プロローグ
「起きて下さい。お嬢様!」 ここは、ある築30年以上のアパートで毎朝繰り返し行われる行事…いや、小学生がいる家庭なら、毎朝起こりえる出来事が今日も起こっていた。
「ぐすっ…ハヤテ…」
中学生位の少女が寝ながら、寂しげの声をあげていた。
『何か悪い夢でも見ているのかな』 先ほどから、少女を起こしている少年は少女の心配をした……
その時!!!
「ハヤテの……馬鹿!!!!」
少女の叫び…いや!寝言が部屋中に響き渡った!
「何事です!」
あまりに大声だったので、部屋外にも聞こえたのか、隣の部屋に居たメイドさんが慌てて入って来たのである。
「! いえ、決してお嬢様の機嫌を悪くする事はしていません、お嬢様の寝言です。」
一瞬慌てたようだが、冷静に言い添えられたようだ。
「びっくりしましたわ。まあハヤテ君が、そんな事するとは思えませんけど。」
「ありがとうございます。マリアさん!」
と、礼をいい終えた瞬間に少女いや、ここのアパートの主人の三千院ナギが目を覚ました。
「ハヤテ、マリアおはよう!」
と、挨拶したので、このアパートの使用人綾崎ハヤテ、マリアが返事した。
「おはようございます。お嬢様!」
「おはよう、ナギ。」
「お腹空いたぞ、ハヤテ。朝食の用意は、出来ているのか?」
「出来ていますが、今日は学校にいかれるのですか?お嬢様。」
と、聞いたがハヤテの内心はナギの事だ、サボるに違いない。と思ったが、ナギが返した返事は意外なものだった。
「ああ、着替えるから、ハヤテも支度をしとけ。」
『『!!!』』
ナギの言葉にびっくりしたが、口に出すのは、面倒な事になる!と思った2人は、
「それでは、お待ちしております。お嬢様。」
「分かりました。制服を持って来て差し上げます。ナギ。」
と、反応は表さないようにした。
「ああ、頼むマリア。」
と、普通に返事した。 ハヤテは部屋を出てため息をついた。
「はーあ…『お嬢様一体なぜ学校に行く気になったのかな?』」
少し考えたが心当たりがないので、
「今日はお嬢様と学校いけます♪」
と、素直に喜ぶ事にした。 その後、ハヤテとナギは白皇学院に向かった。それは、初夏の6月1日の出来事である。
第1話に続く!
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