[356] 題名:AIをつくる人間AIを知らぬ人間 令和を生きる≫池田裕宣 名前:風太郎 投稿日: 2024/06/26(水) 09:55
今朝の新聞歌壇の『坂井修一選』での、彼の1席の作品です。【評】人工知能も人間の作るもの。でも、これを作れる人と知らない人のギャップはすごいものがある。両者とも人間として幸せになってほしい、と願う。▼何時もの彼とは、景色、雰囲気が違う1首であるが、選者の坂井先生は、東大の元、特任教授であり、情報理工学者である。▼作者は、そういった背景を熟知して、まるで、先生と会話をしているような、「令和を生きる」の結句が見事だと思いました。▼歌を詠む場合は、斯うした、選者とキャッチボールをするようなことも、大切な要素だと思います。
[355] 題名:傘さして我は拾いぬ美(ちゅ)らの浜白骨となる珊瑚のかけら≫森川慶子 名前:風太郎 投稿日: 2024/06/24(月) 10:04
昨日の『内藤明選』での彼女の作品ですが、これは先日のM紙歌壇の米川選に引き続き詠んだ、≪島豆腐オリオンビール北谷の夜薄暗がりに亡夫残して≫と恐らく並行して投稿した1首だと思われる「旅行詠」です。▼最近のどの歌壇も若い人たちに席巻されている感じがしますが、中々どうして、高齢者の頑張りも凄いものです。コーラスのレッスンに励む友や、あちら、こちらへと旅をするそのパワーに驚いています。▼もう一度、沖縄の『美らの浜』を散策してみたいものである。
[354] 題名:背をなでる吾が手は愛のなかりしか妻の問いたり「私を好きか」と≫池田裕宣 名前:風太郎 投稿日: 2024/06/23(日) 09:22
今朝の新聞歌壇の『内藤明選』の彼の2席の作品です。【評】。長年連れ添った夫婦の思いをうかがわせる。心を込めたつもりのわが手の仕草と、感情を確かめる様な妻の言葉。「愛のなかりしか」と「私を好きか」というあけすけな表現に、強く引き込まれる。▼この歌壇は年齢記入が必須であるが、彼、85歳、何とストレートな直截な歌なんでしょう。まさに、薩摩隼人も面目躍如というところでしょうか。▼母から、歌の手ほどきを、受けたとお聞きしましたが、底辺に彼の胸中から、こぼれ落ちるような優しさを感じる1首だと思いました。
[353] 題名:小気味よく革のベルトで刃を研いだなじみの床屋がカンバン下ろす≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2024/06/21(金) 06:51
昨日の新聞歌壇に引き続き『伊藤一彦選』での私の作品です。全国紙で唯一、2紙の選者を務める、伊藤先生は、恐らくは、意識をしてM紙歌壇と全く違う歌を採用しているように感じています。▼今どき、いずれの理髪店も顔剃りは、衛生面から、付け替え刃を使いますが、私たちの時代は、店主が革のベルトで剃刀の刃を、手慣れた作業で小気味よく音を立てて研ぎました。▼私たちが体験しました、昭和の文化が消え去って行く中で、一抹の寂しさは隠しきれませんが、これも時代の流れというものでしょう。▼因みに、現役時代とは違いいま、私は低料金の大衆カット店で髪を整えています。
[352] 題名:ゆく春の別れたのしむ大和路のわれは明日香へ君はならまちへ≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2024/06/20(木) 09:34
今朝の新聞歌壇の『小島ゆかり選』での私の作品です。SK新聞歌壇では初めて『伊藤一彦選』と同時掲載で2首ヒットさせて頂きました。▼1月〜6月の折り返し点で順調よく結果を残せたことは、嫌なことが続く昨今、少しほんわかとした気分に浸っています。▼明日は、『伊藤一彦選』の歌を載せたいと思います。小島先生が大和路が好きな事は彼女の歌集を読み熟知していましたので、して、やったりの気分です。
[351] 題名:音声のとぎれるラジオを叩きつつ聞いた昭和のエンタツ・アチャコ≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2024/06/19(水) 07:01
今朝の新聞歌壇の『坂井修一選』での私の1席の作品です。【評】。昭和の漫才名人エンタツ・アチャコ。主にラジオ放送で聞いたのだが、このラジオが曲者。頭をたたいてようやく聴ける。思えば懐かしいものだ。▼今年、年初から、LINEでの多くの方から、応援を頂き、『坂井修一先生』が選者に成られるのを期に、ホームグランドの歌壇に力を、熱量を注ごうと思いました。▼その、覚悟が通じたのかどうか、年初来、半年、好結果に自分でも驚き、嬉しさも格別なものが有ります。▼斯うして、多くの仲間からの応援に感謝しつつ、的をめがけて矢を射って参りたいと思います。
[350] 題名:さ緑のつづく国道をりをりに藤の花群まなかひに過ぐ≫森川慶子 名前:風太郎 投稿日: 2024/06/16(日) 09:12
今朝の新聞歌壇の「大辻隆弘選」の彼女の作品です。紀伊半島の高速道路などは、険しい山脈を切り開き走っていますので、👆のお歌のような景色に良く出会います。▼仕事で駆けずり回る全盛期は、車窓から見る「山藤」のムラサキの房に、随分と癒されました。▼≪触れるには遠く咲いてる山藤のすこしさびしい紫の花≫これは「米川千嘉子選」でヒットしました、私の藤の過去歌です。
[349] 題名:鳰の湖ゆっくり日照雨(そばえ)の通りすぎ両岸むすぶ大虹かかる≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2024/06/13(木) 10:15
今朝の新聞歌壇の『永田和宏選』での私の作品です。琵琶湖の周辺をドライブしていますと、ときたまにこんんな稀有な体験をします。それはそれは、見事な景色です。▼最近の投稿の流れは写生歌は中々、主流に成れませんので、斯うして採って頂けるのは、本当に有り難いです。▼歌人の中で、永田・河野、両先生は、特別、琵琶湖に縁が深い方なので、そこいらは、もちろん、充分に意識して詠みました。そんな狙いが的中するのも、短歌投稿の愉しい所。大きな景色を詠むことに思いを凝らしました。
[348] 題名:力士らのびんつけ匂う駅ホーム浪速の街に春よぶ太鼓≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2024/06/05(水) 09:38
今朝の新聞歌壇の『道浦母都子選』での私の1席での作品です。【評】。三月は、相撲の大阪場所。作者は、その近くの駅で「びんつけ」の匂いを感じたのだろう。気持のよい一首。結句まで力士が躍動してるかのようだ。▼私の郷土、出身の歌人『道浦母都子先生』には、久しぶりに採って頂きました。歌の道にいざなってくれた先生ですので、特別の感慨が有ります。▼「鬢付け」の嗅覚、「太鼓」の聴覚を上手く抱き合わせたのが、成功しました。期待をしていた1首でしたので、日の目を見たのは、格別な思いがします。
[347] 題名:花冷えのパリのあしたを散水車傾きながら角をまがれり≫山本隆 名前:風太郎 投稿日: 2024/06/03(月) 09:48
今朝の新聞歌壇の『俵万智選』での、同じ東大阪市で知り合いの彼の作品です。▼彼の若き日の、仏蘭西、パリでの旅の体験の朝での景色の一場面ですが、初句・2句の景色の良さ、3句の意外性がインパクトのある1首だと思いました。▼私などより、かなりお年を召していますが、旺盛な詠力には、励まされます。