[37716] コードギアス 追憶のエミリオ MEMORY-10 ベラルーシ戦線 Ⅰ |
- JIN - 2017年10月01日 (日) 14時54分
ベラルーシ。別名「白ロシア」。
そこはかつて旧神聖ブリタニア帝国ないしユーロブリタニアとユーロピア連合の最正面前線でもあった地域。
当初はユーロブリタニアが制圧していたが「ミカエル騎士団の叛乱」事件の混乱と「スマイラス攻勢」により一時放棄。
ただしその後はブリタニア本国の介入とラウンズ投入などの梃入れによって再度の侵攻を開始。
兵力全体の不足のため再度の全体制圧は不可能であったが、一応はベラルーシの内部に一定の対峙線を構築する事に成功。
これによって少なくともロシア以東の制圧の安定は確保出来る事となる。
これが俗に言う「白ロシア戦線」であり、悪逆皇帝の死に至るまで維持される事となる。
悪逆皇帝の死後、同地域の処遇と帰属が改めて問題となるが、そもそも旧帝国の崩壊ならびに旧ユーロピア連合の解体などで、政治ならびに交渉上の主体がどこになるべきすらが恐ろしく錯綜かつ不明確であるため、現状維持が漫然と続く事となる。
おそらく最も無難な解決法は、旧帝国の崩壊と共に、北ユーラシアを占拠していた旧帝国勢力が穏便にベーリング海峡を渡ってブリタニア本国に撤収し、旧ユーロピアならびに中華連邦の体制が復古する事だったろう。
だが旧帝国勢力でも旧ユーロブリタニア系は長らく間借人扱いされていたアメリカ大陸に引き上げるのを良しとせず、また旧本国系にしても現体制に反感を抱く層は依然として動く気配を見せていない。
そして更に面倒なのは、占領支配されていたはずの北ユーラシアの現地住民たちが、占領者たちに対して一斉蜂起するどころか、むしろ積極的に彼らの残留を望んだという点。
これには様々な要素が存在するが、最大の要因は彼らに進攻される前の北ユーラシアの政治ならびに統治状況が極めて悪く、彼らの進攻によってむしろ大幅に改善された点が大きいと言われる。
そして旧帝国全盛時代、当時のユーロブリタニアの誰もがユーロピア本土への帰還を競い合う中、そうした彼らと逆に、むしろ地道な民生面を担当し、着実に後への基盤を築いていた男が一人いた。
その男こそ、後に「アーブを作った男」として歴史に名を残すティベリウス・リチャード・ハイランド。
そしてこれから語られる物語はいよいよその佳境に突入する。
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