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■ 鉄の感情
僕は以前あの感情を“鉄の感情”と名付けたあの感情を完璧に表現した言葉に未だ出会ったことがない鉄といっても光を反射するような光沢の有る鉄では無い錆びついてどこまでも貪欲に光を吸収するような鉄だ視覚的に表すならジャコメッティのあの細長い人像あれくらい細くあれくらいざらついててあれくらい孤独な形だだがあれでも駄目だあれは知的過ぎる鉄の感情はもっと熱を帯びた感情でもあるだからこうしよう“あの造形で、材質は鉄で、しかも錆び付き、長時間熱した後、いくらか冷ましたところの感情”これが僕が今思いつく限り一番近い僕の中では“鉄の感情”で通ってる“鉄の感情”それを僕は肌で知ってる呼吸のように自然に知ってる僕はそれをいつか忘れると知ってる