[587] 題名:ひょっこりとめはり寿司をば携えて妣(はは)の来そうな秋の夕ぐれ≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2025/12/18(木) 09:28
カード遊びをしていた頃は、もう、そろそろと手札が来る頃と予感がすることが有ります。今朝のS紙歌壇の『小島ゆかり選』はまさにその感が有りました。▼「目はり寿司」は故郷、紀州の銘物、高菜なの葉っぱの漬物で握りました、大きな握り飯のことです。👀を張って食べることから、土地ではそう呼んでいます。▼『妣』は亡くなった母のことを指し、亡き父は「考」こう、と書きます。
[586] 題名:ひとを恋う言葉は知れど今にして思い知りたり夫逝きてのち≫森川慶子 名前:風太郎 投稿日: 2025/12/16(火) 09:12
今朝のⅯ紙歌壇「米川千嘉子選」での慶子さんの作品です。久方ぶりの、先立たれたご主人を偲ぶ1首です。今まで話や書物で色んな言葉は知っていたけれど、夫を亡くして本当の心底を知ったというのです。▼案外にして人間というものは、そうなんだと私も想いを新たにしました。と、同時に慶子さんの想いが痛く心に響いて来ます。
[585] 題名:夢でなじるやめたタバコを吸う夫をへんな言い訳している夫を≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2025/12/15(月) 09:01
昨日に引き続き「大辻隆弘選」での洋子さんの作品です。【評】タバコやめるて言うたやん。また吸うとんの。言い訳なんか聴きとないわ。たいがいにしたら。そんな風に夫を叱る。そんな自分の声で目が覚める。が、自分の横には夫はいない。その現実に気づいたときの深いむなしさ。▼選者の大辻隆弘さんは、長い間、三重県の高校の教師をされていた。その所為だろうか、評の仕方が、面白いと思います。▼それにしても日常の景色を切り取る、洋子さんの👀の付け所には、何時も感心させられます。
[584] 題名:「ジョニーへの伝言」聴きつつカフェで待つあの日の君が目の前いる≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2025/12/14(日) 09:44
今朝の新聞歌壇の「大辻隆弘選」での私の作品です。先日の研ナオコさんの「かもめはかもめ」に次いで👆の『ジョニーへの伝言』もだい好きな歌です。▼この歌も青春時代を代表する歌の一つです。
[583] 題名:信号を待てばしおかぜ観光とうバス行くきっと秋の海へと≫小川洋子 名前:風太郎 投稿日: 2025/12/12(金) 09:11
美加さんに引き続き、洋子さんの『大口玲子選』での作品です。【評】バスの車体に「しおかぜ観光」とあるのを見て、想像をふくらませる作者。もしかしたら行き先が書いてあったかもしれないが、「しおかぜ観光」という社名から秋の海が見えてきたのだろう。▼洋子さんの初句から結句までの👀の流れ、追い方が生きた作品だと思いました。下句の≪バス行くきっと秋の海へと≫の詩情が良いですね。▼今月号、私は駄目でしたけれど2月号は頑張りたいと思います。
[582] 題名:旧漢字スマホ片手に一語ずつ齧りつきたり塚本邦雄≫森川慶子 名前:風太郎 投稿日: 2025/12/10(水) 09:35
今朝の新聞歌壇の『坂井修一選』での慶子さんの作品です。なんとまあ、『塚本邦雄』歌人とは、そのお若い気持ちに驚かされました。▼3句・4句の気迫が良いですね。ますます、お元気で素敵だなあーと感心いたしました。
[581] 題名:父親を知らない夫が父になりその子この冬父親にになる≫山崎美加 名前:風太郎 投稿日: 2025/12/08(月) 22:15
令和8年の新年号U月刊誌『大口玲子選』での美加さんの1席での作品です。【評】。三代に渡る「父」の存在感がそれぞれに鮮明で、歳月と背景にある家族の物語がさまざまに思われて奥行きがある。息子に子どもが生まれることを大きなスケールで歌って魅力的な作品になった。▼父に関しての家族の時系列であるが、大きな背景のある、1首だと感心しました。▼単純でシンプルであるが、大河小説のような景色が浮かび上がる、良い短詩だと感心させて頂きました。
[580] 題名:軒先にあまたの柿を吊り下げて大和の冬は駆け足でくる≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2025/12/07(日) 07:41
今朝の新聞歌壇の『栗木京子選』での私の作品です。未だ仕事の現役のころは、大和、吉野地方は毎月、メンテナンス作業に通いましたが、奥大和の秋の風情は格別な趣がありました。▼五句の『駆け足でくる』が活きたと思っています。
[579] 題名:栗の実がイガからちょっぴり顔をだし「秋ですねー」とほほ笑んでいる≫池中健一 名前:風太郎 投稿日: 2025/12/01(月) 09:55
今朝のY紙歌壇の「小池光選』での私の作品です。極月の最初の月曜歌壇での掲載で、今年も12か月間、一度もボツ歌の出ない記録を成すことが出来ました。あと少し頑張れば、1年間、週1首の掲載を勝ち取ることが出来そうです。▼たくさんの友人から激励のお声掛けを頂き、1年間を頑張ることが出来ました。今年も後少しですが気合を入れて創作に励みたいと思っています。
[578] 題名:発表会暗譜でうたうは恒例に覚える十曲いよいよ励む≫池田敏子 名前:風太郎 投稿日: 2025/11/27(木) 09:49
今日のS新聞歌壇『伊藤一彦選』でのさくらさんの掲載歌です。長年にわたり、コーラスを続けてられますが、その、バイタリティーにはいつも感嘆しています。▼声を大きく、腹の底から唄い続けることが、その源と思いますが、暗譜で10曲とは、まさに驚きを禁じ得ません。掲載のお電話をしましたら、とても喜んでおられました。