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■ 夜 わたしは
喉を痛めた 乾いた空気に疲れて 細く硝子をひらく。眼にしみる 肉眼でやっと見える星。夜わたしはすべてをまだやりおえない。花を飾った陶器の肌がはだかのまま さむい夜。わたしはこどもが眠るまで待っている。わたしの翼はたたんだまま。迷路のように潤む遠い街。わたしはここにいて何処かで電車がかけぬける音を聴いた。