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ハヤテのごとく!小説掲示板

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タイトル:ハヤナギ物語☆ 恋愛

初トーコーですっ!

話は・・・題名通りです。

よろしくお願いします!

麗菜 2010年05月09日 (日) 18時14分(524)
1.第一話「誤解」
2.誤解の解ける時
3.ラブ師匠
4.誤解が解ける時 ハヤテver
5.ナギに対する気持ち
6.暴走
7.過去の傷
8.説教
9.相談、怒り
10.パーティー
11.告白、想い
12.想い、告白
13.パーティー会場
14.失恋
15.幽霊
16.勘違い、そして勘違い
17.別れ、そして悪寒
題名:第一話「誤解」

皆さんこんにちは♪メイドのマリアです♪
私には今大きな悩みがあります・・
それは・・

「ハヤテッゲームするぞ!」
「わっ!ちょっと待ってください
お嬢様ー!」

・・・この二人ですわ。

普段はとても中が良いんですけど・・

悩みとは二人の間にとても大きな
爆弾のことです。

その爆弾とは何か・・それは・・



ハヤテのごとく!単行本第一巻を読んで
ください!

まあ爆弾を知らずに此処に来る人はいませんよね♪

どうしましょうかこの天然さん達・・

数時間後、


秋にしては暖かい昼過ぎ、
ハヤテ君はおつかい、ナギはRPGに熱中、
そして私はナギの隣でお掃除中。


ふと箒を動かす手を止め、カレンダーを
見る。今日は10月11日、

「あら、もうハヤテ君の誕生日まで一ヶ月
ですね」


私がそう言うとナギはコントローラーを
操作する手を止めずにモニターを見つめた
まま、口を開く。

「ああ、そろそろ腕時計を選ばないとな、
マリア、選ぶの手伝ってくれよ」

ナギはちょっと照れくさそうに言った。

そんなナギに私は微笑んで
「ナギが選んだものだったらハヤテ君は
喜んでくれると思いますよ?」
と言った。


するとナギはゲームを止め顔を真っ赤に
してソファに寝転がった。

きっとハヤテ君はナギからのプレゼントを
喜んで受け取るだろう。

でもそれはハヤテ君にとってナギは
命の恩人だから、そこに恋愛感情はない。
ハヤテ君自身もそんなものがあってはいけないと思ってるのかもしれない。



それに・・

ギリシャから帰ってきた後にヒナギクさん
から聞いた事、

“「ハヤテ君・・好きな人がいるって
言ってました・・」

「・・え?」

何を言ってるかが分からなかった。

「十年前に・・酷い別れ方をしたみたいで・・・今までずっと好きだったって・・」

ヒナギクさんは鼻声だった。
きっと泣くのを我慢していたのだろう。

「それで・・?」

「・・それで・・思わず自分の想いを
伝えなさいって言っちゃって・・」

「ッッ!!」

ショックだった、もしその人とハヤテ君が
付き合っていたら・・ナギは・・
あの子はどうなるの?

私は唇を噛み締めて続きを聞いた。

「その後聞いたら・・フラれたって言ってました」

・・・・・・

え?

「十年も待たせて愛想尽かされたみたいだって・・言ってました」

「そう・・ですか・・」”

あの時は少しホッとしていた。

でもハヤテ君は諦めてないだろう。

この旅行で爆弾が更に大きくなっていた。


ナギも・・ハヤテ君にとっていい旅行に
なると良いと言っていたけど・・

どんどん運命は傾いて行く。

きっとナギは誤解が解けると怒って
ハヤテ君を追い出しショックで今まで以上に
部屋からでてこなくなるだろう。

きっと・・私の声も届かない、
ハヤテ君の声しか届かなくなる。

もう紫子さんや姫神君の時のような
辛さをあじあわせたくない。


でも誤解が解けなければ前にも進めない、
爆弾が大きくなるだけ、
いつ爆発してもおかしくない爆弾、
どちらかが言葉を間違えれば爆発する。

そんなことにならないように上手く
取り除ければいいのだけれど・・

「おいマリア?聞いているのか?」

ナギの言葉で我に返った。

「ごめんなさい、なんですか?」

「なんだ、聞いてなかったのか?
ハヤテの腕時計だけど・・」

今、ハヤテ君はいない、
誕生日が近い=爆発発言がでるかも
ナギの誤解を解くなら・・今しかない!


「ナギ・・ハヤテ君のことで大事な話が・・」

「ん?なんだ?」

全部話さなくちゃ・・

「ナギとハヤテ君の間には誤解があるんですけど・・」

もう・・後戻りは出来ない・・

その時、ナギの口が開いた。

「それって・・クリスマスイブの事か?」

・・・え?

麗菜 2010年07月06日 (火) 19時53分(526)
題名:誤解の解ける時

・・え?
今何て言いました?
え?クリスマスイブ?

「ハヤテが私を誘拐しようとした事か?」

「ええええ、ええ、そうですけど気付いて
たんですか!?」

私が驚いて聞くとナギは悲しそうに笑った。

「やっぱりな・・私の勘違いだったのか・・」

ナギは俯いてしまった。

「・・いつから気付いてたんですか?」

私が聞くとナギは俯いたまま、

「夏休み頃から・・でもGWの頃から薄々は
気づいてた・・」

と言った。
私が知らない内に気づいていたなんて・・

「夏休みに・・ハムスターの家に行った時、
気づいた・・前からハヤテが私じゃない
他の誰かを探しているような事も
時々あったし・・」

気づいたのに怒ってない・・?
あのナギが・・?

「ナギ、怒らないんですか?
騙されていたとか・・遺産目当てとか・・」

私が心配して聞いてみるとナギは顔を
上げて、

「私だって最初は怒ったさ、騙されたって
思った、・・でも、ハヤテはそんな奴じゃ
ないだろ?それにさ・・」

ナギはだんだん鼻声になっていって
目には涙が浮かんでた。
それでも泣き虫なナギは泣かなかった。

「それに・・嫌なんだ・・無理矢理なのは、
ハヤテは私の執事だからって、自分を
捨ててる、自分の幸せを諦めているんだ」

ナギは泣きそうになりながらも続ける、
何故か私まで涙が出て来た。

「だったら・・執事の幸せを願うのは
主の役目だろ?・・後・・ヒナギクと
ハムスターが言ってたんだ、
ヒナギクはいつかハヤテに“好きだ”って
言わせて見せるって・・
ハムスターも・・その前に口説き落とすって
言ってた・・だから・・」


ナギの口が止まった。
だから?だから貴女はどうするの?

「だから・・私はヒナギクとハムスターより
先に・・ハヤテを・・アイツを振り向かせて
見せるって!」

ナギは無理に笑って見せていた。
本人は気づいてないみたいだけどその頬には涙が伝っていた。

あの引き篭もってゲームばかりやっている
ナギが・・、私とハヤテ君を困らせてばかりのあのナギが・・

こんなに大人になっていたなんて・・!

私は感動とナギの悲しさとで涙を流していた。

「マリア・・?」

ナギが心配そうに私を見る。
私はそんなナギを抱き締めた。

「え・・?マリア・・?」

ナギは混乱しているみたい、

「お疲れ様でした・・我慢していたんでしょう?泣いていいですよ・・」

「まり・・あ」

ナギは私の言葉を聞くと不安がなくなった
みたいに泣き出した。

私はナギの背中を優しくさする。

紫子さん、貴女の子供は悪戯好きで引篭もりでニートでオタクで我が儘で意地っ張りな子ですけど・・

とても強い子になりましたよ。

でもきっとこの子を強くしたのは私ではなく

貴女にそっくりな彼・・ハヤテ君でしょう。

ナギ・・私も紫子さんも貴女の想いが実る事を、願ってますよ・・。

私達は日が暮れてハヤテ君が帰って来る
まで泣き続けた。

 

       

麗菜 2010年07月06日 (火) 19時55分(527)
題名:ラブ師匠

誤解が解けてから一ヶ月以上が経ちました・・、はぁぁ~
あ、どうも、マリアです♪

言っておきますけど最後に♪がついたのは
私や管理人の機嫌が良い訳じゃありませんよ?

むしろ機嫌が悪い方ですし、ただ管理人が
シリアスなのが苦手なのでわざと
明るくしてるんですよっ!

一気に雰囲気が変わっちゃいましたね・・

はあ・・え?次は何に悩んでるか?
皆さん、忘れたんですか?一番の問題を。

「あ、もしもし?ヒナギクさんですか?
明日の生徒会の仕事、手伝う時間できたので
明日生徒会室行きますね~♪」

・・・皆さん、もうお解りでしょう?

一番の問題は今ヒナギクさんと約束をしていた超天然ジゴロ君ですよ!

「えーと・・マリアさん?そんなに僕を
睨んで・・何か怒ってます?」

・・別に怒ってるも何も、貴方がいけないんですよハヤテ君!

「別に、何でもありませんわ・・ただ・・」
私は言いかけたところで止めた。

「ただ・・何ですか?」

ハヤテ君が真剣な顔でこちらを見ている。

何だか・・



苛めたくなってきましたわ♪


「いえ・・ただ・・ハヤテ君てやっぱり
女顔だなぁって思っただけですわ♪」

グサッ

「う"っ!」

「しかもロリコンだし、天然ジゴロだし、
ナギを甘やかし過ぎてるし、TKDSだし、
女装が似合い過ぎてるし、いいお嫁さんに
なれそうだし、何だか女として負けてきてるような気もするし・・」

グサグサグサグサグサグサグサッ!

あらあら、大分ダメージを受けたみたいですね~
「それから・・「もういいです!」・・そうですか・・」

ちっ、止められるとは・・まだまだこれから
なのに・・。


何かこれ、長編関係ない気がしてきましたわ!何これ!?短編に
「執事君をいぢめるメイドさん」とかいう
題名でありそうな感じですし!

ダメですわマリア!これは長編!
ナギとハヤテ君のラブストーリー!(のはず)

私は脇役!二人の背中を押してあげる役目
ですわ!

なのに・・これじゃあ短編ギャグと一緒ですわぁぁぁ!(壊)

「ま、マリアさん!?」

はっ!いけませんわ、私とした事が、
つい、暴走してしまいましたわ。

「助かりましたわハヤテ君、危うく
あっちの世界に行くところでしたわ」

私はハヤテ君に御礼を言って頭を下げる。

「何処の世界に行ってたんですか・・?」

ハヤテ君は怪しい物を見る目で聞いてくる。

ふ・・何処の世界ですって?そんなの・・

私は人差し指を立て、顔の横に動かして言った。

「乙女の禁則z「やっぱいいです、すいませんでした」・・」

ハヤテ君は私が喋り終える前に土下座をして
私の言葉を止めた。
私が乙女とか言っちゃ可笑しいですか・・?

この男・・なに人の数少ない台詞取ってくれちゃってんだよ・・

出番多いの最初の方だけで途中からは
学校編だったり未来編だったりで
私の出番少なくなってくんだよ!」

「ま、マリアさん!さっきからキャラ変わってますよ!
あと何ですか未来編とか出番とか!?」

ええっ!?聞こえてましたか!?

ま、まさかモノローグが聞こえていたとは・・

「最後の方声出てましたよ?」

「わーっ!管理人のミスだと思ってたけど
わざとだったんですかーー!?」

「さっきから何を言っているんですか!?」

はっ!また話が脱線していた・・
いけませんわ、戻さないと・・

「最初っから脱線してましたよ?」

さっきから人のモノローグに突っ込んで来やがって・・この♂・・

「ちょー!さっき男だったのに急に♂ですか!?何か僕に恨みでもあります!?」

「別に無いですけど・・この話のメイン、
何か解ってます?」

私はちょっと不機嫌そうに聞いてみる。

「え?えーと・・『変化』・・でしたよね?
何が変化するんですか?」

・・何って・・貴方とナギの関係に決まってるでしょうが、どんだけ鈍感なんですか・・

そんなことを考えてる内にハヤテ君が
ああ、と解ったように手をポン、と叩く。

ああ・・やっとハヤテ君も少しは鋭く・・
「マリアさんが変身するんですね!」

プチッ♪

あら♪私の中で何かが切れましたわ★

なんだか今日は紅い色の雨が降る予感★

「あ、あれ!?何でそんなに笑顔で僕に
近づいてくるんですか!?
しかも手に持ってる物!それ包丁!」

ハヤテ君がなにか言っているけど今の私には
なにも聞こえませんわ♪

「貴方のせいで・・一ページ無駄になりましたわーー!」

私は包丁を振り上げた。

「きゃーーーー!」


あら!もうこんなに!と、とりあえず
ちゃんと話を繋げないと!


「え、えと!明日大事な話があるので
早めに帰って来て下さい!」

「丸投げですね!」

「さ、さあ!もう遅いですし早く寝ましょう!おやすみなさい!ちゃんと寝るんですよ~☆」

私は無理矢理ハヤテ君を自室へ押し込んだ。

「ちょっマリアさっ!?」バタン!


・・・

「ふぅ・・何とかなりましたわ・・」

いや、何とかなってねーだろ、
とか思ってる方々、今からタマの餌にして
あげますわ★

ま、私も完璧ではないと思うんですよ、
だから・・

パカッ

私は携帯をとりだし、アドレス帳を開いた。
・・効果音が変とか言わないでくださいね?

あ、いた・・・この人だ・・

私はすぐにその人に電話をかけた。

プルルル・・・

プルルル・・・

ガチャ

『はいもしもし?』

「お久しぶりです、マリアです」

『あら、マリアさん、どうしたの?』

「ちょっと貴女にハヤテ君とナギの事で
ご相談があって・・」

『へぇ・・どうして私に?』

「私一人では無理なんです・・
貴女の力なら何とかできると・・」

『なるほど・・それじゃあ明日そちらに
行けばいいかしら?』

「ええ、夕方頃に来てください」

『了解したわ』

そう・・その相手はナギやハヤテ君が
「ラブ師匠」と呼んでいる相手。

「それじゃあよろしくおねがいします、











・・・・愛歌さん・・・」

麗菜 2010年07月06日 (火) 19時56分(528)
題名:誤解が解ける時 ハヤテver

翌日、

どうも、綾崎ハヤテです。

今は屋敷に向かって自転車を漕いでいます。

本当だったら今日は生徒会の仕事を手伝う
つもりだったんですが・・

マリアさんに早く帰って来いと言われたので
急いで帰っています。

え?堅い?僕を何処かの二重人格メイドさん
みたいにしたいんですか、貴方は。

まあ・・ちょっと堅すぎですよね・・

でも・・



「今こんな目に遭ってるのにテンションあげてられるかぁぁ!」




・・・えーと皆さん、僕はこのモノローグと
自転車を全速力で漕ぐことが精一杯なんです!だから許してください!

え?何が起こってるか?それは皆さんの
想像にお任せします!管理人にはそんな事を考える能力が一切ないので!

ただ一つ・・

追いかけられてます!


何かに!


「こらぁ!うちのドラ焼き盗むなドラ●もん!」
なに盗んでるんですかド●えもん・・・

「私の子を返してよ●ラえもん!」

・・・・なにをしたんだドラえも●ーーーー!




数分後、てれってって~♪

あ、今の音は気にしないでください♪

マ○オのBGMでも思い出しながら♪

「ふぅ・・何とか帰ってこれた・・」

ええ、何とか屋敷に着きました♪
さあ、これからはいつもの綾崎ハヤテで
行きますよぉ♪

「ただいまもd「お帰りなさい♪綾崎君♪」・・・来てたんですか?愛歌さん・・」

玄関に入るなり出て来たのはマリアさんでなく、愛歌さんでした。

「えーっと・・何でk「私がお呼びしましたわ♪」・・そうですか・・」

奥から出て来たのはマリアさん。
何かさっきから僕の台詞遮られてる気が・・

はっ!あれですかマリアさん!昨日のささやかな仕返しってやつですかぁぁ!?

「なに言ってるんですかハヤテ君は・・愛歌さんを呼んだのはハヤテ君の事で相談があるからですよ」

「へ?そうなんですか?」

なーんだ、僕はてっきり・・


ドSな二人にいぢめられるのかと・・

「「誰がドSですか?(黒)」」

「いえ!?別に!?」


あぶなっ!危うく殺されるところでしたよ~

・・・これ以上考えると死にそうなので止めさせていただきます。


ん・・・?“ハヤテ君の事で相談”!?


え?僕の事?愛歌さんに?ドSな愛歌さんに?やばくね?マリアさんもしかして僕が色々壊すから怒って二人でささやかな仕返しを・・とか考えてるとか?

「あの!一体何のh「今日は大事な話だからいじめるのは止めましょうか・・・」・・・そりゃどうも・・」


なんちゅー返事だ自分・・

って結局聞きそびれてるし!

「まあ此処で立ち話もなんですし、奥ではなしましょうか」

「そうね♪」

「・・ソウデスネー・・」

やばい・・久々にやばいぞこれ・・

応接間に着いた僕達はマリアさんの淹れた紅茶を飲む。

飲みながら僕は考えていた。

僕の事?何が?

・・ハッ!

「成績ですか!?」

「「・・・は?」」

僕がいきなり叫んだので二人は驚いている。

「・・いきなり何の事ですか?ハヤテ君」

マリアさんがひきつった笑顔で聞いてくる。

「僕の成績が悪いから頭の良い愛歌さんを連れてきて勉強会とか・・「ちげぇよバァカ♪」・・すいません・・」

またまたマリアさんのキャラが・・

「さてと、そろそろ本題に入りましょうか」

愛歌さんがソファに座り直す。

いつになく真剣な表情・・

「そうですね、始めましょうか」

マリアさんも真剣な表情になる。

愛歌さんが口を開いた。

「今回の問題は綾崎君ね、ナギちゃんはきっと大丈夫よ」

「ええ、もうあの子は大丈夫ですわ」

・・僕とお嬢様?話が読めない・・

僕が混乱している間にも二人の会話は進む。

「ん~、その為にはまず誤解を解かなくちゃいけないわね・・ナギちゃんの方は解けたみたいだし・・」

・・誤解?なんの?お嬢様が関係してる?

????

「そうですね・・・ハヤテ君、今から話す事をちゃんと聞いて考えてくださいね?」

マリアさんが僕に覚悟を決めろ、というような表情で話しかける。

愛歌さんまで呼んだんだ、だからたぶん・・大事な話・・。

「あのクリスマスイブの事なんですけど・・」

麗菜 2010年07月06日 (火) 20時00分(529)
題名:ナギに対する気持ち

僕はマリアさんと愛歌さんの話にただただ、驚く事しかできなかった。

まさかあの時そんな事になっていたなんて・・

「・・という訳なんですけど・・ハヤテ君?聞いてますか?」

「え?はっはい!聞いてますよ!」

僕はマリアさんの声で我に帰った。

「そういう事なんですけど・・ハヤテ君はどうなんですか?」

マリアさんも愛歌さんもさっきから真剣な表情で僕を見つめている。

「・・どうって・・?」

「綾崎君はナギちゃんの事どう思ってるか、という事よ」

・・僕はお嬢様に対する想いを考えてみる。





『私の執事をやらないか?』

『まったく!ハヤテはホントにまったく!』

『うっさい!ハヤテのバーカバーカ!』

『ちょっとくらい優秀じゃない方が・・・私には合っている!』

『ハヤテ!私とお前はずっと一緒だ』

『これからの未来もよろしくな!』

『ここから先の未来は・・・お前が私を守ってくれ』



僕は・・お嬢様の事・・


「・・自分の気持ちが・・わかりましたか?」

マリアさんも愛歌さんもいつものような優しい微笑で聞いてくる。

「僕は・・お嬢様の事が・・・好きなのかもしれません・・」

僕がそう言うと二人は嬉しそうな顔をした。
でも・・

「じゃ、じゃあハヤテ君h「でもダメなんです!」・・え?」

僕はマリアさんの言葉を止めた。

・・僕じゃ・・無理だから・・・

「僕じゃ・・ダメなんですよ・・・」

僕の言葉に今まで黙っていた愛歌さんが口を開いた。

「綾崎君、何がダメなの?借金とか身分とかなら大丈夫よ?」

「確かに・・それもあるんですけど・・・」

また口が止まってしまった。
これ以上言っていいのか。

「ハヤテ君・・?」

マリアさんが心配している。
言うしか・・ないんだ・・・。

「その・・・色々と・・あるんですけど・・・その・・・それ以前に・・」

「「以前に?」」

マリアさんと愛歌さんが不安な表情で聞いてくる。

















「に、苦手なんですよ・・女の人とか・・・恋愛とか・・////」


言ってしまった・・///

マリアさんと愛歌さんは口をあんぐりと開けている。

そして、声を合わせて言った。










「「はぁ?」」

うん、この言い方、ちょっと傷ついた。

麗菜 2010年07月06日 (火) 20時01分(530)
題名:暴走

「おい、お前!今週のサンデーであれだけ女の子口説いておいて最後に女の人が苦手!?いい加減にしろやこの天然ジゴロォォ!」

うわっ!またマリアさんのキャラが!

「ま、マリアさん!落ち着いてください!
ていうか今週のサンデーの話はダメですよ!
今日発売なんだからまだ見てない人もいるんですよ!?」

「んなもん単行本が発売された頃によむ奴もいるんだから関係ねぇー!」

「いや関係おおありですから!ていうかキャラが変わりすぎてるんでこれ以上は危険ですって!色々な意味で!」

やばい・・マリアさんがめちゃくちゃ怒っている・・

なんか愛歌さんはジャプニカ弱点帳取り出して不気味に笑ってるし・・

「よし、
『マリア、ブチギレるとキャラ崩れする。』
と、後、『綾崎ハヤテ、女性を口説き回って、女性を苦手とか言ってる超最低天然ジゴロ』と・・こんなもんかしら?」


あぁ・・・愛歌さんのSモードが発動した・・(泣)

マリアさんはまだ興奮してるし・・

僕にはもう止められません・・











次回!借金執事の運命やいかに!

「えぇ!?ここで終わり!?」

麗菜 2010年07月06日 (火) 20時02分(531)
題名:過去の傷

数分後、

「・・・(超汗)」

「・・・(超笑顔)」

「・・・(ブチギレ寸前)」


もう誰だかお解りだと思いますが上から、僕、愛歌さん、マリアさんです。


マリアさん・・視線が痛いですよ視線が。


僕が顔を逸らしていると愛歌さんが長い沈黙を破った。

「じゃあマリアさんも落ち着いたし、話を戻しましょうか、綾崎君?」

「は、はひっ!?」

驚いて噛んでしまった、いきなり僕に話を振って来たから・・


「いや貴方の話だし・・」

「あ、そうですね、すいません」



「まあいいけど・・まず、その女性と恋愛が苦手っていうのは何故かしら?」

うう・・話さないといけませんか?ラブ師匠・・(泣)

「綾崎君、まずは苦手を克服しなくちゃ進めないわよ?」

「ハヤテ君、話したほうが楽ですよ?」

愛歌さんとマリアさんが真剣な顔になってこっちを見て来る。

話すしかないか・・


「あの・・前の彼女の話はしましたよね?」

僕は話を切り出した。

「ああ、あの天王洲さんとの事ですよね?」

「行き過ぎた幼稚園児の話はしっかりとメモさせてもらったわ♪」

やっぱり書いてましたか・・ジャプニカ弱点帳!

「その事なんですけど・・その・・彼女と昔酷い別れ方をしてですね・・」

「「酷い別れ方?」」

愛歌さんとマリアさんが首を傾げる。

「えっと・・殺し合いというか・・斬りあったというか・・」

うう・・話しづらい・・肝心の所が言えてないし・・

マリアさん達を見ると、物凄い顔をしていた。

なんというか・・説明するとバーンとなってドーンとなっています。


・・・・まあとにかく、驚いている。

「ハヤテ君・・・貴方達・・幼稚園児が殺し合いを・・?」

完全に怯えた目で見てるよなーマリアさん・・

愛歌さんはニヤニヤしてるし・・(泣)



「まあそっちは別にいいんですけど・・その喧嘩した時に僕が彼女に酷い事を言ってしまって・・・“ハヤテなんかここからいなくなっちゃえばいいんだ”って言われたんですよ」

「「・・・・・」」

「それでそのまま十年間謝りたかったのに見つからなくて・・」

「それで、その言葉がトラウマになったと?」

黙っていたマリアさんが口を開いた。

マリアさんの言った事は当たっている、その通りだった。

「ええ、それから誰かを好きになってもまたいなくなってしまう気がして・・ずっと人と距離を置いてきたんです」

「「「・・・・・・」」」

麗菜 2010年07月06日 (火) 20時03分(532)
題名:説教

暫くの間、沈黙が続いた。

「それで?それから人を好きになるのを止めたんですか?」

沈黙を破ったのはマリアさん、口調が少し怒り気味だった。

「はい・・」

僕はその質問に“はい”と言って頷く事しか出来ない、
さっきからマリアさんの言っていることが当てはまり過ぎる。

「あの子は・・ナギはハヤテ君の前からいなくなったりしない!約束したんでしょう!?“ずっと一緒”って!
あの子だって・・同じ様な事考えてるんですよ!?あの子も紫子さんや姫神君がいなくなって・・
貴方と同じ様にずっと孤独だったんですよ!?ハヤテ君まで・・いなくなっちゃうかもって思ってるんですよ!だから・・!」

マリアさんの口が止まった、目には涙が浮かんでいる。

「だから・・あの子と一緒にいてあげてくださいよ・・ナギに・・家族という物を思い出させてあげてくださいよ!
私は、ハヤテ君は逃げてると思います、いえ、ハヤテ君は逃げてますわ!」


マリアさんの目から遂に涙がこぼれた。

逃げてる・・か・・

『ハヤテ!私とお前はずっと一緒だ』

・・お嬢様・・

話を聞いていた愛歌さんが静かな声で言った。

「綾崎君、ナギちゃんは変わったの、だから綾崎君も変わらないと・・」

愛歌さん・・・

でも・・

「でも僕は・・甲斐性が・・」

これだけはどうしても・・

マリアさんが涙を拭うと僕の頬を両手で押さえ自分の顔を近づけた。

「ハヤテ君、女の子は好きな人と一緒にいられればそれで十分なんです、
どんなに貧乏でも、好きな人と一緒にいれば苦しくなんてないんですよ?」

「マリアさん・・あ、でも」

僕は急に大切な事を思い出した。

「?どうかしましたか?」

マリアさんが首を傾げる。

僕は息をごくんと飲むと言った。









「告白って・・・何言えばいいんですか?」



「「んなもんしらねぇよ!」」

誰ですか?貴女達・・(マリアと愛歌です)

麗菜 2010年07月06日 (火) 20時04分(533)
題名:相談、怒り

「それで?なんて言えばいいんですか?」

僕が聞くと愛歌さんはハァと、ため息をついた。

「それは綾崎君の素直な気持ちを言えばいいのよ」

「素直な気持ち・・ですか・・」

僕が悩んでいるとマリアさんも言った。

「ドラマとか、恋愛小説とかの言葉を参考にするのはどうですか?
それだったらハヤテ君もわかるでしょう?」

恋愛小説・・ドラマ・・


「“皆好きです。超好きです。皆付き合って。絶対幸せにしてやるから”・・とかですか?」

ドテッ


あ、マリアさんと愛歌さんがずっこけた、何故でしょう?

「綾崎君・・貴方・・何処の副会長よ・・」

起き上がった愛歌さんが僕を睨む。

「え?何言ってるんですか?副会長は愛歌さんですよ?」

「そういうところで天然を発動させないでください・・」

マリアさんも起き上がった。

「だって僕そういう小説読んだことありませんし、マリアさんとかラブ師匠なら知ってそうですし」

「ギクッ!」

マリアさんがギクッ!って言った、何だろう?

「マリアさん、今ギクッ!って言いましたよね?」

僕が聞くとマリアさんは慌てて、

「なっ!いっ言うわけ無いでしょう!お姉さんをバカにしないでください!」

完全に言いましたけどね・・

「全く、本当に私はー」

マリアさん・・一人で何か言ってますね・・そっとしておきましょうか。


プルルル、プルルル

僕の携帯が鳴った。

サブディスプレイに映し出された名前は・・『三千院ナギ』

「?お嬢様?」

僕は電話に出た、お嬢様は今日は伊澄さんの家で漫画の続きを考えてるはずだけど・・

「もしもし?どうかしましたか?お嬢様」

『あーハヤテ、漫画のアイディアが浮かんだから今から帰ろうと思うのだが、
迎えに来れるか?』

「えーっと行けますけど・・「まだお姉さまの話は終わってないですよ、ハヤテ君♪」・・無理っぽいです・・」

マリアさんが話に割り込んできた、結構恐ろしそうです・・

『なんだ?マリアの説教中か?今度は何をしたんだ?』

「・・説教じゃなくてですね・・何と言うか「ヤンデレ化したマリアさんが綾崎君を襲っているわ♪」ちょっと!愛歌さん!変な事言わないでください!」

今度は愛歌さんが割り込んできた、しかもヤンデレとか言ってるし・・

『どういう事だ?ハヤテ・・しかもラブ師匠まで・・』

ああ、お嬢様が勘違いしている・・

「違いますから、第一マリアさんはヤンデレじゃないし『何をやっているのだお前等はぁ!』・・説明しにくいんですけど・・」

『もういい!私は今日は伊澄の家に泊まっていく!いいか!その間にマリアと何かあったら許さないからな!』

ブチッ!

ツーッ、ツーッ

「・・きれました・・」

「きれましたね・・」

「きれたわね♪」

お嬢様はキレたし電話は切れた、何故か愛歌さんは楽しそう。

「まあナギちゃんがいない方が話も続けられるわ♪
今日の内に決めちゃいましょう♪」

「そうですわね、決めちゃいましょうか、ナギの誤解は明日にでも解けばいいですわ☆」

「そうですね・・」

僕達はその日、外が真っ暗になるまで考え続けた。

数時間後、

「ふ~これで完璧ですわ♪」

マリアさんが大きく伸びをする。

「助かりました、マリアさんも愛歌さんも、ありがとうございました!」

僕は二人に頭を下げる。

「いいのよ、それと綾崎君」

「はい?なんですか?」

愛歌さんは僕に言った。

「貴方やナギちゃんは私の事をラブ師匠って呼ぶでしょう?
師匠は弟子をひいきしてはダメ、どの弟子にも同じ様に接しなくてはいけない、
だから私は他に綾崎君やナギちゃんの事を好きな人がいたら
その人の事も応援しなくてはいけないの、でも・・

綾崎君やナギちゃんを見ていたら師匠とか、関係なしに友人として二人を応援してあげたくなったわ、だから・・」

・・愛歌さんの言葉が止まった。

「だから・・?何ですか?」

「だから・・私は他の人を応援しない、たとえそれが大切な仲間だとしても・・
私は・・二人の仲を邪魔させる様な事はさせないわ」

愛歌さんは微笑みながらそういった。

「ふふ♪特別よ☆他の人には内緒なんだから☆」

愛歌さんは悪戯っ子っぽく笑った。

最高です・・ラブ師匠・・

「ラブ師匠!僕一生着いて行きます!」

「あら、ダメよ私に一生着いて行きたいんだったらもっと別の事をしなくちゃ」

「冷たいですね師匠!」

このやりとりを見ていたマリアは、

(大丈夫かしら・・この二人・・)

と二人の将来を心配していた。

麗菜 2010年07月06日 (火) 20時06分(534)
題名:パーティー

==12月3日、夕方の三千院家==


「「誕生日おめでとー!」」

パンパンパン!

クラッカーの音が鳴り響く中、パーティー会場の中央にいたのは驚いている三千院ナギ。

周りにはハヤテ、マリアの他、友人達が笑顔でナギを囲んでいた。


「おいハヤテ、マリア・・・これはなんだ?」

ナギが目の前の友人達を指差す。

「何って・・貴方のために皆さん集まってくれたんですよ?」

マリアが呆れた様な目でナギを見る。

「だからこれは、お嬢様の誕生日パーティーですよ♪」

ハヤテが笑顔でそう言う。

「パーティーはさっきしたと思うのだが・・」

「あれに集まったのは殆どが富豪の方々だったでしょう?あの中にいたナギの知り合いといえば咲夜さんと伊澄さんくらいでしたし」

「さあ!これから盛り上げるぞー!」

ボーっとしていたナギはマリアの話を聞いていなかったが、理沙の言葉を聞くと一気に顔が青ざめた。

「お前等!これはいじめか!パーティーが嫌いな私に対するいじめなのかぁ!」

今まで声の小さかったナギがいきなり大きな声を出したのでみんなギョッとしている。

「なんだナギちゃん、テンションが低いな?」

理沙が不機嫌なナギに近寄る。

ナギは理沙を少し睨むと大声で叫んだ。
「私は疲れているのだ!帰ったらすぐに寝るつもりだったのに、無理矢理連れてこられていきなりクラッカー鳴らされてテンション上がる訳ないだろ!」
「こらナギ!皆さんはナギのためにしてくれているんですよ!我が儘を言わないでください!」

ナギの言葉を聞いたマリアはナギを叱り始めた、流石のナギもマリアには勝てなくて、どんどん小さくなっていく。

「全く、昔から貴女は・・」

マリアのお説教はまだまだ続く。


「ま、まあまあマリアさん、ナギちゃんは疲れてるのに私達が無理矢理押しかけたのが悪いんですし・・」

怒っているマリアを止めに歩が入ってきた。

「でも西沢さん、せっかく皆さん準備してくださったのに・・」

「マリア!ハムスターの言う通りだぞ!」

歩とマリアが話し合っている途中で胸を張ったナギが割り込んでくる。
しかしそれをマリアはまた叱る。

「今のナギに発言する権利はありません!」

「うぐ・・わかったよ!パーティーするぞ!」
マリアに怒られたナギはしぶしぶパーティーを認めた。

「「「よっしゃー!盛り上げるぞー!」」」
三馬鹿が大喜びで飛び跳ねた。
「言っとくけど、少しだけだからな!夜までとかはなしだからな!」

「オッケーオッケー、夜中まで騒ぐから!bb」
美希が笑顔で答える。
「絶対聞いてなかっただろー!」



ナギ達が騒いでる横でハヤテとマリアは・・
「皆さん仲良いですねー♪」
「ええ、ナギがあんなに元気なところは久々に見ましたわ☆」
・・和んでいた。



一方ヒナギクと歩は・・
「いやーなんだかんだ言ってナギちゃんも楽しんでますね!」
歩がヒナギクに笑いかける。
「そうねー、パーティーが嫌いとか言ってるけど本当は楽しいんじゃない?」
ヒナギクも歩に笑い返す。

「ヒナさん・・今日・・わかってるよね?」
歩が笑顔で言う。
「わ、わかってるわよ!きょ、今日こそ・・//」
歩の言葉に一気に真っ赤になるヒナギク。
それを見てフフン、と笑う歩。
「どっちが勝っても恨みっこなしですからね。ヒナさん♪」
歩が自信あり気な顔でヒナギクを見る。
ヒナギクは顔を真っ赤にしたまま歩を少し怪しげな表情で見つめる。
「・・・随分と自信があるみたいね・・歩・・」
ヒナギクの言葉に歩は胸を張って言う。
「まあね!最近口説きがハヤテ君に効いて来た気がするし!これだったら天下無敵の生徒会長様にも勝てる気がするからね!」
「・・・」
ヒナギクは、えっへん、と胸を張っている歩の隣で、歩の自信の大きさに圧倒して口をあんぐりと開けたままでいた。




(((は、ハヤテ君・・・///)))
(な、ナギさん・・///)
(ハヤテ・・・///)
(今日こそは頼みましたよ!ハヤテ君!)
(何か・・マリアさんに凄い目力で見られてる気がする・・)
(此処は何処でしょう?)オロオロ
(い、伊澄に・・//)
(あー、レ○ドシ○ターのDVD欲しー)←麗菜はDVDが出ているか知りません。
((面白いネタ撮れるかなー♪))
(あら、このジュース美味しいですわ)←ワインです。
(何飲んでいるんだ?アテネは・・・・やっぱり此処のハンバーガーは美味しいな!)

(・・大変な事になりそうね・・)

ナギの誕生日・・何かが起こる!

麗菜 2010年07月06日 (火) 20時12分(535)
題名:告白、想い

「はい、ナギちゃん。誕生日おめでとう!」
歩が綺麗にラッピングされた箱をナギに渡す。
「あ、ああ・・ありがとう・・///」
「私からもあるわよ、はい」
ヒナギクも笑顔でナギにプレゼントを渡す。
「え・・あ、ありがとな!///」
ナギは恥ずかしそうに礼を言う。
それを見たヒナギクが呆れた顔で言う。
「もー、普段からそうやって素直になれば可愛いのに・・」
ヒナギクの言葉にナギが顔を真っ赤にして反論する。
「なっ!こ、これはその・・しゃ、社交辞令と言うものだ!べ、別に本気で喜んでる訳じゃないんだからなっ!///」
「素直になったら~?ナギちゃん」
「黙れ馬鹿ハム!」
「誰が馬鹿ハムよ~!」

ナギと歩が喧嘩になり、ヒナギクがそれを仲裁している最中、泉はハヤテの周りにライバルがいない事を確認するとハヤテに近付いた。

「ハーヤ太君♪」
「どうかしましたか?瀬川さん」
「にはは~実はハヤ太君に相談があって・・二人っきりで話したいんだけどいいかな~?」
泉はいつもの笑顔でハヤテに聞く。
「え?別にいいですよ?移動しましょうか」
「うん♪」

誰も気付かないままハヤテと泉はパーティー会場を出て行った。


・・・あの3人を除いて・・・
「「「・・・・?」」」


==中庭==


ハヤテは自分に背を向けている泉に話しかける。
「瀬川さん、中庭でいいんですか?」
「うん・・・立ったまま話したいから・・・」
泉はハヤテに背を向けたまま答える。
「そうですか・・・それで、相談と言うのは?」
ハヤテが聞くと泉はくるっと振り返り笑顔で言った。
「にはは~☆実は相談じゃないのだ☆」
その言葉を聞いたハヤテは首を傾げる。
「え?相談じゃないんですか?」
「うん、大事な話があって・・・」
泉はまたハヤテに背中を向けた。

「ハヤ太君・・・ううん、ハヤテ君」
泉はハヤテの名前を言い直すと振り返り、少し頬を赤らめ、真剣な目で言った。

「私・・・ハヤテ君のことが好き。いつからなのかはわからないけど・・・多分・・初めて会った時から・・・好きだったんだと思う・・・」
「・・・・・・」
泉の真剣な顔に、ハヤテは声を挙げることも出来ず、ただ、俯く事しか出来なかった。


「すごいな・・・泉・・・」
「ああ、よくあんな事言えるな・・・理沙、ちゃんと回ってるか?」
「ああ、ちゃんと映ってるぞ」
「・・・・なにやってるのよ・・綾崎君は・・」ボソッ
美希、理沙、愛歌は物陰からその光景を見つめていた。


「それで・・・私と付き合ってくれる?」
泉は不安な顔でハヤテの顔を覗き込んだ。
「あの・・・いきなりで頭の中が整理出来てないので返事はまた今度でいいですか?」
ハヤテは俯いたままそう言った。
泉は残念そうに笑う。
「そっか・・・そうだよね・・・・いきなりこんな事言われても混乱しちゃうよね・・・」
「本当にすいません!出来るだけ早く返事を考えますから・・・!」
ハヤテは泉に頭を下げようとするのを泉は慌てて止める。
「あっ!いいのいいの!いきなり返事を聞いた私も悪いんだし・・・」

「ほら!早く戻らないとみんなに怪しまれちゃうよ!ハヤ太君!」
泉はいつも通りの笑顔で走ってパーティー会場に戻って行った。

泉を見送ったハヤテはその場に座り込み、ため息をついた。
「はぁ~、何て返事すればいいんだろう・・・」

それを陰から見ていた愛歌がハヤテの元へ行こうとした時、ヒナギクと歩が走ってくるのが見えた。
愛歌はとっさに隠れた。

「ハヤテ君!」
ヒナギクがハヤテを呼んだ。
ハヤテはヒナギクと歩に気付き、立ち上がる。
「二人とも、どうかしましたか?」
ハヤテが聞くとヒナギクと歩は顔を見合わせ、頷き、ハヤテの目を見て言った。

「「ハヤテ君・・私達・・ハヤテ君の事が好き!///」」
歩は真剣な顔で、ヒナギクは顔を真っ赤にしていた。
「・・・・!?」
ハヤテが驚いていると歩が言った。
「だから・・私か、ヒナさん、ハヤテ君が好きなのはどっち?」
「ぼ、僕は・・」
ハヤテがそう言うと愛歌の隣にあった植木からガサッという音がした。
ハヤテ達は聞こえていなかったけれど近くにいた愛歌は気付き、隣を見るとナギが飛び出して来て、外へ走って行った。
「ナギちゃん・・」

「ヒナギクさん、西沢さん・・僕は・・」
ハヤテが答えようとした時、
「お取り込み中ごめんなさい」
愛歌が笑顔で出て来た。
「あ、愛歌!?どうしたの急に・・まっ!まさか今の見て・・!?」
ヒナギクが顔を余計に赤くしている。
愛歌はそんな事お構いなしにヒナギクと歩に笑顔で聞いた。
「ちょっと綾崎君を借りてもいいかしら?」
「え?私は別に構いませんけど・・ヒナさんは?」
「わ、私も別に・・・///」
歩とヒナギクの返事を聞くと愛歌は言う。
「ありがとう、ちょっと大事な話があるから・・・二人きりにさせてもらってもいい?」
「ええ、じゃあ私達は先に戻ってるから・・///」
ヒナギクと歩は急いで戻って行った。


ヒナギク達が遠くに行くのを確認した愛歌は大きく息を吸い、真剣な目でハヤテを見た。
「えっと・・愛歌さん、話ってn」パシンッ!
愛歌はハヤテの頬を思い切りビンタした。
ハヤテは何が起こったのかわかっていないらしい。混乱している。
「貴方はどれだけナギちゃんの気持ちを弄べば気がすむの?」
愛歌の目は怒りに満ちていた。
「愛歌さん、それはどういう」
「女ってのはね!知らず知らずのうちに傷付くものなのよ!貴方にその気が無くてもナギちゃんは傷付いているの!ナギちゃんを傷付けたくないんだったらナギちゃんに想いを伝えなさいよ!そしてヒナ達にきっぱりと断りなさい!」
「でも!それじゃあヒナギクさん達が」
「貴方の事だから、誰も傷付けないように、とか思っているんでしょう!?恋愛ってのはそんなに甘くないのよ!誰かが傷付かないといけないものなのよ!」

愛歌は叫び疲れたらしく、息が切れている。
愛歌はハヤテを少し睨むと言った。

「少なくとも・・・ナギちゃんはもう十分傷付いたはずよ。私やマリアさんが出来る事は此処まで。後は二人がなんとかしなくちゃいけないのよ」

「・・・・」
ハヤテは黙ったまま愛歌を見つめる。
「ほら、ナギちゃんは庭の方に行ったわよ、早く追いかけてあげなさい!」
愛歌は少し微笑んだ。

「・・・・はい!ありがとうございます!愛歌さん」


==========================

ナギSide


ハヤテが愛歌と話している時、走ってきたナギは・・・

いやだ・・もう聞きたくない・・!
私は瀬川やヒナギク、ハムスターの告白現場を見て思わず逃げてきていた。

「はぁ、はぁ、ハヤテ・・・」
気がついたら庭まで走って来ていた。
全速力で走って来たので足が動かない。
私はその場に座り込んだ。

馬鹿だな・・私・・ハヤテの返事を聞くのが怖くて逃げ出すなんて・・
ハムスターにあれだけ馬鹿馬鹿言っといて私の方が大馬鹿者だな・・・

アイツの幸せを願うのが私の役目とか言っておいて・・
「はやてぇ・・・」
気がついたら涙が溢れていた。でもハヤテは来ない。
きっと今頃ヒナギクかハムスターを選んでいるだろう。

ザッ

誰かが来る足音がした。
私はそんなはずはない、と思いながらもハヤテが来た事を願って振り向いた。そこにいたのは・・・


「・・・ナギさん・・」
ハヤテではなかった。そこにいたのはワタルの親友、西沢一樹だった。
「一樹・・」

私は服の袖で目を擦り、涙を止めた。
「こんなところまで来て・・なんの用だ?一樹・・・」

「ナギさん・・僕は君のことが好き。その気持ちは誰にも負けないと思ってる、もちろん・・・ナギさんの執事にも・・」
「っ!」

私は慌てて耳を塞いだ。ハヤテの事は聞きたくない・・。
「・・ナギさん・・」

ぎゅっ

一樹が私を抱きしめて来た。
「ちょっ、一樹っ!?」
「ナギさん、僕だったら絶対に君を泣かせたりしない、君は僕が守るから・・」
「まっ!待て!」
私は慌てて一樹の腕から抜け出した。

「だから私には先約がいると何度も・・」
「先約がいても!僕はその先約を超えて見せるから!///」
一樹は顔を真っ赤にしてそう叫んだ。
「一樹・・・」

そして一樹は大きく息を吸って言った・・

「ナギさん・・僕は・・君のこt「お嬢様!」・・!?」

私と一樹が振り向くとそこには紙袋を持って息を切らしたハヤテが立っていた。
「ハヤテ!?」
私が驚くとハヤテは慌てて言った。

「あっ!何かすいません!決して邪魔するつもりはなくてですね!あうぅ~」
おい、何だいまの「あうぅ~」って・・

「ゴホン、と、とにかく、一樹君!」
ハヤテは一度咳払いをすると一樹を一指し指でビシッと差した。
おい、人を指差すな。

「・・・お嬢様をちょっと借ります!」
「「へ?」」

ハヤテは私を抱き上げると・・まあ・・所謂お姫様抱っこで走り出した。

「え、ちょっと!二人とも!」
一樹が呼んでいるがハヤテには聞こえてないらしい、ハヤテはすぐに走り出した。
「おいハヤテ!お前また誘拐するきか!?」
私が叫ぶとハヤテは叫び返してきた。
「誘拐じゃありません!拉致です!」

「どっちにしろ最低だぁーー!」
「ええそうですよ!僕は最低です!」
「開き直るなバカ者ーー!」

私達が見えなくなった頃、一人残っていた一樹が
「・・・やっぱりお姫様抱っこ出来るくらいの身長があった方が良かったかな・・」
と呟いたのは誰も知らない。




==負け犬公園==

公園に着くとハヤテはやっと私を降ろしてくれた。

「いきなり連れ出すなんて何を考えてるのだ、お前は!」
私は降りるなりハヤテを叱った。
照れ隠しでもあったけどな・・

「うう・・・すいません・・思わず・・」
ハヤテは泣きそうな顔で頭を下げる。

「・・・全く!ハヤテはホントに全く!」
「うぅ~・・・」
ハヤテは地面に座り込み、涙目になっている。それを見て私も思わずそっぽを向く。涙目は反則だろ!///

「そういえば、ヒナギク達は置いて来て良かったのか?」
私は振り返り少しハヤテを睨みつつ聞いてみた。本当は聞きたくなかったけど・・

ハヤテは立ち上がると服をパッパッとはたき、真剣な表情で言った。
「その事について話があります。お嬢様・・・」

麗菜 2010年07月06日 (火) 20時13分(536)
題名:想い、告白

~ハヤテSide~


「・・・それでですね・・話なんですけど・・」
切り出しにくい・・・

うう・・・今ならヘタレって自覚できる・・いや普段から自覚はしていたけど・・・ってそうじゃなくて!
うがーーーーーー!
「おい!ハヤテ!?」
「ふ、ふえ!?」
驚いて変な返事をしてしまった。

「ふえ!?じゃなくて・・話ってなんなのだ?」

お嬢様が上目使いで聞いてくる。可愛い・・・///

「あっ、ああ・・話ですね・・・えーっと・・



鏡●リンと●ンって・・・血縁関係はないって・・知ってましたか?」←事実(らしい)

「・・・・・は?」

はぅっ!お嬢様から冷たい視線が飛んで来る!

「すいませんすいません!空気を明るくしようと思っただけで・・」
「それで?空気を明るくする方法が豆知識なのか?」
お嬢様!視線が痛い!痛いです!
「はぅぅ!そんな人を殺せる目で僕を見ないでください!///」
僕は慌てて両手で顔を隠した。

そんな僕を見てお嬢様はため息をついた。
「で、話って何だよ」
ああ・・・もう豆知識は使えないし・・くだらないギャグ言っても殺されるだけだし・・言うしかないか・・


「ラブ師匠!僕、頑張ります!」
「だから何の話だよ!」
・・・声に出ていた・・・(泣)

よし!

僕は決意を固めるとお嬢様の方を向いた。

「お嬢様・・・この前・・・マリアさんから去年のクリスマスの誤解を聞いたんです・・」
「・・・・」
僕が話し始めるとお嬢様は黙って話を聞いていた。
「それで・・マリアさんと愛歌さんに・・お嬢様の事をどう思ってるのか聞かれたんですよ」

「・・・・そこで・・本当の気持ちに気付いたんです。だから・・・あの日の言葉を・・もう一度言ってもいいですか?」
「・・・・・・え?」

僕は少し微笑むとお嬢様に言った。

「意味は全然違いますけど・・・



     『僕は君が欲しいんだ』


・・・・ダメですか?」


ブシューーーーーー



え!?お嬢様から何かが抜けて行く!

「ちょ、お嬢様!?僕が話し始めてから『え?』しか言ってないですよ!?
お嬢様!?返事はどうなるんですか!?」

僕が揺さぶるとお嬢様は、僕の顔を見て、僕の額を触った。
「ハヤテ・・・お前・・熱でもあるのか?」
ズコッ!

「いやないですから!熱あったら冬に外出てませんよ!」
お嬢様は、うーん、と考えるとパァッと閃いた顔をした。

「わかったぞハヤテ!これはドッキリだろう!ああそうだ!」
「・・・は?」
「そうだ!これはドッキリなのだ!おいマリア!ハヤテと一緒に私をからかっているんだろう!出て来い!」
お嬢様は周りの草むらを覗き始めた。

「マリア~?何処にいるのだ~?」
お嬢様はベンチの下や自動販売機の裏など、色々な場所を捜していたが、疲れたようで僕に聞いてきた。
「ハヤテ・・・お前もグルなんだろ?マリアは何処にいるのだ?」
何か・・・だんだん傷付いてきました・・・そこまで僕の告白が変でしたか?
僕はお嬢様を落ち着かせる為、ベンチに座らせた。
「お嬢様、これはドッキリじゃなくて本当なんですけど・・・」
「へ?本当?」
僕が言うとお嬢様は首を傾げた。

「はい、本当なんです」
「・・・・・////!?」

ブシューーーーーーーーーー

え!?またお嬢様から何かが抜けて行く!しかもさっきよりも長い!

「あの・・お嬢s「うっさいハヤテのバーカ!!///」ぐほっ!?」
お嬢様のパンチが鳩尾にヒットした。痛すぎる・・(泣)
「全く!ハヤテはホントに全く!///」

お嬢様は顔を背けると少し怒鳴り声で言った。
「じゃあその言葉は・・・今度こそ愛の告白として受け取っていいんだな?///」
「え・・・はい・・」
僕が返事をするとお嬢様は振り返った。

「じゃあ・・・私でいいんだな・・?///」
お嬢様の顔は真っ赤、何か僕まで顔が赤くなっていく気が・・・////
「お嬢様でいいんじゃなくて、お嬢様じゃなきゃダメなんですけど・・///」
「・・・!///」

ぎゅっ

お嬢様は僕に抱きついて来た。
「お嬢様・・・?」
僕が驚いているとお嬢様は、
「じゃ、じゃあ・・これからよろしくな・・///」
と言った。
僕はお嬢様の背中に手を回した。
「クスッ こちらこそ・・よろしくお願いしますね♪お嬢様」
「お、おおう!もちろんなのだ!///」
「あ」
僕はお嬢様から手を離して、紙袋を取り出した。
「?それ・・」
僕はお嬢様の首にそれを巻く。
「誕生日おめでとうございます、お嬢様♪」
「・・・あったかい・・」
僕がお嬢様の首に巻いたのは手編みのマフラー。
「お嬢様にばれないように仕事の合間を縫って作るの大変だったんですよ~」
「・・・ありがと・・///」
お嬢様はそう言うと俯いた。
「どういたしまして♪・・あ、お嬢様」
「なん・・」

僕はお嬢様が顔を上げた瞬間、



ちゅっ


お嬢様の唇にキスをした。

見ると、お嬢様はボーっと動かないでいた。

「あれ?お嬢様?」

え?お嬢様が動かない?
お嬢様!もしかしてアレですか!
キスで起動する恋人ロボットのお嬢様ver、

『絶対令嬢』

とかいうやつですか!?(そんなものはない)
まさかのロボオチですか!?


「・・・って何私の初めてを不意打ちにしてくれてんだよ!」

ええっ!?いきなりキレた!?

「ダメでしたか!?」
「ダメに決まってるだろうが!不意打ちが初めてなんてありえるかぁ!」
僕は不意打ちでしたけどね・・(17巻を読んでね♪(宣伝))

「もういい!今のが初めてで!帰るぞ!ハヤテ!」
「・・・はい!」




「ちなみに私はお前の二人目だよな?」
お嬢様が聞いてくる。
「?そうですけど?」
「ならいいのだ!」
お嬢様は満足したようで僕の手を強く握った。


『ハヤテッ!かーわいー♪』
『結姫がハヤテのオムコサンになってあげる~☆』
『も~ハヤテってばツンデレ~♪』

ゾワゾワッ

「っ!?」
僕はあまりの寒気に立ち止まってしまった。
「?ハーヤテ?どうしたのだ?」
お嬢様が心配そうに聞いてきた。
「いえ・・変な記憶が甦っただけです・・早く帰りましょうか・・」
「?そうか?」

僕達は手を繋いで屋敷まで帰った。
その後、酔っ払いが出たり、霊が出たりするのはまた別の話。

          

麗菜 2010年07月06日 (火) 20時14分(537)
題名:パーティー会場

屋敷に帰ったハヤテとナギ。そこに待っていたのは・・・?

「なんか・・・嫌な予感がするんですけど・・・」

僕はさっきの“アイツ”を思い出した事といい、何か嫌な予感がしていた。

「別にお前のいつもの体質じゃないのか?」

お嬢様が面倒くさそうに言う。いつものって・・酷くないですか?まあ否定はしませんけど・・(泣)
「でも・・いつもと違うというか・・命の危機に瀕している気がして・・」
「それは・・・ヒナギク達にぶっ殺される事じゃないのか?」

ピクッ


僕は立ち止まった。忘れていた・・・ヒナギクさん達・・・!

「・・・忘れてたのか?」
「・・・・」コクコク
僕はお嬢様の言葉に顔を真っ青にして頷いた。

「・・・・どうしましょう」
「どうしような?」
・・視線が冷たいんですけど・・・お嬢様?

「ま、頑張れ」
「ええっ!」
「マ●オさんは古いぞ、ハヤテ」
ひどっ!お嬢様、ひどっ!
あとマス●さんをやったつもりはないんですけど・・・

あっという間にパーティー会場の前、(そういえばパーティーの途中だった!)


「うう・・・(涙)」
「な、泣くなよハヤテ!」

僕は泣きながらしぶしぶ扉を開けた。

ギィ・・


「「「「・・・・・・」」」」
みんなの視線が僕達に集まる。

「「た、ただいまもどりました・・・」」
お嬢様まで少しビビッたらしく、敬語になっていた。

ヒナギクさんが笑顔で近づいて来る。
笑顔が恐ろしいです。ヒナギクさん。

「遅かったわね、“綾崎君”♪」

う”・・・ヒナギクさんが怒っている・・・

「た、ただいまもどりました・・・」

「ご主人様と仲良く手を繋いで帰ってきたって事はさぞかし楽しかったんでしょうね~?」
「はぅぅぅ・・・お嬢様・・」
僕がお嬢様に助けを求めるとお嬢様は

「ドンマイ!ハヤテ!b」
と言っていた。

「え・・・(泣)・・ま、マリアさん、愛歌さん・・」

「ドンマイよ、綾崎君b」
「ドンマイですわ、ハヤテ君♪b」
愛歌さんとマリアさんにいたっては超笑顔だった。
ひどくないっすか・・・

「とにかく!向こうでさっきの話の続きを・・!」
ヒナギクさんが大声を出すと奥からガタッという音がした。

みんなが振り返るとそこには・・・・

































「なにやってましたの~ハヤテ~!」
アーたんが飛び出して来ました。

「むぎゅ」
そして思いっきり僕に抱きついて来ました。

「も~“むぎゅ”って可愛すぎるわ~☆」
わーアーたんが壊れたよ・・

「えっと・・・マキナさん・・これは・・?」
僕は近くでハンバーガーを食べていたマキナさんに聞いた。

「ああ、多分さっき飲んでたジュースが原因だ」

「え?ジュース?」
僕が見るとアーたんの手にはしっかりとワイングラスが握られていた。
そういえばさっきから酒臭い・・

「・・・もしかしてこれ飲んだ?」
僕がアーたんに聞くと

「ハヤテも飲みません?これ美味しいわよ~」
飲んだな・・・

「もー、眠くなっちゃいましたわ~・・スーッ、スーッ」
・・・寝た

「寝ました」
「寝たな」
「寝ちゃいましたね」
「寝たわね」
「あーハンバーガーサイコー!」

「「「「・・・・・」」」」

「マキナさん、運ぶので手伝ってください」

僕が声をかけるとマキナさんは、

「・・・・ただで?」
と言った。
「・・・は?」
僕が聞き返すと

「俺はアテネの執事だけど仕事はアテネを暗殺者から守ることだけだ、それ以外はハンバーガーをくれないとやらない」
そういうとマキナさんはそっぽを向いてしまった。
カッコいいこと言ったようでかっこ悪かったんですけど・・

「じゃあ・・・ハンバーガーじゅ「足りない」・・・100個で・・」
僕が言うとマキナさんは飛び跳ねた。
「よっしゃやるやる!おいお前!そっち持て!」
うわ・・一気にテンション上がったよ・・・

この時、全員の気持ちが一致した。
(コイツ・・・正真正銘の馬鹿だ・・)




~アーたん移動中~その間にヒナギク、歩、泉のガールズトークをお楽しみください☆

「取られちゃったかな?ナギちゃんに」
歩が苦笑いで言う。


「ま、まだだよ!まだハヤ太君から聞いたわけじゃないし・・」
泉はわざと大袈裟に笑う。

「そうね・・まだわからないわよね・・」

「ハヤ太君・・・誰を選ぶんだろ・・」
泉の言葉に全員が顔を暗くした。

「1/4の確立だもんね・・この中の誰かが選ばれるって訳でもないし・・」
ヒナギクが目に涙を浮かべている。



「でも・・・」
歩が明るい声で言った。

「ハヤテ君が選んだのなら・・私は何も言わないよ・・」

「「・・・・」」


「そうね・・・彼が幸せだったら私は何もしないわ」
「私も・・・」


「それにハヤt「ヒナギクさん、僕がどうかしましたか?」・・・」

「「「・・・・・・・・・」」」

「「「いきなり出て来るなーーーーー!」」」
ヒナギク達は息ピッタリでハヤテの顔面に飛び蹴りした。

「ゴフッ!」
「全く!ノックは人類最大の発明だって何回言ったらわかるのよ!」
「すいませんでした・・・」

何故か謝ってました。僕。
それにしてもヒナギクさん達は何の話をしてたんだろう・・・?

「あ、そうだ!ハヤテ君!さっきの・・」
西沢さんが話を変えた。

「ああ、そうでしたね、じゃあ向こうの部屋で・・・」
僕達が部屋を出て行こうとした時、
「あ、ハヤテ」
お嬢様に呼び止められた。
「どうかしましたか?」
「いや・・・生きて帰って来いよ」
・・・・・・・(泣)




~数分後~

~マリアSide~

「た、ただいま戻りました~」

ハヤテ君がボロボロになって帰って来た。
聞かなくても大体わかりますね・・・・

「お疲れ様でした、ハヤテ君。ヒナギクさん達は?」
「ヒナギクさん達でしたらトイレに行ってから戻るって言ってましたよ・・・・」
おそらく泣いていますね・・・
なのにハヤテ君はケロッとしてるし・・・


「皆さんトイレに行きたかったんですかね?」
・・・・・コイツ・・・

原因誰だかわかってるんですか?貴方ですよ、あ・な・た!


がちゃ

「・・・ふぅ、思ったよりも手こずったな」

ナギも帰ってきました。
ナギは一樹君と話をしていたそうです。

「あ、お嬢様、一樹君はどうしたんですか?」

ナギが一人で戻って来たのでハヤテ君が聞いてみた。

「ん?ああ一樹ならトイレに行ってから戻ると言っていたぞ。アイツトイレ我慢してたのか?」
・・・・コイツまで・・・


「え?一樹君もそうなんですか?ヒナギクさん達もそう言ってましたけど・・・」
「なんだ、全員トイレに行きたかったんじゃないのか?」

・・・・なんだこの天然カップル・・・

麗菜 2010年07月06日 (火) 20時15分(538)
題名:失恋

~その頃、ヒナギク達は~

会場隣の部屋(アーたん横で爆睡中)

「うう・・・ヒナさんも泉ちゃんもカズも・・・目真っ赤だよ・・・」
歩がハンカチで涙を拭いながら言う。

「そ、そう言う歩だって・・・真っ赤よ・・・」

「うう・・・さっき2人とも“ハヤテ君が幸せならそれでいい”って言ってたのに・・・」
泉も泣きながら2人に言う。

「い、いいじゃない別に!それでも泣きたい物は泣きたいの!」
ヒナギクはそう言うとそっぽを向いた。

「・・・・・ナギさん・・・」

「「「・・・・・・・・・・・」」」

「・・・・・・・・ナギさん・・・」

「「「・・・・・・・・・・・」」」

「・・・・・・・・ナギs「「「しつこーい!」」」・・・ナギさん・・・」

一樹は3人に怒鳴られてもずっと“ナギさん”と呟いていた。

「そんなに言うんだったらナギちゃんがハヤテ君と会う前に告っておけば良かったんじゃないかな!?」
歩が言うと一樹も言い返す。

「中々会えなかったんだよ!姉ちゃんだって同じ学校の時に告れば良かったじゃん!」
「そ、その時はまた会えると思ってたんだよ~!」


西沢姉弟の姉弟喧嘩が始まった。

「ん~騒がしいですわ~」

隣のベッドで酔って寝ていたアテネがムクリと起き上がった。

「「あ・・・ごめんなさい・・」」

アテネが起きた事で2人の喧嘩は止まった。

「ところでなんで4人は此処で泣いているのかしら?」
アテネは眠そうに欠伸をした。

「「「「・・・それは・・・」」」」

4人が口篭っているとアテネは気付いたようで

「ああ、ハヤテにフラれたってことね」

グサグサグサ
「それに一樹君はナギにフラれたってことね」

グサッ



チーン


4人の背中には見えない何かが刺さっていた。

「あら・・・予想以上に図星ね・・・」

「あ、アテネさんはいいんだよ!この前までハヤテ君と両思いだったんだから!」
歩が涙目でアテネを睨みがちに言った。

「・・・はぁ!?私とハヤテがこの前まで両思い!?ありえませんわ!それは10年前の話よ!」
アテネは驚いたように言った。

「え、だってGWにハヤテ君、私に好きな人はアテネって言ったのよ!?」
ヒナギクも驚きながら言う。

「あ、あれはハヤテの勘違いですわ!絶対にハヤテはあの時からナギが好きだったわね!だから私の片思いだったのよ!」
アテネはそう言い張った。

「「「・・・・ええ!?」」」

ヒナギク、歩、泉の3人は目が飛び出そうなくらい驚いた。

「でででででも!ハヤテ君がアテネにフラれたとか言ってたし・・・」

ヒナギクは呂律が回らない様子で言った。

「だからアレはハヤテの為ですわ!好きだとは言われたけどあの子が今一番大切なのはナギなのよ!」
アテネは腕を組んでブスッとした。

それを見て歩は首を傾げる。
「・・・そうだったのかな?・・・だって・・ハヤテ君はアテネさんの為に助けに行ったんでしょ?」

「・・・・ハヤテにとって・・私は昔の恋人。それだけなのよ・・・助けには来てくれたけど・・・ハヤテが一番守りたい人はナギなの。
私は助けてあげたい人だったのよ」

アテネは悲しそうに微笑んで続けた。

「それに・・・その時言ってましたわ、“お嬢様は僕にとって命そのものなんだ”って。すっごい笑顔で。
その時わかったわ、ハヤテはナギの事が好きだって。それに・・白皇で話している時もナギの話をしている時のあの子は
どんな時よりも輝いていた・・・」

「「「「・・・・・・・・・」」」」

「だから・・・・決めたのよ。ハヤテの為にも、十年間想い続けていたこの気持ちは捨てよう、って、だから日本にはもう帰らないって決めたのに」

アテネは少し泣きそうになりながら話した。

今まで真剣に話を聞いていた歩がアテネに優しく微笑んだ。

「でも・・・諦められなくて帰って来ちゃったんだよね?」

「あ・・・・え、ええ・・・・////」
アテネは恥ずかしくなって俯いた。

「だったら、我慢せずに想いを伝えればいいんじゃないかな?フラれるってわかってても自分の気持ちを知ってもらわないと・・・ね?」
「・・・・・・・・」

歩の言葉にヒナギクは立ち上がった。

「・・・そうよ!いつまでもうじうじしてたってどうしようも無いんだから!早くスッキリさせないと!」

その言葉に泉が笑う。

「クスッ そうだね!何かあれだけ泣いたらスッキリしちゃった!」

「ま、それでもハヤテ君の事は諦めないけどね~♪」

「な!わ、私だって!今度こそハヤテ君に好きだって言わせて見せるんだから!」

「あ、明日気分転換に買い物でも行かないかな?」

「う~ん・・・泉は予定があるから無理だな~行きたいけど~」

「私は行けるわよ?」

「う~ん・・・じゃあ3人で行くのはまた今度にして明日はヒナさんと2人で行きましょうか!」


3人の会話を聞いてアテネも自然と笑顔になった。

「元気になりましたか?」
隣にいた一樹がアテネに聞いた。

「ええ・・・何だか私も負けてられなくなったわ。特にナギにはね」
「・・・僕も・・いつかナギさんを振り向かせてやる、って思えました」

真剣な眼差しで話す一樹を見るとアテネは思わず笑ってしまった。

「ナギをあの大馬鹿天然ジゴロから奪うのは相当難しいと思うわよ?ナギはハヤテにベタ惚れみたいだし」

「そうですけど・・・いつかは倦怠期ってものが来てその時にスパッと!」

「ふふっ多分それはありませんわ」

一樹は笑うアテネを不思議そうに見つめた。

「あのハヤテは・・・一生かかっても飽きませんわ。多少問題はあるけど。ナギだってそれはわかってると思うわ」

「い、一生・・・・ナギさん・・・もしかして一生・・・」

バタッ

一樹はブツブツと呟きながら倒れた。

「それに・・・ってえ!?ちょ、一樹君!?大丈夫!?」

「ナギさん・・・一生・・・ナギさん・・・」

アテネが揺さ振っても一樹は気絶したままブツブツ言っていた。



~部屋の外~

「・・・・・・・慰める必要は無さそうね・・・」

愛歌はそう呟くとクスッとと笑ってパーティー会場へと帰って行った。

麗菜 2010年07月06日 (火) 20時18分(539)
題名:幽霊

その夜、ハヤテ自室


がちゃ


ヨロヨロ・・・ガタッ

ハヤテは椅子に腰掛けると大きく伸びをした。

「ふぅ~今日は疲れた~」

「ふーん、お疲れ様、ハヤテ君♪」

後ろから聞こえる声にハヤテは言う。

「ええ、なんだかんだ言ってお嬢様も楽しんでましたし、皆さん盛り上がってましたから・・・・って





























なんでいるんですか!?お母様!?」




「久しぶり~!我が未来の息子ぉ~☆」


いきなり出て来た紫子はハヤテに跳びついた。

「むぎゅ」

「も~“むぎゅ”とか可愛すぎるよ~♪」

紫子は更にハヤテをきつく抱きしめる。

「いや~やっぱりハヤテ君は可愛いね~☆」

「全然嬉しくないですけど・・・ところでどうして此処に?」

「ん~?それは~」

紫子は話し始めた。


今日、鷺ノ宮家に行って24時間だけ地上にいられるようになった。

幽霊なので通り抜けが自由に出来るのでこっそりハヤテの部屋に入ったらしい。


「それでこうやってハヤテ君にも触れられるようにしてもらったんだよ~☆」

「へー、そういう事だったんですか・・・」

「うん♪だからハヤテ君にゆっきゅんからためになるお言葉をひとつ!」

紫子は人差し指を立て、真上に上げた。

(うわー来たよこのコーナー・・・)



「お前の彼女、他に本命の奴がいるぞ☆」



「・・・・・・・」


(何処でどうためになるんですかそれ・・・・)
(気付いた時にはもう完全に盗られてるよな・・・これ)
(本当ですね・・・って)


「いつからいたんですかお嬢様!」

「お前の大声が聞こえたから見に来た」

ナギは驚いているハヤテの隣で腕を組んで紫子を見つめていた。

「ところで何故母がいるのだ?」

ナギは首を傾げた。

「それはですね・・・」


~ハヤテ事情説明中~(べ、別にメンドくさいって訳じゃn(三回目

「なるほど。今日伊澄の家に行って一日だけ浮遊霊として此処にいられて、自由になった体でハヤテの部屋に侵入してハヤテに抱きついていた訳か」

「説明ありがとうございます。お嬢様」

ナギは納得したようで、うんうん、と頷いていた。


「あ、ナギ~久しぶり~♪」

ナギに気付いた紫子は笑顔で思い切り手を振った。

「母・・・・」

ナギの瞳に涙が溜ってきている。

「ナギ・・・・」

紫子は微笑みながら両手を広げる。

「母・・・!」

ナギは紫子に向かって走り出した。

紫子も・・・・・


「ナギ・・・・・・・・































でもやっぱりハヤテ君がいいっ!」

紫子はまたハヤテに跳びついた

ドカッ!


ナギは思い切り壁に激突した。


「あ、ナギー?この屋敷の壁堅いんだから気をつけなよ~?」

「誰の所為だと思ってるのだーー!」

「も~カルシウムが足りないぞ~」


コンコン ガチャ

「もう夜遅いんですけど・・・・」

「あ、マリアさん」

ハヤテの部屋にマリアも入って来た。

「全く、2人とも静かにしてくださいよ・・・・ってあら?紫子さん?」

「マリアちゃん久しぶり~♪」

マリアは口を開けたまま固まってしまった。

心配したハヤテが訳を説明しようとする。

「あの・・・マリアさん、これは・・・」

「わかってますわ。伊澄さんのお宅へ行って一日だけ浮遊霊として此処にいられるからハヤテ君の部屋に侵入したとかそういう訳でしょう?」

「・・・・さっきの話を聞いてたんですか?」

これが白皇学院生徒会長(旧)と一般の人間の違い。


「まあそれはいいですから今日は早く寝てください。ハヤテ君もナギも疲れているでしょう?早く寝ましょう」

マリアの言葉にハヤテもナギも頷いた。

「じゃあおやすみ」

「おやすみなさい」

「おやすみ~☆あ、そーだナギ」

紫子が部屋を出ようとするナギを引き止めた。

「ん?何だ?」

「・・・誕生日おめでと♪」

「・・・・全く!母はホントに全く!////」

ナギは顔を赤くして部屋を出て行った。

「も~~~~☆☆☆今日は久しぶりにお母さんと寝よっか~?」

紫子はナギを追いかけて笑顔で出て行った。

「「・・・・・仲良いですね~♪」」

最後に残ったハヤテとマリアはこんな事を呟いたような呟いてないような。



=======


翌日、


ピピピッ、ピピピッ、カチャ

「ん~!よく寝た~!」


今は夜中の3:30。結局あの後勉強していたので寝たのは1:30だった。

なので2時間しか寝ていない早死にしそうな借金執事君。

「僕は二時間寝れば平気ですよ?」

ナレーターに口出しするな金髪好きのロリコンやr(殴(グホッ

「僕別に金髪が好みって訳でもないしロリコンでもないんですけど?」

サーセンサーセン。


・・・・ゴホン。ハヤテは執事服に着替えて身形を整えると部屋を出た。





☆~~~~~数時間後~~~~~☆


午前10:30。紫子起床。

「おはよ~はやてくん、まりあちゃん」

紫子がまだ眠そうに目を擦りながら起きてきた。

「あら紫子さん。おはようございます。じゃあハヤテ君、気をつけてくださいね。不幸体質なんですから」

「おはようございます。・・・僕だって買い物くらい普通に出来ますよ・・・」

マリアとハヤテは紫子に挨拶をしながら話していた。

「あれ?ハヤテ君。出掛けるの?」

ハヤテが手に持っている買い物籠に紫子は気付いた。

「ええ、ちょっと買い物に」

「ふ~ん。じゃーゆっきゅんもついてこっかな~☆☆☆」

紫子はいそいそと外出の準備をし始めた。

「「え゛・・・・行くんですか?」」

ハヤテとマリアが驚いたように言った。

「む~何そのゆっきゅんが買い物が出来ないみたいな顔して~」

紫子は頬を膨らませて怒ったような表情をした。

「イエベツニ、ソンナコトオモッテマセンヨーアハハハハ」

「ソウデスヨ、ソンナコトオモッテマセンワーハハハハハ」

「何その喋り方・・・」

紫子は2人の喋り方に気付くがそこまで気にしなかった。

「ま、いーや!行こ!ハヤテ君☆☆☆」

「え、ちょ、お母様!?」

紫子はハヤテの腕に手を絡めると走って屋敷を出て行った。

「・・・・やっぱりあの2人、似てますね・・・」

麗菜 2010年07月06日 (火) 20時19分(540)
題名:勘違い、そして勘違い

銀杏商店街


「ヒナさん!次はあっちの店に行きましょう!」

「はいはい、はしゃぎすぎよ。歩」

商店街の中をヒナギクと歩は仲良く歩いていた。


ピタッ

ヒナギクの前を走っていた歩が急に足を止めた。

「あれ?ハヤテ君?」

「え?」

ヒナギクが歩の視線の先を見ると、そこにはハヤテと、ハヤテの腕に手を絡めている女性が歩いていた。

「誰かな?あの子は・・・」

「さ、さあ?三千院家の親戚の人とかじゃない?」

「それにしては親しげじゃないかな?あ、ハヤテ君に飛びついた!」

ヒナギクと歩は2人を電柱の影から後を着けていた。
流石生徒会長とザ・ストーキング姉弟の姉。通称ハムスター。

「誰がストーキング姉弟でハムスターかなぁ!」

「歩、静かにしなさい」


~数分後~

「スーパーに入りました!ボス!」

「ありがとう。とりあえずもう少し後を着けて何かし始めたらナギに連絡よ!」

「了解です!」

ヒナギクに敬礼する歩。適切に歩に指示を出すヒナギク。
何をやっているんだこの二人は・・・

「はっ!ボス!女の子がハヤテ君に抱き付きました!」
「買い物中に何やってるのよハヤテ君は!もういいわ!ナギに連絡しましょう!」


~その頃ナギは~

「おはようマリア・・・」

「おはようございます。ナギ。今日は早いですね」

眠そうに起きてきたナギを不思議そうに見つめるマリア。

只今の時刻。10:50。決して早いとはいえない時間だが。

「ハヤテは?」

「ハヤテ君ならさっき買い物に行きましたよ」

「ふ~ん・・・」

♪~ぜーんせかい手に入れたってや~っぱり~き~みが足り~ない♪

ナギの携帯の着メロが鳴った。

ナギは携帯を手に取り、電話に出た。

「もしもし?」

『ナギ!ハヤテ君が・・!』

ナギが出るなりヒナギクは慌てて叫んだ。

「落ち着けヒナギク!ハヤテがどうしたのだ!?」

『・・・ハヤテ君が・・・女の子といちゃいちゃしながら買い物してるわ・・・』

「・・・・なんだとぉぉぉ!?」

『と、とにかく、今銀杏商店街の近くのスーパーにいるから!それじゃ!』

プツッ ツーッ ツーッ

「マリア!今すぐ車を出してくれ!銀杏商店街まで行くぞ!」

「は、はいっ!」


~銀杏商店街の近くのスーパー(てかスーパーあるのに商店街いるの?)~

ナギはスーパーに着いた。

「あ、ナギ!こっちよ!」←小声

ヒナギクがナギを手招きする。

「ここにハヤテがいるのか?」←小声

「うん、ほら、あそこに」←小声

歩が指差した先を見るとそこには・・・


仲良く買い物をするハヤテと紫子がいた。


ズコッ!

「え!?どうしたのナギ!」

「馬鹿者!アレは家の母だ!」

ナギが言うとヒナギクと歩が硬直した。

「「・・・・・・・えええええぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!?????????????????」」

「皆さんここで何をしているんですか?(特にヒナギクさんと西沢さんは吠えてたし・・)」

ヒナギクと歩が叫んでいると、ハヤテが出て来た。

「はっハヤテ君・・!」

ハヤテとヒナギクの目が合った。

「「・・・・・」」


~昨日~

「「ハヤテ君・・私達・・ハヤテ君の事が好き!///」」

「・・・・!?」

「だから・・私か、ヒナさん、ハヤテ君が好きなのはどっち?」
「ぼ、僕は・・」

~回想終了~

「「・・・////」」

「・・・・ふんっ!」

ガッ!

ナギはハヤテがヒナギクと見詰め合ってるのを気付くと思い切りハヤテの足を踏んだ。

「いだぁーーーーーっ!」

「ヒナギクを見て赤くなるな!ハヤテのバーカバーカ!」

ナギはハヤテが縮こまる横でブツブツと続けた。

「全く、ヒナギクはまだしもハムの下着姿で赤くなるなんて・・・私の時は普通だったくせに」ボソッ

ハヤテと歩はナギの言葉で顔が真っ赤になった。

「いっいやミコノスの時は本当に事故でして!見たくて見た訳じゃあ・・////」

「そっそうだよ!まさかあの地下にハヤテ君がいるなんて思ってなくて・・・///」

ピクッ

ナギは“ミコノス”と“地下”の言葉に反応した。

「・・・私が言っているのはバイトの時の事だぞ?なんで地下やミコノスが出てくるのだ?」

ナギの表情がどんどん不機嫌になって行く。

「「あ・・・・・」」

ハヤテ&ハムスター、自滅。

「全部吐けーーーーーーー!」

ナギが遂に怒鳴った。それを慌ててハヤテと歩が宥める。

「ご、誤解です!全部事故でして・・・!」

「そ、そうだよ!ハヤテ君は世界一人畜無害な男の子なんだから!」

「じゃあ全て話せ・・・」

「え、えーっと・・・」

ハヤテが話そうとすると横から紫子がコミックス20巻を持って出て来た。

「んーとあの時地下で歩ちゃんとハヤテ君は少年誌では出来ないことを・・・」

「わーーーーー!最初から最後まで嘘の情報を流さないでくださいーーーーーーー!」

その言葉を聞いたナギは余計に不機嫌になった。

「ハヤテの~~~~~~~~馬鹿ーーーーーーーーーーーーーー!」

ドカッ!

「誤解ですーーーーーーーーーーー!」

「信じてよナギちゃーーーーーーーーん!」

その後、ハヤテはずっと隅で体育座りで地面にのの字を書いていた。

麗菜 2010年07月06日 (火) 20時20分(541)
題名:別れ、そして悪寒

「えっと・・・・ナギのお母さんでしたっけ。はじめまして。桂ヒナギクです」

ヒナギクは紫子に向かって軽く会釈した。

「ゆっきゅんだよ~、下田でお墓参りに来てくれたよね~☆☆☆」

「に、西沢歩です!」

「よろしくね☆たしか・・・・ハムちゃん!」

ズコッ!

歩は紫子の言葉にずっこけた。

「あれ?違ったっけ?んーと・・・・トンちゃん?」

ドテドテッ!

「なんで豚の方に行っちゃうのかな・・・・」

「まあそんだけ食べてればハムスターから肉のハムになるだろうな」

ナギが軽く笑う。

歩を見れば手にはドラ焼き、腕にはメロンパンのいっぱい入った袋を抱えていた。

「お前・・・・某未来から来た猫型ロボ兄妹みたいだな・・・・」

「なっ私はド●えもんとドラ●ちゃんじゃないよ!あと太らない体質なんですぅーー!」

「はっ!いつか絶対に太るね!今まで食べた分が全て一気に出てくるね!」

「そ、その時はダイエットするもん!」

「走る事も出来ないくらいブクブクに太るぞ!」

「そ、そこまで行かないもんね!」

「ほらほら~冷や汗掻いてきてるぞ!ちょっと不安になって来たんだろ~」

「うにゃっ!うう・・・そういうナギちゃんだって引篭もってばっかじゃいつか太っちゃうんじゃないかな!?」

「な!だ、誰が引き篭もりだ!」

「「「ちがったの?」」」

「母まで言うな!」

「引き篭りじゃなかったら何なのよ?」

「ひ、HIKIKOMORI・・・・」

「格好よくしたつもりかもしれないけど全然格好よくないわよ?」

「うっさい!」




「いいですよ別に・・・僕はどーせハーマイオニーですから・・・・」イジイジイジイジ

「ハヤテはいつまでいじけているのだ!」

「なんかゆっきゅん疲れちゃった~もう帰ろ?」

「超自由だなハヤごと世界!」

「ほらほら~☆☆☆ハヤテ君もそんなとこで泣いてないで~♪」

「うう~~~~~~~~どーせ僕はロリコン鈍感野郎ですよ~~~」

ズルズル

ハヤテは泣きながら紫子に引き摺られて行った。

「え、ちょ、何2人で勝手に帰っているのだ~!」

「バイバ~イ☆☆☆」

「さよなら~~(泣)」

「じゃ、またな!」

ハヤテ達は帰って行った。


「・・・なんか・・ナギちゃんのお母さんてハヤテ君と似てるね」

「ええ・・・ナギよりもハヤテ君の親に見えたわ・・・」







その日の夜


「あ・・・そろそろ時間だ・・」

紫子は時計を見て呟いた。

「え!?早過ぎないか!?」

ナギが慌てて身を乗り出した。

「ううん・・ゆっきゅんが此処にいられるのはあと10分なの。24時間って・・・短いんだ・・」

紫子は少し寂しそうに微笑んだ。

ハヤテ達がしんみりとしてしまったので紫子は空気を変えるように笑った。

「んじゃ!お母さんから3人に素敵なアドバイスをしちゃおっかな~♪まずはマリアちゃん!」

「ええっ!?私ですか!?」

マリアは紫子がいきなり指を差したので、驚いた。

「ん~マリアちゃんは~・・・・髪を下ろした方が年相応の見た目になると思うよ!」

「ほ、本当ですか!?さっそくやってみます!」

「うんうん♪明日からそうしなさい☆」

マリアは笑顔で部屋を出て行った。

「マリア・・・ノリノリだな・・・」

「マリアさん・・・ノリノリですね・・」

「さて次はナギだけど・・・」

「切り替え早やッ!」

紫子はナギの顔を見つめて言った。

「ナギも髪を下ろした方が年相応に見えると思うよ☆」

「ほ、ホントか!?」

「うんうん☆ナギが小学生に間違われるのは身長だけじゃなくツインテールもあると思うよ!b」

紫子はナギに寂しそうに微笑んだがハヤテもナギもその表情に気付かなかった。

紫子はすぐに表情を変え、ハヤテを見た。

「さてと、ハヤテ君は・・・・」

ゴクリ

ハヤテは息を呑んだ。

「ぼ、僕は・・・?」









「もう少し鈍感を直した方がいいと思うよ!」

「ぐはっ!」

ハヤテは腹を押さえて倒れた。

「い、痛いところを突いて来ましたね・・・」

「んじゃ、もう時間だから帰るね~♪」

「ハヤテを放っといて帰るのか!?」

ナギの言葉に紫子は渋々戻って来た。

「ハヤテ君、ゆっきゅんの話聞いてくれる?」

紫子は頬を赤らめてハヤテに尋ねた。

「え?僕で良ければ聞きますけど・・・」

「ありがとう。じゃあ・・・実はゆっきゅん・・・・
娘も欲しかったんだけど・・・・











息子も欲しかったの☆☆☆」


ぎゅっ


紫子はハヤテを抱きしめて和み始めた。

「だからなんでハヤテに抱きつくのだーーーーーーーーーーーー!」

「も~ナギってばお母さんに嫉妬なんて見苦しいよ~~~~」

「な!し、嫉妬ではない!こ、これはその・・・・Jealousyというものだ・・・・////」

「意味一緒ですけどね・・・」

「ハヤテは黙ってろ!////」



3人が騒いでいると紫子の体が光り始めた。

「もう・・・時間か・・・ありがとう、2人とも。これからも時々遊びにくるからね!」


そう言うと紫子は光に包まれて消えて行った。

「・・・・結局・・・謝れなかったな・・・」

ナギはその場にしゃがみ込んだ。

ポン

ハヤテはナギの肩を叩いて微笑んだ。

「また遊びに来るって言ってたじゃないですか。それにお母様はあの時の事を怒っていませんよ。怒ってたらお嬢様の前に出て来ませんから」

「そう・・・だな・・・そろそろ寝ようか・・ハヤテ・・」

「はい、おやすみなさい。お嬢様」

「おやすみ・・」



~その頃、とある家にて~

「結姫ー?ちょっと来てー」

一人の女性が結姫という名を呼ぶ。

すると二階から一人の少女が降りて来た。

「どーしたの?お母さん」

お母さんと呼ばれた少女の母親は少女に一つの封筒を差し出した。

「はいこれ。白皇学院から編入試験の合格通知が届いたわよ。おめでとう。結姫」

「あ、ありがとう!」

結姫は笑顔で封筒を受け取った。

「じゃあ3学期から白皇だから潮見高校にもちゃんと伝えとかないとね・・・」

「うん。明日伝えるよ」

「じゃあもう夜遅いから今日は寝なさい。おやすみ」

「うん。おやすみ」

結姫は自室へと軽い足取りで階段を上って行った。


バタン


「・・・・ふぅ」

結姫はまじまじと封筒を見直した。

中の書類にはきちんと『白皇学院編入試験合格通知』と書かれていた。

「やっと見つけた・・・」

結姫は思い切りベッドへとダイブした。

「やっと会えるね♪ハ・ヤ・テ☆」

そう言って不気味に笑うと結姫は眠りについた。










「くちっ!」

「なんだハヤテ。風邪か?」

「ですかね?」

「てか“くちっ!”ってwww」

「あ、笑わないでくださいよ~!」




麗菜 2010年07月06日 (火) 20時22分(542)


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