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■ 11. 人形の夢
11. 人形の夢理由ない涙が両眼に揺れる。なぜだろう指でぬぐって見れば涙の中で花香りがひるがえる。ローズがほほ笑みをすれば花火がおこるのに私は霧色に窒息する。花は姿が思い出さないのに香りがあって悲しくして涙が痩せれば私は私の空間を夢見るのに目を開けば私の空間は見えない。反応の拒否がいる度にひどいひきつけがおこるのに異邦人の服を着た人形がみすぼらしい。私の胸に手を出せば心臓の鼓動音は聞こえないで… 冷い …私は生きているのだろう。理由ない涙がぽつりぽつりと落ちる。涙には確かに理由があるはずなのに …