日本テーラワーダ仏教協会 質問&議論BBS

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生きとし生けるものが幸せでありますように。

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癌の宣告を受けた - ととろたん MAIL
私は定年退職後4年経過した64歳の男性です。身体には特に自覚症状もないのに、たまたまCT検査で画像に映っていたものから、さらに詳しい検査で調べていって、癌だと判明しました。
何で私がという気持ちは全くありません。60歳を過ぎたら、いつ癌を宣告されても不思議ではないと常に心にありました。だから診断されたときも、そんなに驚くこともなく、冷静に受け止めました。毎日、10分~15分くらいですが、瞑想をしています。欲(煩悩)を捨てるほど、気持ちは楽になると思っています。
今後、制癌剤を使った、多分つらい治療が始まります。今後、どのような気持ちを維持すればよいのでしょうか。 私は定年後なので、子供はもう大人ですので、その点は扶養しなけらばならないという心配がないのが救いです。妻も年金と私の残した預金で何とか生きていけるだろうと思っています。
私は生きたいという気持ちは強く持つべきでしょうか? 欲を捨てる方が気持ちが平静であるような気もします。スマナサーラ長老、どういう姿勢で過ごすべきか教えて下さい。
2017年05月22日 (月) 14時27分 No.3706
RE:癌の宣告を受けた - naagita(admin) MAIL
以下、スマナサーラ長老の回答を代理投稿します。

******************

肉体が病気に罹るか罹らないかは、真剣に考える必要はありません。すべての細胞に「病」という本質があるのです。それが無ければ、細胞は壊れることも、代わりに新たな細胞が生まれることも無いのです。「生・老・病・死」は細胞の本性です。その三つの働きが正常であるならば、一般人は悩むことはしません。生老病死の機能は、頻繁に故障して乱れることもあります。俗に癌という病気は、生老病死の生が乱れている、ということになります。正常に戻すことができればよいのですが、それほど簡単なことでもありません。生老病死の一つが異常になると、その影響は残りの三つにも入ります。肉体に執着している人間が病に罹ったら、必死になって治療しますが、これは決して勝てないモグラたたきのゲームのようなものです。

人間は細胞組織のために苦労を惜しまず生きるべきではないと思います。人間が解決するべき課題は、執着を捨てることです。執着を捨てることに成功すれば、解脱に達します。ですから、生きたいという気持ちを強く持つということは、正しいアプローチではありません。生きるか、生きられるか、死ぬか、などは我々の管轄外の問題です。細胞たちは本質である生老病死の流れで変化して、自分勝手に壊れて死を迎えるでしょう。正しいアプローチは、細胞たちは自分勝手な行動をするので、自分はこころを清らかにする、人格を向上するプログラムを実行することです。

現代人は、癌を発見するとひどく落ち込みます。癌に治療方法はないにも関わらず、ありとあらゆる手を打ちます。初期の癌なら攻撃して壊すことはできますが、年齢によって治療が間に合わない場合もあります。不自然な出来事が起きたわけでも、あってはならないことが起きたわけでもありません。生老病死を本質にしている細胞組織に、期待を抱いた私たちのアプローチが間違っていたのです。

これから正しいアプローチを説明します。「身体が病で壊れても、こころを健康に保つ」という理論で行います。癌に対する治療は、医者に任せてあげてください。自分自身で責任を持つ必要はありません。治療中は医者のアドバイスも看護師のアドバイスもよく聞いて、わがままな振舞いをやめます。医者と看護師たちは、肉体という機械のメンテナンスをするプロであると理解する。そのプロたちに、こころのメンテナンスはできないので、それは自分でやる。人の努力は成功したり失敗したりします。希望通りにならないこともあります。それは肉体のメンテナンスの場合も、こころのメンテナンスの場合も同じ現実なので、落ち着いて精進しましょう。必ず成功しなくてはいけない、という人間のすごい執着心から生まれる、妄想概念にとらわれないようにしましょう。

「肉体は自分のものではない」という観察を実行しましょう。身体に起こるさまざまな感覚、さまざまな変化、変動する体調などを言葉で確認することにしましょう。「私に痛みがある」というのは、間違った観察です。「この肉体に、いま痛みが起きている」というのが、正しい観察です。体力があるうち、歩く冥想を実践する。坐る冥想の実践もやったほうがよいと思います。10分、20分程度では、足らないかもしれません。時間を徐々に伸ばすか、回数を増やすか、どちらかにしなくてはいけないのです。身体の調子が悪化して、ベッドで過ごすことになったとしても、実践はやめるべきではありません。その時も、「この肉体は、私のものではありません。私の希望どおりに動くものでもありません。私に幸福を与えるものでもありません。悩み苦しみを経験させる機械なのです。身体は瞬間瞬間、変化してゆく。感覚も瞬間瞬間変化してゆく。どんどん楽になる流れではなく、どんどん悪化して、死で終わる流れなのです。」このようなアプローチで、身体の変化を言葉で確認する作業を行ってほしいのです。このプログラムは、誰でも必ず迎える死が起こる前に、解脱に達する方法です。

身体とこころを観察するヴィパッサナー実践がうまくできない時もあります。その時は、こころを慈悲の気持ちで満たすように、慈悲の実践を行ってみてください。ヴィパッサナー冥想とは、形式的な冥想ではありません。身体の変化と感覚の変化を観察するプログラムが、ヴィパッサナーです。「病気に罹ったおかげで、真理を発見して、真理に達することができました」と、歓喜することができるようになると思います。

三宝のご加護がありますように。
スマナサーラ

****************
2017年05月25日 (木) 22時12分 No.3712
22年前にガンにかかりました。 - 大西亥一郎 MAIL
 ガンの程度がどのようなものか不明ですが、スマナサーラ先生の言われるとおり、治療はお医者様に任せて、瞑想を実践されればいいと思います。

 私は22年前48歳の時に胃ガンで胃の三分の二を切除しました。当時は無宗教でした。県立がんセンターの屋上で、朝日に向かって「いままで生かせて頂いてありがとうございました」「でも、もし可能ならもう少し生きたいと思います」と祈ったのを覚えています。

 あまり生に対する執着はないようでしたが、それでも「生きたい」と思っていたようです。

 退職後、佛教大学で、仏教一般や念仏を学び、マインドフルネス、テーラワーダを勉強しました。

 2年前に妻が胆管ガンで59歳で逝きました。テーラワーダは勉強しだしたところで、妻には「生きとし生けるものが幸せでありますように」とだけ唱え、また唱えさせました。

 無常だが縁生の真理、私は「生」に執着せずなんとか、死ぬまでには預流果に達したいと思います。毎日、おつとめと瞑想は欠かしておりません。

 いま生が断たれるかも知れませんが、残された人生を善く生きることに努めたいと思っています。

 大変とは思いますが、どうぞ毎日の心を見つめ、「慈経」にあるように、「慈しみの心に」満たされることを祈っております。

 もちろん、ガンがよくなることも祈っておりますが、それに執着せず、毎日を温かい心持ちでお過ごし下さい。

 自分がガンにかかり、妻も逝きましたのでつい書き込みしました。失礼の程はお許し下さい。

 
2017年05月31日 (水) 13時26分 No.3716
やれること - ボン
ここで質問されても仏教的な回答になる。
それは当然だと思います。

私の叔父は長く前立腺がんを患い、闘病してました。
抗がん剤のつらい副作用にも悩みました。これはどのがん患者も同じです。

私のいとこ、つまり叔父の娘さんは自分で色々な医療機関を調べました。
その中である病院で与えられた抗がん剤が「当たった」のです。

叔父の腫瘍マーカーは下がり、がんは落ち着いてほぼ治ったような状態になったそうです。
今は家族と安心して暮らしています。

私はこういうことが大事だと思います。
まず調べる。そして自分に合った抗がん剤を試すのです。
それが一番の選択肢だと思います。

仏教を否定するわけではありませんが、仏教者に質問しても仏教的な答えしか返ってこないです。
でも本来がん患者がやるべきことは自分に合った治療を探し試すことではないでしょうか。
叔父はそれで成功しました。

慈悲の瞑想も結構ですが、それは私は万策尽きた時の最後の手段だと思います。
できることは全てやってみてはどうでしょうか。

慈悲の瞑想はそれに平行してやればいいと思います。
慈悲の瞑想をあきらめの言い訳にしてはいけないのではないでしょうか。

生意気なことを言ってすみません。
2017年06月01日 (木) 13時50分 No.3717


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