[567] 題名:失敗はきっと何かの意味があり反省のあと強さもくれる≫山崎美加 名前:風太郎 投稿日: 2025/11/04(火) 17:57
先日に続き「米川千嘉子選」での美加さんの作品です。私などより若い世代の、理知の溢れる嫌みの無い1首である。▼彼女は二刀流で俳句も詠みます。12月号の月刊誌の『三宅やよい選』で堂々たる「天」を獲得しています。≪新涼や山腹の家遠く見つ≫【評】・「涼し」は夏の季語ですが、新涼は秋になってから感じる涼しさ。今年は猛暑が続いただけに新涼の有りがたさが身に沁みます。澄み切った空気に遠く家までくっきり見えることに秋のきざしが感じられます。▼野球界で「大谷さん」が二刀流で世界を席巻していますが、短歌&俳句の二刀流も恰好がいいですね。私ももう少し時間があれば本格的になんて思っていますが、次の世の課題に取って置きたいと考えています。
[566] 題名:食洗機はえらいえらいと誉められるきれいに洗うと夫に誉める≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2025/11/03(月) 11:09
昨日の「米川千嘉子選」での小川洋子さんの作品ですが、米川選では初めて、後1首「山崎美加さん」の大阪勢が3人揃って掲載されました。▼私などは少々のことをしても、誉められ煽てられることは妻からは有りませんが、褒めてその気にさせる洋子さんは、私の細君とは同じ『洋子』と同名なのである。▼何気ない一コマですが、そんな景色を歌に詠み込むのは、流石、洋子さんである。
[565] 題名:友がみな吾より強く見えるとき「かもめはかもめ」をふと口ずさむ≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2025/11/02(日) 09:23
今朝の新聞歌壇の「米川千嘉子選」での私の作品です。▼「かもめはかもめ」は私の大好きな歌で、研ナオコさんが独特の歌唱力で歌う、詩も好きなので良く唄います。▼月初めに米川先生に採って頂き、気分よく今月も進めそうです。あっという間に今年も過ぎ去ってい行きます。今年の目標に全力で駒を進めて行きたい思います。
[564] 題名:牧水忌きょうのためにと「御園竹」友を招きて盃重ねる≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2025/10/30(木) 09:18
今朝の新聞歌壇の『伊藤一彦選』での私の作品です。秋の盛りにS新聞歌壇に3首も採って頂き感謝に堪えません。牧水研究家でもある、伊藤先生に牧水が好んで飲んだ地酒を詠み込みました。▼斯うした地道な探求心を組んで頂き感謝いたします。商品名が入りますので少し不安が有りましたが、良かったです。▼とても、良い気分で10月を終えることが出来ました。
[563] 題名:吞兵衛の基本と思う牧水の「酒はしづかに飲むべかりけり」池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2025/10/23(木) 09:22
今朝の新聞歌壇の『伊藤一彦選』での私の作品です。先日Y紙に伊藤先生の記事が載り、残された時間を、郷里『宮埼と生涯の研究である、牧水の研究に捧げる』と有りました。▼読んだ瞬間に👆の歌が思い付きました。詠み手はこうした情報に敏感に反応することも、大事なことと、改めて思いました。▼10月のK歌壇、2首も採って頂き本当に有り難く思っています。私の誕生日を祝って頂いたようで気分です。
[562] 題名:今さらに「骨」を思える納骨に遠き町まで行きしと聞けば≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2025/10/22(水) 10:19
今朝の新聞歌壇の「道浦母都子選」での洋子さんの作品です。第三者からは、上句の景色の背景は、少し解りづらいですが、納骨と聞けば、色々な景色を想像させます。▼「遠き町まで」が余韻があって好いですね。今週は、慶子さんと洋子さんが揃い踏みでした。
[561] 題名:トロ箱に氷かむりて行儀よく今年の秋刀魚の太りて光る≫森川慶子 名前:風太郎 投稿日: 2025/10/19(日) 10:11
今朝の新聞歌壇の「大辻隆弘選」での慶子さんの作品です。【評】・例年の不漁とはうってかわって今年のサンマはたしかに大きくて脂がのっている。その大ぶりのさんまが、箱に詰められて冷やされている様子を描いた歌。氷をかぶる。行儀よく並ぶ。観察が細かく眼に浮かぶようだ。▼評の通り、慶子さんの観察眼の光った1首だと思います。上句の景色はいかにも歌を詠む人の👀だと感心しました。「太りて光」でいかにも豊魚を感じさせてくれます。
[560] 題名:街中でひょいと見かけたナンバーは亡夫いた頃の秘密の数字≫森川慶子 名前:風太郎 投稿日: 2025/10/15(水) 10:04
今朝の新聞歌壇の『坂井修一選』での慶子さんの作品です。【評】・「秘密の数字」は銀行の暗証番号か。それとも他の暗証番号か。亡き夫の思い出につながる。結句「秘密の数字」という言葉の切なさ。▼まさに、技ありの選評の通りの1首だと感心しました。結句がいつまでも余韻の残る作品です。2句も好いですね。お若いですね、何か歌ネタを虎視眈々と狙うハンターのような風情を感じさせてくれました。
[559] 題名:水撒きをしつつ京阪交野(かたの)線トーマス号の始発見送る≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2025/10/12(日) 11:47
今朝の新聞歌壇の『栗木京子選』での洋子さんの作品です。何の変哲もない静止画を切り取った景色ですが、こうして歌が日の目を見るのは、やはり二つの固有名詞の持つ力だと思います。斯うした極普通の景色を切り取るのが洋子さんは実に巧いなあと何時も感心します。勉強になります。
[558] 題名:ハレの日は缶のピースを美味そうに喫ってた父の今になつかし≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2025/10/09(木) 09:14
今朝のS新聞歌壇の『小島ゆかり選』での私の作品です。今朝は晴れがましい、ノーベル賞の記事が1面に載っていましたので、もしやと期待してましたら、小島先生に採って頂きました。▼私は煙草を嗜みませんが、缶ピースの煙のかぐわしい香りが大好きでしたので、今でも記憶に残っています。▼当時は、缶ピースは高級品、正月や、何かの特別な時にだけしか父も吸いませんでした。煙管に刻み煙草を詰める父の仕草を懐かしく思いだします。