| [185] 始祖の少女は滅びを告げる |
- たらこ - 2019年08月05日 (月) 22時45分
「ん……」
後頭部に鈍痛を覚えて目を覚ます。
見覚えのない岩場
「……ああ、あそこらへんから、おちたんだね……」
【仲間たち】が毛狩り隊と交戦しているであろう、耳障りな声に眉を顰める。
全てを、思い出した。
思い出した、というよりは、一時的に抜いていた記録を、元に戻しただけにすぎないけれど。
「ようやく、この殻から、解放される」
永かった 永かった 待ち侘びた、この時を
「やっと、復讐の準備が整ったんだね」
ふふふ ふふふふ あはははは
「おめでとう、ビュティ そしてさよなら、ビュティ」
私は、私を取り戻す
血に濡れていた岩場から、血痕が、髪が、ペリッと剥がれるかのようにきれいさっぱりなくなった。
【仲間たち】が駆けつけた頃には、何もない
その日、1人の少女は、消息を絶った
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