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■ 想い出話
信じることを 恐れなかった日々終わらないと 永遠さえあるそう 思っていた あの頃は今 よりずっと 輝いていたよね今の私の欲するものが昔の私が全て持ってる気がした輝く記憶 綺麗な想い出『嘘』なんて必要なかった戻りたい そう思ってしまうのは私だけでしょうか
■ たんぽぽ
芽生えバターのひかり 溶けてわきいづる地のうえ 草のうえ地割れを留めるきれいなカフスボタンバターのひかり 映えるふっくらした手がのびるぽきん折るだめよ公共の場所でお花をとってはみしらぬひとにそっといわれるちいさい影ぽつんたんぽぽくさそれともはな電柱のとなりたんぽぽ春を見守るおとなしいあかるさたんぽぽくちずさみたくなるふくらみのある花のなまえおいでおいでアスファルトに舞い下りたバターのひかりしたたりおち花になった
■ 月
白く高く冴えた円振り仰げば冴え冴えとキーンと鋼を弾いたような張りつめた音のような凍りつく寸前の水の温度のようなその白い円はいつでも懐かしさを呼び覚ます誰も起きていないその時間の冴え渡る距離が遠く高く遙か彼方の月だけになら涙を見せてもいい
■
月はひともゆめも刻も幻想すら飲み込む夜の中で息をする月は街の中でそだちゆく
■ ABSOLUTE
もう一度君の名前を呼んだ舞い上がる羽何処にもいないよその腕が欲しくて 泣いたんだその声が欲しくて 泣いたんだ嗚呼 けれど 水鳥は暖かい場所へ行ってしまった私はもっと優しい人になれたらよかったのに
■ 水晶を眺めて
引きこまれるような空間ただ一つの小さな石にそれを思う透き通った石は僕の心など無視するかのように輝いていて・・・ある日僕は石にこんな事を言った「いつの日も変わらぬ光を放ち続けて ・・・すごいね」石は僕にこう答えた「これが,僕の存在を誇示できるものだか ら」
■ 忘我ヴィルス
連打してんの、知らぬ言語我を忘れた首は四方八方千切れとぶ電子になって空間いっぱい散らばってさっさと入ってって、内耳の曼荼羅へとぐろは解かれてゆく過程が美しいじゃないかホルマリンよりアルコールに溶けたいじゃないかスクリーンよ、幻滅よりは幻覚を下さらんか走馬灯などいらぬ、常に最新シネマを下さらんか苦しい欲しい、もっと光が音が激しい記憶喪失が、高笑いの頂点でそのまま止まって宣告は、そう、その後にして「残像 抜け殻 標本みたいな、沈黙」 2002.1.12.
曖昧な態度 曖昧な言葉不確定な未来に怯えるボク今日もキミからの呪文を待っているその一言が、ボクの明日を作るから
■ 冬
包み込む熱は 周囲を遮断して私を護ってくれる幽かに聞こえる音は何にも無いわけじゃないと証明してくれてる私が寂しくならないように傷つかないように空を舞う白い桜は手元で溶けてなくなってく心地よい風は擦り抜けて一体何処を目指すのだろう?
■ 青の風景
傷が癒えたあなた心は滑らかに窓枠のささくれもカーテンの乾きもつるりとすり抜けた探し物は何だっけ?ガラスが、溶ける、音凝らし過ぎた目から純粋がこぼれてゆく青が熱を捨てながら呆けていくので頬杖から頬が落ちたら耳の中でアルコールの宇宙が滴り始めたらねえ、私を散らかしてあげる散らかり方が足りない床へそこにかつての空き缶くらいは期待しながらそれでもいつか床下に青が沈んだらそのときには青のことは忘れているだろう2003.1.1.
■ 不感症な言葉
アナタがアタシに植え付けた嘘のつき方言葉は増幅する量産され、価値が薄れてゆく笑顔が扉を閉める開けかけた扉に鎖巻きつけて幾つもの錠がかけられる笑顔が…涙が…感情によって演出されたのか慣れや計算で作り出されたのか解らなくなってるアナタがアタシに仕込んだ嘘のつき方言葉は加速する類似して、見分けがつかなってゆく