[899]小役人
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2003年07月13日 (日) 18時52分
富士山様、お久しぶりです。もちろん覚えておりますよ、ただ最近本家(easyさんとこ)の更新頻度が少なくて残念なんですが・・・
ところで、長崎の事件に関して色々と思いをお持ちのようですし、それが小役人のそれと異なっているということは、少々残念にも思いますが一方で当然のような気もしております。 「なんでこんなガキに成長してしまったのか・・・」という点に着目し、そいつの背景やそうならないために前向きに考えようとする姿勢は、心優しき思考として、特に女性の方におかれては本能的優しさにもとづくもので、正常かつ正論なご意見であると思います。(嫌味とか全くなしにね)加えて、小役人の周りの女性はそうあってほしいと思いますね、決して「こんなガキなんか、処刑台に送ってしまえ」なんていう思考の女性とは、あらゆるところで個人的なお付き合いはしたくありませんし・・・・
ただ、小役人の正直な気持ちとしては、今回のような事件を踏まえて、それは社会が悪いであるとか、教育が至らなかったとか、そういったある意味正論っぽいものの、一方で具体性のない曖昧な議論をして、予防する手段を明示しない評論家どもにはうんざりしています。 また、日記にも書いた通り、今回のような事件は、少年法の趣旨を逸脱した「取り返しのつかない犯罪」であり、少なくとも現行法で規定する鑑別所⇒措置施設という、万引き犯などの軽犯罪少年や不登校や素行不良程度の更生を目指したものでは対処できないものでしょう。
更には、多くの教育上のまた社会的な不備を抱える現代社会なれど、今回のような「とてつもない出来損ない」が量産されているということではなく、恐らくは家庭内での環境や生まれついてのその人間の素養に著しい問題があったに過ぎないと考えられますし、そういった極々まれな例外の矯正に、その他多くの通常人まで巻き込んだ恐ろしく負担のかかる手間やコストを投入すべきか・・・・ということについては、賛成しかねる思いを抱きます。
結局は懲罰でしか異常人の行動を抑制することは出来ないのかもしれません、今回の少年を刑事罰に処せられぬのなら、今回のような問題を起こした人間が、いかに社会的差別を受け、職も得られず異性などとのまともな交際も叶わず、惨めで貧しく哀れな一生を送ることしか出来なかった・・・・といったことをドキュメンタリー番組として構成し、そいつを少年達に見せることが、現実的には最も効果的な手法かもしれませんね。
昔の村社会では、とんでもない悪さをしでかしたガキのいる家は村八分にされ、その地域では生きていけずに、家も土地も捨てて逃げるしかなかったでしょう。そのこと全てを良しとはしませんが、そういった必罰主義が戒めとなって強力な犯罪抑止力になっていた面は、評価せざるを得ないとも思っています。 そいつを否定し、若気のいたりについては罪を問わず、世間から隠してひっそりと矯正しようとしたが、微罪を犯したり素行不良であった青少年の多くが更生されたという功は生んだものの、犯罪抑止という意味では罪だったのではないでしょうか。
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