架空の時間を生きている
わたしは眠った未来に沈んでる
縄目で紋様をつけた土器を
休日につくった
焚き火のかおりがはこばれ
空がひとすじ切りつけられ
白く漂うものは煙か雲か
時間のなかで
綾なす光の交差
わたしは祖先のように無防備な
こころと体の一瞬を知る
鳥のような風が
肩を掠め
飛翔する時間
粘土質のように
柔かい赤子が
時間の炎に焼かれて
すこしずつ
骨組みも強固になってゆく
わたしは
土器のように固いからだを
草の枯れた土に横たえる
昔を記憶する細胞が
わたしのなかに動いたなどとは想わない
只
まっすぐに青さを見詰めると
わたしは
想わずにはいられない
稲の植えられた
あたたかい大地の夢と
豊作を祈る
人々の声を