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「お嬢様、なんですか、そのフィギュア」とハヤテがナギお嬢様に聞く。 「通信販売で売っていて、かっこいいからシリーズをまとめて買ってみた」というのがナギお嬢様の返事。 「ちょっと見せてもらっていいですか」 「ああ、いいぞ」 ハヤテはフィギュアを手にとって、まじまじと眺める。 「へえ、かなり丁寧な作りですね。30センチ近くありますし、高そうですけど、価格はどれくらいだったのですか」 「価格なんか見ていないから知らんぞ」 まあ、ナギお嬢様ほどの大金持ちともなると、価格を見ずに発注する。作者が代わってハヤテに価格を教える。 「ええ〜、一体十万円するんですかぁ〜!とんでもない価格ですよ」 「ふ〜ん、フィギュアってそんなに安いのか、ハヤテ?」 お金の基準に関しては、どこまでもすれ違うふたりである。 「でも、このフィギュア、どこかで見たような気がしますけれど」 「ハヤテもそう思うか?私もそうなんだ」 「どこのメーカーです?○○堂とか、××××ヤとかの有名どころなんでしょう」 「いいや、セイトカイ社とかいうところだ。ハヤテは知らないか」 「知りませんね。新しいところですかね」 「ザ・生徒会長とかいうシリーズだそうだ」 「それじゃあ、結構種類があるのですね」 「そうらしいぞ」 などという会話をしながら、手に持ったフィギュアを眺めるハヤテである。見れば見るほど、どこかで見たような気がしてならない。 フィギュアだから、もちろん女の子である。軽く走っている場面を切り取ってきたような姿だ。制服を身にまとい、右手に木刀のようなものを握っている。ピンクの長髪が美しい。それに見合ったりりしい顔つき。全身から何事にも負けない闘志があふれている。男女にかかわらず、一目で惚れ込みそうな人物である。しかし、この人物、この手のフィギュアにつきものの、あるべきものが見あたらない。そう、胸だ。女の子のフィギュアでは、必要以上に巨大な胸が一般的だ。しかし、このフィギュアの場合、『ペッタンコ』。というとちょっとかわいそうだが、これほど『ペッタンコ』でいいのかというほど、ない。一見して女の子だと分かるのは、長髪とスカート姿だからだ。 「あら、ハヤテ君がヒナギクさんのフィギュアを作ったのですか。本人みたい。よくできていますわね」と横から割り込むメイド。マリアである。 ふたりともマリアの言葉で、あっと気がつく。 「ヒナギクだ」「ヒナギクさんだ」 「「そっくり!」」声が重なる。
喫茶どんぐりはいつものごとく客がいない。だから、バイトの三人が何やら無駄話をしていても何ら問題はない。今日のネタは例のフィギュア。ナギお嬢様とハヤテは先ほどのフィギュアを持ってきて、歩に見せているのだ。 「見れば見るほど、ヒナさんにそっくりね」と歩が言う。 「そうでしょう。これ、きっとモデルはヒナギクさんですよ。たぶん、身近の人が企画したんでしょうね」とハヤテが言う。 「それなら、なんで私をモデルにしないんだ」とナギお嬢様は不満げだ。 「自分のフィギュアを売り出したいんだったら、ナギちゃん専門の会社を作ったらいいんじゃないかな」と歩。 ワイワイと盛り上がっている。 「いいなぁ。これ、欲しいな。ひとつ譲ってもらっていいかな?」と珍しく歩がこのようなことを言い出す。 「ああ、たくさん買ったから、ひとつくらい譲ってあげてもいいぞ」とナギお嬢様が歩に言う。 手を伸ばしながら「いくらなのかな?」と歩がナギお嬢様に聞く。 「十万円です」とハヤテが返事をする。ピタッと歩の手が止まる。 「え〜、そんなにするの〜それじゃあ、ちょっと…」と歩は手を引っ込める。 「別にその程度なら、ハムスターにくれてやってもいいぞ」とナギお嬢様が太っ腹なところを見せる。たまには歩に対して有利なところを見せたいらしい。 歩にとってヒナギクは大好きな親友だから、この『ヒナギクに瓜ふたつ』人形はぜひとも自分の部屋に飾っておきたい、だから少しずつ手が伸びる。その手が人形をつかんで引き寄せた途端。 「こんにちは」と軽やかな声とともに店の扉が開く。無敵の生徒会長、桂ヒナギクの登場である。 反射的にパッと人形を自分の後ろに隠す歩。しかしそれを見逃す生徒会長ではない。 「ねえ、歩、今後ろに隠したもの、なあに?私にも見せてよ」上機嫌のヒナギクがにこにこしながら歩に頼む。
この後、何が起こったかは、読者の想像にお任せする。
一通りの悶着が片づいた後、怒り心頭のヒナギクは考え込む。誰が一体自分をモデルに、こんな『ペッタンコ』人形を作ったのだろう。 まず、ヒナギクは歩の方を見て、 「歩が作ったんじゃないわね」と念のために確認する。 ハヤテなら何回も体験したことがあるが、ここまで怒ったヒナギクを見るのは歩は初めてだ。 「ううん、私じゃないわ」とおどおどしながら歩が答える。 まあ、歩にこれだけの人形を作れるだけの技術はないことはヒナギクも承知している。一応、人形を持っていたから念のために聞いただけだ。(この中で一番怪しいのは『こいつ』だ。何をやっても器用だし、私の近くにいる機会も多いから、ポーズとかいろいろ頭に入っているだろうし。『こいつ』だったらゆるさないんだから!) ヒナギクは『こいつ』=ハヤテをにらみつける。 「ま、さ、か、ハヤテ君じゃないでしょう、ね!」ヒナギクの声のトーンが歩に聞いた時と比べて半オクターブ上がる。これは本気だ。本気の気迫はちゃんと正しく伝わる。 「ぼ、ぼくじゃ、あ、あ、ありません、ん、ん」とヒナギクの剣幕に恐れたハヤテは恐る恐る答える。 (ハヤテ君じゃないとすると、お金に物を言わせて、誰かに作らせたのか?) 「ナギ、そんな事をするとは思わなかったわ」とナギお嬢様を問い詰める。 さすがのナギお嬢様も怒りのヒナギクには太刀打ちできない。 「わ、私でもないぞ。私は通信販売で買っただけだ」 「ふ〜ん、そうなの。みんな否定するのね」 全員そろって思いっきり首を縦にふる。 怒りが解けないヒナギクは、 「そう、それならば、犯人探しに協力してくれるわね」と有無を言わさない。 三人とも、再び首を縦にふるしかない。 「それじゃあ、手始めに全部よこしなさい、その人形!」 まったく恥ずかしいったらありはしない。
「ふ〜ん、その、セイトカイ社というところが販売しているのね」とヒナギクはナギお嬢様に確認する。 「そうだ。住所もわかるぞ」といって、ナギお嬢様はハヤテが用意したノートパソコンを使って、通信販売のWEBを開いて確認する。 「東京都杉並区…あれ、なんだか見覚えがあるぞ、この住所」とナギお嬢様。 ナギお嬢様からノートパソコンを奪い取ったヒナギクはその画面を見て驚く。 「これ、白皇学院の住所じゃない!一体誰なのよ、こんな悪戯するの!」ヒナギクの怒りは収まらない。 「あれ、セイトカイ社って、生徒会の会社ってことかな」と歩が口をはさむ。 それまで、その場の全員が、西都会社と思っていたのだ。 ハッと歩以外の全員が犯人を思いつく。 「三人娘!」 言うなり、どんぐりを脱兎のごとく飛び出すヒナギク。
宿直室の扉がこれ以上無理という音を立てて開く。 「美希!!泉!!理沙!!いるんでしょ!!出ていらっしゃい!!!!!」 当然、暇な三人は宿直室にいる。三人とも、怒れるヒナギクの顔を見た途端、おしゃべりの言葉を途中で停止し、フリーズ状態となる。 「いたわね!なによ、これ!」ヒナギクは先ほどナギお嬢様から奪ってきた人形を三人に付きつける。 まだ、何も言えない三人。 「だれなの、こんな悪だくみを考えたのは!」 剣幕に押されて何も言えない中、三人がそれぞれお互いをさす。 「だれなのよ!泉、言いなさい!」 ようやくヒナギクの怒りの呪縛から解かれた瀬川がヒナギクの質問に答える。 「あ、あの、簡単にお金儲けをしようよと私が言ったらね、理沙ちんがね…」 「理沙!あなたが犯人なの?!」 「あ、あの、フィギュアを売れば儲かるという話をしたのは確かに私だが、美希が…」 「美希!何を入れ知恵したの?!」 「わ、私がヒナを題材にすれば、ヒット間違いなしと…」 「ふ〜ん、そういうこと。三人の悪知恵の結果なのね!」 「でも、それだけじゃないぞ」と反撃モードの花菱。まだ話には奥があるらしい。 瀬川が話をつなげる「その話をもっと盛り上げた人がいたんだよ」 「それはだれなの!」とヒナギクが付きあげる。 三人はそろって「雪路!」。 「お、おねえちゃんがまた何か悪さをしたの?!」 「その通りだ。われわれがフィギュア計画を雪路に話したところ、雪路はこういった」と朝風は説明する。 「それなら、シリーズで売ったらどうだ、と。『ザ・生徒会長』とか言って、いくつかの種類を売れば、ひとりで何体も買う人が出てくるぞ、とな」 「おねえちゃんたら、もう!」 「にゃは、この制服バージョン以外にも、剣道着姿とか、水着姿とか、ベッドの寝姿とか、エプロン姿とか…」指を折って勘定しながら数多くバージョンを上げる瀬川である。 「もう!いいわ!」とヒナギクが叫ぶ。数え上げるのをピタッと止める瀬川。 「特に水着姿は『ペッタンコ』がヒナらしいと、各ブログですごく好評だぞ」と余計なことをいう朝風。しかし、ヒナギクの睨みつけるまなざしにそれ以上は言えない。 「で、全部でいくつ作ったのよ、わ、私の人形!」とヒナギクは花菱に聞く。 花菱は手帳を取り出し、ぱらぱらとめくって、目的の場所を見つける。 「ええと、十バージョンを企画して、いちバージョンあたり百万体作ったから、全部で一千万体!」花菱があっさりという。 えぇ?!と驚くヒナギクである。 「そ、そんなに作って売れ残ったら、あなたたちどうするの!」 「大丈夫だ、海外も販売ターゲットに入っている」 「海外も含めたって言ったって、市場は多寡が知れているでしょ!そんなことじゃあ、さばききれないわ!それで、在庫はどうなの、在庫は!山ほど残っているんでしょ!」 花菱は再び手帳をめくって、在庫状況を調べる。 「それも問題ない。昨日段階で全バージョンとも完売した。在庫は既にない」 さすが、天下無敵の生徒会長。海外でも人気は高い。 「そ、それで売上はどのくらいいったのよ」とだんだん恐ろしくなってきたヒナギクである。 「一体十万円だから、全部で…」瀬川が指を折って勘定を始める。 花菱が金額をヒナギクに言って話を締めくくる。 ヒナギクはその額にあきれて、ものが言えない。
「ハヤテ」長電話を切ってナギお嬢様がハヤテに話しかける。 「なんですか、お嬢様」 「一兆円の特需が関西地区を中心にあったらしい。おかげで大阪はいっぺんに景気がよくなった、と咲夜が言っているぞ」 「へえ、一体誰が資金投入したんでしょうね」 「さあ、そこまでは。ただ、おかげで大阪から中国向けの製造の増加とか、東南アジア・欧米の製品売り上げ向上が進んでいるらしい」 「それじゃあ、この不況は」 「ああ、この特需のおかげで、そろそろ市況も上向いてくるんじゃないか、とアナリストは予想している」 「へえ、そういうことなら、その特需を作った人に感謝しなければいけませんね」 「ああ、その通りだ」 「しかし、いったいその人って誰なんでしょうね」
2009年の世界同時不況は、無敵の生徒会長の活躍(?)によって解消されたのである。
☆おわり…あれ、終わらないの?
「あの、作者さん」 はい、なんでしょう、ヒナギクさん。 「世界のお役に立てたのはうれしいけれど、『わたしに瓜ふたつ』の人形とかいうのに対して、何回も言ってほしくはないんですけど」 何のことですか。 「この、」とページの前の方を指すヒナギク。 「『ペッタンコ』って言葉!」 言い終わると、作者に向かって正宗が振り下ろされる。
☆おわり…あれ、まだ続くのかな?
あいたた、今回は痛かった。次の不景気の際には、もうヒナギクさんは出せないな。そうだ、その時は牧村さんに助けてもらって、『ザ・生徒会長:オリジナル』とかいって、ちびっ子会長のフィギュアにするかな… 「手がすべりますよ」 うっ。いつもお屋敷にいるはずなのに、なんでこんな時に限って作者の後ろにいて、ちゃんと聞いているんだ… うぎゃあ!
☆今度こそ、本当におわり。
「ふえ〜ん、売り上げ、全部ヒナちゃんに没収されちゃったよ〜」 「お金が入らないだけじゃないわ。私なんか、ヒナに正座させられた上に、三時間も説教されちゃったのよ」 「これは、作者に対価を払ってもらわないとな、割に合わないぞ」 「そうだ、出演料をもらうべきだ」 こいつらにたかられたら財布の中身がいくらあっても足りないぞ。これは危ない。こっそり…逃げろ!
☆おわりったらおわり!
「おや、ヒナギクに怒られた後なのに、なんだか機嫌がいいな、ハムスター」 「うん、だって、ヒナさんたら、これの分は回収し忘れたんだもん」といって、隠してあったものを取り出す。 かの『ヒナギクそっくりの』ペッタンコ人形である。 「お部屋に飾っておくんだ」 「よかったですね」 「うん」とにこにこしながらペッタンコ人形に見とれる歩。 ちょうどその時、「ふう、何とか片付いたわ」とちょっと疲れた声とともに店の扉が開く。無敵の生徒会長、桂ヒナギクの再登場である。 反射的にパッと人形を自分の後ろに隠す歩。しかし今回もそれを見逃す生徒会長ではない。 「ねえ、歩、今後ろに隠したもの、なあに?私に見・せ・な・さ・い!」疑惑のまなざしのヒナギクが歩に聞く。 歩はおずおずとペッタンコ人形を差し出す。 「まだあったの!」 「うん、私の分だけ。ヒナさんの人形、お部屋に飾っておきたかったから…ごめんなさい」と半べそで謝る歩。 「しょうがないわね、ひとつくらい、歩なら、いいわよ」とヒナギクはため息を付きながら言う。 「そうか、それなら、私もいいんだな」とナギお嬢様。「ハムスターがよくって私がダメというのは理屈に合わないからな」 へ、とヒナギク。 「私のは剣道着姿だ」 「マリアさんのはエプロン姿って言っていました」 「伊澄には犬とお散歩姿のを送っておいたぞ」 「東宮さんは執事服姿のを大事そうにしていましたね」 「ワタルは教壇の演説姿のを持って帰ったぞ」 種類の差はあれど、白皇学院のおもな生徒は皆、ペッタンコ人形を持っているらしい。さすが、白皇学院の人気者である。 あれ、そういえばひとり足りないぞ。「ギクっ」 「ハヤテ君!」 作者の声を聞いてあわてて逃げようとしていたハヤテがフリーズする。 「まさか、ハヤテ君は、持って、い・な・い・わ・ね!?」 「その…ベッドの寝姿の…。そ、それしか残っていなかったので…」 「そ、それは、ダメ!!わ、私によこしなさ〜い!」 「わぁ!」ハヤテはあわてて扉から逃げ出す。 一瞬ののち、ヒナギクもどんぐりから飛び出す。
「あの、作者さん」 ぎく。 「『』が付かなければいいっていうものじゃないのよ!」 ブン、とうなり声を立てる正宗。
☆お、おわらせて…
「ねえ、歩、私のって本当にこんなに小さいの?」水着姿のぺったんこ人形を特に横からまじまじと眺めていたヒナギクは、ため息を付きながら歩にぼやく。 「ううん、もう少し大きいかな」と歩。 「そうだな、確かにこれほど小さくはないぞ」とナギお嬢様も同意する。 ヒナギクの表情が、☆★☆ぱあっと☆★☆、明るくなる。 「そ、そうよね!」と言って何やら決意した表情で「よし、掛け合ってくる!」 「何を掛け合ってくるの?」と歩が聞く。 「製造会社に掛け合って、もう少し大きくしてもらうの」 「それはやめた方がいいぞ、ヒナギク」とナギお嬢様が止める。 「どうしてよ?」 「フィギュアと言うものは、金型を作るのがとても高いんだ。作り直したら、とんでもない費用がかかるから、その会社が倒産するかもしれないぞ」 「そ、そうなの…それじゃあ、このままということで、あきらめるしかないわね」
『好評により、★生徒会長自ら公認のスリーサイズ★で水着姿バージョンの増産決定!』
「美希!!泉!!理沙!!ついでに、おねえちゃん!!!いるんでしょ!!出ていらっしゃい!!!!!」
☆も、もうこうなったら、行くところまで行くか… あれ、ついにネタ切れかな、よかった… えっ? プルプルプル… ぎく。 いきなり正宗が降ってくる。
☆や、やっぱり、おわらせて… 「だめよ。もうひとつあるでしょ」 「へっ?」
「そんなに浮かれていていいの、歩」と軽い笑みを浮かべてヒナギクは歩に問いかける。 ヒナギク人形を大事そうに抱えている歩は、何?という顔をする。 ヒナギクは後ろに隠し持っていた物を歩の前に差し出す。 「わ、こ、これって!」と思わず叫ぶ歩。 「へえ、これもいい出来ですね」とハヤテ。 「おお、そっくりだぞ、ハムスター」とナギお嬢様。 歩のスクール水着姿人形である。 「こ、こんな無謀なことして、いいのかな。というか、なんで私が???」 「前回が前回だから、今回は普通がいいんですって」とヒナギクが説明する。 「そ、そんなの、困るよ。はずかしいじゃない」 「安心して、歩。ちゃんと、美希たちには量産はさせないという約束をさせてあるわ。だから、この試作品だけよ」といって、ヒナギクはテーブルの上に歩人形を置く。 「あ、ありがとう、ヒナさん」といって、歩はヒナギク人形を自分の人形の横に置く。 「いいって。これで私の気持ちが分かったでしょ」 「うん」 「でね…」と言って、ちょっと言いにくそうなヒナギク。それを見てなんだろう、と思う歩。 「この歩人形、私がもらっていっても、いいかな」 「いいけど、どうして?」 「私も自分のお部屋に飾っておきたいから」歩に笑いかけるヒナギクである。 ふたりの人形は仲良く並んでいる。
「作者さん、ありがと」「どういたしまして」
☆おわり。
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