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■ 月の海
月の海は明ける空の冷たさの中彼方探している透明な航路の終わりに姿勢の祈りの正しさだけが新しい悲しみに暮れる人の弱さを愛した人は許されることを許している君のようなここに碑は無く厳かな空だけが続いている吹きすさぶ風に一枚の着込みのシャツだけを冒涜の旗のように泣いている潮騒の完全な楽曲の流木の痛ましい先端の印象の果てしない追放と追放が濡れ髪の迷宮を貝殻を星纏う天蓋の轟音のような沈黙が抱き寄せた波打ち際の沈む靴をそのままにしてあらゆる飛沫の穏やかさと激しさのなかには闘争と愛が宿る