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■ 午後
呼び寄せる金色の午後の風手をかざして日を避ける。舞いあがる帽子をやっと とりもどす繋がらなかった受話器をおけば、ようやく暮れる花に目を落とす其れはいつも気づかずにとおりすぎた空き地。うすべにの朝顔に似た花びらがふっとあなたのことばかりかんがえながら何故か揺れつづける花の色をずっと 覚えていたかった視覚で感じ取れるこの心情をすぐさま 分け合えないしんみりとした慕情をゆったりと歩く間もなく葡萄の薄い皮を広げたように、夕暮れと言う名前の世界が おりてくる