| PR写真…どうしたものか…。 |
（島滞在日数も折り返し地点、訪れたのはごつごつとした岩肌が垣間見える引き潮時に現れる潮だまり、タイドプールだ。引きこもりには少々厳しい日差しと気温だが、与えられた宿題であるPR写真を放棄出来る程肝が据わっているわけでもない、川へ行き写真を撮り、森へ行き写真を撮り、そして今海へ。一通り撮り尽したのち、ゆっくりと厳選するつもりであるのだが、日比谷自身真剣に良い写真を…と思っているわけではなく、ただ程よい手の抜き方が分からなかっただけである、それに、）…おぉタコさんが居た。よしよしタコさん、こっちおいで―…あっ隠れた、待て待て。（脱線が凄く、宿題半分お遊び半分と言ったところ。そんな感じでデジカメ越しに蛸を追いかけていれば運動音痴らしいお約束の展開に、）わぷっ、波っ、ってちょ…ぎゃっ！（思いっきり潮だまりに足を突っ込んだ拍子に飛んだ水しぶきに驚き、「ばっしゃーん」と効果音でも付きそうな勢いで大転倒、上半身も見事に潮だまりの中へ。幸い手にしたデジカメは防水でその他電子機器、携帯等は水が届かない場所に鞄ごと置いて居たおかげで実害は頭からずぶ濡れになる事だけだった。）ハハ…冷たくてキモチーですね…。（暑い中の海水は心地よく、加えて情けない気持ちも相まって腰まで浸かった状態で微動だにせず、） [19] 日比谷天音：2020/07/24 (金) 15:03 |
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（まさかまさか校外学習でＰＲ大使に任命されるとは思わなかったけれど、戸惑いは初日くらいでそれからは遊び倒しているというのが実のところ。写真なんていくらでも撮れると高を括っているわけだ。──そんな男は本日、遊泳中。友人たちと浜辺で夏を満喫していた。案外、水の中というものは体力を消耗するもので濃紺のサーフパンツ姿で濡れた前髪を掻き上げたのなら）なんか飲み物買って来るけどー？（と声を掛け一時休憩。さっとＴシャツを着て頭からタオルを被れば貴重品が詰め込まれたサコッシュと共にビーチサンダル引っ掛けて売店でも自販機でも探して砂を蹴った。）コーラに、アクエリ、あと麦茶……だっけ。（頼まれたものを反芻しつつ磯辺を抜けて若干の近道を敢行。──丁度その時だった。視界の先に映る小さな影が転がっていくのと耳に届いた小さな悲鳴。思わず「…うわぁ」って呆れにも似た声が漏れるけれど、男の足は迷いなくタイドプールへ向けられた。）派手にやったじゃん？（磯の上にてヤンキー座りで声を掛けてみるわけだが救いの手を差し伸べるでもなく、様子を窺うだけ。「そこ、キモチ―わけ？」って尋ねる男の口角は自然に持ち上がり双眸は弧を描く。） [22] 椎名翼：2020/07/25 (土) 00:14 |
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（「派手にやったじゃん？」その言葉に驚き大きく肩をはねさせる。半ば呆然となっていたせいか接近に気付かなかったのだ。恐る恐ると言った感じで見上げれば此方を見下ろす影ひとつ。その人物は自分を見て笑っている…様にも見受けられる、そう判断したらば咄嗟に出た言葉は、）…キ、キ、キモチーです、よ？（売り言葉に買い言葉、と言っても噛みすぎな分既に及び腰感満載。元より勝気な性格では無い為その後すぐさま相手から視線を外せば、）…嘘です、いえ半分嘘です。水温は気持ち良いですけどどちらかと言えば、驚いたやら情けないやらで…放心してました。…出ます。（岩の窪みに手を添えその場で立ち上がればざばざばと海水が滴り落ちる。水気を含んだ衣服の若干の心地悪さに眉をハの字に下げつつ焼け石に水ではあるが裾の部分を絞り、）と、ところでですね、先程まで此処には誰も居ないと思っていたですが、もしや最初から…ぜ、全部見ていましたか？（一人で蛸を追いかけまわしたあげく滑り転ぶところ、流石に見られていれば少々恥ずかしい、どうか否と言ってくれとそんな表情を浮かべながら、立ち上がった結果やや下になった相手の顔を伺い見ながら問いかけ、） [33] 日比谷天音：2020/07/26 (日) 16:12 |
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（彼女を見おろして笑ったのは明白。けれど其処に嘲笑うものは一切含まれておらず、単なる好奇心を擽られただけのもの。だからこそ彼女から放たれた返答に顔を背けて、ぶふふって吹き出すように笑った。ツボに嵌ったとはまさにこのことか。さて、彼女とは反対に今度は男が見据える番。逸らされたとしてもお構いなしに視線を注ぎ込んだ。）あれ？出ちゃうんだ？せっかくなら一緒に落っこちようと思ったんだけど。 残念。（残念がるような素振りを見せることなく微笑んで。折角のバカンスみたいなものだから多少はバカになって遊ぶのだってアリよりのアリ。「手伝おっか？」と尋ねたときには、既にしゃんと水辺から這い上がっているんだから差し伸べた掌の所在無さげ感たるや否や。水を絞る所作を惚けて眺めていれば、ハッと我に返り）あ〜？いや、流石に全部は見てないよ。ちょ〜っと遠くから眺めてはいたけど。落っこちる瞬間とかさ。（何をどうして落ちたのかはわからないけれど結果としては其の醜態は男の瞳に映されたわけで。とりあえず立ち上がった男は徐にTシャツの裾にクロスするよう手を掛けて脱ぎ去れば、彼女の方へと放り投げた。）とりあえず着てて。目に毒。（何がとは、決して口にはしないけれど。） [44] 椎名翼：2020/07/28 (火) 18:57 |
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（売り言葉に買い言葉は見栄からの嘘だ。故に逸らされた視線は気まずさの表れなのだが、それでも噴出しただろう相手の笑い声を聴いたのならば音の発生源へと自然に視線は戻り、）ほ、本当に落ちます？落ちませんよね？か、からかってますね？（残念さを微塵も感じさせない相手の「残念。」に対し対抗する言葉は持ち合わせていない。最後に漏れたのは声にならない潰れた様なうめき声だった。しかしはたと気付いた、親切からの差し出されかけた手には「お気持ちだけ頂戴します。」と慌てた様に付け足した。その手に甘えるのが一番の礼儀だったのだろうが気付かなかったものは仕方ない。―絞っても終わりの無い水気と格闘しながら、一部始終を見ていたらしい相手の返答に落胆したのも束の間。投げて寄越された彼のシャツと同時に耳に入ったその言葉に、すぐさま何を言わんとしているのかを理解し、女の顔は見る間に青褪めてゆき、）…！？…もっ、もも申し訳ございません！お、おおお見苦しいものを…着ます！すぐ着ます！秒で着ます！…せめて私がボンキュッボンのグラマラスボディであればお楽しみ頂けたものを…！（肯定も社交辞令の否定も男性の立場上回答し辛い最後の言葉への返答は勿論期待などしていない、ただの勢いで捲し立ててしまっただけだ。加えて本来であれば返却の手間を考え遠慮でもするであろう衣服も今回ばかりは話が違う、大慌てでシャツを頭から被れば、「こ、こここのシャツは新しいものをご自宅に郵送させた頂きたく…。し、島の方でしょうか…。」なんて、完全に恐縮しきった情けない声で縮こまりながら提案する事だろう、） [50] 日比谷天音：2020/07/29 (水) 22:45 |
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そだねー。落ちないね！（あっは！と満面の笑みで華麗に掌返しの種明かし。お察しのとおり揶揄っているわけだが「ま、一緒に水浴びくらいはいいかなって思ったのは本当。」と少しくらいは真実を忍ばせていたことも明かしておこう。）次なにかあったら頼りなよね。（それくらいの親切心は持ち合わせているから。いつかこの手の出番があることを願って元の位置へと引っ込めた。）ほんっと。お前、見てて飽きないね〜（その慌てっぷりときたら再び笑みが込み上げてきてしまうではないか。喉を鳴らして堪えきれなかった声を漏らしたのちに一言だけ忠告をば。）男がみんなボンキュッボンってのが好きだと思ったら大間違いだからね。（何はともあれ楽しませてもらったのは事実。何がとはやっぱり言わないけれど。表面上は何でもない風を装ってはいるけれど、男だって年頃なんだから動揺しないはずもなく。ちゃんとシャツまで被ったのを見届ければ、こっそりと胸裏にて安堵の息を吐いた。）ん？さあて、どうだろうね？（島民か否かはすっとぼけて「ほら、風邪ひくよ」ってお節介にも今度は肩に掛けていたタオルを彼女の頭へと乗せて問答無用に雫滴る髪をわしゃわしゃと拭いだした。） [56] 椎名翼：2020/08/01 (土) 17:14 |
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（分かっていた、分かっていたが悪びれる様子も無いからかいのネタ晴らしに再び漏れる呻き声、恐らく相手は口が非常に立つのだろう、自分が何かを言ったとしても返り討ちされる可能性も否めない、そうなれば取りうる行動は黙る事だけ。しかし次いだ親切な言葉には目を丸くさせた後「あれ…？良い人？」なんて絆されたわけだが、再びシャツを着る件で笑われれば「やっぱ違う…。」なんて百面相よろしく再び情けない顔を晒すのだ、）…え、えぇ…？女の私でも好きですよボンキュッボン眼福なのに……もしややっぱり良い人では？（忠告を気遣いと受け取り現時点での相手の印象は「良い人」寄りらしい。そんな事を考えていれば急に視界を塞ぐ何か。それをタオルと認識したのは風邪を引くと言う相手の台詞を耳にした為、）あ、拭いて…？あ、ありがとござ…って違ってですね、あ、こ、個人情報漏洩を心配して、ますか？でしたら港宛で送りますから…せめてお名、お名前だけで、も…！…あの、聞こえていますかね？（タオルで拭かれれば揺れる頭部に自然と話し難くもなるが、それでも終わるまで待つでもなく必死に伝えようと試みる。急いた気持ちを表す様に手持無沙汰の両手は無意味に上下に振れていて、） [66] 日比谷天音：2020/08/03 (月) 23:57 |
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（黙られたらちょっかい出したくなる男は詰まる所、興味を示した相手にはとことん入れ込むっていう話。「ねえ、変な顔になっちゃってるよ？」と告げる口吻も楽しげなもので、決して貶しているわけではなく戯れなのだ。もし仮に彼女の逆鱗に触れてしまったときは、きちんと誠心誠意の謝罪を尽くすことは間違いないが果たしてその見極めが出来るかどうかは未だ把握できないまま。）え゛っ？そうなの…？女の子でもそーゆーの好きなんだ？へぇ〜〜〜ふぅ〜〜〜ん？（良い人だと連呼されるとムズ痒くて敢えて己は悪い人ぶってしまう。天邪鬼さを発揮すればわざとらしい揶揄いの声にて彼女を煽ろう。裏を返せば男の好みを晒したわけだけど、それを掘り下げぬように横へと置いておこうか。）綺麗な黒髪じゃん。なんかアレだよね、こう……水面の中で広がると海藻みたいなさ。（褒めるのだって一苦労。ちょっと皮肉を交えないと上手く出来やしない。彼女の顔ごと覆って今この瞬間の男の表情は見せないように髪の毛の水分を拭い取っていこう。ぞんざいな扱いとは裏腹に指先だけは優しさを一欠。）なかなかしぶといなあ。ん〜〜〜じゃあ今から付き合ってよ。飲み物買いに行くんだけど一人じゃちょっと量多いんだよね。そしたら教えてあげる。（そう告げてからスマホを取り出して、さっとフリックしたのち友人へと送るメッセージは『飲み物は自分で買いに行って』『あと俺の荷物も一緒に持って帰って来て』という内容。幸い貴重品は携帯しているので後は彼らに任せても問題なし。誘い文句は偽りだらけだけど、果たして彼女はこの賭けに伸るか反るか。） [72] 椎名翼：2020/08/06 (木) 23:22 |
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くっ。…う、生まれてこの方この顔です。そりゃあ貴方様のように麗しいご尊顔と比べれば不細工でしょうともええ。（そう言って晒す顔は相変わらず止めない変な顔。これはどちらかと言うと精一杯の反抗と言うだけで怒りや不快感は女の雰囲気からは感じ取れぬ事だろう。それもこれも、何と言われようと相手の根っこは優しい人と認識している為だ。）…綺麗な人は普通好きでは無いかと…？…あ。もしかして照れちゃったりとかしてたりしてー………ナ、ナンチャッテ嘘デス嘘、調子乗ってしまいましたゴメンナサイ。（どことなく誤魔化しにも思える相手の反応に思わずからかってしまったが、すぐさま自分との圧倒的実力差を思い出し何か言われる前に思いっきり頭を下げた。きっとこの後相手が第一声を発した際、女の肩はびくりと跳ねる事だろう。―乱暴に見えてどこか丁寧さも感じさせる手つきに、顔に掛かるタオルを除けるような野暮な事はしない。次に視界が開けた際にはすぐさま彼の顔を見てお礼を言おうと、言おうと、）…それ、ほ、褒めてませんね？！（海藻と言われ素直に喜ぶ事が出来なかったツッコミが思わず口から突いて出た。「た、確かに多いですけどね毛量…」と挙句しょんぼりと認める始末、お礼を言うタイミングを完全に逃してしまったが、Ｔシャツを借りた上にタオルまで使わせてしまった為何としても相手の名前を聞き出しお返ししなければと言う意思は消えない。そんな中提案された荷物持ち、偽りなど微塵も疑う事無く二つ返事で頷いて、）も、勿論です。遠くても頑張って運びます。ご友人の分もですか？何人分でしょう？…む、寧ろ支払いだってする勢いです。…あ、でもちょっと待ってください、私海の写真撮りに来ていたんですよね、それだけ撮っても良いですか？（デジカメを大慌てで構え、しかしふと気づいたようにちらりと相手に視線を寄越し「ひ、被写体とか…海バックに麗しいモデル…絵になると思うんです、駄目ですか？」とつまるところ撮らせてほしいと、回りくどく伺う様に問いかけるのか、） [78] 日比谷天音：2020/08/10 (月) 21:13 |
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誰も不細工だなんて言ってないでしょ。まあ親しみやすい顔ではあるんじゃない？（なんて相変わらず変な顔継続中の彼女に双眸を細めては口元が緩んだ。顔の良し悪しは別として好みは人それぞれであるから男にとっちゃあ変な顔と称したとて其れが不細工となるかは否。嘘は言わないけれど素直に伝えるには憚れる微妙なお年頃。）綺麗と体型は同じじゃないでしょ。スレンダーな美人だっているんだし？ はあ〜〜？？照れてないし！（持ち上がった視線が手繰り寄せる記憶から思い浮かべるのは具体的な姿態。既に男は目が肥えているのかもしれない。さて、戯めいた揶揄いひとつに必死になるところ図星と推察できるが真意はどうあれ男に火をつけたのは言うまでもなく。彼女の謝罪もなんのその。タオルでわっしゃわしゃにしてやったのは仕返しだ。もちろん仕上げは丁寧にしたけれど。あくまで仕上げだからという理由で。）夏にピッタリじゃん？？？涼しくなるよ、夜なら尚更。（心霊的な意味で。いつだって伝え継がれている女の幽霊は黒髪美人だ──なんて幽霊に例えて褒められたとしても有難味はないだろうから二の句は口を噤んだ。）はい決まり。じゃあ今日1日は僕のしもべね？よろしくー。（にっこりって表現がピッタリ似合うほどの笑みを浮かべたなら有無はもう言わせるつもりもなく。荷物なんてもう友人に押し付けてなくなったというネタバラシはいつになることやら。彼女の時間を貰い受けたのなら気まぐれで「いいよ」って被写体になることを了承しよう。ただしポーズは好き勝手にさせてもらう所存。──海を背景に彼氏を撮る彼女。そんなタイトルを付けた写真はスマホのカメラロールに納められた。しっかりとデジカメを構えた濡れ鼠がそこに写っているだろう。カレカノと称したのはご愛敬。映えを狙うならこれくらいやらなければ。二枚一組のPR写真の出来栄えはどうであれ「ほら、行くよ」って差し出した手は彼女を導くためのもの。──この後のプランは島で唯一の仕立て屋さんにて浴衣に着替えてお祭り散策なんて如何だろう。屋台でたくさん買い込んで楽しみたいから荷物持ちは必須というわけ。） [101] 椎名翼〆：2020/08/17 (月) 11:13 |
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親しみやすい顔とはつまるところ？…普通？普通顔？（変顔を持続させるには女には筋肉が足りなかった。ようやく従来通りの顔に戻れば首を傾げ相手の言葉を咀嚼する。結論、自分の顔は美人でも不細工でも無く普通、何も間違っていない寧ろ目前の美少年に普通と言われるならとても良い方では無いかと気分良く納得した様だ。）…ぎゃあ、ごめんなさいごめんなさい私が悪うございましたっ。（相手の照れ隠しは日比谷に対し効果は抜群だ。海藻と称される髪は癖毛こそないものの毛量が多くぼさぼさになりやすい。洒落っ気の無い女でも流石に見苦しい見てくれには羞恥を覚えるのだ。タオルから解放されるや否や慌てて手櫛で髪を整えながらぽつり「口は災いの元私おばか…。」）…と言うかですね、涼しいとはどう言う意味で？…よ、夜？……んんっ？もしかしなくても井戸から這って出てくるとかああ言う系の事言ってます…？（いくら何でも酷すぎませんか？！なんて抗議の声が飛ぶ所を見るに、彼の紡がれなかった二の句は完全に伝わらなかったらしい。それどころか自身で口に出すうちに自己暗示にでも掛かったのか、血色が悪いのか…や、髪短く切るべきか…など最終的には納得する始末。しかしその後の相手の台詞を聞けば本当に顔色は青く血の気が引く事になる―）えっしもべ？…は、早まった感。（瞬時に自分の置かれた大変な状況を理解したが時すでに遅し。有無を言わせぬ笑顔に勝てる術は無く、成るように成れ、引きつった笑顔の裏でそんな小さな覚悟を決めたのだった。しかし、断られるだろうと予想立てていた被写体のお願いがあっさりと聞きどけられたのなら気分は途端に急上昇、なんとも単純である。元より手綱を握れぬ相手と分かっているためポーズに注文は求めまい。相手の気が変わらない内にさっさとデジカメへ納めてしまえと。結果的に二枚一組とも言えるテーマの写真を見て、こんなびしょ濡れ海藻ホラー女ではなく彼も彼女もこの人が演じれば絵になるのになんてひっそりと呟いたのは聞こえていない事を願いたい。切に。―ほらと差し出された手は、今度は気付き掴まる事が出来た。今から私はシモベになるんだ…なんて思考だったからこそ連れて行かれた場所にはきっと目を丸くさせる事だろう。その後は飲み物を運ぶだけよりも何倍も楽しいお祭りシモベ時間を過ごし、最終的にその時間も終わりを告げれば彼と別れた後にようやっと「…あれ？そう言えばご友人に飲み物の配達は？…あ。嘘か…。」最初から最後までとも言える随分と勘の悪いらしい声が響き、そして消えて行った。） [106] 日比谷天音〆：2020/08/23 (日) 19:36 |