あの唄は、大事にしてたものだった
大好きで、
アナタの歌った唄だから。
それにあなたの声も。
あなたの瞳、高い鼻、すらっとした背。
私を「守る」と言って抱いた暖かい腕。
私を「好き」というその口元。
私に言った「愛してる」の言葉。
あなたの中の私の記憶。
私が触れることの出来る肌。
みんな、みんな
消えちゃった
今までのすべてを否定するみたいに
存在価値が無くなったみたいに
一瞬にして、その秒の中のどれだけなんだろうか
私からアナタを連れ去っていった
残るものは、私の中のアナタの記憶と
たった一つのラブレター。
そして、私がただひとり。