩情が生まれたと思います。▼今年も、洋子さんの歌から👀が離せないなーと思いつつ、静かな闘志を燃やしています。
[280] 題名:吾に合いて老眼鏡を掛けるとき亡夫の温もり耳の上(え)に有り≫森川慶子 名前:風太郎 投稿日: 2024/01/09(火) 10:04
昨日のM紙歌壇の『米川千嘉子選』での彼女の作品です。今年も慶子さんの出足は好調な気がします。選者の作品の中に老いた父との濃密な暮らしぶりが詠われた代表句が有りますが、こんなにも長く温かく、慶子さんのご主人の老いてゆく様、亡きあとの心情の歌を幾首も何年にも渡り掬い取るのは、想いが重なる所があるのでしょう。▼詠み手に取って、親族・家族の内側を表に晒すことは微妙な躊躇いが生まれることが多く私もあまり得意では有りません。▼そうした中、彼女の作品は過不足なく表現されているのは、彼女の力量ということでしょう。▼勉強に成る所が多くあり、有り難い先輩の一人の歌詠みさんです。
[279] 題名:あるときは歌つくらむと眼をつむる寝釈迦のごとく肘枕して≫山本隆 名前:風太郎 投稿日: 2024/01/08(月) 10:27
今朝のY紙歌壇『黒瀬珂欄選』での、東大阪の歌友の彼の作品です。私より数歳、上の方ですが先日も書き込みましたが、論語を読み、歌を詠み、生駒山のすそ野で、お暮しになっています。▼作歌の時の景色が具体的に立ち上がり、直喩の『釈迦の肘枕』が見事だと思いました。▼選者が僧籍をお持ちの『黒瀬珂欄先生』をお選びになったのも、良かったと思います。▼今朝はM紙に『森川慶子』さんもヒットしていましたので、明日に載せたいと思います。打ち続く災難に気落ちしていましたが、お二人の朗報に元気を頂きました。
[278] 題名:つくだ煮とお茶とお菓子の福袋母子で分ける正月二日≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2024/01/03(水) 00:01
新春歌壇の『道浦母都子選』の彼女の作品です。こう言った何でもない、お正月の景色をさりげなく詠み込む、彼女の感性も素敵だなあーと思った1首でした。▼私は、満を持して『熊野』を詠み、今日は郷の同級生、来阪しています同郷の友から、LINEを頂き、故郷の景色を思いだしたと反響があり、懐かしみました。▼幾度も旅をした『輪島』が地震による被害を受け心痛の限りですが、近いうちに必ずあると言われる『南海地震』を想うとき紀伊半島の惨事を想像して身震いをしています。▼身の周りに係累が増え半端でない雑事が増える中、悲喜こもごも、何処まで平静に歌を詠み続けられるなんて自信は有りませんが、『富士』のごとくに、どっしりと構えられたらと思う昨今、果てさて、どうなる、1年でしょうか!!。