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■ 有限と無限。
無になりたいと。切に願うのです。時に。それでいて。足枷のように。何かがくるくると巡るのです。無になりたいと。誰かを傷つけるくらいならば。無に帰したいと。恐れは。いっしゅん。迷いは、いっしゅん。無になりたいと。切に願いながら。意識が。有であるがために。くるくると。足枷のようにまとわりついて。あたしを。無にはさせないのです。あたしは。まだ。有でいたいのだと。心のどこかで叫びつつ。いつまでたっても越えられない波に。無を。どこかで。焦がれているのです。無になりたい。それでも有でいたい。あたしは。あたしは…。ただそこに、大きな、大きな、温かな手が差し伸べられてくれる。それだけが。唯一の有であるが証拠なのです…。