TOPへ戻る
■
あなたが私の名前をおぼえていたならあの時の私は幸せだったのだとなぐさめにもなるのだけれど
■ 片翼。
ひいやりと恐ろしく冷えた頬は決して雨のせいでは無く塞ぎ止める術も無く洗い流される血と記憶…せめて身一つでどこまでもどこまでも一つにそれは半身の如く……
■ 青がキレイ
青空見上げた胸が晴れた雲なんてひとつもない様子青空見上げた瞳はパッとした澄んだ色に寄りかかるあたしゆらゆらぼんやり曇り空はとても美しい青に変わった青空に驚いた公園の真ん中で突っ立って何もせずにふわふわなびくそよ風はちょっとだけ冷たいけどとても心地良いものになったわぁ 青がキレイ・・・
■ 道
はじまりはどこだったのかと惑う線路沿いにあるけば着くだろうけれどわざとそれてみる終わりを知ろうとすれば道は意味の無い死への流れだから単なる道にも陽光がさしていて温みを知ったならばまっすぐにあるいて行けばそれでなんとかなるみおぼえのない景色にたちどまるすべて脈絡の無いものがたりの発端は歩き出したことにあったそれてみる歩いてゆく道は待っているわたしが休息をとるあいだも道は待っているほのかな海の香を混ぜて
■ 空 陸 海
誰のためでもなくただ自分のためだけに乗り越えて行きたい押し寄せる現状にめげず裸足になって傷だらけになっても進みたいと感じた方へ自分を信じて歩きたい大きい海へ投げ出されて初めて気づく夢…
■ 花と散る
その腕の中で世界の壊れる音が聴こえる咲き乱れることよりも手折られることをわたしは望んだ永遠へ続く刹那の入り口その腕の中で甘くまどろみ世界の終りを夢見てる
■ 愛情のカンチガイ
愛情のカンチガイをして、出来るだけ笑顔で居る。自分には出来ない事だと解っているから、下唇を突き出して見ていた。女の子達の黄色いお喋りは視界が狭まるのを促進させ、自分達以外見えない。独りで居るよりも、皆の中に居る事の方が寂しいと感じた。笑うのが辛くなったから自分の頭を黒く塗りつぶした。今日も愛情のカンチガイ。
■ NOタイトル
気持ちも考え方もやりたい事も思ってることも歩く道も歩いてきた道も見てきた景色も好きな色も好きな言葉もみんな人それぞれみんな違って当たり前同じには絶対ならない
■ 目覚め詩
どこからともなくそうどこからともなくまるで寝覚めのシャワーのように亜熱帯地方のスコールのように突然〈永遠〉は君に降り注ぐだろうざあざあざあざあざあざあまるで原始地球に数百年間降りつづけた原初の雨のように〈沈黙〉はただ降りつづけるその聴く者のいない沈黙の雨に打たれ君は君自身のすべてを忘れ去るそして君は君自身のすべてを思い出す
■ 銀色の予感とカーテン
いつか見た白い初夏の記憶は世界が回っているという日常に慣れっこになってしまったわたしたちにとっては確かに新しいひとつの予感であり銀色の予感であるところで震えるハートはあなたのものではなくわたしのものでもない夕方の薄く層になった青い空をうつくしいと感じるこころはあなたのものではなくわたしのものでもなくその空のものああ新しいカーテンを買いたい