[305] 題名:三十年同じ手帳を買いつづけ日記と共に書く夕餉のメニュー≫小林貴以子 名前:風太郎 投稿日: 2024/02/20(火) 15:32
NHK短歌、今日発売の3月号、お題『日記』での彼女の作品です。▼料理好きで、大した腕だと聞いていた、その陰には、常日頃こんなな、工夫と努力を続けていたことを知りました。▼一口に、三十年とは言いますが、誰彼に真似のできることでは有りません。▼短歌と言う文芸も、たとえその才は乏しくても、コツコツと学びの努力を根気よく続ければ、必ず花が開花するときが、来るのだと思いました。「貴以子さん、おめでとう、また次への励みになります」。
[304] 題名:「ふるさとの椿の花をもう一度」つぶやき母の旅立ちて五年≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2024/02/18(日) 09:14
今朝の新聞歌壇の『栗木京子選』での私の作品です。【評】。母の故郷は椿の花が咲き満ちる暖かい土地なのであろう。また、母が亡くなったのは椿の花が咲く頃だったとも思われる。五年を経ても、母を思うとき椿の美しさがよみがえる。寂しさの中で花の明るさが心に残る。▼やはり、母を想う思慕には特別な感情が有ります。もっと、聴いてあげれば良かった、もっと、母の想いを叶えてあげたかった。残るのは悔いばかりである。▼こうして、折々に思いだし歌を詠むのも母への供養になると思い1首を認めました。結果に繋がり母も喜んでいる事でしょう。「合掌」。
[303] 題名:ふるさとは荒磯(ありそ)のつづく枯木灘 風が風よぶ風の町なり≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2024/02/16(金) 10:20
去年、A新聞に故郷を詠い掲載された、私の歌を読んだ読者のご婦人から、新聞社を介してお手紙を頂き、それ以来、数度のやり取りの中、彼女の短歌会と郷の〇〇市とタイアップで毎年開催している短歌大会の投稿を勧められました。▼市からは選歌会場へも招待されましたが、何せ遠いので辞退をしましたが、昨日、結果が分かり、知らせて頂きました。▼ひょんな、ことからひょんな結果になりましたが、何はともあれ、斯うして結果を示せたことは、良かったと思っています。▼段々と年を重ねてゆきますと、行動範囲が狭まって行く中、短歌と言う文芸を通じ、パット花が咲くような出来事は刺激になって有りがたいと思っています。
[302] 題名:安売りの声を取り巻く年の市赤く茹だった蛸足ならぶ≫池田敏子 名前:風太郎 投稿日: 2024/02/15(木) 09:45
今朝の新聞歌壇『小島ゆかり選』での「さくらさん」の作品です。2席でした。今年、2度目の全国紙の掲載ですが、丁度、休暇で、お孫さんが来日中なので、喜んでいると思います。▼主婦の👀から見た市場の臨場感が伝わる良い作品だと思いました。私の善き後輩ですが、着実に力を付けてゆく過程を見るのも、短歌を教えてゆく先輩の醍醐味でもある。▼少しずつ成長をして手を離れてゆく一抹の寂しさもあるが、どんどんと追い抜く勢いで突き進んで行って欲しい後輩でもある。
[301] 題名:師の訃報 聞きて見上げる星空にやさしく光る弓張の月≫池田裕宣 名前:風太郎 投稿日: 2024/02/14(水) 09:01
今朝の新聞歌壇の『坂井修一選』での彼の作品です。今月、彼は結社『南船』の『新人賞』に輝きました。何と85歳の新人賞である。『おめでとうございます』。▼👆のお歌ですが、下の句に於ける、彼の心境、思い入れが、過不足なく絶妙だと思いました。結句に『弓張の月』で収める感性に、流石に新人賞の勢いさながらだと感心しました。▼退院後の続く、朗報に心からお祝いを、『ブラボー、85歳』。これからの結果を愉しみにしています。
[300] 題名:妹が足の大きなわれのため迷って選んでくれたスリッパ≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2024/02/13(火) 09:15
👆のお歌は同じく『米川千嘉子選』での先日の彼女の作品です。4句までの、どこの兄弟姉妹の関係の仲であるごく普通の出来事に、結句でストンと『スリッパ』で落としたところが、面白いと思いました。姉妹の仲の良さを垣間見る1首だと読ませて頂きました。▼特別な景色を詠むのではなく、ごくごく、普通の生活の1場面を切り取る彼女の感性はやはり、勉強になります。歌ネタはどこにでも転がっていることを教えて頂いた。
[299] 題名:知らぬ間に亡夫の名前を呼んでゐる饂飩(うどん)の中のかまぼこ食みつ≫森川慶子 名前:風太郎 投稿日: 2024/02/12(月) 10:08
先日の新聞歌壇『米川千嘉子選』での彼女の作品です。【評】気がつくと亡き夫の名前を呟き、呼んでいる。それが夫の好物だったのかどうかはわからないが、「饂飩の中のかまぼこ」というのが少しユーモラスで、また悲しい。▼長年、慶子さんの歌と付き合って来た、選者の彼女を見る👀は実に優しさで満ちていると思いました。歌人、自身が深くかかわり会った、実父の老後体験と、何処か、重なり合っているのかも知れません。▼『饂飩の中のかまぼこ』に亡夫の影を知らぬ間に追っている作者の眼差しが実にやさしく、もの悲しさを覚える。▼斯うした何気ない日常の中に詩情を生み出す、同年代の彼女の生き方に学ぶべきことが、多々あるのは有りがたいことです。
[298] 題名:「池ちゃんの歌を見るのが愉しみ」と賀状の添え書き読めば嬉しも≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2024/02/11(日) 09:23
今朝の新聞歌壇の『米川千嘉子選』での私の作品です。このような軽いタッチの歌が米川先生に採って頂けるのは有りがたいです。▼今日は他にも、いつもの大阪の歌友の『森川慶子・小川洋子』さん、3人のそろい踏みでした。これはこれで大変に励みになります。▼斯うした同世代の人たちの活躍を拝見することが、どれだけ勇気付けられるか、✌('ω'✌ )三✌('ω')✌三( ✌'ω')✌愉しい休日になりました。
[297] 題名:要るときは取りに来るわと言いおいて娘は真珠を残してゆきぬ≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2024/02/10(土) 14:49
新聞歌壇の『栗木京子選』での彼女の作品です。【評】実家を出て暮らすことになった娘。結婚したのかも知れない。冠婚葬祭の時に使う真珠のネックレスや指輪などは持っていかなかった。実家を忘れてはいないよ、という娘のメッセージのようで、心に残る。▼バックグラウンドを詠まず、事実だけを淡々と詠む。バックの景色は読者が描く、お見事な1首である。▼恐らくは栗木先生が読み解いた通りであろう。まさに心に残る彼女ならではの作品である。
[296] 題名:一発の銃弾も撃たず八十年戦(いくさ)なき世をありがたく思う≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2024/02/05(月) 13:11
今日は月刊誌の発売日、小雨ぱらつく中、本屋まで買いに行きましたが、行った甲斐が有りました。『大口玲子選』での私の作品です。敗戦後直ぐの生まれですので、幸いにして、父のように戦争のため外地に行くことは有りませんでした。▼そこいらの、有り難さを素直な気持ちで詠みました。▼今、世界は不穏な戦争屁の火種をあちらこちらに抱えキナ臭い匂いが漂っていますが、子供や、孫たちに、かってのような残酷な体験をさせてはなりません。