当時ほとんど邦画は観ず洋画ばかり観ていました。
もちろん雑誌やＣＭなどで或いは映画の広告など
タイトルを覚えている映画はたくさんあります。
「青春の殺人者」のＤＶＤを見つけ購入
初めて鑑賞致しました。
重苦しい題材をリアルに極端に映像化して
娯楽としてその場限り楽しむ映画ではなく
もしも　その時？自分だったら？
強いヒーローでも悪党でもなく　誰もが陥ってしまいそうな
そんな想定の映画、、そんな時きっとそうなるかも？
人間の　自分の心に問い掛けて　自分はそうならないとは言い切れない・・・
水谷豊の演技も素晴らしく感じた。
市原悦子演じる母親も　あの状況であったら
ほとんどの人が　ああなるのかも？
気取って自首を勧めるとか　死んだ夫に泣き崩れるとか
そんな行動より　はるかに現実的かもしれない・・
当時　同世代としてこの映画を観たらどんな感想を持っただろうか？
主観的でなく　客観的に観られただろうか？
都合の良い嘘　望通りにならない世の中等など
怖い映画　人間の心の弱さ醜さ怖さを改めて知らされたような映画であった。

現在の世の中の方がはるかに怖い
人を殺すという行動は　抑制力があり現実に出来ないようになっているが
それぞれの安全弁は　いつどんな時に外されるわからない・・・
しかし　今　その安全弁は不良品になっているのだろうか？
安易に人を殺し過ぎる・・・それも弱者を・・・
殺した先の苦しみを想像する事がないのだろうか？
殺人を犯してしまった人のその後の苦しみを描いた映画が少ないのでないのでしょうか？
映画の受け止め方が変わってしまったのだろうか？
奇麗事で人を殺す　そんな美化しているような・・
すぐ元に戻れるような・・あるいは他人事のような殺人
この映画を観て　人を殺せない・・そんな気になれない・・・
そう思ってくれる人がどのくらいいるのだろうか？
現代社会に・・・・そんな新たな恐怖心さえ溢れてきた映画であった。
原田美枝子の綺麗な裸体もストーリーの中にあって決して浮き出していないのも映画の出来栄えなのでしょうね（＾０＾）